出典: Technical Readout: 3058 Upgrade
OBK-M10 オーバケモノ
重量: 80t
シャシー: アルシャイン・クラス92b
パワープラント: ヘルメス320XL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: スタースラブ/3 with CASE
武装:
1×チズコンプ32 小口径レーザー
2×ディヴァース・オプティックス・タイプ20 中口径レーザー
2×シグンガ アローIVミサイルシステム
製造元: ルシエン・アーマーワークス
主工場: ルシエン
通信システム: サイファー・セキュリティ・プラス
照準・追尾システム: マタブシ・センチネル
OBK-M10 オーバケモノ 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 アローIVシステム 弾薬(アローIV)15 CASE アローIVシステム 弾薬(アローIV)15 CASE 小口径レーザー 2×中口径レーザー |
部位 左胴/左腕 左胴 左胴 右胴/右腕 右胴 右胴 頭 胴中央 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
鹵獲した氏族オムニメックのリバースエンジニアリングをするというルシエン・アーマーワークス(LAW)社の計画の初期の成果である、このオーバケモノ(別名“グレートゴブリン”)は、ナーガをベースにしている。
性能:
LAW社は2基のアローIVランチングシステムの実現を為し遂げたのであるが、彼等はそれを為すのに多数の譲歩をせざるを得なかった――これは、先の数世紀間に渡る衰退と停滞の後に中心領域は科学技術が飛躍的に進歩していったのであるが、それでも未だに氏族が明確な優位を保持しているのを完全に思い起こさせるものである。
このオーバケモノは、ナーガより5t多い装甲を搭載しており、また、少しばかり大きな副武装群の搭載を為し遂げているのであるが、それは放熱器の数の減少という犠牲を払っており、より重大な事にその最高速度の大幅な減少という犠牲も払っている。しかしながら、これらの欠点にも拘わらず、それでもオーバケモノは圧倒的に強力な火力支援メックではあるのであった。
配備:
ドラコ連合としては常ならぬ動き――ケル・ハウンドにウルフハウンドを最初に配備したシュタイナー家といった他の大王家の同様のプログラムを連想させる動き――の中で、オーバケモノは最初にカマチョ機士団に配備される事となった。当初はこのメックに関しては噂しか漏れなかったが、あるレポートが最終的に明るみに出て、それによりチャンドラセカール・クリタがオーバケモノのプロトタイプの1機を(その従兄弟の承認を得たかどうかはともかくとして)確保して、それを3057年に実地テスト用に機士団に手渡した事が確かめられた。
その後数年で、その有効性は直ちに明白なものとなった。一線級連隊の全てで姿が見掛けられるという訳ではないが(その副次武装をほぼ欠いている事、その間接兵器をベースとした搭載兵装は、それをより大規模でよりエリートの部隊でしか見掛けられない存在へと確定させた)、それでもオーバケモノはドラコ連合のバトルメック戦力に於いて傑出した役割を演じている。
派生型:
OBK-M11型とOBK-M12型は、実際の工場製造型というよりも戦場サルベージでの派生型である。しかしながら、惑星“ルシエン”での近年の激戦に於いて、これらの型は極めて効果的である事を証明しており、多数のかようなサルベージ型が出現するに至っている。
オーバケモノはそのアローIV弾薬に必要とされる費用と補給線の為に惑星“ルシエン”でその姿が見掛けられるのは稀になっていき、最高に重要な作戦でのみ使用するべく秘蔵される様になった。その一方で、MRM弾薬は比較しして豊富かつ安価であった。そして、オーバケモノのエクストラライト・エンジンの修理と交換の費用と困難さに匙を投げられた、この強襲型メックのそのダウングレード版が“ブラック・ルシエン”の過酷な戦場にてどの様に進化を遂げたのかは想像に難くないものである。
