出典: Technical Readout: 3145 Lyran Commonwealth
STM-R3 ストームレイダー
重量: 35t
シャシー: マザーテック750 エンドースチール
パワープラント: GM210XL
巡航速度: 64km/h
最高速度: 97km/h、129km/h(MASC使用時)
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: レキシントンLtd・ミディアムグレード with/CASE
武装:
1×トール40mm ロータリー・クラス2オートキャノン
製造元: コヴェントリー・メタルワークス
主工場: コヴェントリー
通信システム: サイクロプス12
照準・追尾システム: サイクロプス9
STM-R3 ストームレイダー 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 メイス MASC 弾薬(RAC)45 CASE ロータリーAC/2 |
部位 右胴 胴中央 左胴 左胴 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
この半世紀前に登場したストームレイダーは、デファイアンス・インダストリーズ社によるホランダーの代替機である。そのプロトタイプ機は非常に受けが悪く、デファイアンス社はこのユニットをコヴェントリー・メタルワークス社にライセンスした。コヴェントリー社は、主として小規模の局部攻撃向けや都市防衛作戦行動向けを意図してストームレイダーを4機種製造している。しかし、このメックはその両方の役割に於いて劣悪な存在となっている。ストームレイダーがピケットの役割を務めている際に最も頻繁に遭遇するハヴォックやニュクスといった同時代の機体によって、ストームレイダーは容易に機動力で優越され火力でも優越されてしまうのである。しかしながら、この機体は“ソラリス”に於いては輝いており、そこではファンのお気に入りとなっている。
性能:
ストームレイダーはコヴェントリー・キャストオフ(CCO)――ハイブリッド・モジューラー・ウェポンシステム――を装備した最初の機体として最も良く知られている。競合製品と同様にCCO規格兵器は、戦場にて素早くかつ容易に交換する事ができる。また、競合製品とは異なり、CCO兵器はメック戦士に危険を負わさずに戦闘中に投棄する事もできる。しかしながら、CCO兵器は(その修理時間は向上しているものの)互換性のあるものではなく、武装構成を変更するには従来の通りに難問を引き起こすものである。
配備:
3127年、ドネガル防衛軍は惑星“カレドニア”にて軍事演習を行った。この演習の後半の段階にて、2人の中尉――クレフト・ランベルグとダイモク・スレンジャー――は激しい言い争いとなり、自機の安全装置を解除して武器に火を入れた。ランベルグが最初に攻撃をし、自機のミョルニルのメイスでスレンジャーのストームレイダーの左胴を強打した。それにスレンジャーはお返しをし、ミョルニルの右腕をずたずたにした。ここでランベルグは後方に跳躍してレーザーを撃ち、ストームレイダーの胴体に命中弾を与えた。これにスレンジャーが砲を揃えて撃ち返しをした時、エイリーン・ブロット大尉は仲裁を試みて自機のウルフハウンドをその戦闘している者達の間に動かし、不注意にもスレンジャーのトール・オートキャノンの全力斉射の只中に飛び込んでしまった。そして、それらの高炸薬の徹甲砲弾はウルフハウンドの頭部に突き刺さり、ブロットを殺害し、この即席の戦闘を終わらせる事となったのであった。スレンジャーとランベルグは軍事裁判に掛けられ、両名は25年間の懲役に服した。
第19次ヘスペラスII戦の最中、ヘルズホース氏族の第666機械化強襲星団隊の部隊による追撃を受けたエリダニ軽機隊は、デファイアンス・インダストリーズ社の工場複合施設に向かって逃げた。バーチマイヤー大尉の偵察小隊――2機のストームレイダーを含む――は後衛の守備位置を保持し、第666と最初に剣を交える事となった。砂嵐の天候はヘルズホースのVTOL群を地上に釘付けとし、それ故にゼフュロス(歩兵戦闘車)のポイント(2輌)は主力部隊に先行した。バーチマイヤーの小隊は、サマーセット・ウィルダネスという名で知られている多数の巨大な岩の柱が点在する高原にて彼等と交戦した。
