出典: Technical Readout: Project Phoenix、Technical Readout: Clan Invasion
PXH-4L フェニックスホーク
重量: 45t
シャシー: セレスプレックスIV エンドースチール
パワープラント: ワーナー270M核融合
巡航速度: 65km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: アンダーソン・プロパルジョン30
ジャンプ能力: 180m
装甲板: セレスメタルズ ステルスアーマー
武装:
1×マーテル 射程延長型大口径レーザー
2×セレス・アームズ 射程延長型中口径レーザー
2×スペリー・ブローニング 30mm ミニガン・マシンガン
製造元: セレスメタル・インダストリーズ
主工場: セントアイヴズ
通信システム: セレスメタルズ・モデル686 with/ガーディアンECM
照準・追尾システム: アップル チャーチル2000
PXH-4L フェニックスホーク 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 ER大口径レーザー ER中口径レーザー マシンガン 弾薬(マシンガン)100 ER中口径レーザー マシンガン ガーディアンECM ジャンプジェット ジャンプジェット |
部位 右腕 右腕 右腕 胴中央 左腕 左腕 右胴 右胴 左胴 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
通例のとおりに、ヴィコア・インダストリー社でもカペラ大連邦国の企業――特に兵器製造企業――との交渉は極めて困難である事が証明された。自社の利益に基づいてジェネラル・モーターズ社がセレス金属社と交渉をした後に、漸く、このカペラの企業はジョバンニの提案を聞く気になったのである。
ヴィコア・インダストリー社は、当初は(独自の)新型フェニックスホークの開発計画を持っていたが、生産上の理由によりその計画は破棄された。その代わりとして、ジョバンニは、惑星“セントアイヴズ”のBJ-3ブラックジャックの生産ラインを再編制するという、大胆な計画を定めた。もちろん、パワープラントの供給は依然として問題を含むものであったのだが、タウラス連合国によって製造されている270Mパワープラントが適合するであろう事が巧妙にも提案された。そして、数ヶ月間の古典的な中国式の交渉を経た後に、協定への締結は為され、両者には共同で将来の仕事をする機会――それと、交流で最高のものを獲得したのがどちらであるかについての思索を将来にする機会――がもたらされたのであった。
性能:
新型フェニックスホークの胴体は、より良い避弾径始の為に鋭い傾斜角が与えられている。その両腕は、肩部と腕部駆動装置周辺に大きな防御力を与えるべく再設計が為された。そして、全ての武装は、前腕部に搭載するように移された。また、ジャンプジェットは、噴射口の防御と、作動している際の冷却機維持を助ける為の空気の取り入れを向上すべく再設計が為されたのであった。最もオリジナルの設計から徹底的に離れているものは、その頭部である。新型機のセンサーと通信アレイは、カウルで覆われて防御された頭部に収められるように作られたのである。そして、最後に、技術者達は、(新型機に)ウルフハウンドやハチェットマン・バトルメックに使用されているのと同じ脱出機構を組み込んだのであった。
配備:
カペラ軍令評議会は、即座に新型フェニックスホークへ価値を見出した。彼等は、新型機を支援任務でRVN-4Lレイヴンと組ませる様に命令をした。新型フェニックスホークの速力はレイヴンに追随する事を可能とし、また、そのジャンプジェットは作戦でレイヴンの支援をするのにある程度は必要とされる機動力を加えるものであろう、と考えられたのである。新型フェニックスホークの最初の量産型は、3066年後期に完成した。(今の所)第一線の部隊のみが、この新型機への注文を認められている。しかしながら……これらの注文は発送されているのであるが、マッカロン装甲機兵団のみは出荷された新型フェニックスホークを受け取っていないのであった――この出荷品は完全に行方不明となっている。
派生型:
現在、リャオ家によって製造されているPXH-4Lがブラックウォリアーズ(コンパス座連邦)によって使用されているのが目撃されたのと全く同じものである事には確かな証拠があり、憂慮すべき可能性が存在している。
