出典: Technical Readout: 3085

OR-21 オロチ

重量: 90t
シャシー: アルシャイン・クラス98c エンドースチール
パワープラント: ヘルメス360XL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: スターシールドA

武装:
  2×テロス・サンダーショット サンダーボルト20ランチャー
  2×テロス・ターゲットローク−4 ストリークSRM4
  1×ヴィクトリー12E 射程延長型小口径レーザー

製造元: ヴィクトリー・インダストリーズ
   主工場: マルドゥック
通信システム: サイファー・コムシス4b
照準・追尾システム: マタブシ・センチネル

OR-21 オロチ
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


中心領域(アドヴァンスト)

エンドースチール
360XL



10[20]


279

重量

90.0
4.5
16.5



0.0
4.0
3.0
17.5


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値

29
19
15
19

装甲値

44/14
28/10
30
38

武器・弾薬

種別
サンダーボルト20
弾薬(サンダーボルト)9
ストリークSRM4
弾薬(ストリーク)25
ER小口径レーザー
サンダーボルト20
弾薬(サンダーボルト)9
ストリークSRM4
弾薬(ストリーク)25
部位
右腕
右腕
右腕
右腕

左腕
左腕
左腕
左腕

装備欄数








重量
15.0
3.0
3.0
1.0
0.5
15.0
3.0
3.0
1.0


概要:
 デヴリン・ストーンのスフィア共和国への惑星/世界の譲渡は、ドラコ連合にその最高の生産力を有する軍事施設群の幾らかを失わせた。惑星“クエンティン”だけでも、DCMSにその最新型かつ非常に重要である設計機の幾つかを失わせたのであった。しかしながら、その工業が失われる事は不測のものではなかった。協定に署名がされるよりも前から、DCMS最高司令部は他の惑星/世界へ製造を移す複数の計画の実行を開始していたのである。惑星“マルドゥック”とヴィクトリー・インダストリーズ社は、それらの計画に於いて顕著に目立つ存在であった。
 惑星“マルドゥック”は、既にかなりの数の組み立て工場を有していた。それは長年に渡り、様々なグリフィンやウルバリーンの派生型の供給源かつDCMSのあらゆる場所に発送される他の設計機用のコンポーネントの供給源としての役割を果たしていた。しかし今や、スフィア共和国の成立で失われた惑星/世界の穴を埋める為にも、それらの施設群には拡張とアップグレードが必要とされる事となった。そして、その必要な改良工事を行う為に莫大な金と労働者が惑星”マルドゥック”に注ぎ込まれた。
 DCMSがワード・オブ・ブレイクの“聖戦”からの復興をする為の国家活動の先導となるであろう一連の新型バトルメックに対する着手をした時に、この再活性の努力の成果が試される事となった。“聖戦”の混沌の中で忘れ去られていた複数のコンセプトが再び引っ張り出されて製造に移された。このオロチ――長年に渡り待望されていたロンゴボウのアップデート機――は、新しくなり改良されたヴィクトリー社の施設群に割り当てられた最初のプロジェクトの内の1つであった。新たな能力を用意されたヴィクトリー社の技術者達は、この任に熱意を持って取り組んだ。彼等は、“マルドゥック”が“クエンティン”の正に代わりになれる事、もしくは最低でもそれの喪失で作り出された重荷の大部分を担える事を証明するのを目論んだのである。


