出典: Technical Readout: 3050 Upgrade
SHG-2F ショーグン
重量: 85t
シャシー: キツシ・ショーグン
パワープラント: ストランド255
巡航速度: 32km/h
最高速度: 54km/h
ジャンプジェット: アンダーソン・プロパルジョン21
ジャンプ能力: 90m
装甲板: リース-350 with/CASE
武装:
1×マグナ・ファイアスター 射程延長型PPC
2×サンダーストローク SRM−6ラック
2×コベントリー・スターファイアー LRMミサイルシステム
製造元: ミッチェル・ヴィークルス
主工場: グレアムIV(第1次継承権戦争時に破壊)
通信システム: ハートフォードCo COM4000
照準・追尾システム: ハートフォードCo XKZ1
SHG-2F ショーグン 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 SRM6 弾薬(SRM)15 CASE SRM6 弾薬(SRM)15 CASE LRM15 弾薬(LRM)8 LRM15 弾薬(LRM)8 ER PPC ジャンプジェット ジャンプジェット ジャンプジェット |
部位 右胴 右胴 右胴 左胴 左胴 左胴 右腕 右胴 左腕 左胴 右胴 右脚 左脚 胴中央 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
再統合戦争の絶頂期の最中でさえも稀少であったこのショーグンは、ケレンスキーの“エクソダス”後には自由世界同盟では失われたものと考えられていた。しかし、31世紀の開始時にウルフ竜機兵団が中心領域に出現した際、自由世界同盟はこの謎めいた傭兵部隊がその稀少な強襲型設計機の数機をゼータ大隊内に配備しているのを発見して衝撃を受ける事となった。彼等がどこでかような古の設計機を見つけ出したのかは、ウルフ竜機兵団の最高機密であり続けた。
惑星“グレアムIV”上のこの設計機を製造できる能力を持った唯一の工場が第1次継承権戦争の初期に破壊された為に、その特別仕様のキツシ・フレーム用に使用可能な予備部品は全く存在しなくなった。そして、(ウルフ竜機兵団の代理である)ブラックウェル社と惑星“グレアムIV”政府の交渉は再三再四に渡り決裂し、この設計機の絶滅は保障されたも同然となったのである。3050年代後期には、信頼できる情報によると稼働状態にあるショーグン――稀少な氏族改修をされた機体を含んだ全ての派生型――の数は6機であると推定されていた。
ショーグンは、信頼性の高いジャンプジェット・システムが組み込まれた自由世界同盟で最初の強襲型メックの1つであり、有力なバトルメックでもあったのであるが、現代の戦場からは消え去っていった。3068年に(追放)ウルフ氏族の手により(“アウトリーチ”)星系から避難してきたウルフ竜機兵団の生き残り達はウルフ竜機兵団の技術ノウハウの幾つかを持ち出す事に成功していたが、このバトルメックの機械/設計明細書を持ち出す事には失敗していた。惑星“アウトリーチ”の大部分が放射能を持った瓦礫となっている事により、2機よりも多くの稼働可能な型が現存しているかどうかは疑わしいものである――そして、その両機はワナメイカー・ウィドウメイカーズの手の中にあると報告されている。
性能:
ウルフ竜機兵団ゼータ大隊の恐れを知らない戦士達によって頻繁に使用されていたこのショーグンは、有力な市街強襲バトルメックである。その徹底的に強化された脚部と腰部はこのメックに堅牢な重量を与えており、ウルフ竜機兵団のパイロットの多くはこの強みを活用して恐るべき“飛び降り”攻撃を実行している。
長距離ミサイルと短距離ミサイルの両方を搭載しているショーグンは、しばしば、歩兵部隊と連携して都市部の戦闘地域を移動する。ウルフ竜機兵団の歩兵は離れた所にいるショーグンに規定通りの射撃命令を下し、油断している敵に対してミサイルの地獄の嵐を呼び寄せる。そして、この攻撃が行われた後の混乱の最中に、ショーグンはその優秀な機動力を用いて近距離までジャンプをし、効果的な統制が回復される前に敵を叩くのである。
