出典: Technical Readout: Golden Century

VQ-1NC ヴィジョン・クエスト

重量: 60t
シャシー: エンドーフレーム・ブリム−8
パワープラント: モーティヴX・300XL
巡航速度: 54km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: ハードシェル・クラス−I フェロ

武装:
  1×カウモダキ インプルーヴド・ガウスライフル
  2×シーファイア クランER大口径レーザー
  3×エクリプサー 中口径パルスレーザー

製造元: ブリム・アイアンワークス
   主工場: ブリム
通信システム: ノヴァキャット・コムズ・パッケージA
照準・追尾システム: プレイストーカーTTS5.4

ヴィジョン・クエスト
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


中心領域混合

エンドースチール
300XL



12[24]


188(フェロ)

重量

60.0
3.0
9.5



2.0
3.0
3.0
10.5


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値

20
14
10
14

装甲値

28/9
21/7
20
23

武器・弾薬

種別
インプルーヴド・ガウスライフル
弾薬(ガウス)16
2×ER大口径レーザー(C)
3×中口径パルスレーザー
部位
右腕
右腕
左胴
左腕

装備欄数



重量
13.0
2.0
8.0
6.0


概要:
 2828年に登場したこのヴィジョン・クエストは、サンドラ・ロス族長の事績と、彼女が予知したノヴァキャットと総体としてのケレンスキーの氏族の双方の未来に対して捧げられたものである。それに相応しく、このメックは黄金世紀とそれ以降には軍事的強みよりも霊感の方をノヴァキャット達に与えるものであった。

性能:
 ロス族長の事績を称える事を意図していたものではあるが、実際の所は、このヴィジョン・クエストは些か平凡なメックである。最初の氏族スペックのER大口径レーザーを搭載したにも拘わらず、それはその戦場での価値よりもその象徴的な価値の方により多くの目が向けられたのであった。それでも、このヴィジョン・クエストは堅実なワークホースであり、それは疑いもなく防衛線を支えたり積極的な突撃を食い止めたりする事が可能である。

配備:
 このヴィジョン・クエストは、その最高の地位を、主としてフィリップ・ドラモンド族長の行動のお蔭で獲得した――大評議会の会合の最中にスモークジャガー副族長リアム・イスミリルがノヴァキャットとサンドラ・ロスについて名誉を傷付ける言葉を発言したのに応じて彼がイスミリルに不服の神判を挑んだ際に、彼はこのメックを選んだのである。戦闘にて自分よりも若い戦士と向き合う事となったドラモンドは、当初はその戦闘に於いて低調であった。しかし、かの族長は巧妙にもイスミリルの過信を巧みに操っていたのである――ドラモンドは自機の大口径レーザーを敵手の背部装甲に貫通させる事を為し遂げて融合炉の致命的な破壊を引き起こし、その神判に勝利した。この勝利はそれら2つの氏族の間の不和を永続的なものにしたのであるが、ノヴァキャット達が抱いたその誇りは黄金世紀が終わるまでの間中、彼等の活動を推進させていった。
 ヴィジョン・クエストの氏族技術によるその派生型の登場は、黄金世紀中にかのメックに幾許かの寿命を与えるものであったが、オムニメック技術の到来は僅か数十年間の使用後にはそれを段々と脇へ追いやっていき、それによりそれは最も補給が不足している星団隊にのみ減りつつある機数で以てその姿が見掛けられるものとなった。他の氏族達の中では、バロックとスノーレイヴンのみがこのメックに対して何らかの興味を示すものであり、それさえも31世紀には衰えていた。ノヴァキャット達の間では、彼等の中心領域の移住に於いて1機のヴィジョン・クエストのみが生き残る事となった。
 ドラコ連合に対するその失敗に終わった反乱の最後の日々、惑星“イレース”で攻囲されたノヴァキャット達は自分達に集められる限りの戦争機材のあらゆるスクラップを活用した。自機のケーヴライオンを下方から撃ち抜かれた後には、ジャカリ・ノストラ族長は、自分のエゴの為に活動中の如何なる戦士のメックを奪う事も望まず、指揮所から最終戦闘を指揮するつもりであった。しかしここで、ノヴァキャットの技術者達の一団は、彼女に予想外の贈り物、フィリップ・ドラモンドのオリジナルのヴィジョン・クエスト――300年以上に渡り名誉ある遺物かつノヴァキャットの中央遺伝子貯蔵所の守護者として維持されていたものであり、今や修復されて再び戦闘可能な状態に戻されていた――を、プレゼントしたのであった。ノストラ族長は、遥か過去のその先任者がかの氏族の者達を奮起させたのと同じ操縦席からノヴァキャット達の最後の抵抗を率いた――他の全てのメックに対して格段に劣っていたのではあるが、彼女の不屈さは彼女の戦士達を鼓舞して更なる高みへと至らせた。ノストラ族長は、屈服をしていないノヴァキャット達のトゥマンの生き残りに取り囲まれ、中央貯蔵所の扉の前に傲然と屹立する姿が最後に目撃されているものである――ドラコ連合の戦闘機連隊が核の炎でその場所を完全に抹消する前に。


派生型:
 その登場から僅か4年後、ヴィジョン・クエストは氏族技術標準に一新され、その装甲は増強されそのインプルーヴド・ガウスライフルはクラス20・ウルトラオートキャノンに換装された。そして、スノーレイヴンとの提携でヴィジョン・クエスト2が製造されるまでは、この型が30年以上に渡りその標準となった。その型(ヴィジョン・クエスト2)は、(普通に過ぎる趣ではあったが)ガウスライフルを元に戻し、パルスレ−ザーをER小口径レーザーに交換している。また、メックの熱許容量を増大させると共に当時は比較的新型であった照準コンピューターも追加されている。

著名なメック戦士
メック戦士:トレン
 惑星“ゲートキーパー”での所有の神判の最中にバロック達が1個星隊のヴィジョン・クエストを戦闘に参加させた事に個人的に腹を立てたこのノヴァキャットの戦士は、スターキャプテン:フランキエ・コルスティンに対して戦場での挑戦を申し入れた。その2人共に同一の氏族技術のヴィジョン・クエストを操縦していた事により、その戦闘は互角に推移した――トレンのレーザーの幸運な一撃がかのバロックのメックの弾薬を爆発させ、かのメックを完全破壊するまでは。そして、この個人的な勝利こそが、その神判全体の転回点になった事が明らかとなり、トレンはアットウォーターのブラッドネームの次の戦闘会への後援を得る事となった。しかし残念な事に、その成功はトレンを自信過剰にさせてしまい、ブラッドライトの神判の第2戦に於いて彼は危険な機動を試みて自らの命を失ってしまったのであった。




私的解説:

 ヴィジョン・クエストはノヴァキャット氏族の最初の独自開発メックであり、氏族技術/規格が完全に花開く少し前に登場した機体でもあります。それ故に、それは中心領域技術と氏族技術が混淆したちぐはぐさを有しているのが面白く、また、氏族メックには珍しく機体の型式番号が判明しているのも興味深いものでしょう。残念ながら、ダークエイジあたりだとヴィジョン・クエストを辛うじて持っていそうのはスノーレイヴン氏族のみで、それを戦場で目にする事はまずないと思われますが。

 ヴィジョン・クエストは叙事詩的な勇戦を行い、その氏族の最期を看取ったメックです。些か平凡であるとの評価がされていますが、遠距離での射撃戦に優れており装甲も十分に保有しておりボードゲーム上では手堅く活躍できる存在でしょう。その歴史に相応しい戦闘をさせてみたいですね。

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