性能:
 ロングボウは継承権戦争を苦闘して切り抜けていっており、メック戦士と指揮官達は等しくLGB-OW型の設計に多くの致命的な欠陥を見出していた。その7V型は、かのメックに非常に必要とされていた改装を与えた。そして、それは程無くして中心領域の全域の主要な部隊にて役目を果たした。ドラコ連合――何年も経つ内に少数機のロングボウを取得していた――は、その素晴らしい一斉間接射撃能力の為にその外国の設計機を熱心に欲した。
 発達した技術は、より強力である設計機の実現さえも可能にした。ドラコ連合は、ナギナタやオーバケモノの両機の成功に恵まれた。幾度にも渡り、DCMSの設計チームは火力支援のコンセプトを活用し、驚異的な長距離火力を持つ大成功作のバトルメックを作り出したのである。そして、“ソラリス”とサンダーボルト・ミサイルシステムを見て着想を得た最高司令部は、この兵器の戦場への実用的な応用について調べてみる事に乗り気となった。
 それらの好奇心と機会が合わさった結果、オロチの骨子となるコンセプトは作り出された。古きロングボウのフレームは、90tに拡大された。そして、そのメックにはライフルマンの悪名高き“アーム・フリップ”戦法を可能にさせた肩駆動装置の大型版が装備された。巨大なサンダーボルト20ランチャーシステムが、その3tのミサイルと共に各腕に収められた。それらの中央側に取り付けられたサンダーボルトの他には、ストリークSRM4が近接戦闘用に配置された。7ヶ月足らずで、オロチはコンセプト的存在からプロトタイプ機での実地試験へと移った。
 そのサンダーボルト・ランチャーはロングボウと比較してオロチの射程を減少させているが、そのダメージ能力はその欠点を補って余りあるものである。アローIV発射システムより遥かにコンパクトである、そのサンダーボルト20ランチャーは、オロチにLRM掃討射撃の一般的な距離で最強の重装甲さえも貫通する事を可能にさせている。そのストリーク・ランチャーは補助兵器システムの役割を果たしており、それはより重いサンダーボルト・ミサイルによって装甲に穿たれた穴を食い物にする事ができる。
 このオロチは、その基になった機体よりも直接的な戦闘機となっている。これは、この機体の元々の構想ではなかったものであるが、DCMS最上層部の士官達にとってそれは嬉しい驚きとなった。現在、オロチの量産は承認されており、それは火力支援機としてドラコ連合の全域への配備がされるものと思われるが、そのサンダーボルト・ランチャーのメンテナンスの必要性が高い事はその総製造数を制限する可能性があり、従って戦場で遭遇するそれの数を制限する可能性がありそうに思われる。


配備:
 “ブラックドラゴン”の反乱や“聖戦”による大規模破壊の間にDCMSのエリート部隊の多くが壊滅した事により、補充用のバトルメックの需要は常に高いものとなっている。光の剣連隊群とその他の親衛エリート部隊が、オロチを配備する最初の部隊になるものと思われる。より多くのオロチが入手可能になった暁には、それはディーロン連隊やアルカブ軍団といったその他の部隊にも届けられる事になるであろう。

派生型:
 オロチはまだ、如何なる派生型も示唆されたり必要とされたりしていない。



私的解説:

 “聖戦”後の3084年に登場したオロチですが、ロングボウの拡大改良機的な存在です。その最大の特徴は、主兵装にサンダーボルト20を採用している事です。“ソラリス”のメック闘技場以外で使うのが躊躇われていたサンダーボルトに目を向けるとは、ドラコ連合は進取の気鋭に富んでいます。
 ロングボウと違ってオロチに機械的なトラブルは余りなかった様ですが、その製造数がどうなったかは定かではありません。惑星“マルドゥック”はその後に幾度か戦火に晒されていますが、それでもドラコ連合のランダムメック表を見るとダークエイジでもオロチが使用されている事は確かですので、それなりの数が製造されていたのではないかと思われます。また、後にはSBガウスライフルを搭載した些かユニークな派生型オロチも登場していたりします。ドラコ連合軍でのオロチの立ち位置には、結構興味深いものがありますね。

 オロチは分厚い装甲を持った低速の支援機ですので、ボードゲームではアーチャーやロングボウと同じ感覚で運用すれば良いものと思われます。ただ、そのサンダーボルト20は強力な兵器ですが、最低射程とダメージ減少のペナルティが厳しく、使用するのにちょっと難しい部分があります。また、相手にAMSやRISC・APDS装備機が存在する場合は要注意です。それらの機体は、なるべくサンダーボルトでは狙わないようにしましょう。

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