出典: Technical Readout: Project Phoenix、Technical Readout: Clan Invasion

マローダーIIC2

重量: 85t
シャシー: タイプSA−850・ライト
パワープラント: コンソリデーテッド核融合340
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: グルドMK.III
ジャンプ能力: 120m
装甲板: フォージングMD4 フェロファイバー

武装:
  2×シリーズ4D−2 ヘビー大口径レーザー
  2×シリーズPPS-XIX 中口径パルスレーザー
  1×シリーズXIV 射程延長型大口径レーザー

製造元: アルビオンMMA・コンプレックス
通信システム: シリーズD8・CC−25Xa
照準・追尾システム: “ヘルメス”CT−42Mk.II

マローダーIIC2
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


氏族

エンドースチール
340



24[48]


240(フェロ)

重量

85.0
4.5
27.0



14.0
4.0
3.0
12.5


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値

27
18
14
18

装甲値

33/12
28/8
25
32

武器・弾薬

種別
ヘビー大口径レーザー
中口径パルスレーザー
ヘビー大口径レーザー
中口径パルスレーザー
ER大口径レーザー
ジャンプジェット
ジャンプジェット
部位
左腕
左腕
右腕
右腕
胴中央
左胴
右胴

装備欄数






重量
4.0
2.0
4.0
2.0
4.0
2.0
2.0


概要:
 氏族の歴史を通して、ブラッドハウスの間には絶える事のない激しい不和が存在するものであり、そして、特定の部隊の間、更には全体としての一つの氏族同士の間でも遺恨が存在するものであった。しかしながら、ブラッドスピリット達とスターアダー達が互いに対して抱いている敵意程の強烈さに比肩するものは殆ど存在しない。この遺恨の起源は明白である――それは、スターアダー達がブラッドスピリット達の最悪の宿敵であるバロック達を“吸収”した事だけでなく、ブラッドスピリット達が積極的にその“吸収”を妨害した事にある。そこから、良く知られている様に物事は悪化したのであった。
 バロック氏族の“吸収”から間もなくして、ブラッドスピリット達はその本拠である惑星“ヨーク”に撤退していった。しかし、この撤退は、スターアダー達の復讐を延期させるだけのものに過ぎなかった。そして、スターアダー達が最終的に(復讐に)到来した際、彼等はブラッドスピリット達に最大限の損害を―――軍事的なものと心理的なものとの両方で――与える為に構築された軍勢を携えていた。この再設計されたマローダーIICは、その計画に於ける不可欠な一部であった。


性能:
 スタニスロフ・エンブタはブラッドネームとギャラクシーコマンダーの地位を勝ち取った際に、スターアダーのベータ銀河隊を徹底的に改革しただけでなく、惑星“ヨーク”強襲の為の自氏族の戦略も組み立てた。そして、その新たに再設計されたマローダーIIC2は、程無くしてその計画に不可欠な多数の歯車の内の1つとなった。
 その兵器の組み合わせは、依然としてその各腕にある一組の兵器を中心にしたものである。しかし、このスターアダーの新設計の場合に於いては、そのメックの主兵装は中口径パルスレーザーと組み合わされたヘビー大口径レーザーになっている。それらの腕搭載の兵器群を補完するのは、胴体搭載の1基のER大口径レーザーであり、それはこのメックにその前身となった機体よりも更に大きな射程を与えている。更に、この新たなマローダーIIC2は、重大な過熱をせずにその3つの主兵装で以て絶えず弾幕を張り続けるのが可能な程に効率的な存在でもある。
 当然の事ながら、ヘビーレーザーを搭載するその他の如何なるメックとも同様に、このマローダーIIC2も常ならぬ不調や電子機器のエラーを幾らか被ってしまう傾向がある。ヘビーレーザーのその10年前の登場から時を経て、その深刻な問題の大部分は――特にそのレーザーチューブの破滅的な故障は――修正されてきてはいるのであるが、かの兵器は未だに幾つかの電子的問題を引き起こすのである。発射の度に、それはクロススペクトルで途方もない量の放射線を放つのであった。これに対して、このマローダーIIC内に組み込まれた電子システムは、それら兵器に固有の癖を処理する為、そしてこのメックが指揮する危険な戦場を統御する為に、特別に設計されたものとなっている。


