出典: Technical Readout: 3085
ウォーハンマーIIC8
重量: 80t
シャシー: SFX−80 エンドー
パワープラント: タイプ79・400XL
巡航速度: 54km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: フォージングZM15 フェロファイバー
武装:
2×ゼータ・シリーズ プラズマキャノン
2×シリーズ4D−2 ヘビー大口径レーザー
2×シリーズ2b ER中口径レーザー
1×タイプVI SRM6ストリーク
製造元: 補助製造拠点#4、トレルシャイア・ヘビーインダストリーズ
主工場: DSS“ポセイドン”、トワイクロス
通信システム: TDWS−37・Mk2.2
照準・追尾システム: “ヘパイストス”CT−44
ウォーハンマーIIC8 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 ヘビー大口径レーザー プラズマキャノン 弾薬(プラズマ)10 ストリークSRM6 弾薬(ストリーク)15 ER中口径レーザー ヘビー大口径レーザー プラズマキャノン 弾薬(プラズマ)10 ER中口径レーザー |
部位 右腕 右腕 右腕 右胴 右胴 右胴 左腕 左腕 左腕 左銅 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
クラシックなウォーハンマーの氏族版は、決して微力ではない存在であり続けている。彼等の超先進的な技術も、最前線の打撃機としてのこのバトルメックの役割を強めて高めるだけであった――そして、重量を10t増加した事(それに伴い装甲防御も増加した事)は、それを更に強力な存在へとしたのであった。
それ故に、ダイヤモンドシャーク氏族が自らのそれの新たな型――火力が充実しておりそれ以前の如何なる型よりも高速であった――のマーケティングをした時、中心領域の人々は姿勢を正して注目をした。
性能:
このウォーハンマーIICの8番目の型は、ダイヤモンドシャーク氏族の先代のIIC3型の改良型である。その型と同様に、それの主兵装は、(命中率が悪く射撃時の発熱が大きいが)凄まじく有効である2基のヘビー大口径レーザーである。しかしながら、それは照準コンピューターとパルスレーザー群をプラズマキャノンとER中口径レーザー、ストリークミサイルパックというよりバランスの取れている副兵装に置き換えている。この事は、この新型ウォーハンマーに獰猛な攻撃力と戦闘に於ける多大な戦術的柔軟性を与えている。
このウォーハンマーIIC8の文字通りの心臓は、高い評価を受けているフェニックスホークIICに使用されているものと同型である、巨大なタイプ79・XL核融合プラントである。このメックは依然としてジャンプができない一方で、この巨大なパワープラントはその地上速度を騎兵レベルにまで高めており、それにその火力の強みを活かす事を可能にさせている。このアップグレードに於いてそれは1基の放熱器を失っているが、慎重なパイロットの操縦で以てそれは強烈な分量の火力を容易に保持する事が可能である。
これらの改良の代償は、比較的軽微なものである。このメックは以前の型よりも搭載している装甲が若干少なくなっているが、それは慎重にバランスが取られており、実質的な防御の低下は最小限になっている。このウォーハンマーIIC8はまた、そのプラズマ兵器とミサイル兵器用の弾薬を少ない数量(それぞれ2分間の持続的な射撃に足りない量)でしか搭載していないが、その印象的な補完のレーザー群はその問題をかなり軽減している。“弾薬が枯渇した”時でも、このバトルメックは如何なる重量等級の対戦相手も十二分に痛め付けられるのである。
配備:
このウォーハンマーIIC8は、今や中心領域に於いて最も広く流通している氏族バトルメックとなっている。中心領域の主要勢力の全て、氏族、そして主要な傭兵部隊の多くが、これらの印象的な機体を配備している。それは辺境に於いてのみ稀少な存在である――印象的な存在であると同程度に印象的であるその価格は、それらの辺境国家群が是とするには余りにも過大なものであったのである。
