出典: Technical Readout: 3039
RFL-3N ライフルマン
重量: 60t
シャシー: カロン・タイプIV
パワープラント: ピットバン240
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: カロン・ロイヤルスター
製造元: カロン・インダストリーズ、トレルシャイア・ヘビーインダストリーズ、レッドデヴィル・インダストリーズ
主工場: タロン、サーモポリス、ナンキン(カロン)、トワイクロス(トレルシャイア)、パンドラ(レッドデヴィル)
通信システム: ギャレットT11−A
照準・追尾システム: ギャレットD2j
RFL-3N ライフルマン 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 大口径レーザー AC/5 中口径レーザー 弾薬(AC)20 中口径レーザー 大口径レーザー AC/5 |
部位 右腕 右腕 右胴 胴中央 左胴 左腕 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
RFL-1N型ライフルマン――中量級の火力支援プラットフォームとして構想されていた――の2505年のその登場以来、慢性的な過熱問題はそれに付き纏い続けるものであった。RFL-2N型はその問題の幾らかを修正したが、カロン・インダストリーズ社の技術達は自分達にはもっとより良い事ができると考えた。そして、2770年、カロン社はより重いRFL-3N型ライフルマンを発表した。複数のレーザーを1基のオートキャノンに置き換えたこの型は、星間連盟向けに大量に製造された。
戦闘での損害とメック交換の不可能率が増加しつつある事は、継承国家達に前線の戦闘マシンとしてライフルマンを配置する事を強いた。そのRFL-3N型ライフルマンは今日でも、僻地の市民軍や傭兵部隊、更には王家の補給序列上の底辺に位置する正規部隊の中にて現役の姿が見掛けられるものである。
性能:
火力支援機として想定されていたその役割に於いては、ライフルマンは卓越した存在である。そのギャレットD2j照準システムとインペレーター・オートキャノンは、特に空中目標に対しては、極めて命中精度の高い組み合わせである。このライフルマンはしばしば対航空機プラットフォームとして行動し、対空防御を提供する。しかし、他の役割に於いては、このライフルマンはそれ程うまく事を運べはしない。その(搭載)弾薬数が限られている事は、それを長期間の交戦には不向きな存在へとしている。その軽装甲と手駆動装置と前腕腕駆動装置の欠如は、それを他のメックとの格闘戦に弱体な存在へとしている。そして、D2jと同様に、そのギャレットT11−A通信システムは特別優れた電子機器であるが、その特徴的な翼形状のアンテナは敵の砲火を引き寄せる傾向があり、それはライフルマンの通信を途絶させるのであった。
ダヴィオン家が最大数のライフルマンの集団を保有しており、この機体はダヴィオン領域の至る所で行動しているのが見掛けられる。第1次継承権戦争の最中の惑星“ニューロードスIII”でのヘゼカイア・ウォールデン大佐の戦術は、ライフルマンの使用法に関する古典的な実例の1つであり続けている。(その当時)クリタ家の攻勢が“ニューアヴァロン”に向かって疾駆していた事により、惑星“ニューロードスIII”はその戦役に於ける最も激烈な戦闘の幾つかが行われる舞台となった。そのポリスの極めて重要な宇宙港が脅威に晒されたが故に、ウォールデン大佐自らのメック群を要路を見下ろせる高地に配置した。これに、前進するクリタのバトルメック群は、ライフルマン達からの正確かつ持続的な砲火に晒される事となった。そして、それらの多大な損害に直面したドラコ連合の先鋒部隊は、後退を強いられたのであった。このポリスの防衛成功は、その戦役全体の転換点となった。
3020年の第3次ハロウズ・サン戦にて、ライフルマンはその対航空機の役割を果たした――それはクリタの戦闘機群が接近するのを防ぎ続け、その間、ダヴィオンによる都市ムラの攻囲は進捗したのであった。
派生型:
ダヴィオン家は、自らのライフルマンに対して幾つかの改装を試み続けている。そのRFL-4D型は、オートキャノンをPPCに置き換えている。しかし、3基の放熱器が追加されたにも拘わらず、この派生型は手酷い過熱問題に悩まされているものである。2つ目の派生型であるRFL-3C型は、両方のオートキャノンと両方の大口径レーザーをより重いクラス−10(オートキャノン)に置き換えると共に、非常に必要とされていた1tの装甲を追加している。
著名なメック戦士
グレイ・ノートン
惑星“ソラリスVII”の闘技場で戦う最も偉大なメック戦士の1人であるノートンは、引退をするまで7年という空前の期間に渡り頂点の座を保持していた人物である。チャンピオンとしての彼の時代は、彼のライフルマン――“レジェンド・キラー”が、彼が常の如く倒していた強襲型メックに全く劣っている存在であったからこそ尚更に並外れたものであった。ノートンが先進的な星間連盟のプロトタイプ機を発見していたのではないかとの考えは、3027年にその彼が殺害された件と同じく、未だに解明がされていないものである。
私的解説:
ライフルマンは、その重量等級にしては薄い装甲・貧弱な放熱能力・過大な武装により、非常に癖の強いメックとなっています。そして、その癖の強さにより、日本のバトルテック界隈ではライフルマンは良くも悪くも愛されている存在でしょう。
設定的には、ライフルマンは最前線での正面からの殴り合いに使用するメックではなく、そこから一歩引いた距離から火力支援や対空防御を提供するメックであったとされています。継承権戦争でメックが不足したことから本来の役割にない場所に駆り出されて消耗を重ね、幾らかの不当な評価も奉られる事になっているのは、多少不幸ではありますね。
それでも、ライフルマンはフレーバー上(それと選択ルール上)では、多少優遇されている面もあります。ライフルマンの照準・追尾システムであるギャレットD2jは星間連盟の歴代最強クラスのガンスリンガーであったダニエル・アリソン大佐の手によるもので非常に能力が高く火器管制にも優れています。特に、オートキャノンと組み合わせた場合にその命中精度は高くなるそうです。これを反映して、Design Quirksルールでは、ライフルマンは空中目標に対して−2の命中ボーナスを得るという大きなアドヴァンテージを持っています。更に、その索敵/通信機器も優れている事から、サテライト・アップリンクもできたりECMのゴースト・ターゲットにも強かったりします。
ライフルマンは星間連盟崩壊後も製造が継続できた事から継承権戦争を生き残り、その後に様々な派生型や改良型が誕生しています。ダークエイジですと従来型のライフルマン系列は前線では数を減らし、ライフルマンIIC 8型(恒星連邦とダイヤモンドシャーク/シーフォックス氏族が共同開発したもの)が徐々に主力となりつつある様です。ライフルマンの戦いは今後も続く、ですね。
RFL-3N型ライフルマンのボードゲーム上の運用は、一概に語るのが難しいものです。その攻撃力を信じて前方に突撃させるのも悪くはありませんし、その装甲や放熱能力の貧弱さを考慮して後方に留めて支援射撃に徹するのも良いでしょうし、運用に於ける明確な正解はありませんので。しかし、ライフルマンがバランスの取れた扱いやすい機体でない事だけは確かです。ライフルマンに関しては、自分のやり方に適していると思える運用方をそれぞれ独自に見出していくしかないですね。
派生型のライフルマンの中では初期型である50tのRFL-2N型ライフルマンが結構使いやすい機体ですので、重量は低下しますが敢えてそれを使うのも良いと思います。3025年代の他の派生型は3C型が比較的マシですが、概ね性能が尖りすぎているのでお薦めはできません。ライフルマンは3050年代以降ですと普通に強力な設計の派生型が増えるのですが……ライフルマンは年代での差が激しいメックな気がします(笑)