ここで氏族人達が彼のストームレイダー達を与し易い獲物と見なすのではないかと推測したバーチマイヤーは、ストームレイダーをあからさまに配置すると同時に小隊の残りは隠蔽したままにした。ストームレイダーは数回の斉射を放ち、その後に退却を開始していった。それに対し、容易に撃墜を挙げる事に飢えた車輌群は彼等を全速で追跡し、バーチマイヤーの罠にまんまと嵌った。その待ち伏せ攻撃はゼフュロスの1輌を破壊し、もう片方を損傷させた。そのゼフュロスは接敵を絶つ事を試みたが、ストームレイダー達はMASCを使用してゼフュロスと速度を合わし、オートキャノンから波状に集中射撃を加えながら追撃した。最終的には彼等は2輌目のゼフュロスも無力化し、第666に有用な戦術情報を与えはしなかった。その2時間後に第666がウィルダネスに進入した時、彼等はエリダニ軽機隊による複数回の待ち伏せ攻撃に遭い、1mを獲得する毎にその代価を支払う事となった。
派生型:
STM-R1型(ソラリス・スペシャルと言う名で知られてもいる)は、トール・オートキャノンをミドロン・モデルBに交換しており、それと同時にMASCを犠牲にしてもいる。STM-R2型は、トール・オートキャノンの代わりにゼネラルモーターズ・ノヴァ5を搭載している。最後に、STM-R4型は、R3型の搭載兵装を保持しているが、耐衝撃装甲にアップグレードされている。
著名なユニット
ウォルター・トレディニック百人隊長
(マリア帝国)第3軍団の指揮官であるトレディニックとそのSTM-R1型は、100を超える戦闘を戦ってきている。彼は賊達を抹殺する事を専門にする特別分遣隊を率いており、47の異なる賊の集団――悪名高い海賊のページ・ランカスターを含む――を壊滅させた功績を持っている。
サンダーバード
その元々の所有者により3110年にその名を付けられたこのサンダーバードは、第2ボラン防衛軍に配備されたSTM-R2型の機体である。サンダーバードは3135年のジェイドファルコンに対して行われた戦闘にて重大な損傷を受けており、それ以後は全く正常に作動する事がなくなっている。技術要員達の努力にも拘わらず、サンダーバードの冷却システムは頻繁に機能不全を起こし、余分な熱を発生させ、それはその照準システムにセンサー・ゴーストを発生させる原因となっているのである。
私的解説:
ストームレイダーはメックウォリアー:ダークエイジの初期を飾ったユニットで、メイス装備が目を引く機体でした。それから長い時を経てバトルテック・ボードゲーム上のステータスがこうして公開されましたが、やはりシンプルな構成ですね。しかし、格闘メックの宿命である火力不足、それに加えてこの重量等級の格闘メックとしては比較的低い機動力(それでも比較対象と思われるミョルニルやハチェットマンあたりと同程度ではあります)が響いたのか、フレーバーテキスト上では低評価となっており実戦では運用に苦労している様子が窺えます。それでも、ストームレイダーは可能性のある機体です。特にCCO規格の導入は悪いものではなく、その装備しているメイスやRAC/2は短時間での交換が可能となる有利な特徴が選択ルールでは付いてきています。また、派生型の装備しているインパクト・アーマーは格闘戦で非常に有効なものですから、“ソラリス”闘技場では非常に頼もしい存在となります。本機の今後の活躍に期待したいですね。
ボードゲームに於いては、ストームレイダーはとにかく装備しているメイスを生かしたいですね。STM-R4型ならば、格上の重量の機体にもどんどん突っ込んでいきましょう。インパクト・アーマー装備ですから、格闘戦では予想以上に耐久力はあると思います。ただ、余り真正面から突っ込むと格闘の前に射撃で火達磨にされてしまいますから、多少は考えた移動をする必要があるでしょう。手堅くいくのならば、軽量級のセオリー通りにヒット・アンド・アウェイですね。RAC/2はそこそこ射程もありますので、威力はともかくとして射撃自体で不便を感じる事は少ないと思います。もし、機体への改造ができるのであれば、RAC/2の代わりにTSEMPを装備させるのが面白いと思います。