出典: Technical Readout: 3039
OSR-2C オストロック
重量: 60t
シャシー: オスト−II
パワープラント: ヴィラー300
巡航速度: 54km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: リース475
製造元: オストマン・インダストリーズ
主工場: 地球(2777年に破壊)
通信システム: オストマン−L
照準・追尾システム: フェルディナンド−a
OSR-2C オストロック 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 大口径レーザー 中口径レーザー SRM4 弾薬(SRM)25 大口径レーザー 中口径レーザー |
部位 右胴 右胴 右胴 胴中央 左胴 左胴 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
オストマン・インダストリーズ社によって2511年に製作されたこのオストロックは、都市環境での戦闘用に設計されたものである。その目立たない様にされた輪郭と強力な兵器群により、このOSR-2Cは地球帝国の駐留部隊にとって人気のある追加機であった。“地球”上のオストマン社の製造施設が限られていた事は、オスト系のメックの稼働数を当初は低いものにした。しかし、オストマン社は自社のその後の設計機をコング・インターステラー社にライセンス供与し、それにより彼等はオストロック製造に集中するのが可能となり、オストロックは星間連盟防衛軍、特にその駐留部隊に於ける大きな構成要素となったのであった。アマリス内戦と第1次継承権戦争の最中にその製造施設群が破壊されて以来、稼働するオスト・メックの数は徐々に低下していっている。
性能:
都市防衛を主として想定しているこのオストロックは、より重いストーカーやマローダーといった、後に良く見られる事になるウォーカー/ポッド形状の機体の先駆け的存在である。また、その輪郭(投影面積)の小ささは、建造物や立ち木によって覆い隠された時には特に、それを目標にするのを困難にするものでもある。
このオストロックは、優れた設計のフォイアシュトゥルム・レーザーや優秀なトットシュラーゲン・SRMランチャーを含む、中距離や近距離にて強力な兵器群を持っている。その重量等級としては敏捷であり15基の放熱器が装備されているオストロックは、都市部以外でも有力なバトルメックである。その腕の弱体な防護は、戦闘の中でしばしばその片方もしくは両方の腕を犠牲にさせるものであり、それは格闘戦に於ける不利となっている。
配備:
主に地球帝国の駐留部隊の間に配備されていたのであるが、オストロックは星間連盟の主要な戦争の全てで戦闘を経験している。オストロックはまた、コムスターによる“地球”奪取に於いては非常に目立つ存在であり、それはその戦争の両陣営にて姿が見掛けられものであった。とある根強い伝説では、ジェローム・ブレイクはメック戦士でもあり、この戦役に於いてオストロックに搭乗した、としている。そして、惑星“ボラン”への侵攻を粉砕した功績がオストロックの1個中隊にあるとされており、また、オストロックの群れが惑星“ソラリスVII”を征服するのを可能にしてもいる。
派生型:
オストロックの派生型は幾つか存在しているが、その何れも数的には特に多いものではない。その2L型はSRMを1基のLRMランチャーに置き換えており、一方、その3C型は他の兵器群を除去するのと引き換えに3基目の大口径レーザーを追加している。惑星“コンノート”の併合後にコング・インターステラー社は自由世界同盟向けにジャンプジェットを搭載した実験的な2M型を製造していたが、そこの工場が破壊されるまでの間に製造したそれの数量は少数に過ぎないものである。
著名なメック戦士
メック戦士デイヴィッド・レヴァイン
天賦の才能を持つ技術者であるレヴァインは自分のオストロックを改良し、その探知能力と通信能力を向上させた。これらの強化は、レヴァインと第22アヴァロン軽機隊にドラコ連合の国境守備隊に対する複数の襲撃成功を可能にさせた。この事はハンス・ダヴィオンの注目を引き寄せ、彼はレヴァインの成果をダヴィオンの他のオストロックで再現する事を望んだ。しかし、この行動が実行に移されるよりも前に、ドラコ連合の賞金稼ぎ達がレヴァインの誘拐を試みた――そして、その過程に於いて、誤って彼を殺してしまうと共に彼のメックも破壊してしまったのであった。
ジェイムズ・ルモンド中尉
第21ケンタウリ槍機兵隊の都市強襲小隊を指揮しているルモンドは、有能な指揮官としてその名を揚げている。OSR-3C型を操縦しているルモンドは、その一対の大口径レーザーの相当な熱負荷の制御をしつつ、その兵装をリップル射撃(連射)しては、過熱を冷ます為に遮蔽物の影に隠れる、という事に熟達している。
私的解説:
オストロックは、所謂“ウォーカー・ポッド”形状のメックの先駆的存在です。オストロックにはその先祖機であるオストウォー(発売前に旧式化して販売上にて苦戦した65tメック)で培った経験がフィードバックされており、オストウォーの良い部分を踏襲しつつ性能向上に成功したオスト・メックの完成系の1つでした。オスト系のメックは共通点が多く部品を相互に使い回す事が可能で、オストウォーからサルベージされた腕を装備したオストロックが存在するのも珍しくはないという程に融通が利くというのは、継承権戦争の技術衰退期に於いては非常に優れた長所であったと思われます。
オストロックはその製造工場がのきなみ大損害を受けた事から数的には減少しつつありましたが、3050〜3060年代に相次いで製造工場が新設/再建されたりエネルギー兵器を主武装とする長期戦型のメックとして改良されたりして生き延びる事に成功します。そして、“聖戦”以降は目立った改良は受けていませんが、ダークエイジでもそこそこ使用されています。
オストロックは設定的には低視認性の形状の機体である事から障害物のある地形に溶け込みやすく、また避弾経始にも優れている事から正面からの射撃戦にも何気に向いています。そして、それは、Design QuirksルールのNarrow/Low Profileという中々に強力な特徴を持つ事で表されています。ボードゲーム上では、適度な装甲を持つ高速の重量級メックとして相手の戦線の側面や背後に回り込む機動をしつつ射撃/格闘を仕掛けるのが基本戦術でしょうか。また、オストロックは放熱器が15基あっても射撃で過熱はしやすいので、その熱管理には気を使うべきですね。