出典: Technical Readout: 3150

UCU-F4 スケアクロウ

重量: 40t
シャシー: コリアン・モデル000 エンドーコンポジット
パワープラント: GM200XL
巡航速度: 54km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: ローリングズ80
ジャンプ能力: 90m
装甲板: スターガードIII with CASE II

武装:
  3×エクソスター・ピナクル(クランテック) 射程延長型中口径レーザー
  2×オミクロン950 中口径パルスレーザー
  8×GMウルトラライト(クランテック) ライトマシンガン
  2×コリアン・バレットストーム(クランテック) マシンガン・アレイ
  2×ジッポー・ロングトーチ 射程延長型火炎放射器
  2×フェデレーテッド・マントラップ アンチ・バトルアーマーポッド

製造元: コリアン・エンタープライゼス
   主工場: オーガスタ
通信システム: アーケルナル・エレクトロニクスHID-13タイトチャンネル
照準・追尾システム: フェデレーテッド・ストーカー with ブラッドハウンド探査装置

UCU-F4 スケアクロウ
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


中心領域混合(エクスペリメンタル)

エンドーコンポジット
200XL



10[20]
(コンパクト)

128

重量

40.0
3.0
4.5



0.0
3.0
3.0
8.0


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値

12
10

10

装甲値

18/5
14/5
11
18

武器・弾薬

種別
ER中口径レーザー(C)
中口径パルスレーザー
4×ライトマシンガン(C)
ライトマシンガン・アレイ(C)
弾薬(ライトマシンガン)100
CASE II
ER火炎放射器
ER中口径レーザー(C)
ER火炎放射器
ブラッドハウンド探査装置
ER中口径レーザー(C)
中口径パルスレーザー
4×ライトマシンガン(C)
ライトマシンガン・アレイ(C)
B−ポッド
B−ポッド
カメレオン偏光シールド
ジャンプジェット
ジャンプジェット
ジャンプジェット
部位
右腕
右腕
右腕
右腕
右胴
右胴

胴中央
胴中央
左胴
左腕
左腕
左腕
左腕
右脚
左脚

右胴
胴中央
左胴

装備欄数



















重量
1.0
2.0
1.0
0.25
0.5
1.0
1.0
1.0
1.0
2.0
1.0
2.0
1.0
0.25
1.0
1.0
0.0
0.5
0.5
0.5


 国家としての恒星連邦は、しばしば好戦的であるというレッテルを貼られている。その軍隊は数世紀間に渡り兵士達の間でのプロフェッショナリズムを考量する上でのメートル尺的存在(基準)であり続けており、ニュースメディアは、リャオや戦争狂のクリタの圧迫に対して戦う名誉ある兵士達、とAFFSを描写するのに決してそれ程の苦労をした事はなかった。しかしながら、敵を殺す事こそが戦争の基本的教義であるという事と、そして所謂“善玉”でさえも暗く凶悪な兵器を必要とするという事は、しばしば無視されているものなのであった。
 このスケアクロウ――3140年代になるまで公式には存在が否認されていた稀有なメック――は、かような兵器の1つである。特別に設計され製造されたそれの唯一つの役割は、敵歩兵部隊の抹殺である。


性能:
 先進的なコンポーネントと氏族兵器で以て特別に組み立てられているこのスケアクロウは、巧みに設計されている。そのレーザーとB−ポッドはそれにバトルアーマー歩兵を攻撃するのを可能とさせており、また、その2つのライトマシンガン・アレイは非装甲歩兵部隊がそれに身を晒す事を自殺行為にしている。それは速度が遅い機体であるが、それは殆ど如何なる歩兵の戦闘部隊よりも高速であり、その装甲――敵がそのカメレオン偏光シールドを見破って探知してくる事をも想定したもの――は反撃砲火からそれを守るのに十分なものである。

