出典: Technical Readout: 3039
STK-3F ストーカー
重量: 85t
シャシー: タイタンH1
パワープラント: ストランド255
巡航速度: 32km/h
最高速度: 54km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: ヴァリアント・ラメラー
製造元: イリアン・バトルメックス・アンリミテッド、トレルシャイア・ヘビーインダストリーズ
主工場: シロIII(イリアン)、トワイクロス(トレルシャイア)
通信システム: クロノルPR
照準・追尾システム: スパー3c・タイトバンド
STK-3F ストーカー 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 LRM10 弾薬(LRM)12 LRM10 弾薬(LRM)12 大口径レーザー 大口径レーザー 2×中口径レーザー 2×中口径レーザー SRM6 弾薬(SRM)15 SRM6 弾薬(SRM)15 |
部位 右腕 右腕 左腕 左腕 右胴 左胴 右腕 左腕 右胴 右胴 左胴 左胴 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
メディアに於いては他の目立つバトルメックが受けている程の注目を受けられた訳ではなかったが、このストーカーは200年間以上に渡り継承国家の軍隊の大部分にとっての強襲型メックのワークホースであり続けており、それ以前にはSLDFで2世紀間に渡り使われていた存在でもあった。2594年にトライアッド・テクノロジーズ社によって設計されたこのストーカーは、様々な重兵器と重装甲を搭載した強力なメックである。ストーカーの事を高速な機体であると訴える者は誰一人としていないであろうが、ストーカーの事を容易に止められる存在であると主張する者も殆どいないものである。
性能:
「それは凶猛である」とは、ストーカー・バトルメックを最も端的に表したものである。85tであるそれは、強襲型メックという等級区分の中程に不自由なく位置している。その255出力のストランド核融合エンジンは、それに機動用と兵器用の動力を供給している。このストーカーの54km/hという最高速度は高速というのものではないが、それは他の強襲部隊に遅れずに追随する事をそれに可能にさせている。その13.5tのヴァリアント・ラメラー装甲は戦闘に於いてストーカーを保つものであり、また、その20基の放熱器は熱管理を容易にしてもいる。
このストーカーの武装は多様なものであり、また、それらはその一般的な射程距離の帯域の大半が重なり合っている。2基のジャクソンLRM10ラックは長距離砲撃能力を提供しており、それらと組み合わされている一揃いのマグナ・マークIII・レーザーが強力な中距離火力を提供する。そして、ストーカーが一度その敵に接近したのならば、4基のマークII中口径レーザーの砲列が2基のサンダーストローク・SRM6ランチャーを支援するのであった。このストーカーが制限として唯一甘受しているのが、レーザーとジャクソン、もしくはマークIIとサンダーストロークの何れかを使用するという、時間差を付けた射撃パターンを必要としている事である。所謂“アルファストライク”をその対戦相手に対して使用するのを試みるメック戦士達は、熱が過多になり、搭載しているミサイル弾薬が爆発しない事を祈る羽目になる。このストーカーの元々の製造業者であるトライアッド・テクノロジーズ社は、このメック用にはシンプルな販売促進標語を掲げていた―ー「それは華々しいものではない。それは最先端のものでもない。それはただ、絶えずに接近してくるものである」と。
配備:
400年以上に渡り製造が続けられている事により、このストーカーは全ての継承国家と辺境国家の重小隊にて重要な地位を占めている。それはまた、多数の傭兵部隊に愛用されてもいる。自由世界同盟とライラ共和国は、このメックを製造する工場を幾つか持っていた事により、それの純然たる機数上で多少有利となっている。それはまた、惑星“ソラリスVII”の闘技リーグで人気のあるメックでもある。
