出典: Technical Readout: 3075

サンコブラ

重量: 55t
シャシー: IX エンドースチール
パワープラント: 220XL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: アドヴァンスト/3

武装:
  2×シリーズII ガウスライフル

製造元: W−7ファシリティーズ
   主工場: タマラー
通信システム: ビルド1685・タクティコム
照準・追尾システム: ビルド2・キャットTTS

サンコブラ
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


氏族

エンドースチール
220XL



10[20]


128

重量

55.0
3.0
5.0



0.0
3.0
3.0
8.0


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値

18
13

13

装甲値

18/7
14/5
15
13

武器・弾薬

種別
ガウスライフル
弾薬(ガウス)16
ガウスライフル
弾薬(ガウス)16
照準コンピューター
部位
右腕
右腕
左腕
左腕
左胴

装備欄数




重量
12.0
2.0
12.0
2.0
5.0


概要:
 ウルフ氏族は、ワード・オブ・ブレイクが惑星“タマラー”を幾つかの小型核兵器で以て一掃した際に重大な損害を被った。また、その占領地域がヘルズホース氏族とアイスヘリオン氏族、更には小規模のジェイドファルコン氏族部隊までにもよる攻撃下にあった事により、ヴラッド・ワード族長のウルフ達は単一の任務――“敵を破壊する事”に特化した新たかつ簡素なバトルメックを必要としたのであった。科学者階級――惑星“タマラー”に建設されつつあった新たな幾つかの製造施設群のテストをする為の新型メックを求めていた――は、この要求に応えてサンコブラを開発した。そして、現在の所はこのメックはその要求に応え続けているものである。

性能:
 その名称にも拘わらず、このサンコブラは華やかなメックではない。このメックはオムニメックでもなく、その装甲はイヌ科動物に因んだ形をしてもいない。このメックは過度に高速でもなく、重装甲でもない。そして、このメックはウルフのトゥマンで傑出した地位にあるものではなく、所有の神判にて所有を激しく争われるものでもないのである。しかし、このメックは1つの役割を果たしており、このメックはその役割に於いてはその他のメックでは少数機しか比肩できない程に抜きん出て優れている。このメックは、敵を殺す為に作られているのである。
 サンコブラの設計案は、“集中的かつ直接的な火力”と“最も必要とされる箇所へ高精度で破壊力を投射する”為の能力を求めたものであった。そして、科学者階級は、その仕様書以上の結果を出した。
 サンコブラはその重量等級のメックとしては鈍重であったが、速度はこのメックに求められたものではない。その搭載兵装――2基の致死的なガウスライフルは、バランスが良く取られているものであり、副次武装によるバックアップはされてはいない。XL融合エンジンの左端を巻く様に搭載されているその1基の巨大な照準コンピューターは、それらの致死的な兵器に精密かつ破滅的な射撃コントロールを与えている。そして、冷静かつ有能なウルフ氏族の戦士達の手により、サンコブラは占領地域のあらゆる所でかの氏族の敵達を粉砕しているのであった。


配備:
 有力な設計機ではあったが、それでもサンコブラの単一の構造はオムニメックの多用途性の方を好むトゥルーボーンの戦士達の多くに冷笑された。この理由により、若きウルフ達やフリーボーンのウルフ達の多数がサンコブラを採用していき、この機体を使用して自分達の氏族とコーデックスの為に勝利に次ぐ勝利を挙げていった。実際、ウルフ氏族のPCG(臨編駐留星団隊)――複数の星隊の全てがこの致死的なメックで構成されていた――の多くは、しばしば、自らの他の三連星隊の為に鉄床を形成しては敵を叩き潰したのであった。
 現在の所、サンコブラはベータ銀河隊とデルタ銀河隊の隊内に居場所を得ており、一方、アルファ銀河隊の脚光を浴びている部隊の中には極少数のサンプルしか見掛けられていない。しかしながら、最も印象的なものは、ダイヤモンドシャークの使節が惑星“トワイクロス”のダイヤモンドシャークの工場群用の製造ライン向けに挑戦をする事の将来性に関しての質問をしているとの噂である。


