出典: Technical Readout: 3050 Upgrade
IMP-3E インプ
重量: 100t
シャシー: スターリーグIM-03x
パワープラント: ヴィラー300XL
巡航速度: 32km/h
最高速度: 54km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: マクシミリアン300
武装:
2×マグナ・ファイアスター 射程延長型PPC
1×ミッチェル・システムズ LRM−15
1×サンダーボルト−12 大口径パルスレーザー
2×マグナ400P 中口径パルスレーザー
2×マーテル・モデル5 中口径レーザー
製造元: GMブラックウェル・オブ・アウトリーチ
主工場: アウトリーチ
通信システム: ポーリー=ブロンソンZ
照準・追尾システム: ワサト・アグレッサー・タイプ8
IMP-3E インプ 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 ER PPC ER PPC LRM15 弾薬(LRM)16 CASE 大口径パルスレーザー 2×中口径パルスレーザー 2×中口径レーザー |
部位 右胴 左胴 右腕 左胴 左胴 左腕 胴中央 右胴 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
ウルフ竜機兵団内に於けるこのインプの最初の出現は31世紀初期のコムスターのROMを混乱させたが、ウルフ竜機兵団の出自が明らかになった事と20年間にも渡る氏族に対する綿密な調査は最終的にこの機体の謎めいたその起源を明らかにした。かつては星間連盟の忘れ去られた試作機と考えられていたこのメックは、実際にはケレンスキー将軍がペンタゴン・ワールドに定住してから間もなくして登場したものであり、自称“スターリーグ・イン・エグザイル(亡命星間連盟)”の力のシンボルとして誕生したものであった――そして、“黄金世紀”の終りにはほぼ忘れ去られていた存在であったのである。
性能:
100tのこのインプは、速度と細やかさよりも装甲と火力を強調している。このメックは人型の砲台に過ぎないものであり、LRM−15にバックアップされた複数の中口径レーザーとパルスレーザー、複数のER PPCといった兵器の塊を詰め込んでいる。しかしながら、その兵器の砲列で印象的なのと同程度にIMP-3E型は莫大な発熱に悩まされており、それは全ての兵器を一斉射撃するその能力を妨げているのであった。
配備:
ウルフ竜機兵団が中心領域に最初に現れた際のその編成・装備表でのインプ等々のメックの出現は、彼等がその到着時に犯してしまった数少ない大きな過失の内の1つであると現在では見なされている。氏族――その古風な姿からその選択をしたと思われる――は、インプの設計が亡命者の子孫達の手によるものではなく星間連盟崩壊時にまで遡れるものであると思い込んでいたに違いないであろう――しかし、かような過失が何故発生してしまったのかについては誰にもわからないものである。
しかしながら、自分達のインプを単純に消す事で誤りを隠すのではなく、ウルフ竜機兵団はそれらを見せるに任せ、GMブラックウェル社と業務提携する事によりそれらを更に製造する事さえも目論んだのである。ウルフ竜機兵団はその誤りを決して説明はせず、それを独特の神秘として残した――そして、それは続く数十年間を通して彼等が非常に多数の契約を勝ち取るのに寄与したのであった。
ウルフ竜機兵団以外では、インプは稀少な存在のままであり、スターアダー氏族の氏族本国にいる二線級のタウマンにてその大部分は見られるものである。アナリスト達の大部分は、これらの機体の稀少性が、より新しく有力な設計機の方を選んだケレンスキーの末裔達によって長い間で徐々に削減されていっているという考察を補強するものである、という事で一致している。
派生型:
振り返ってみるに、インプで最初に目撃された型であるIMP-2E型は、ウルフ竜機兵団が継承権戦争での衰退により忘れ去られた製品に偽装するのを試みてIMP-3E型を故意にダウングレードした型であると思われる。元のものよりも非常に重いストランド300通常型エンジンと2基のマグナ・ヘルスターPPC、5基の中口径レーザー、1基のLRM−15を使用したこの機体は広告塔として歩きながら語られたのであるが、その星間連盟を連想させる設計ラインとその製造工場に関する記録の欠如は、それでも尚、継承国家とコムスターの情報コミュニティを等しく警戒させ続けたのであった。
3060年に登場した4E型インプ――この設計機のウルフ竜機兵団による2度目の徹底的な改修を表すもの――は、搭載兵器を元の状態に戻す為に、その放熱器を2倍効率の冷却装置にアップグレードして、その大いに向上した効率性を使用して放熱機構に費やされる重量を減少させている。この搭載兵装向上型は各胴に1基ずつER PPCを搭載し、3基のER中口径レーザー(各腕に1基ずつ、頭に1基を搭載)、胴中央に2基の中口径パルスレーザー、各脚に1基のER小口径レーザーを搭載している。更に、右腕のLRMはアルテミス装備型の20連ラックにアップグレードされ、あらゆる面に於いて非常に向上された打撃力をもたらしている。
また、現在では氏族製の型――所謂インプC型――が幾つかの氏族の軍備に存在しているのが明らかになっている。その上、ウルフ竜機兵団の幾つかの型もこの氏族の標準型で以て製造されているのであった。これらの型は同一の基本シャシーと通常型のエンジンという設計を保持したままであるが、氏族製のダブルヒートシンクを25基使用して、2基のER PPC、1基のアルテミス強化型LRM−20、5基の中口径パルスレーザーによって構成されるその砲列が発生させる熱を排出している。
当然の事であるが、その“アウトリーチ”の工場群の喪失により、ウルフ竜機兵団は新たなインプを製造するのが不可能となっているのであるが、惑星“アークロイヤル”の工場群――中心領域人が操業しているアークロイヤル・メックワークスや追放ウルフ氏族の工場が、ウルフ竜機兵団の概略図を使用した彼等独自のインプのラインを始動させる事についての調査をしている、との噂が存在しているものである。
著名なメック戦士
アンバー“スナッグルズ”カウルバック中尉
出所不明のIMP-4E型を操縦しているこのライラ人のメック戦士は、LCS“インビンシブル”がターカッド・シティーを爆撃して以来、“ターカッド”の勇敢な防衛者であり続けている。“ターカッド”のメディアはこの若き女性をその独特な対メック格闘攻撃から“スナッグルズ(寄り添い屋)”と呼んでいるが、LAAFに於いてはこの愛称はブレイク教徒の戦闘艦群が頭上に存在する際にブレイク教徒の地上部隊の至近距離への移動をさせる為に“スナッグル・アップ!(寄り添え!)”との命令を彼女が叫ぶ事に由来するものである。この事と基本戦術の良好な応用は、カウルバックとその臨編小隊をブレイク教徒達の侵略の最中でも良く纏まった状態で維持させ続けている。
私的解説:
インプはウルフ竜機兵団と共に中心領域に現れた謎めいた存在であり、出現当初からその起源についてが議論の的とされてきていたものです。そして、追加調査で明らかになったのは、インプが星間連盟時代には存在しておらず、エクソダス艦隊がペンタゴン・ワールドでの環境を落ち着けた後に作られたというものでした。しかも、氏族は何を勘違いしたのか、ウルフ竜機兵団編成時に「うっかり」この機体を含めてしまうというミスをしてしまっています。何か笑えますね(笑)
インプは鈍重ですが、近距離と遠距離の両方で相当な火力が発揮できる撃ち分け型の機体です。同重量の機体を相手にしない限り、射撃戦で負ける事は余りないでしょう。ただ、鈍重なので撤退の時機を見誤ると悲惨な事になりますが。
ワード・オブ・ブレイクの“アウトリーチ”侵攻の所為でインプの生産は停止する事になりましたが、ウルフ竜機兵団の避難先の“アークロイヤル”で生産計画が持ち上がっているらしいのは明るい材料でしょう。