出典: Wolf's Dragoons、Technical Readout: 3039

MAD-4A マローダーU

重量: 100t
シャシー: GMマローダー
パワープラント: ヴィラー300
巡航速度: 32km/h
最高速度: 54km/h
ジャンプジェット: チルトン600
ジャンプ能力: 90m
装甲板: ヴァリアント・ラメラー

武装:
  2×マグナ・ヘルスター PPC
  2×マグナ・マークU 中口径レーザー
  1×マグナ・マークV 大口径レーザー

製造元: ゼネラルモーターズ/ブラックウェル・インダストリーズ
   主工場: ニューヴァレンシア
通信システム: ダルバン・マイクロニクス
照準・追尾システム: ダルバンHi-Rez U

MAD-4A マローダーU
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


中心領域


300



29


304

重量

100.0
10.0
19.0



19.0
3.0
3.0
19.0


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値

31
21
17
21

装甲値

45/16
31/11
34
41

武器・弾薬

種別
PPC
中口径レーザー
PPC
中口径レーザー
大口径レーザー
ジャンプジェット
ジャンプジェット
ジャンプジェット
部位
右腕
右腕
左腕
左腕
右胴
胴中央
左脚
右脚

装備欄数







重量
7.0
1.0
7.0
1.0
5.0
2.0
2.0
2.0


概要:
 3010年、ウルフ竜機兵団は惑星“ニューヴァレンシア”のブラックウェル社と契約し、高名なマローダーを100tにした恐るべきバージョンを製造した。その2年と少し後、最初のマローダーIIはウルフ竜機兵団ゼータ大隊の戦列に収まり、続く20年間の大部分に於いてマローダーIIはウルフ竜機兵団の専用メックであった。第4次継承権戦争後、ジェイム・ウルフはその製造量の増大と外部の買い手への開放をするのをブラックウェル社に対して認め、この設計機は中心領域に広がった――非常に限られた数ではあったが。この状況は、ジェネラルモーターズ社がこの設計機のライセンスを受けてより一般的な製造を開始する事となる3060年代まで続いた。

性能:
 このメックの設計フェイズは非常に短いものであった――ウルフ竜機兵団の士官とブラックウェル社の技術者達は既存のプランを研究し、結局は素のマローダーのシャシーを強化するのが予想よりも容易であろう事が明らかになったのである。その基本的な兵器構成――その2基のヘルスターPPCはアトラスでさえも脅かせるものであった――は変更されなかったが、ワールウィンド・キャノンは大口径レーザーへ置き換えられた。そして、マローダーIIがより激しい射撃レートを持つのと3基のチルトン600ジャンプジェットの熱を処理するのを可能とする為に追加の13基の放熱器が搭載された。更に、その装甲量は、戦場に於ける他の如何なるバトルメックとも同等以上のものになるべく増加させられたのであった。

配備:
 ウルフ竜機兵団以外の部隊にマローダーIIが販売されるようになったのは、第4次継承権戦争の後の事である。第4次継承権戦争の前は、マローダーIIはゼータ大隊とアルファ連隊の戦列内に最も多い数で存在しており、そこにてそれは強襲中隊や部隊指揮官の手により熱心に使われていた。マローダーIIを目撃する事は大抵の場合においてその近辺に他の重装備のウルフ竜機兵団が存在するのを意味しているものであるが故に、ウルフ竜機兵団の敵手は程無くマローダーIIの前進を恐怖するようになった。
 ブラックウェル社が買い手に対してこのメックの売り出しを開始するや否や、このメックの普及は始まった。その最大の買い手は傭兵部隊ミラー襲撃隊であり、この部隊は自らの通常型マローダーをマローダーIIで以て置き換える事を開始し、エリートの強力な強襲大隊を作り上げた。他の部隊はこのメックを少数量で購入をした――しかし、販売が許可される前に、その各買い手達はウルフ竜機兵団による承認をされなければならなかった。


派生型:
 マローダーIIのスタンダードな派生型は、全く確認されてはいない。メック戦士個人が自分のメックを何らかの方式で以て改修している可能性はあるが、ブラックウェル社は他の型を全くサポートしていない。

著名なメック戦士
ルーカス・ケナー大尉
 ウルフ竜機兵団が3019年に惑星“ヘスペラスII”を攻撃する直前、ルーカス・ケナーはウルフ竜機兵団アルファ連隊エイブル大隊ケナー中隊の指揮を執る事となった。その攻撃作戦に於いてケナー大尉は自らの中隊――ウルフ竜機兵団の嚮導中隊――を率い、マローダーIIを使用してシュタイナーの防御を押し分けて進撃し、見事にその任を果たした。その戦役に於けるアルファ連隊の進撃の大部分は彼の中隊のお陰であり、この事は“かような地位に就くには彼は若く未熟であり過ぎる”との勧告をしていた多くの批判者達の口を封じる事となった。他のウルフ竜機兵団団員の大多数と同様、ケナー大尉も惑星“ミザリー”でのリュウケン連隊との過酷な戦闘にて戦死した。




私的解説:

 第4次継承権戦争前の中心領域にて伝説的に恐れられていた100tメックの内の1つが、このマローダーIIです。当時は3055年以降とは違い、稼働している100tメックの機種も少なく、アトラスやキングクラブを除けばウルフ竜機兵団のユニーク・メックが存在するだけでした。途切れる事のない砲火を浴びせてくるマローダーIIはアトラスとは違った怖さを持ち、ジャンプジェット装備によるその機動性の良さも脅威でした。中でもウルフ竜機兵団ゼータ大隊のマローダーIIは恐れられており、その姿を見ただけで戦意をなくす者もいました。
 マローダーIIは装甲が頑丈で全距離に対応した武装をしていますので、適当に射撃をしながら歩行をするだけでも相手にとって脅威となります。また、険しい地形の戦場でもジャンプジェットのお陰で機動にそれ程の支障は出ず安定した戦いができます。しかし、そのジャンプジェットと十分過ぎる放熱器の装備の所為で、最大瞬間火力の面で同級の他のメックに劣っているのがいざという時には不満に思えるかもしれませんが。

 その他のメックの多くと同様にマローダーIIも後に改良が為され、3050年代のスタンダードとなったMAD-5A型、“バーバーマローダーIIs・ショック”後に開発されたMAD-4S型と使える機体が将来には出現します。“聖戦”の最中やダークエイジ期でもこの機体の製造は続けられており、この機体の命脈は保たれています。
 ちなみに、マローダーIIの著名なパイロットの中にはあのバウンティ・ハンターもいたりします。バウンティ・ハンター、どうしてかマローダー系列の機体が好きなようです(彼はマローダー、マッドキャット、マローダーIIと機体を乗り換えています) 何か面白いですね(笑) また、マローダーIIは“悪魔の双子”ことオバノン姉妹の愛機であり、3年間に渡りソラリスVIIチャンピオン機であり続けました。これらの事は、マローダーIIの性能の良さを証明するものでしょう。

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