これらの戦術は堅実なもの――そしてその敵の指揮を驚異的なまでに阻喪させるもの――であるが、ショーグンのパイロットはこの交戦にてしばしば手酷いダメージを受けるものである。そして、予備部品が払底していきつつある事により、このダメージは最終的には高く付くものなのである。惑星“ミザリー”にて激しい損害を受けた後は、ショーグンは再建されたウルフ竜機兵団の中でさえも稀少な存在となっており、ショーグンはより静的な火力小隊や砲撃小隊用への指定がされたのであった。
配備:
ウルフ竜機兵団の氏族以前の時代、ショーグンはゼータ大隊内でほぼ独占的に見掛けられたものである。この高名な傭兵部隊以外で見掛けられる少数のショーグンは、激戦で回収された機体か、自由世界同盟で先祖代々伝えられている機体のどちらかである。
現在、ウルフ竜機兵団の補給所の廃墟から回収された2機を除いては、如何なる正規軍内にも存在が知られているショーグンはない。それらの機体の状態は悪く、ワナメイカー・ウィドウメイカーズにより放射能浄化処理中である、と報告されている。
派生型:
自由世界同盟の原設計であるSHG-2Eと称される型は、より広く知られている2F型と同じ武装構成であるが、(PPCは)通常型のヘルスターPPCを装備している。この両型は第3次継承権戦争と第4次継承権戦争の最中にウルフ竜機兵団で一般的に使用されたが、マグナ・ファイアスターER型の正確な仕様書については数十年間に渡り厳しく守られるウルフ竜機兵団の秘密であり続けた。
著名なメック戦士
トリーシャ・リョウコ准司教
惑星“アウトリーチ”に於ける回収作業の長であるリョウコ司教は、ワナメイカー・ウィドウメイカーズとワード・オブ・ブレイクの連絡将校でもある。惑星“アウトリーチ”からの情報は、レムス大陸のウルフ竜機兵団予備掩蔽壕の1つをどの様にしてか発見に成功した者こそがリョウコ司教である事を指し示している。同レポートによれば、リョウコはそこで発見された2機のショーグンの内の1機の所有権を主張し、遺棄品収集作業の最中にそれに改修を加えたとの事である。我々の諜報員のレポートは、そのショーグンが1基のスナブノーズPPCと2基のLB 5−X――それらは損傷したPPC、LRMラックとそれぞれ置き換えられた――で以て改修された、としている。彼女がそのメックを自分個人の搭乗用に使用する事を計画しているのか、それとも、それを“地球”へ送り大量生産する為にそれの逆設計をする事を計画しているのか、そのどちらであるかについては不明である。
MRBC(傭兵評価/契約委員会)は、リョウコ司教がかつての傭兵部隊タイガーシャークズのトリーシャ・リョウコと同一人物であると確信し、彼女を“指名手配”している。ウルフネットの信頼度の高い情報は、リョウコをウルフ竜機兵団本拠防衛軍の爆破の主要立案者の1人であると指摘しているが、良く言っても証拠は未だに状況的なものに過ぎないものである。
私的解説:
ウルフ竜機兵団は31世紀初頭の中心領域に出現した際に、その当時の中心領域では珍しい存在となっていた機体を幾つか持ち込んできていました。その内の1つが、このショーグンです。ショーグンは、元は自由世界同盟で生産されていたそうですが、継承権戦争で工場が早期に破壊された為に予備部品が不足して徐々にその姿を消していきました。そして、後にショーグンをライセンス生産しようとしたウルフ竜機兵団の試みが失敗した時に、その命運は断たれました。ショーグン、性能は認められているのですが不遇をかこっていますね。3071年時、同じ様な存在であるアニヒレイターやインプはデータの持ち出しが成功し、惑星“アークロイヤル”にて製造が開始もしくは準備中なのと比べますと扱いが違いすぎます。
3071年時には現存が確認されている機体が2機にまでなってしまったショーグンですが、ワード・オブ・ブレイクがそれに怪しげな改修を加えている所を見ますと、何かありそうです。案外、ワード・オブ・ブレイクが大量生産をする事により、この機体の命脈は保たれるのかもしれませんね。――自由世界同盟やウルフ竜機兵団にとっては、非常に皮肉な事ですが(笑)