配備:
 このマローダーIIC2は、惑星“ヨーク”で、現在は族長となっているスタニスロフ・エンブタのベータ銀河隊内にて最初に戦闘を経験し、そこにて、それはブラッドスピリット達を奇襲してその本拠の世界に橋頭堡を築く上で重要な役割を果たした。この時以降、このメックは異なる幾つかの氏族――クラウドコブラ、ダイヤモンドシャーク、更にはゴリアテスコーピオンやスノーレイヴンを含む――のトゥマン内にその姿を現している。後者の氏族達(ゴリアテスコーピオンとスノーレイヴン)に関して言えば、疑いもなく、スターアダーがかの2つの氏族との関係をより良いものにする為の試みによるものであろう。ブラッドスピリット達もまた、自分達の本拠惑星の方々に出現する事となった戦場から多数を回収する事によって、このメックを配備してもいる。

派生型:
 スターアダー達によって最初に配備されたものと同様のやり方で、限定的な数ではあるが、この設計機の有意の派生型は1つのみが氏族達の間に広まっている。その兵器の組み合わせは原型機のマローダーIICにより酷似しており、それはその各腕に1基のER PPCを持ち、それらが上部搭載型のER PPCの代わりに1基のATM12ランチャーによってバックアップされたものとなっている。この設計機は胴体の2基のER小口径レーザーは保持したままであり、そして、1基の追加のダブルヒートシンクを装備している。

著名なメック戦士
スターコマンダー:コンドウ
 スターコマンダー:コンドウは、自らの地位の神判を勝利した後に思い切ってマローダーIICを要求した事によって、その上官達を驚かせた。コンドウは、そのゴーストベアーの新たな4型の2基のHAG40が持つ美しさに目を奪われたのであった。オメガ銀河隊の一員として惑星“ディーロン”に於いて、コンドウは通常型バトルメックの操縦に関する自らの技量を示した。繰り返し、彼による一斉射撃は彼を完全な破滅から辛うじて逃れさせたのである。その最終日、彼はブレイク教徒の保護領市民軍を完全に停止させたが、この時は彼等は退きはしなかった。彼の精密射撃が彼等に大損害を強いたにも拘わらず、彼等は進撃を続けた。彼等は進む度に死んでいった。そして、考えられない事が起きた――彼のHAGの弾薬が尽きたのである。しかし、ブレイク教徒達は迂闊であった。ゴーストベアーは追い詰められた時にこそ最も危険な存在になるものであり、そして、コンドウに行き場はなくなっていた。ここで彼は突撃を行い、自らの人生で最初となる完璧な飛び降り攻撃を行った。それはまた、彼の最後の飛び降り攻撃ともなった。彼はその着地点にいたヴァンキッシャーを破壊したが、彼が立ち上がった直後、彼は複数の兵器の射撃で射すくめられた。彼の愛するマローダーIIC4はバラバラとなり、彼は焼死した。そして、彼は惑星“ディーロン”にて死亡した最後のオメガ銀河隊のメック戦士となったのである。

ザレイナ・シュミット大尉
 シュミット大尉は、第25アークトゥルス防衛軍のヴィークル中隊を指揮していた。彼女のSRMキャリアーには、敵メックを無力化するべく、インフェルノミサイルが搭載されており、それは尋問用の捕虜と連隊用のサルベージ・ユニットを提供するものであった。彼女の中隊が“スカウア作戦”から除外された際、彼女達は惑星“グレートX”にてジェイドファルコン達と幾度となく小競り合いをした。それらのジェイドファルコン達は、LCAFにとって未知の幾つかのユニットを持ち込んでいた。その1機の新型のマローダーIICを倒した後、彼女はそれを自分のものと主張した。(この時)連隊司令部は不在であったが故に、彼女に反対する者は1人もいなかった。そして、彼女はその機体がIIC5型であるのを明らかにした。彼女のメック戦士の技能は未だに初歩的であるが、それでも彼女は戦場に於いて恐るべき脅威を与えるものである。




私的解説:

 マローダーIICが登場したのはかなり古く、2828年となっています。再設計が行われた際に当時の最新の技術を盛り込もうとした結果、その重量は増大し、原型機よりも10t増えた85tの機体として完成しました。オムニメックの登場後には二線級メックに格下げされたものの非常に人気のあるメックで、火力の持続力と生存性が高い事から氏族の士官クラスには愛されていたそうです。
 その改良型のマローダーIIC2が登場したのは3063年と随分と後の事です。マローダーIIC2は、どちらかと言えば中距離火力と機動力を重視した機体でしょうか。その主兵装のヘビーレーザーは命中精度に些か難ありですが、破壊力は大したものです。また、ジャンプ能力を持つので険しい地形にもかなり対応できます。マローダーIIC2は、大抵の戦場で役立つ強力な機体ですね。

BACK