出典: Technical Readout: 3039
JVN-10N ジャベリン
重量: 30t
シャシー: デュラライト246
パワープラント: GM180
巡航速度: 64km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: ローリングズ95
ジャンプ能力: 180m
装甲板: スターガードI
製造元: ストームヴァンガー・アセンブリーズ、ライトディヴィジョン
主工場: カフ(2774年に破壊)
通信システム: ギャレットT10B
照準・追尾システム: ダイナテック128C
JVN-10N ジャベリン 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 SRM6 弾薬(SRM)15 SRM6 弾薬(SRM)15 ジャンプジェット ジャンプジェット ジャンプジェット |
部位 右胴 右胴 左胴 左胴 胴中央 右脚 左脚 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
2751年、ストームヴァンガー・アセンブリーズ社は、発見されても生き残れる火力を持った偵察メックとして、ジャベリンを中心領域の軍隊に披露した。第1次継承権戦争の口火が切られた時には、このジャベリンは大半の連隊に完全に配備がされているというものではなかったが、数世紀間の戦争はこの設計機が揺るぎのないものかつ信頼できるものである事を証明した。その唯一の製造施設が破壊されたのにも拘わらず、このジャベリンは人気のあるメック――ダヴィオン家の連隊群の中では特に――であり続けた。それは殆ど如何なる場所にも出撃できる融通が利き機動力のあるメックとして名声を獲得しており、“ジャベリンの様に狡賢である”という格言を生じさせている。
性能:
このジャベリンは大抵の場合に於いて偵察メックの役割を果たすが、それは十分な火力を持ってもおり、かなり立派な打撃機かつ待ち伏せ攻撃機ともなっている。この火力は、ジャベリンの胸部に埋め込まれている2基のアローライト6・ミサイルランチャーからもたらされたものである。その各ランチャーには1tの弾薬が宛がわれており、それはジャベリンに弾薬が余りにも急速に枯渇するという心配をせずに戦闘に突入する事を可能にさせている。
そのローリングズ95・ジャンプジェットは、現代の戦場に於いてジャベリンが果たす如何なる役割にも必須である機動力をそれに与えている。その尊敬すべき97km/hという最高速度は、この30tのメックに31世紀初期の大部分の偵察メックに追随する事を可能にさせており、そして、そのGM180核融合エンジンは存在する中で最も信頼性の高いものでもある。
メック戦士達がジャベリンについて訴える唯一の不満は、その凡庸な装甲防御と前方重心にある。そのアローライトの質量はその胴体の遥か前方に位置するもので、それはジャベリンを前屈みにさせる傾向があり、全力走行の際にそのメックを転倒させない為にはジャイロを適切に合わせる事を必要とさせるのである。熟練したジャベリンのパイロット達はそれ用の合わせ方を身に着けているが、新たに配属されたメック戦士達は自分達の機体をどこまで動かせるのかを実際に学ぶまでの間、最初の数ヶ月を転倒する事に費やす。
配備:
その長い歴史により、ジャベリンは全ての継承国家に行き渡っているが、AFFSのみがそれを喜んで受け入れて可能な限りその全てのシャシーを使用する事を試みている。ジャベリンは殆ど全ての恒星連邦のメック連隊にその姿を現しており、幾つかの編制では何ダースものジャベリンを使用している。“3039年戦争”の最中の惑星“マルドゥック”での戦闘は、ダヴィオンの指揮官達がこの狡猾なメックの為に練り上げた革新的な使用法の1つを例証しているものである。
第10デネブ軽機隊の分遣隊によるスタントン郊外の第8ゲイルダン連隊の追跡の最中、DCMSの小規模の重装甲部隊がその主隊から切り離された。そして、それは第10デネブ軽機隊の1個偵察小隊――3機のジャベリンと1機のヴァルキリーの小隊――によって発見された。その装甲中隊が単独であるのを見て取ったこの偵察小隊は、数的に劣勢で火力も劣勢であるにも拘わらず攻撃を敢行した。その小隊指揮官は自分のメックに機動力と打撃力の強みがある事をわかっており、そして、サンドヴァル公爵が惑星上に存在した事により、彼は自分の名を揚げる事を望んだのである。
ヴァルキリーを離れた尾根――そこからならばその長距離ミサイルをゆっくりと動く戦車達に浴びせる事が可能であった――に置くと共に、ジャベリン達はジャンプジェットで前方に跳躍し、自分達のメックの性能や機動力の全てを駆使してクリタの装甲部隊によって打ち倒されるのを回避し続けた。そして、一度、200mの距離に辿り着いた後には、彼等は地面に留まってドラコ連合の隊形の中を駆け抜け続け、それぞれのジャベリンはドラコ連合のデモリッシャー(戦車)達にSRMの斉射を叩き付けた。
その最初の攻撃にて、3輌のデモリッシャーが行動不能となった。一方、ダメージを受けたジャベリンは皆無であった。
それぞれの度に異なる方位から3分間に渡りジャベリン達はこの戦術を繰り返し行い、その間、ヴァルキリーは時折のLRMの斉射を戦車達に浴びせた。残存する戦車達が逃げ出した時には、ドラコ連合は6輌のデモリッシャーと2輌のベヒーモス――その全てが砲塔が故障するか無限軌道が破損するかしていた――を放棄していた。ジャベリン達の内で破壊されたのは、1機のみ(オートキャノンの弾幕射撃のまぐれ当たりの犠牲となった)であった。
派生型:
派生型の1つのみが、広範に使用されている。そのJVN-10Fファイアージャベリンは、アローライトを4基の中口径レーザーと追加の装甲にに置き換えている。それはその持久力により人気がある一方で、多くのパイロット達はレーザーと同時にジャンプジェットを使用するのを試みた際には発熱問題と衝突する事になっている。
著名なメック戦士
ディヴィッド・アルビオン大尉
当時中尉であったアルビオンは、惑星“マルドゥック”でクリタの装甲中隊に挑戦した小隊指揮官であった。戦闘後、彼は昇進させられてサンドヴァル公爵の計画立案スタッフに異動し、そこにて彼は軽量級メック群へ生き残るチャンスを持たせつつ重戦車に立ち向かうのを可能にするより多くの戦術を研究するという責務を負っている。
私的解説:
このジャベリンは、軽量級としてはそれなりの機動力を持ちつつ火力を重視した設計の機体となっています。2751年に登場した本機ですが、何故か恒星連邦に非常に気に入られて大量に購入されます。そして、その製造工場の破壊の後にも愛用されて長い戦歴を誇るものになります。重心の位置が悪い事から来る不安定さを持っていたりとジャベリンは欠点のない機体ではありませんが、成功作と言える存在ではありますね。
その製造工場が破壊されたジャベリンはやがて消え行く存在に見えていたのですが、3055年に恒星連邦にてそれの製造工場が新規に建てられた事から一先ずは生き延びる事ができました。“聖戦”の時にはジャベリンは完全な再設計をされて生まれ変わり、それはダークエイジでも使用されるものとなりました。恒星連邦のジャベリンへの愛好は大したものです。
バトルテック・ボードゲームでは、ジャベリンはわかりやすいユニットです。その大火力と機動力を活用して、重量級相手には背後に回ってプレッシャーをかけたり、一撃離脱をしたり、観測機として行動したり、というのが基本的な用法でしょうか。ジャベリンはその薄い装甲に気を付けつつ、なるべく長く生き残らして火力を相手に叩き付けていきたいユニットですね。