出典: Technical Readout: 3060

サンダースタリオン

重量: 85t
シャシー: タイプQMA・スタンダード(クアッド)
パワープラント: フュージョン255スタンダード
巡航速度: 32.4km/h
最高速度: 54km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: フォージド・タイプHH32 with CASE

武装:
  1×タイプ・ミュー LB−20Xオートキャノン
  4×タイプXV LRM−15ランチャー

製造元: キリン・メックワークスI
通信システム: CH3Vシリーズ・インテグレーテッド
照準・追尾システム: バージョン・カッパ−III・TTS

サンダースタリオン
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


氏族


255



14[28]


279

重量

85.0
8.5
13.0



4.0
3.0
3.0
17.5


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右前脚
左右後脚

中枢値

27
18
18
18

装甲値

34/20
20/16
36
36

武器・弾薬

種別
LB 20−X AC
弾薬(LB−X)5
弾薬(LB−X)5
2×LRM15
2×LRM15
弾薬(LRM)64
部位
右胴/胴中央
胴中央

右胴
左胴
左胴

装備欄数





重量
12.0
1.0
1.0
7.0
7.0
8.0


概要:
 このサンダースタリオンは、元々はマンドリルやファイアースコーピオンの系統に連なるトーテム・メックの1つとして計画されていた。しかし、それらのメックの余り芳しくないパフォーマンスを知った時に、ヘルズホース氏族はそのトーテムとしての面を重視するのを取り止めて戦闘での有効性の方を選ぶ事にした――このメックの後脚のみが、その元々のウマ科のスタイルを尚も示唆するものとなっている。しかしながら、設計主眼に於けるこれらの変更にも拘わらず、ヘルズホースのメック戦士達はこのメックを依然として嫌った。このサンダースタリオンは支援機の典型であり、歩兵部隊や通常部隊とメック戦士達を更に密接な関係に置く事を好むというヘルズホースの傾向に従っていた。このサンダースタリオンは非メック部隊の支援で非常に優れた働きをするが故にこそ、このメックに配置されたメック戦士達は他の氏族――メック戦士達が支配的地位にいる――の自分達の同僚を見て屈辱的な思いを抱いたのであった。

性能:
 支援用に設計されたこのサンダースタリオンは通常の255レートの核融合エンジンを持っており、それは地に降り立ったエレメンタルやその他の支援ユニットへ追随するのに十分な速さで移動する事をそれに可能にさせている。その速力の不足を補う為に、このメックは2基の2連装LRM−15を、約3分近くの連続射撃を可能にするのに十分な弾薬と共に各胴に搭載している。観測ユニットと協力する事で、このサンダースタリオンは安全な遮蔽された地形から敵の施設やユニットに集中射撃を加える事が可能である。
 副兵器システムとして、このサンダースタリオンは至近距離用の1基の巨大なLB−20Xオートキャノンを搭載している。通常、装甲ユニットや歩兵ユニットに対して用いられるこの兵器は、一般的にはクラスター弾と通常弾――その戦士がより重い敵手に対する重打撃力を必要とする場合に備えたもの――を1tずつ搭載している。残念な事に、この兵器とその弾薬庫の配置の仕方は、サンダースタリオンのパイロット達にとっての大いなる懸念となっている。その内部空間が貴重なものであったが故に、サンダースタリオンの設計者達はその巨砲用の弾薬の給弾機構をメックの頭部――コクピットの真下――と胴中央の部位を通り抜けるものにする事を選んだのである。これは、たとえ1発でさえも弾が搭載されている間にこれらの部位の何れかが破損される事は、メックと戦士の両方にその死を事実上保証するものであった。このメックの重装甲はかような爆発を稀な事象へとしているが、サンダースタリオンのパイロット達の多くはオートキャノンの弾薬補給を拒否し、この“4脚の棺桶”で屈辱的に死ぬよりも自らの最大の砲なしで事に当たる危険の方を選んでいる。


配備:
 このサンダースタリオンはヘルズホース氏族にとってのユニークな存在であり、それはヘルズホースの全ての銀河隊に殆ど均等に配備されている。しかしながら、それらのメックは、エータ銀河隊とイオタ銀河隊にその姿を最大の数で現しているものである。

派生型:
 その存在が知られている最も一般的なサンダースタリオンの派生型――“ファイアースタリオン”との愛称が付けられている――はLB−20とその弾薬を2基の大口径パルスレーザーに置き換えており、それはこのメックの弾薬依存問題を幾らか解決すると共にその弾薬爆発に関する懸念も払拭している。この型が発生させる増加した熱を処理する為に、それには2基のダブルヒートシンクが追加されている。



私的解説:

 サンダースタリオンの開発年度は2850年とされており、これはトーテム・メックの先駆機であるマンドリルやファイアースコーピオンの開発年度からは多少遅れています。そして、この遅れのお蔭でトーテム・メックの熱からヘルズホース氏族は冷める事ができ、それに囚われない設計でサンダースタリオンを開発する事ができました。しかしながら、外部の者達から見ればサンダースタリオンは紛れもないトーテム・メックに見えるものであり、ヘルズホース氏族が幾度も否定しているにも拘わらずトーテム・メック扱いされているのは皮肉な事でしょうか。
 サンダースタリオンで注目すべきは、その弾薬の搭載場所です。サンダースタリオンは何とも珍しい事に、頭部に弾薬を搭載しているのです。当然の事ですが、これはそのパイロット達には大不評でした。ゲームのルール的には頭部への弾薬搭載はそれなりに合理的な選択なのですが、弾薬庫がコクピットに隣接しているメックに実際に乗れと言われれば誰だって嫌でしょうから、それも無理のない事ですね。時を経るに従いサンダースタリオンの初期型は数を減らしていき、ダークエイジではファイアースタリオン(サンダースタリオン2)やサンダースタリオン3が主流となっている様ですが、それは自然な成り行きだったのでしょう。

 テクニカルリードアウトの文中ではLB 20−Xの弾薬を補充しないのを選ぶ者も多いとの事が書かれていますが、実際のゲームではサンダースタリオンは弾薬をフルで積むべきです。折角の高威力の大砲をゲームが始まる前から捨てるというのは全くの愚行です。それに元々、その弾数は少ない方ですし、10ターンも戦えば弾薬を消耗して弾薬爆発のリスクは相当に減少しているでしょう。むしろ、LRMの弾薬の方を心配した方が良いくらいです。その基本的な立ち回りとしては、身を敵に敢えて晒す事で積極的に敵の火力を誘引し、その重装甲を生かすのが良いと思われます。

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