その他の派生型は、まだ確認がされてはいない。それでも、派生型は以下の仕様に従った装備がされると思われる――派生型の1つは、中口径パルスレーザーと射程延長型レーザーにバックアップされた大口径パルスレーザーと照準コンピューターを持っている可能性がある。また、派生型の1つには、照準コンピューターとそれに連動したER−PPC、幾つかの中口径レーザーが用いられている可能性がある。コムスターが製造ライセンスを購入した派生型の1つは、複数のレーザー、C3i、iNARCを搭載するものと思われる。更に、新型のライトエンジンを搭載する派生型の計画も存在している。これらの派生型が実際に製造されているのか、その概念をテストしているだけのユニークなものなのであるかは、現時点では不明である。
著名なメック戦士
ジェーン・ディクソン中尉
ディクソン中尉はそのPXH-7S型フェニックスホークを、自らが中尉に昇進させられて第17ドネガル防衛軍に配属されたのと同日に受領した。第17ドネガル防衛軍が惑星“シャイロー”に赴いた時、彼等はFWLMの数個連隊の待ち伏せを受ける羽目になった。ディクソンの偵察小隊は、敵の配置を偵察せよとの命令を受けた。しかし、彼等がその偵察を開始するよりも前に、自由世界同盟の部隊が彼等を待ち伏せ攻撃した。そして、敵部隊は第17ドネガル防衛軍の着陸地域を目指して彼等を追撃し、第17ドネガル防衛軍の歩兵旅団の中を突き破った。ディクソンは、それらの地上部隊が徹底的に殲滅されるのを恐怖しながら見守った。ここで怒りで以て恐怖に打ち克ち、彼女は自由世界同盟部隊に対して自らを立ち向かわせ、自機のフェニックスホークが行動不能にされるまでの間に3機の軽量級メックを破壊する事を為し遂げた。彼女は捕虜収容所に収容されたものの、ブレイク教徒達が惑星“シャイロー”の政治的支配権を掌握すると同時にその捕虜収容所は彼等によって接収される事となった。(その後の)“スカウア作戦”の最中に、ジェイドファルコン氏族とウルフ氏族はライラ軍と共に惑星“シャイロー”を解放した。彼等は多数の捕虜収容所を発見する事となり、その内の1つには第17ドネガル防衛軍の“生存者達”が詰め込まれていた。ディクソンはその収容所に於ける最先任士官であったが、彼女は洗脳された歩く屍に過ぎない存在となっていた。彼女は自らの故郷の惑星“ワイアット”に帰され、そこにて彼女は更に60年を生きた――ブレイクの“必然的な勝利”について呟きながら養護施設の周りを徘徊しつつ。
クレム・ジックレストン大尉
ブラックウォリアーズのジックレストン大尉は工場から出たばかりのPXH-4L型フェニックスホークをワード・オブ・ブレイクから受け取り、またそれと同時に、彼の中隊の他の者達もそれぞれWSP-3L型ワスプを受け取った。このカペラのステルスアーマーを完全装備した偵察中隊を指揮するジックレストンは、コンパス座連邦に侵攻してきたマリア帝国の部隊の間に多大な損害を与えた。繰り返し、ジックレストンの中隊は探知を逃れては夜襲や兵站襲撃を遂行した。ジックレストンの中隊に加えて、ブラックウォリアーズの定数の多くにもブレイク教徒達によって先進的なメックが供給されていた。この技術的な優位によって、ブラックウォリアーズはマリア人達の間を暴れ回り、彼等の侵攻を頓挫させた。ブラックウォリアーズがコンパス座連邦から離れた際、ジックレストンと彼の中隊は1隻の降下船と古びたマーチャント級航宙艦と共に姿を消した。彼等はシャドウウォリアーズとして、辺境にて海賊活動をしているものと考えられている。
私的解説:
フェニックスホークが最初に登場したのは“戦争の時代”であり、それは登場するや否や名声を確立しました。フェニックスホークは星間連盟時代だけでも数万機単位で製造されており様々な派生型が生まれていますが、その設計上の哲学は多くの場合に於いて踏襲されており兵器構成も似通っている事が多い印象を受けます。
カペラ大連邦国の手になるこのPXH-4L型もその内の1つです。その搭載兵装は原型機のものを射程延長型にアップグレードするという手堅いものですが、ステルスアーマーの採用によりその運用上の性格は他の派生型とは随分と異なるものとなっているでしょう。カペラ大連邦国を相手にする時は、フェニックスホークやレイヴン、その他の新鋭ステルス機で構成された陰小隊(ステルス小隊)と交戦する機会も多くなると思いますので、ステルスアーマーへの対策を練っておきたいですね。
PXH-4L型フェニックスホークは、バトルテック・ボードゲーム上では原型機のフェニックスホークと同じ感覚で使用できるメックだと思います。しかし、折角ステルスアーマーが搭載されているのですから、なるべくそれを活かした戦いをしたいですね。遠距離でステルスアーマーをオンにして狙撃機として活動するのは手堅い戦法となるでしょう。ただ、ステルスアーマーは接近戦だと役立たずで発熱も大きい装備ですから、前のターンの終了フェイズでの装備のオンオフを見極める判断力も重要になりそうです。