出典: Technical Readout: 3145 Federated Suns

PY-SR10 プレイシーカー

重量: 15t
シャシー: A1タイプ22ウルトラライト エンドースチール
パワープラント: 180XXL
巡航速度: 129km/h
最高速度: 194km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: スターガードCIV

武装:
  2×チズコンプ73 中口径リエンンジニアードレーザー

製造元: アーケルナル・バトルメックス
   主工場: カホキア
通信システム: PCE-4X“ブラスター”
照準・追尾システム: フェデレーテッド・ハンターMk.VII

プレイシーカー
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


中心領域(アドヴァンスト)

エンドースチール
180XXL
12
18

10[20]
(XL)
(小型)
55

重量

15.0
1.0
2.5



0.0
1.0
2.0
3.5


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値




装甲値

9/1
7/1

武器・弾薬

種別
中口径REレーザー
中口径REレーザー
部位
右胴
左胴

装備欄数

重量
2.5
2.5


 アーケルナル・バトルメックス社のプレイシーカーは、多数の影響から生まれたものである。その不気味な腕の構造は氏族のダッシャーの特有の輪郭に立ち帰ったものであり、また、その驚異的な速度も同様であるが、その役割――昔ながらのバトルメックによる偵察――については、諸兵科連合戦闘の勃興によってますます周辺的な地位に追いやられつつあると感じているAFFSのメック戦士達の間では不満の種として密かに話されているものである。

性能:
 このプレイシーカーは、偵察機かつ襲撃機となるべく製造された高速の超軽量級バトルメックである。これは、ダッシャーやファイアーボールよりも更に高速である。また、その2基のリエンジニアードレーザーは特に強力という訳ではないが、それらは反射装甲装備の相手に対しては強みを与えるものである。しかしながら、批判者達はその特別の軽量コンポーネントに掛かる膨大なコストを素早く指摘するものである――そして、この批判は、ドラコ連合とカペラ大連邦国によってどんどん惑星が奪取されていっているが故に、その影響力を増しつつあるのであった。

配備:
 プレイシーカーは、“フォートレス・リパブリック”の直後に戦闘配備に急遽就かされた。試験やそのドクトリン確立の為の十分な時間がなく、多くのメック戦士達はどの戦術がうまくいくのか――或いはうまくいかないのか――を見付け出して明確にする必要があった。
 その最初の配備の1つは、惑星“チコノフ”への駐留であった。プレイシーカー12機の評価中隊は、カペラによる襲撃が行われる直前に、タクウィラ地区に配置された。プレイシーカーに何ができるのか確信を持てなかった駐留部隊指揮官は彼等を3つの偵察小隊へと分割し、彼等をVTOLとホバー戦車の偵察部隊の補助として用いた。しかし、襲撃部隊の主力は他の方角に進んで行った――プレイシーカーのメック戦士達にとって幸運な事に。彼等が断固として交戦をした場合、その不慣れさは彼等へその超軽量級メックが普通の軽量級メックであるかの様な戦闘を行わせた可能性が高い。そして、その戦闘は、ほぼ確実に彼等の敗北となったであろう。
 3141年のサンドヴァル公爵の失敗を運命付けられたペラヨ作戦の最中、多数のプレイシーカーは彼が攻撃目標とした惑星群に密かに持ち込まれた。それらのメック達――単機もしくは2機で行動した――は、驚異的に優秀な偵察機となった。最高速のホバーやVTOLの追撃機を除くあらゆるものを撒けるその速度とアクティブ・プローブやECMといった容易に探知が可能である電子機器を全く持っていなかった事により、プレイシーカーは探知を逃れたのである。ペラヨ部隊が着陸した時には、それらのプレイシーカーは合流をし、時宜を得た更新情報を提供した。
 プレイシーカーが秀でている事が証明された役割の1つが、長距離襲撃である。その居住性の悪いコクピットにも拘わらず、多くのAFFSの指揮官達は――惑星“フェアファクス”で行われたのと同様に――敵集結地の周辺の長い間道にプレイシーカーの小集団を送り込む事を続けている。(惑星“フェアファクス”にて)圧倒的なDCMS部隊と対面した市民軍の指揮官は、ジェレミー・ドッズ少尉と彼の小隊をクリタ人達の200km圏内に送り込んだ。クリタ人達の柔らかい後背地に到達したプレイシーカーの3機組みは彼等の補給線に攻め掛かり、複数の橋と民間車輌を破壊し、歩兵の警備部隊を脅かした。そして、DCMSの指揮官は彼等を追跡する為に攻撃からメックの丸々1個中隊を引き戻さざるを得ず、それはその惑星の征服を少なくとも3週間は遅延させたのであった。


著名なユニット
ジェレミー・ドッズ中尉
 惑星“フェアファクス”にて自機のプレイシーカーから緊急脱出する羽目になったのであるが、ドッズはかの惑星から脱出して昇進させられた。現在、ダヴィオン軽近衛隊に配属されているドッズは、その連隊に配備されたプレイシーカーの最初の小隊の責任を負っている。彼は、そこにて妙に現実離れした雰囲気を味わっている――彼はそこのAFFSの高速メック戦術の大家と認められている者達によって、高速メック戦術に関するコメントを定期的に求められているのである。

ジーン・ダルベール軍曹
 ダルベール軍曹は、その自機のプレイシーカーの為に懲戒の瀬戸際に立っている。ターキオ惑星市民軍のメック中隊の指名偵察パイロットであった彼女は、現在、その3機目となるプレイシーカーを操縦しているのである。彼女――第20アヴァロン軽機隊のファイアーボールの元・パイロットであった――の指揮官達は、彼女は市民軍のプレイシーカーのパイロットとして素晴らしい選択であろうと考えた。しかし、ダルベールが自分の超軽量級メックを超軽量級として戦闘させる事を拒否した為に問題が生じた――彼女はプレイシーカーを、僅かだかより重い装甲を持っているファイアーボールの様に戦わせたのである。クリタ人達の定期的な偵察襲撃に立ち向かう彼女は、自分のメックが無力化される際に絶えず脱出を強要されているものである。




私的解説:

 プレイシーカーは、テクニカル・リードアウトに収録された中では非常に数少ない公式となる15tメックの1つです。これはインダストリアルメックやXTR掲載の15tの機体を除けば、ほぼ初登場と言って良いものでしょう。面白い事に、プレイシーカーは開発した恒星連邦でも運用ドクトリンが固まっておらず、従来の軽量級的な使用をするか超軽量級という新しい等級を念頭に置いた使用をするかで悩んでいるみたいです。まあ、速度は出ますがその打たれ弱さは相当なものですので、正面切っての戦闘はどんな状況でも避けた方が無難でしょう。もっとも、そうもいかないのが世の常ではありますが。

 最新技術を惜しみなく使用している為に、プレイシーカーは超軽量級メックなのに高級機です。XXLにXLジャイロというその装備の組み合わせは、兵站部や財務部泣かせのものでしょう。また、新兵器であるREレーザーもそれ程は性能の良い武器ではないので、余り過度の期待をしてはいけません。自分よりも弱そうな相手を狙い、それ以外は徹底的に戦闘を避けるのが運用方法としては正しいと思われます。

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