派生型:
 3074年以降にようやく製造がされているこのサンコブラには、派生型が存在していない。サンコブラがマッドドッグ・オムニメックの交換武装構成の1つと似ているが故に、この機体の固定された構成は製造上の強みとなる可能性がある――多様性を求める者達は単にマッドドッグに移り、より堅実な戦士達の手の中にサンコブラを残す事になるという。

著名なメック戦士:
スターキャプテン:エドラス
 強襲三連星隊の指揮官であるスターキャプテン:エドラスは、自らの族長が自分に送ってきて以来常にサンコブラを操縦している。惑星“タマラー”が強襲された後、エドラスと彼の三連星隊は惑星“ラサルハグ”上のゴーストベアーの小規模部隊に物資と救援機材を求めて挑戦をした。ここでゴーストベアーのアルファ銀河隊の強襲連星隊と対面したエドラスの三連星隊は、激烈な兵器の応酬による断続的でゆっくりとした動きの戦闘を戦った。ゴーストベアーの戦士達は4度に渡り三連星隊に突撃をし、サンコブラの隊列へ接近して崩壊させる事を試みたが、その度にウルフの戦士達はその持ち場を保持しつつ射撃をし、自分達の照準コンピューターを使用してゴーストベアーの戦士達に損害を積み重ねさせていった。そして、最年少のウルフの戦士がゴーストベアーのスターキャプテンのエグゼキューショナーの両脚を吹き飛ばす事に成功した後には、ゴーストベアーの連星隊の残余はヘギラと退去を求めたのであった。

メック戦士:アイリーン
 アイリーンは、現在ウルフ氏族外にある唯一のサンコブラを操縦している。惑星“ラサルハグ”にて敗北を喫したかの連星隊の一員であったアイリーンは、ヘギラと引き揚げを求めた戦士達の内の1人であった。しかしながら、ウルフの三連星隊が惑星“ラサルハグ”から離れる前に、アイリーンはウルフの戦士達の1人に対してそのメックを求めて挑戦をし、彼と格闘で対戦した。そして、サバットとして知られている古代“地球”のマーシャルアーツの達人であったアイリーンはそのウルフを打ち負かし、サンコブラを自分の所有物であると宣言したのであった。彼女がサンコブラを操縦する為にダイアーウルフを放棄した際に、彼女のゴーストベアーの同僚の戦士達は彼女を非難の目で見たが、その後の2度の不服の神判での彼女の勝利はそれらの反対者達を沈黙させた。




私的解説:

 サンコブラは、初出がメックウォリアー:ダークエイジであったメックの1つです。これは拡張セットのメックウォリアー:カウンターアサルトで非ユニーク・ユニットで登場したので、対戦で使用した頻度が少しは多い部類に入るメック・ユニットでしょう。もっとも、AoDでは全く登場しませんでしたから、AoD以降は存在自体が忘れ去られているかもしれませんが。その所為なのかどうかはわかりませんが、テクニカル・リードアウトの文章もパッとしない存在である所が強調されているものになっているのは苦笑したくなる様な一致ですね。

 しかしながら、バトルテック・ボードゲームのユニットとしては、サンコブラは盤上で決して無視できない存在です。むしろ照準コンピューターと連動した長射程と大威力を誇るガウスライフルを2基も搭載しているので、敵に回した場合は優先して撃破すべき目標でしょう。55t級メックとしては比較的薄い装甲をしておりXLエンジン搭載機ですので、一度捕捉したのならば思ったよりも脆い存在ですし。ただ、テクニカル・リードアウトのテキストでは量産に適した機体となっていますので(ダークエイジの調査書類でも“聖戦”後にウルフ氏族がサンコブラをスフィア共和国に大量に製造して販売した事が書かれています)、その損失機の補充は比較的容易と思われます。そして、サンコブラだけで構成されているという余り相手にしたくない星隊はウルフ氏族では珍しくなさそうなので、3074年以降にウルフ氏族への襲撃ミッションをゲームでやる場合には要注意でしょう(笑)

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