出典: Technical Readout: 3145 Free Worlds League
STK-9A ストーカーII
重量: 85t
シャシー: イリアン・シャシーズ・クラス38 エンドースチール
パワープラント: ストランド255
巡航速度: 32km/h
最高速度: 43km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: リーズ-675 ハーデンド with/CASE II
武装:
2×イリアン・ウェポンズワークス ELRM10ランチャー
8×マグナMk.II 中口径レーザー
製造元: イリアン・バトルメックス・アンリミテッド
主工場: シロIII
通信システム: イリアンE.A.R.
照準・追尾システム: ワサト・アグレッサー with/アドヴァンスト照準コンピューター
STK-9A ストーカーII 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
|
重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 2×中口径レーザー ELRM10 弾薬(ELRM)18 CASE II 2×中口径レーザー 照準コンピューター 2×中口径レーザー ELRM10 弾薬(ELRM)18 CASE II 2×中口径レーザー |
部位 右腕 右胴 右胴 右胴 頭 頭 胴中央 左胴 左胴 左胴 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
その製造が継続された6世紀間の殆どを通して、ストーカーは中心領域で最も著名かつ恐れられた強襲型バトルメックの内の1つであった。その攻撃吸収能力と打撃力で長年に渡り有名であるこのストーカーIIは、既に致死的な存在であったかのメックを採り入れて、それから純粋かつ致死的なエッセンスを抽出したものである。
性能:
新型ストーカーの当初の試験は“グレイ・マンデー”の直後に開始され、演習場にて複数の派生型のシミュレーションが為され、時折、それらの試験も為された。しかし、その何れも、原型機の有した純粋な脅威性や致死性を持つ様には見られなかった。技術者達は3030年代の“アンドゥリエン継承”の記録を再検討してようやく、忘れ去られていた貴重な歴史を再発見したのであった――継承権戦争の最も恐れられたストーカーはオリジナルの星間連盟期のコンピューターを持ったものであった事を。そして、新たな展望で以て武装されたこのストーカーIIは、最新の照準コンピューターと連結した、最小限だが効果的ではある武装配列へと切り詰められて、製図板から戦場へと素早く進んだのであった。
配備:
3137年に導入されたこのストーカーIIはアンドゥリエンの部隊に普及されていき、オリエント公国による3138年侵攻の最前線にて即座に自らの存在を確立した。ここで、ハードカレンシーを必要としていたアンドゥリエンは、自らの同盟者達に対するストーカーIIの販売を自由にした。そして、ストーカーIIは、惑星“ニューシルティス”上のカペラの部隊群にて戦い、マッカロン装甲機兵団と共にRAFを相手に戦い、また、現在では解散しているマーリック=スチュアート共和国にてライラ人とウルフ氏族の両者を相手に戦ったのであった。
当初、ストーカーIIはストーカーの派生型の1つに過ぎないものと考えられていたが、それは“レックスバーグ”でのウルフ氏族に対する戦闘から独自の名声を高め始めた。第13アトレアン竜機兵隊の生き残り達の1個中隊は再装備の為に“レックスバーグ”へ退却したが、ウルフ軍によって追撃を受けた。彼等の降下船への撤退の中で、その最も鈍足の2機のメックがストーカーIIであり、それらは殿として時間を稼ぐ為に戦闘を志願した。そして、現地の蒸留酒製造場の農耕地の真ん中にある丘の頂部に立ち、彼等はウルフの指揮官へ足を止めて戦うという自分達の意図をオープンチャンネルに発信すると共に、彼が自分達に対してどの程度(の戦力)で攻撃してくるつもりであるかを問うた。スターキャプテン:バンガルターが、自分は軽量級バトルメックと車輌の連星隊の全てで以て攻撃をするつもりである、と返答した時、それに一拍を置いてメック戦士プレステックは言い放った――「よろしい。我々は、貴殿がもっと多くのメックを投入したいのならば待つ用意がある」と。
