出典: Technical Readout: 3039
VTR-9B ヴィクター
重量: 80t
シャシー: ヒルドコ・タイプV
パワープラント: ピットバン340
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット: ヒルドコ・モデル12
ジャンプ能力: 120m
装甲板: デュラレックス・ヘビー
製造元: ヒルドコ・インタープラネタリー、インデペンデンス・ウェポンリー
主工場: セントアイヴズ(ヒルドコ)、クエンティン(インデペンデンス)
通信システム: オプスIII・ハイビーム
照準・追尾システム: マランドリー34
VTR-9B ヴィクター 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 AC/20 弾薬(AC)15 2×中口径レーザー SRM4 弾薬(SRM)25 ジャンプジェット ジャンプジェット ジャンプジェット |
部位 右腕 右胴 左腕 左胴 左胴 胴中央 右脚 左脚 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
このVTR-9Bヴィクターは、元々は2510年に地球帝国との国防契約の下で作られたものである。ジャンプ能力を持った支援メックと見なされたこのヴィクターは“再統合戦争”に於いてSLDFで使用が開始され、この設計機は後には星間連盟構成国でも利用可能な存在にされた。
性能:
強襲型メックの多くとは異なり、このヴィクターはジャンプ能力を持っている。経験不足のメック戦士達はかような巨大なメックがジャンプ可能であるとは予期せず、彼等がヴィクターと遭遇した際にそれは彼等に破滅をもたらしかねないものとなっている。
そのポンティアック100・オートキャノンは、ヴィクターに強力な火力を提供しいる。そして、その幾つかのモデルには給弾問題があるのが報告されているが、それは広く生じているものではないものの様である。ヴィクターの左腕にはその近距離兵器の主要である、2基のソレンシュタインV中口径レーザーが取り付けられている。これらのレーザーは、近距離火力支援用にホリー 短距離ミサイルラックによって補強されている。
このヴィクターは元々はスタンダス20追尾システムを装備させられていたのであるが、存在しない目標をそれが表示する傾向がある為にそれは交換されている。
配備:
ヒルドコ・インタープラネタリー社のヴィクターの製造ラインの3つ全てが破壊された事により、このバトルメックを製造する能力を持つのはインデペンデンス・ウェポンリー社のみとなった。その結果として、ヴィクターの大部分は恒星連邦にてその姿が見掛けられるものとなり、そこにてそれらはAFFSの強襲型メックの1つかつ大隊/連隊指揮官用の人気のある搭乗機であり続けている。それ故に、惑星“クエンティン”とインデペンデンス・ウェポンリー社が失陥した事は、重大事であった。そして、この損失は、恒星連邦にセントアイヴズ協定内の再建されたヒルドコ・インタープラネタリー社の工場からヴィクターを購入する事を強いた。
ダヴィオンのアヴァロン軽機隊は、第2次継承権戦争の最中に自分達のヴィクターをリャオ家に対して有利に用いた。そのジャンプ能力で以て、ヴィクター達は惑星“ウェイ”や惑星“レッドフィールド”の山岳に於いては彼等より重武装で重装甲の強襲型メック達よりも危険な戦闘機である事を証明したのである。軽機隊のパイロットと士官達の幾らかは、ヴィクターを尚も使用している。
アヴァロン軽機隊のヴィクター達は、後の3012年に惑星“ライト”にてリャオのメック群と交戦した。数機のヴィクターで構成された軽機隊の1個攻撃小隊は、軽量級メックの2個偵察小隊と遭遇した。そして、そのヴィクターのジャンプ攻撃とオートキャノンは、それらの2個小隊を数分で残骸へと変えた。
