出典: Technical Readout: 3145 Lyran Commonwealth
MGL-T1 モングレル
重量: 50t
シャシー: ベイオウルフ5C
パワープラント: マグナ−C350XL
巡航速度: 75km/h
最高速度: 118km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: ロイヤル−7R リアクティブ
武装:
3×シリーズ2f 射程延長型中口径レーザー
1×GMワールウィンド オートキャノン5
製造元: アークロイヤル・メックワークス、オーディン・マニュファクチュアリング
主工場: アークロイヤル(ARM)、オレステス(OM)
通信システム: O/P COM-22/H47Targeting
照準・追尾システム: デジタルスキャンロック347
MGL-T1 モングレル 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 リトラクタブル・ブレード 3×ER中口径レーザー AC/5(IS) 弾薬(AC)20 |
部位 右腕 右胴 左腕 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
異なる氏族をその地盤としている2つの企業間の国際的な共同研究により安価なパーツから作り上げられたメックであるこのモングレルに対して、これ程の成果が上げられるとは誰も期待していなかった。“聖戦”後、ラサルハグ・ドミニオンは自らのトゥマンの中の古びてきたメックをより安価かつより効率的な機体で置き換える事を求めた。そして、オーディン・マニュファクチュアリング社とウルフ・インエグザイル氏族のアークロイヤル・メックワークスとの提携は、多くの者達が当初は嫌悪の念を持って見る様な産物を生んだのであった。しかし、その疑わしい由来によりモングレル(雑種犬)と名付けられたこの新型機は、野外実地試験に於いてはあらゆる見込みを上回る出来のものであったのである。それから2年を経ずして、これはエグザイル・ウルフの若きメック戦士達の間で人気を獲得していた。その手頃な価格と運用記録により、この所謂“フランケンメックと言えるもの”は傭兵市場にてその数を急速に増加させつつある。
性能:
モングレルは古きウルススやその他の中量級メックの多くを速度や機動性で優越する事ができ、従って、戦場でトラブルが起きた場所へのその対応に掛かる時間を減少させている。また、このメックは限られた数の兵器システムにしか依存しておらず、それはこのメックのコンポーネントの整備・修理・交換を非常に容易なものへとしている――交戦と交戦の間の時間が非常に限られている時は、特に。激しい抵抗に直面した際には、モングレルのリアクティブ・アーマーは飛来する砲火に対して最大限の防護を提供するものであり、更に、戦場に於けるそのパイロットの持久力を増加させるものでもある。
配備:
3108年、モングレルの最初の真の実戦テストは、ウルフ・イン・エグザイル氏族とラサルハグ・ドミニオンの間での合同演習という形態でもたらされた。この共同設計によるメックを時間差での交戦で試す様な事はせず、エグザイル・ウルフとドミニオンはウルフ氏族占領地域への向かい合っている側への同時襲撃に乗り出したのである。お互いに2日間を経る事なく、第1ウルフガーディアンズは惑星“ボルゲーゼ”に降下し、第5ベアーガーズは惑星“フォート・ラウドン”に降下した。
第1ウルフガーディアンズの連星隊は、メルト列島――惑星“ボルゲーゼ”の南半球に位置する第13戦闘星団隊が試射場として利用していた無人の列島――にてウルフ氏族の第13戦闘星団隊と交戦した。ここでモングレルの1個星隊は、決闘で戦う事によって対戦相手の1個中量級星隊を寄せ付けなかった。モングレル達はオートキャノンを用いてその対戦相手を長距離に留め続け、弱点を見付け出す為にその対戦相手を機動性で出し抜いた。一度、ウルフ氏族のメックを行動不能にしたり弱体化させた後には、モングレル達は止めを刺す為に接近をした。そして、凱歌を挙げた2機のモングレルは第13戦闘星団隊のより重いメック達に挑戦をし、弾薬が切れるまでの間に相当なダメージを与える事を為し遂げた。しかしながら、その時点にて、第1ウルフガーディアンズは既に神判での勝利を確かなものにしてしまっていたのであったが。