OBK-M11型はXLエンジンを通常型のピットバン240に交換し、また、そのアローIVランチャーを2基のMRM−40と各4tのそれの弾薬、1基のC3子機、14基のダブルヒートシンクに交換している。
OBK-M12型は効果的な存在ではあるが稀少かつ製造が(戦場に於いては特に)困難であり、サルベージ型の趣旨をほぼ無にしている――M11型から2基の放熱器と2tの弾薬を取り外し、M12型はC3親機を搭載しているのであった。
著名なメック戦士
バーレンド・トエット上等曹長
バーレンド・トエット上等曹長――第2光の剣連隊第4大隊のシゲル強襲中隊の一員――は、ブルドッグ作戦の最中に惑星“ハイナー”のケリアン・ワールズからスモークジャガーを追い払う切っ掛けとなった人物である。シゲル・ヒロツ大尉は当初は第3ジャガー機兵隊の第2戦闘三連星隊と一対一の決闘で戦ったが、自分が不利になっている事を素早く理解した。ヒロツ大尉は最高のサムライとされるその素晴らしい行動にて、ドラコ連合の勝利と名誉の為に自分自身の名誉を脇に置き、強襲中隊の支援小隊からの火力支援を要請した――その中でも特に、トエット上等曹長のオーバケモノの2基のアローIVシステムは圧倒的に効果的であるのを証明したのであった。
“エル・クコ”
このプロトタイプの(“エル・クコ”(“ボギーマン”)と名付けられていた)オーバケモノ――3057年の惑星“タウン”での最初の試運転試験の際には元々はダイアナ・ヴァスケスによって操縦されていた――は、3057年以降は多数の人の手の中を渡っている。“エル・クコ”のパイロット達は、その通信ラインにかすかな声(他のメック戦士には聞こえない)が聞こえる事、レーダーや磁気探査スクリーン、更には前方ビュースクリーンにも幻影が現れる事を断言し続けている。これがプロトタイプ機でありそれ故に独特の不具合――技術者達がどれ程の修理を重ねようともそれらの症状は除去できないままである――が存在する傾向があるのを誰もが理解してはいるが、機士団員達は“エル・クコ”にはダイアナ・ヴァスケス――機士団の惑星“タウン”への配置の最中に銃殺隊に捕らえられ殺害された――の霊が宿っていると思う様になっている。そしてそれ故に、機士団員達は“エル・クコ”を幸運を招く御守りで戦場には常に自分達と共にあるべきものであると見なしている。しかしながら、ダイアナの霊へ非常に近付く必要のあるそれを進んで操縦したいものは1人としておらず、そうした次第で“エル・クコ”への配置はミッション毎に割り振られるものとなっている。
私的解説:
オーバケモノは、間接火力支援に特化している、バトルメックとしては珍しい機種です。氏族メックのナーガをベースに開発されたので、ナーガとは義理の兄弟的な関係にあると言えるでしょうか。オーバケモノはその役割が誰にも真似できない事から、ダークエイジでもドラコ連合で使われています。しかし、ナーガはウォーズ・オブ・リーヴィングで製造工場が破壊された事から本国氏族ではその命脈が尽き、中心領域侵攻氏族では細々と存在するのみになっています。こう不肖の弟機の方が幅を利かしている風なのは、ちょっと皮肉ですね。
バトルテック・ボードゲームですと、OBK-M10型オーバケモノをトーナメントや通常のプレイで使用する事は余りないと思います。間接砲ルールはアドヴァンスト・ルールに分類されており、ちょっと面倒なものですから。もし、使用できるのであれば、是非ともアローIV弾薬は通常弾とホーミング弾を混載し、僚機にはTAG搭載機を選びましょう。そして、遠くの敵にはアローIVホーミング弾を撃ちTAG機で誘導をする、近寄ってきた敵にはアローIV通常弾を間接砲直射ルールで撃つ、といった感じで間接砲撃ルールを徹底的に活用するのが良いでしょう。アローIVを活躍させられなければ、オーバケモノが勝利に寄与する度合いは減少しますので。しかし、無難にいくのならば、OBK-M11型の使用を選択するのが一番です。