出典: Technical Readout: 3039、Technical Readout: Succession Wars
TBT-5N トレビュシェット
重量: 50t
シャシー: コリアン・モデル9C
パワープラント: マグナ250
巡航速度: 54km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: スターシールド
製造元: コリアン・エンタープライゼス、カーリーヤマ・ウェポンインダストリーズ
主工場: スチュワート(コリアン)、カーリーダーサ(カーリーヤマ)
通信システム: コリアン・トランスバンド-J9
照準・追尾システム: コリアン・B−テック
TBT-5N トレビュシェット 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 LRM15 弾薬(LRM)8 LRM15 弾薬(LRM)8 2×中口径レーザー 中口径レーザー |
部位 右胴 右胴 左腕 左胴 右腕 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
星間連盟防衛軍の戦列に2780年という土壇場の瞬間に加わったお蔭で、このトレビュシェットは凄まじい数の先進技術を搭載していた。しかし、それはまた、一から見直されて、より古い技術を使用しての再設計をされた、最初のバトルメックの1つともなった。そして、それ故に、今やその顧客は自由世界同盟になったのではあるが、コリアン・エンタープライゼス社は継承権戦争を通してこの設計機の製造を継続する事ができたのであった。
性能:
トレビュシェットは独立したバトルメックとしてよりも集団で使用して機能するように作られた氏族侵攻前の数少ない設計機の1つであり、その設計者達はトレビュシェットが長距離支援と近接火力支援の両方をうまく兼ね備えたものになる事を望んだものである。設計者達はそれらの機能の両方を最高のものにする事はできなかったが、集団で使用した際にはこの設計機はその重量としては一際優れていた。その2基のゼウスLRMラックは、この50tメックにとっての主要兵装である。近接支援としては、その3基の中口径レーザーは継承権戦争の最中の再設計としては満足できるものであるが、独立して行動する際にはトレビュシェットは他のメックの多くに近距離にて火力で勝られるものである事が認められている。
トレビュシェットの最大の欠点は、その継戦能力の欠如である。その複数のレーザーは短距離戦闘の際には如何なる再補給も不要にするものであるが、そのLRMラックは1分強の連続射撃をできるだけの弾薬しか持っていないのであった。
配備:
そのコリアン社とカーリーヤマ社の工場群の所有のお蔭により、マーリックが恐らくトレビュシェットの最大のユーザーとなっている。第3次継承権戦争の終わりには、FWLMはトレビュシェットを似通った兵装を持ったアーチャーと組ませる事を好んでいた。そして、3039年から10年を経ずして、トレビュシェットの改修/修理施設群――イリアン社によって所有されていたもの等々――は再発見された技術によってアップグレードされて完全な製造ラインへとなったのである。
派生型:
2つの主要な派生型が、中心領域国家と辺境国家にて出現している。その5J型――より機動力のある連隊向けに自由世界同盟によって当初は開発された――は、腕に搭載されたLRMラックを5基の追加の放熱器と150mのジャンプ能力を持つのに必要な数のジャンプジェットに交換している。それは素の火力は不足しているが、その険しい地形を機動する能力はそれが最初に登場した際にはカペラ大連邦国のチェスタートン後備軍の不意を衝いたものである。