惑星“フォート・ラウドン”に於いては、第5ベアーガーズは第2ウルフ強襲星団隊の7個ポイントに対してT2型モングレルの1個星隊を入札した。パリセード高地にて、第5ベアーガーズは第2ウルフ強襲星団隊の弱体な側面に回り込みウルフ達を容赦のない至近距離での強襲で以て奇襲する事を為し遂げた。しかし、ここでベアー達は合計4機の撃墜を挙げたが、最終的には打ち負かされる事となった。このモングレルのパフォーマンスに印象付けられたウルフの指揮官は、アイソーラとしてほぼ損なわれていなかった1機のモングレルの所有権主張をした。
派生型:
通常型のモングレルは傭兵市場向きに意図されているものであるが、組み立てられたT2型の大多数はドミニオンのトゥマンのものとして取り分けられている。このT2型はオートキャノンを1基の大口径プロトメック・オートキャノンとECM機器に置き換える事によって、より強力な近距離打撃力を保有する様になっている。また、このメックには、そのリトラクタブル・ブレードにより高い命中率を与える事を目論み、アクチュエーター・エンハンスメント・システムも内蔵されている。
著名なユニット
リスベート・ヴァン・アッケルマン大尉
ナーゲルリンクの卒業生かつ第26アークトゥルス防衛軍の隊員であるヴァン・アッケルマンは、3144年、エグザイル・ウルフの第2ウルフレギオンとの合同作戦行動に参加した。ジェイドファルコンに対する惑星“グレイスランド”の防衛の最中、彼女のウジエルは撃墜された。そして、それを放棄した後、彼女は未だに砲火の下にあったにも拘わらず、気絶していたスターカーネル:アビオイ・ワードを彼のコクピットの中から引っ張り出した。この彼女の戦場での勇気に感謝し、ワードは自分の氏族の予備からモングレルを彼女に贈った。それ以来、ヴァン・アッケルマンはモングレルを自分のメックとして選んでおり、それは(彼女がそう選択しない限りは)危険な場所に直接身を置かずに戦場で寄与する事を彼女に可能とさせている。
私的解説:
メックウォリアー:エイジ・オブ・デストラクション登場時、モングレルはそのちぐはぐな外見から適当な部品を寄せ集められて作られたフランケンメックの類ではないかとの意見が多く見られましたが、こうして実際に出たテクニカル・リードアウトから鑑みるに、それらはそんなに的を外れた意見ではなかった様に思えます。経済効率優先で、中心領域製のオートキャノンやリトラクタブル・ブレードの採用等々、余りやる気を感じられない設計ですし。ただ、腐っても氏族技術がその機体の基本ベースですので、並の中心領域技術機よりは生存性も高く兵器の性能も勝っています。そして、使用実績も良好だったみたいですから、馬鹿にしていると相手にした時に痛い目を見る機体と言えるでしょう。また、“Easy to Pilot”の機体特徴も持っていますので、手早く戦力を拡充したい時にはパイロット養成面から見て優れた選択肢になります。モングレルは、戦闘ではなく戦争に優れた機体ではありますね。
ボードゲーム上では、モングレルはその機体に漂うダークエイジ気分(貧乏風味)を満喫しつつAC/5の特殊弾薬を活かした運用をしたい所です。もっとも実際の打撃面での主力は、その氏族スペックの3基のER中口径レーザーでしょうが。リトラクタブル・ブレードは(選択ルールやバトルテックRPGの特殊必殺技を使うのならば話は別ですが)普通の戦闘面では余り役に立たないので、機会があれば別の武器に換装した方が良いと思います。また、モングレルのリアクティブ・アーマーはうまく作動すれば非常に強力ですが、常に危険と隣り合わせのものでもあります。大改造になりますが、これも機会があればレーザー反射装甲あたりに交換した方が個人的には良いと思います。