“聖戦”の末期、この型はマネイ・ドミニに対するハンターキラーとして著しい成功を収めた――ECM機器を搭載しているメックとペアを組んだ時には、特に(例えば、ゴーストベアー氏族はウォーハンマーIIC8を自らのマローダーIIC7と共に3機と2機という星隊編成で配備した) その複数のヘビーレーザーの恐るべき打撃力はそれが戦う事となったヴァプラの設計機群と容易に伍するものであり、そのプラズマキャノンはメックと(別の方法では撃滅が困難である)マネイ・ドミニの歩兵部隊に対しての熱攻撃に使用する事もできる。
派生型:
スノーレイヴン氏族は、3079年にウォーハンマーIICの独自の新たな型を登場させている。シャドウホークIIC7(これは実際には1年後に開発が為された)と同様に、そのウォーハンマーIIC7は真空での戦闘用に設計されている。その装備構成は原型機のWHM-6R型に似ており、それは多数の種々のパルスレーザーとERレーザー、追加の1基の6連アドヴァンスト・タクティカル・ミサイルシステムに支援された2基のER PPCを持っている。それはまた、持続的な宇宙作戦行動用に2つの燃料(推進剤)タンクを搭載してもいる。
ダイヤモンドシャークとスノーレイヴン達は、“聖戦”の初期に余り好評を博せなかった派生型を配備している。そのそれぞれは、大口径のハイパーアサルト・ガウスライフルを中心に据えて製作されている。それらの内、ダイヤモンドシャークのIIC5型は中心領域の全域に姿を現しているが、IIC8型よりもその数は少ないものとなっている。一方、スノーレイヴンのIIC6型は外世界同盟とゴーストベアー氏族でのみその姿が見かけられるものとなっている。
著名なメック戦士
メック戦士:ジェイソン
辛うじて地位の神判を突破した低水準のパイロットであるジェイソンは、極限状況テストパイロットとしてダイヤモンドシャークの科学者階級に引き渡された。彼の通常業務は、メック――大抵は安全装置が切られたもの――を危険な環境に踏み込まして、そこで死なないようにする事であった。何年にも渡り彼がそれに成功し続けている事は、彼の強力な生存本能もしくは彼の持つ相当な運の良さの何れかを証明するものである。彼が割り振られた最新の任務は、惑星“デヴィルズ・ロック”の解放の最中に使用された特別なアブレーティヴ・シールディング(注:アブレーション(融除)によって熱が内部構造に伝わるのを防ぐ被膜)の製品実験の検証であった。彼は、防熱装甲をテストする為とシャットダウンまでの間にその兵器の射撃をどれだけ継続できるのかを調べる為に、ウォーハンマーIIC8を溶岩流に入れた。しかし蓋を開けてみると、その最初の斉射が彼のSRM弾薬の爆発を引き起こし、テストを初期段階で終わらせる事となった。そして、彼に約3/5となったバトルメックの残り――その殆ど役に立たなかったアブレーティブ装甲は溶融物質の川となって流れていってしまっていた――と共に降下船へ帰還する事を強いたのであった。
私的解説:
ウォーハンマーIICは、氏族の間で最も尊重され重用されている非オムニメックの1つです。“聖戦”の前後にダイヤモンドシャーク(シーフォックス)氏族がこれを手広く販売をした事から、中心領域にも結構な数が普及しており各勢力の軍の主力機ともなっています。そして、その強さは疑問の余地がないもので、ダークエイジでも大いに活躍しています(小説では、どちらかというと、やられ役が多い様な気もしますが) 今後の行く末も楽しみな機体と言えるでしょう。
バトルテック・ボードゲームに於いては、ウォーハンマーIIC8は汎用性の高い機体だと思います。そのプラズマキャノンは一部の例外を除き歩兵部隊やヴィークルにかなり有効な兵器であり、熱を与えられる事から対バトルメック戦闘に於いても相手の計算を狂わせる事ができる兵器でもあります。また、そのヘビー大口径レーザーは最強格の威力を持つエネルギー兵器で頼もしい存在です。ただ、ウォーハンマーIIC8は高性能ですが兵器構成が中距離戦闘向きのものに偏っていますので、それをカバーする手段がないと相手によっては苦しい戦いを強いられる事になるかも知れません。小隊を編制する際には、ウォーハンマーIIC8を補える僚機を選びたい所です。