その2つ目の派生型(5S型)は近接戦闘ユニットであり、それはそのLRMを2基のサンダーストロークSRM6パックに交換しており、それらを(元のLRMと)同じ部位に搭載している。その追加の8基の放熱器は、この5S型を激戦でも冷えた状態に保ち続ける事に寄与している。しかし、大部分の近接打撃機と同様に、この5S型もその獲物に接近する際には援護が必要である。FWLMは3030年代の後期にはこの5S型を5N型と組ませており、1機が援護射撃を提供している間にもう1機が接近して止めを刺すというのを可能にさせている。これらのペアは非常な成功を収めているものであり、自由世界同盟の軍事計画担当者達は他のユニット(もしくは恐らく新たなバトルメックの設計機)を相補的に組ませる様式で以てその戦法をそれらに対しても拡張する方策の研究を開始している。
著名なメック戦士
武装戦士(メック戦士)シャロン・ビュルゴ
ISFへの情報提供者としてソレンソン・セイバーズに配属されたビュルゴは、結局は、その操り手達の予想よりもかの部隊と密接な関係になった。彼女の特製の7K型トレビュシェット(“スノーボール”との愛称が付けられていた)は、DCMSによって試験が進行中の特別の派生型である。この型は、通常型のトレビュシェットの兵装を1基のオートキャノン、1基の粒子ビーム砲、1基のSRM2パックで以て交換する事によって、戦闘と兵站の両方に於いて長期的に見て、より伝統的である間接射撃ミサイル支援に対して、直接射撃兵器の火力支援の方が有益な選択になり得るかどうかを調査する試みのものであった。この実験の結論は不明である――続いての数十年間に於ける新技術の拡散はドラコ連合の設計局を根本的に揺るがすものであり、それ故にこの様なシンプルな実験はその混沌の中で忘れられたのであった。
モルガナ・カークパトリック中尉
カークパトリック・バンディットキラーという名のマイナーな傭兵部隊の支援小隊の指揮官であるカークパトリック中尉は黒髪のカノープス人であり、その旧姓(ラフェア)とその非番の時の服装に黒革を着る趣味はその同僚達の間にて彼女に“ザ・ウィッチ”との愛称を獲得させている。バンディットキラーの司令官であるジェイムズ・カークパトリックの妻(そしてこのカップルの唯一の子供にとっての母親)であるものの、彼女はかの傭兵大隊で最も冷静かつ沈着な戦士の内の1人である。彼女の古びており戦闘の傷を負っているトレビュシェットは大抵の場合に於いてバンディットキラーの戦闘隊形の後列を保持しているるのが見掛けられるものであり、自分の小隊のより重量のある僚機達(1機のストーカーと1機のクイックドロウを含む)と並んで援護射撃を絶えず提供する一方で、前線を突破して自分達を直接襲ってくる程に高速のものは回避している。シュタイナー家の為に惑星“アンダイアーン”を急襲している最中、“ザ・ウィッチ”とそのトレビュシェットの“レイン・メイカー”はハッサー(その出所は謎のままである)を含むコンパス座人の賊達の3機撃墜を挙げている。
私的解説:
トレビュシェットは、星間連盟末期に登場した最新鋭機です。そのTBT-3C型は、アルテミスIV、XLエンジン、エンドースチール、ダブルヒートシンクを搭載しており、最新鋭機に恥じない性能を持っていました。しかし、継承権戦争による技術後退によりTBT-3C型は急速に数を減らしていき、その製造企業はそれのダウングレード版を早期に開発するという思い切った行動をします。そして、それが他の多くのSLDFメックとの違いを生み性能は落ちたもののトレビュシェットの製造を継続させる事となり、長きに渡りそれを生き残らせる事となります。ダウングレード版を作るのは英断でしたね。
トレビュシェットはダークエイジでも製造が続けられており、3136年には氏族スペック兵器を部分的に搭載したTBT-9N型が出現しています。復活した自由世界同盟の主力機の1つとしてトレビュシェットは今後も働いていくと思われます。
バトルテック・ボードゲームでは、TBT-5N型トレビュシェットは遠近両用で使える有力なメックだと思います。装甲が若干薄いのとLRM弾薬が若干少ないのには要注意でしょうか。ただ、そのLRM弾薬の少なさはLRM弾薬を早期に撃ち尽くす事が容易というのも意味します。こう弾薬爆発のリスクをゼロにしやすいのは、戦闘の最終局面に於いて逆に強みになる事もあるかも知れません。戦況を見つつ、トレビュシェットの主力兵装であるLRM射撃の管理をしていきたいですね。