この侮辱を受けたバンガルターは即座に攻撃を仕掛け、かくして“バトル・オブ・ラムリッジ(ラム酒の峰の戦い)”として後に有名になる戦闘が開始された。冒頭で氏族の兵器でも届かない距離からELRMを用いて攻撃を行った竜機兵隊は、教本通りの交互に援護しながらの後退を実行した。サトウキビ畑の境をなす並木から、或いは自分達のメックを隠蔽する事ができる小さな窪みの陰から攻撃をして、竜機兵隊は車輌の連星隊を素早く叩きのめして撃退し、氏族のバトルメック群を待ち構えた。メック戦士プレステックは最終的には倒された――彼女のストーカーIIの装甲の大部分と片脚は失われていた。
メック戦士クラインは戦闘を続け、残る4機の氏族のバトルメックを相手に巨大な貯蔵所にて最期の抵抗――その戦闘は流れ弾で熟成中のラム酒の樽が破裂していった事で有名となった――を行った。最後の軽量級メックが破壊された後、クラインのストーカーIIは動作を止めた。それを調べる為に近付いた生き残った車輌群は、現代の戦闘では滅多にないものを見出す事となった――それぞれ異なる5回の攻撃で2発のSRMと5発のLRM、最後の弾幕射撃で1発の中口径レーザーによる打撃を受けたにも拘わらず、強化されたコクピット装甲は決して破られはしなかったのである。しかしながら、メック戦士クラインは数々の打撃によって生じた剥離片に襲われていた――また、神経ヘルメットからのフィードバックとショックも受けていたのであった。彼は、操縦シートで失血死していた。彼の手は、操縦桿を尚も固く握り締めたままでいた。
著名なユニット
メック戦士クリスタ、メック戦士リンジー
“バトル・オブ・ラムリッジ”を戦ったアトレアン竜機兵隊のメック戦士両名共に、戦闘後はウルフ氏族に礼遇された。メック戦士クラインの遺体は回収され、休戦旗の下、完全な軍礼で以てFWLMに返還され、“リメンバランス”には彼の最期の戦闘を物語る一行が追加された。プレステックはボンズマンとして受け入れられ、彼女は程無くして戦士としての地位を回復した。2機のストーカーIIは、ウルフ氏族によって回収され修理された。そしてそれと共に、伝えられる所によれば、メック戦士クリスタは3143年に惑星“ターカッド”にてライラの防衛軍と戦っているのが、その最後に見掛けられた姿との事である。
私的解説:
ストーカーIIはハーデンドアーマーを搭載した、超防御重視のメックです。弾薬爆発もCASEIIの搭載により原型機程は致命傷にならず、胴体コクピットとコンパクト・ジャイロの採用により総合的な耐久力も向上しています。何となく、ストーカーIIは実験機であったグレートタートルの後継機的な存在に思えます。しかし、ストーカーIIは、バトルテック公式掲示板ではテクニカル・リードアウト:3145のワースト・メックではないかという評価がされています。私的には、その評価はそれなりに正しいのではないかと思えます。その圧倒的な防御/耐久性能と引き替えに、ストーカーIIの長距離火力は貧弱であり、その移動力は鈍重極まりないものになっていますから。そのELRMはバトルテック最長射程兵器の1つですが、発熱や必要装備重量が高いので余り良いものではありません。その近距離火力はなかなかのものですが、ストーカーIIの移動力が低い為に十全に活用するのは大変そうです。詰まる所、火力が低い割には強固で倒し難いメックであるストーカーIIは、普通の戦場では無視して構わない優先度の低い目標に過ぎないのです。ストーカーIIが完全に適している戦場は、敵が攻めざるを得ない要地の防衛か敵が固守せざるを得ない要地の攻撃かのどちらかでしょう。
バトルテック・ボードゲーム上では、それでもストーカーIIは強力な存在である事には違いありません。とにかく敵ユニットに接近してプレッシャーを与えて被害担当メックにでもなりにいきたい所です。ただ、敵陣営が恒星連邦の場合は要注意でしょうか。恒星連邦のREレーザーはハーデンドアーマーの利点を打ち消してしまいますので、なるべくなら喰らいたくはありませんね。