出典: Technical Readout: 3039、Technical Readout: Succession Wars
JR7-D ジェンナー
重量: 35t
シャシー: ディプラン・スカウト-A
パワープラント: マグナ245
巡航速度: 75km/h
最高速度: 118km/h
ジャンプジェット: スミッソン・リフターズ
ジャンプ能力: 150m
装甲板: スターシールド
製造元: ルシエン・アーマーワークス
主工場: ルシエン
通信システム: ドーソンIII
照準・追尾システム: BK-309
JR7-D ジェンナー 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 SRM4 弾薬(SRM)25 2×中口径レーザー 2×中口径レーザー ジャンプジェット ジャンプジェット ジャンプジェット |
部位 胴中央 右胴 右腕 左腕 右胴 左胴 胴中央 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
31世紀以前の大部分のバトルメック設計機とは異なり、このジェンナーは星間連盟によって使用されているメックに対抗したものとして、ある1つの国家――ドラコ連合――にとっての国家的な誇りの源であった。クリタ家によって単独で設計・製造・使用されたこのジェンナーは、かの星間勢力の代名詞となった。しかしながら、試験段階にてその照準システムと兵器システムに無数の問題を抱えたが故に、この機体の計画が実を結ぶには何年もの時を要する事となった。そして後には、“ケンタレスの大虐殺”に於いてジェンナーが果たしたその重要な役割は、その名声を傷つける事にもなったのである。
観察者達の多くは、ジェンナー原型機のその搭載兵器構成はスクラップとなったユニオン級降下船の砲塔をバトルメックに組み込む実験であった、とのジョークを言ったものである。しかしながら、その砲塔搭載型レーザー群は製造をするには脆弱すぎるものである事が明らかになったが為に取り外されて追加の装甲に置き換えられ、その両腕には新たな中口径レーザーが組み込まれた。また後には、開発者達は火力を増強すべくその追加された装甲を1基の短距離ミサイルシステムに置き換える事となったのであった。
性能:
ジェンナーのその高速かつ敏捷な設計にも拘わらず、幾つかの見落としによってこのメックの襲撃機やゲリラ戦闘機としての元々の使命は妨げられている。手がない事によりこの35tの機体は如何なる鹵獲した戦利品を獲得するのにも他の設計機の付き添いを強いられるものであり、また、その4tの装甲は同等の重量のバトルメック達と比較した際には“紙よりも薄い”品質であると嘲笑されているのである。
しかしながら、その速力と兵装にはかような不足は存在していない。その各腕にある一対のアルグラ3L中口径レーザーはジェンナーに戦闘に於ける印象的な投射重量を与えている。オリジナルの大口径レーザーを置き換えたそのサンダーストロークSRM4パックは、バトルメックとヴィークルに対して同様に効果的に機能した――その単一の弾薬庫にインフェルノ弾が搭載された際には特に。これらの兵器は組み合わさると、実在する他の大部分の軽量級メックや幾つかの中量級メックよりも大きい火力をジェンナーに与えるのであった。その1回の“アルファストライク”はジェンナーを過熱させる事になるが、メック戦士達はその自機が冷却されるまでの時間を稼ぐのにその印象的な150mのジャンプ能力を使用する為の訓練を積まされているものである。
配備:
この設計機はケレンスキーの“エクソダス”後に開発/製造された最初のものの1つであり、この事はクリタ家にこの設計機に対する独占的なアクセス権を50年以上に渡り与えた――継承権戦争が大損害をもたらすまでは。その後間もなく、残りの継承国家の全てはこの軽量級バトルメックを少数保有する事となった。
2848年にその最後のジェンナーの工場が破壊されたにも拘わらず、“3039年戦争”の終わる頃でもドラコ連合の殆ど全ての大隊がその隊内に少なくとも1機のジェンナーを配備しており、そして同様に、ドラコ連合国境沿いに駐留する全てのAFFS連隊が少なくとも1機のジェンナーを保有していた。
ジェンナーの1個小隊(1機もしくは2機のインフェルノSRM装備機を含む)が好む戦術は、一団となってより重いバトルメックに対して同時にアルファストライクを行うというものである。その目標機が最初の斉射で生き残った場合でも、概してその目標機は手酷い損傷を受けてインフェルノにより過熱もしており、それはジェンナー達が冷却の為に異なる方位に跳躍するのを可能とさせる。そしてジェンナー達は数秒後に再集結しては、この戦術を繰り返すのである。これは、マーサー・ラヴァニオン大尉――超軽量級のバトルメックの大群はそれよりも非常に重い対抗部隊をも圧倒できるというのを固く信じていた人物――の疑わしい理論を僅かに修正したものである。指揮官達が一度より重いジェンナーをその選択モデルとして使用し始めるや否や、かような戦術の成功が小さな規模にて起き始めている。[エディターズ・ノート: 軍事管領セオドア・クリタはコムスターとの合意に続いて、惑星“ルシエン”のジェンナーのラインの再建を最優先事項へとしたが、その長大な作業工程とドラコ連合技術者達の経験不足によりラインの再開は3046年まで果たされなかった]
派生型:
ヘルム・コアの発見以前に知られていたその唯一の派生型は、(見掛けられる事が稀であった)SRM4を持っていないJR7-F型である。より多くの装甲を搭載しているそれは、襲撃機としてより多くの成功を収め続けているものである。大口径レーザーを持ったオリジナルのプロトタイプ機で尚も機能をしているものは全く存在していないが、極少数のパイロット達は自分達の機体に砲塔なしで1基の大口径レーザーを搭載する改修(不成功に終わっている)を試み続けている。
著名なメック戦士
ヒューゴ・グリーン中尉
“ケンタレスの大虐殺”の最中に死の部隊(市民殺戮部隊)を率いた男の子孫であるグリーンは、惑星“ケンタレス”にいた多くの民間人達の殺害に使用されたその黒と赤のジェンナーを受け継いだ。グリーンはローニン戦争が起きるまでは成功裏にそれの操縦をする事となったが、ローニン戦争の惑星“プレドリッツ”にてマーカス・クリタの護衛の一員であった彼はロキの暗殺者が擦り抜けてその彼の指揮官を殺害するのを許してしまった後に、切腹した。彼のジェンナーは、その機体が帯びていた多数の不名誉な汚点を抹消するべく、その後に如何なる修復やサルベージを行う事も不可能な様に破壊された。
私的解説:
ジェンナーは星間連盟崩壊の直後に誕生した軽量級メックで、軽量級としては高い攻撃力を持っているのが長所です。装甲は些か貧弱ですが、高い機動力で補う事でその生存性も比較的高いものと言えるでしょう。後には氏族もジェンナーの設計を気に入った様で、ウルフ竜機兵団が補給の為に氏族本国に帰還した際に持ち帰ってきたジェンナーをベースにジェンナーIICを開発/製造していたりします。ジェンナーは人を惹き付ける、普遍的な設計の機体なのかも知れませんね。
ジェンナーはバトルテック・ボードゲームで使うのならば、一撃離脱が基本でしょう。全力射撃(アルファストライク)をしては、過熱の影響を受けないジャンプ移動で安全圏に後退する。テクニカル・リードアウトの本文に書かれている通りの運用です。正面から撃ち合いをするにはその装甲は頼りないですから。しかし、後代の型ですとそれなりに装甲も改善され耐久力も向上していますので、状況によっては直接戦闘をするのもありでしょう。特にヌル・シグネチャーシステム装備のJR10-X型は数値以上のしぶとさを持つと思われます。