配備:
 この15年間でスケアクロウが取った行動で最も著名なもの――完全な確認が取れたものではないが――は、惑星“マコーム”でのものである。当時、その惑星を襲撃する為に展開されたDCMSの歩兵部隊は、“ゴーマン高地の竜”の伝説――火と鋼鉄の幽霊の様な獣が現れて完全編制の歩兵の数個小隊を殺した――を伝えている。決してその確証は取れていないのであるが、アナリスト達の大部分は、この伝説が心理的尺度にてDCMSの歩兵部隊を攻撃するのを企図したスケアクロウが繰り返し展開して行動した事によって強められたものではないか、と考えている。
 3140年のこのメックの公式配備以来、この様な機体を配備した事に対して多くの人道的活動団体がAFFSを非難し続けているが、かような批判を無視する事がそれへの主な対応となっている。唯一の確認されたスケアクロウのパイロットであるエドガー・グランサム大尉は、3141年に惑星“アルマク”にて公に意見を発表し、その雄弁な談話で以て彼への中傷者達に対する反論をした。それに於いて、彼は由緒あるピラーナ・メック、更にはスティンガーやローカストといった古き市街戦機をも引き合いに出した。「その行いに何の違いがあるのか?」彼は1人のレポーターに対して尋ねたのであった。「――ルーイ歩兵部隊の1個大隊が、200人のシルティスの歩兵達によって殺された場合と、1機のメックによって殺された場合とでは。我々は、戦闘での殺人についてや我々市民自身に対して戦争の犠牲を教える兵器設計についてよりも、我々の息子や娘達の事の方をより問題にするべきではないのか?」と。
 存在が知られているスケアクロウは極少数であり、AFFS外でその姿が見られた事は全くない。報告では、それらが辺境境界域の国境沿いにより密に存在しており、AFFSは海賊の攻撃を思い留まらせるべくそれらを用いる事を意図しているかの様である、としている。しかし、カペラ人達とドラコ連合の侵攻の圧力を鑑みるに、それらが公に戦闘で試されるのは時間の問題に過ぎないものであろう。


派生型:
 その所謂“ホブルド・スケアクロウ”は、カメレオン・システムをメックから取り外し、マシンガンをレーザーに置き換えている。これは追加の対メック能力を提供している様に見えるであろうが、スケアクロウのその薄い装甲と遅い速力はそれを最軽量のメック以外にとっての容易な獲物にしてしまっている。

著名なユニット
ミユキ・クロズビー大尉
 クロズビー大尉は、決壊した恒星連邦のドラコ連合との国境沿いでの特殊コマンド作戦にてスケアクロウを操縦し続けている幾人かのエリートのダヴィオンのメック戦士の内の1人である。熟達したステルス・ハンターであるクロズビーと彼の小隊――2機のスケアクロウと2機のヴァルペスのペア――は、3147年から3148年に掛けてクリタの戦線後方の1ダースの世界/惑星上の司令センターや補給物資集積所に対する攻撃任務に参加している。殆ど夜間のみに作戦行動をした事と、彼等のハイテク装備と優秀な技能という組み合わせは、彼のチームに圧倒的なまでに効果的な襲撃を遂行する事を可能にさせ、それはDCMSに何千トンもの先進的な軍需物資と何百人もの特殊歩兵や技術支援スタッフを犠牲にさせている。彼等がそれらの全てを1機の損失もなしに行った――彼等より数で勝る相手に防衛されている基地に浸透した時でさえも損失はなかった――事は、彼等の敵手達の多くにかの小隊の事を“ブラック・オンリョウ”(古代日本の伝承に於ける復讐の幽霊を指すもの)と呼ぶようにさせている。




私的解説:

 スケアクロウは敵を心理面からも攻める特殊な機体で、歩兵殺しに特化したステルス・メックです。スケアクロウが登場したのは3099年とされていますが、恒星連邦軍がその存在を公式に認めたのは3140年と随分と後になってからです。実際よりも強調されているきらいがあるその残虐性とダーティーなイメージの為に、このメックは割を食っているかも知れませんね。
 また、スケアクロウのパイロットであるのが明るみになる事は、面倒を呼び寄せるものとなります。文中で挙げられているエドガー・グランサム大尉ですが、彼は彼に戦争犯罪人のレッテルを貼って裁こうという星間赤十字のキャンペーンの標的にされています。かように戦場外でかなり難しい機体となっていますので、スケアクロウの配備や導入には細心の注意が必要でしょう。

 ゲーム的には、スケアクロウは近距離火力が高く、対歩兵部隊以外でもその攻撃力は十分なものです。しかし、カメレオン偏光シールドを搭載しているとはいえ中量級メックとしては機動力が低いので、敵機に一旦捕捉されると逃げるのが大抵の場合に於いて困難となるでしょう。スケアクロウは、戦う相手を良く見極めて運用したいですね。

BACK