戦闘で遭遇した時を除き、ストーカーはその存在が常に顧みられないものとなっている。この見解の二分は、皮肉なものである―ーそれに対面する者がメック戦士であった時のみ、それの脅威性が認識されるのである。それ以外の点では、ストーカーは“グッド・ブギーマン(恐怖の対象)”となるには余りにも一般的な存在であるのであった。
派生型:
かように名高い戦歴を持っているが故に、ストーカーの派生型はそのメック自身とほぼ同じ位に多数存在する事となっている。自らが破壊がされる前に、トライアッド・テクノロジーズ社は攻囲戦用に設計された他の派生型を1つ登場させている。そのSTK-3H型は、大口径レーザー群を除去してジャクソン・ランチャーを20連装にアップグレードしている。また、このメックの脚部の負荷を軽減するのを試みた他の派生型も複数存在しているが、それらは兵器類を除去する事によってのみそれを実現する事ができただけのものである。
著名なメック戦士
J・エリオット・ジャミソン大佐
ウルフ竜機兵団のゼータ大隊――疑いもなく中心領域に於いて最も人気があり最も恐れられている強襲大隊――の指揮官であるジャミソン大佐は、前線から指揮をする事の信奉者である。彼のストーカーには深い傷跡が残っているが、ウルフ竜機兵団の印象的な技術要員のお蔭で完全稼働をしている。ゼータ大隊が被った手酷い打撃にも拘わらず、ジャミソンは自らの熱情を決して一欠片も失う事がなかった。ゼータ大隊で最も長く在任した指揮官(彼より以前のゼータ大隊の大佐達の全ては軍務中に戦死している)である彼は、ウルフ竜機兵団の組織の中でのそれ以上の如何なる昇進も拒み続けており、自分が最も熟知している地位(そして最もベストを尽くせる地位)に留まり続ける事の方を選んでいる。
ヒューバート・グラス大尉
グラス大尉は、第5マーリック国民軍の強襲中隊を指揮している。3039年、惑星“レ・アール”でのリャオの襲撃者達に対する交戦の最中、彼と彼の中隊は大隊の他の者達から孤立させられた後にリャオのヴィンディケイターとカタフラクトの2個中隊により包囲された。グラス大尉はリャオの指揮官による降伏に関する大演説を聞いた後、コクピットの座席の上に立って脱出ハッチを開くと、そのリャオの指揮官に対して無礼なジェスチャーをした。そして、彼の中隊の他の者達が攻撃を敢行する間、彼は落ち着いて座り、ハッチを閉じ、バックルを留めたのであった。このマーリック国民軍の中隊の砲火は非常に激しいものであり、くだんのリャオの指揮官はグラスのストーカーを撃つ前に無力化されていた。10分間の目まぐるしい戦闘の中、この強襲中隊は自らは5機を失ったのみでリャオの2個中隊を1機のメックにまで打ち減らしていた。
私的解説:
ストーカーは日本語版バトルテックですと、シティテックで初登場したメックでしょうか。登場時には、その威圧的で重厚なデザインと性能が印象的でした。意外な事に、ストーカーはバトルテック世界ではメディアの受けが良くなく、一般人には余り評価されていない様です。ストーカーは原版のデザインですと威圧感があるものとは言い難いですから、これも妥当な評価なのかも知れませんが……何か釈然としませんね(笑)
しかし、一般の評価とは逆に、メック戦士の間ではストーカーは非常に恐れられており、その戦歴も大したものです。ストーカーは3025年以降も改良を重ねられながら前線で戦い続け、そして、ダークエイジでは改良型のストーカーIIも登場しています。戦場を闊歩するストーカーの姿が消える事は、当分は無さそうですね。
バトルテック・ボーゲーム上では、ストーカーは相当に強力な存在ですが、その移動には注意を払いましょう。ジャンプジェットのない3MPのその歩行移動力はかなり鈍重なもので、下手に突出したり高地に移動したりして集中砲火の目標にされると逃げるのが困難ですから。また、ストーカーの運用では、不必要な過熱をしないように射撃する武装の数を適宜絞る事も重要です。