ドラコ連合は今や新たなヴィクターの供給ラインへのアクセス権を持っているのであるが、彼等はそれを控え目に配備している。誇り高きクリタのサムライの多くは、自分達の伝統的な敵と密接に結び付いているかの設計機を操縦するのを拒否しているのであった。
セントアイヴズ協定の離脱の中、セントアイヴズ槍機兵隊はヴィクターをその重小隊の主力として使用している。
派生型:
SLDFの正規連隊にて使用されたこのヴィクターは、近衛部隊用に制限されていた先進的な地球帝国技術を装備させられる事は決してなかった――しかし、この事実は、このより旧式のバトルメックが継承権戦争を通して維持されるのを可能にしたのであった。
初期のVTR-9A型――精密な対歩兵兵器システムの砲列で以て武装されたユニット――の幾らかの型が、最近になり姿を現している。これらの型の幾つかは、支援メックとしてのヴィクターの役割はそれに歩兵との交戦をもたらし続けるのではないか、と技術者達が考えた事により作られたものであり、故にそれらは9B型の装甲を2基の火炎放射器やマシンガンに置き換えたものとなっている。
また、1基のホリーSRM6ラックを持つ改修型ヴィクターというユニークな例が、第3次継承権戦争の最中にライラ共和国内で姿を現してもいる。
著名なメック戦士
ラムゼー・ドナル中尉
現在、中尉であるドナルは、第12ヴェガ特戦隊の攻撃小隊にて働いている。彼のメックはまずまずの状態であるが、そのホリー・ミサイルラックは惑星“トリポリ”にてクリタのウォーハンマーと近距離で戦闘して以来射撃に問題を抱えている。
デビー・マルグル大尉
この有能なメック戦士は現在はヘルマー・ヴァラセックによって雇用されており、彼は彼女に1個重偵察小隊の指揮権を与えている。彼女のヴィクターは、9A型である。彼女の経歴と彼女がこの稀少なメックを獲得した方法は不明であるが、彼女の技量は非常に優れているという評判である。
アーダン・ソーテック元帥
“狐”のハンス・ダヴィオンの竹馬の友であるソーテックは、かの国王の側近グループの信頼されるメンバーでもある。熟練した狡猾な戦士であるソーテックは、自機のヴィクターから最高のパフォーマンスを引き出す――そして、しばしば、その強襲型メックのジャンプ能力で以て対戦相手を驚かしている。
3025年の惑星“シュタインズ・フォリー”の解放の最中、ソーテックのオートキャノンは泥が詰まり動かなくなった。その火力の大部分が奪われたのであるが、それにも拘わらずソーテックはリャオの2機の重量級バトルメックを撃墜する上で助けとなった――しかも、その内の1機は大胆な“飛び降り攻撃”で以て。
3027年にライラ共和国に派遣されている最中、ソーテックはケル・ハウンドと共に第2光の剣連隊の部隊と戦った。そのクリタのオウサムと彼の一対一の決闘は、機動力が素の火力に勝るという模範例であった。
私的解説:
ヴィクターは歴史あるメックで、SLDFの正規部隊が使用したのを皮切りに各国にも供給されて普及します。星間連盟時代でも先進技術によるアップグレードの対象には余りされなかった為にヴィクターは低技術機のままでしたが、それが逆に幸いして継承権戦争を生き延びる事に成功します。
星間連盟崩壊後は、その生き残った製造工場の位置の関係でヴィクターはダヴィオン家と密接に絡んだ印象を持つ機体となります。この所為で、元々はグローバルな機体なのにヴィクターは一部の国では使用するのに精神的な問題が些か生じる事になります(しかし、実用主義的な人物は周囲を気にせずにヴィクターを使用していた様です。3025年代のドラコ連合でも、とある高級士官が平然とヴィクターを使用していた例もあります) この精神的なしこりは、ヴィクターの対氏族戦での活躍等々で3060年代には解消されます。そして、ヴィクターは受け入れられ、ダークエイジでも各国でその改良型が使用されています。
ゲームに於いては、ヴィクターは強力な近距離ファイターです。そのジャンプジェット装備のお蔭で、乱戦でも小回りが利きますし、敵メックの背後も取りやすいでしょう。ただ、ヴィクターは、遠距離攻撃能力が皆無です。それを投入する戦場は、良く考慮する必要がありますね。