出典: Technical Readout: 3085
ヘルスター
重量: 95t
シャシー: タイプMA-58 エンドースチール
パワープラント: GM380XL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: ロイヤル-7 スタンダード
武装:
4×リッパー・シリーズA1 射程延長型PPC
製造元: WCサイト1、チェストレグ・インダストリプレックス・アルファ
主工場: チェストレグ、アークロイヤル(WCサイト1)
通信システム: CH6シリーズ・インテグレイテッド
照準・追尾システム: ハンター(7a)・デディケイテッドTTS
ヘルスター 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 ER PPC ER PPC ER PPC ER PPC |
部位 右腕 右胴 左胴 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
シグナスの成功に続いたこのヘルスターは、ウルフ・イン・エグザイルとヘルズホース氏族による共同製作活動――3079年に最初に明るみとなったもの――の1つである。この些か型破りの設計であるヘルスターは、シグナスとコンポーネントの非常に多くを共有している。RAF(スフィア共和国軍)の分析官達は、何故、かの設計者達が単にシグナスの全エネルギー兵器バージョンを作らなかったのか、その理由について確信を持てないでいる。しかし、それは武装固定型のバトルメックが必要とする徹底的な改修の事を鑑みると、零から始めた方がより簡単であったからではないかと思われるものである。
より懸念すべき事に、これは氏族の戦術に変化があり得る事を示す徴候であるかもしれない。
性能:
シグナスは特急での開発がされたが、ヘルスターはより慎重なアプローチのものである事が表されている。シグナスがアニヒレーターからその着想を得たのと同様、ヘルスターもウルフ・イン・エグザイルのパックハンターの兄となる機体として出てきた。全てがエネルギー兵器である武装を中心に作られ、分厚い装甲に防護され、良好な機動力を持つ、このヘルスターは、長期の作戦行動用に作り上げられている。これは氏族の短期決戦という戦争スタイルに調和しないものに見えるが、順応性のあるウルフ・イン・エグザイルとヘルズホースにはその事に何の問題もない様に見えるものである。
シグナスよりも流線型であるシャシーを備えているヘルスターは、大体は氏族バージョンのオウサムとして機能を果たすが、オウサムよりも遥かに大きな火力を持っている。ヘルスターは誇示できる様な副武装を全く持っていなく、その武装は4基のリッパー・シリーズA1 射程延長型PPCで構成されている。一斉射で中量級や重量級メックの多くを倒す事ができるこのメックは、30基のダブルヒートシンクを使用しており、それは熱を蓄積せずにその致死的な砲火の雨を途切れる事なく維持する事を可能とさせている。その最大の防御となっているものは18t以上ものロイヤル-7通常装甲によりもたらされており、如何なる攻撃者もこの機体に挑戦するにはそのPPCの猛攻撃に生き残った上で十分に接近をしなければならないであろう。
その武装は、腕の強化された収納箱とメックの胴部位の奥深くに搭載されている。幾つかの説に於いては、この大型の収納箱は射撃をするまでメックの兵装を隠す事を意図して設計された、と主張をされているものである。しかし、恐らく、“聖戦”の血腥い最後の日々に於けるその戦闘ROMの映像は、それとは異なる解釈を提示している――それに於いて、ウルフ・イン・エグザイルのメック群は腕のマウントを棍棒として使用して倒れたブレイク教徒達のメックに荒々しい止めを刺しているのが見られるのであった。ウルフ・イン・エグザイルはフレキシブルな戦術の使用を良く行っているが、その彼等でさえも以前は格闘戦闘に対する氏族で一般的な偏見を固く信奉していた。ジェイドファルコンもまた伝えられる所によれば格闘兵器をテストしているというが、これは氏族の革新に至るターニングポイントなのではなかろうか?
配備:
ヘルスターはウルフ・イン・エグザイルとヘルズホースの部隊内に等しく現れているものであるが、RAFは“聖戦”の多数の戦場から極少数の多大な損傷を負ったその実機を回収する事を為し遂げている。ウルフ・イン・エグザイル氏族に対してRAF向けにより多くのかのメックを購入する事の可能性に関して丁重な複数の申し入れが(ライラ共和国を通して)行われ続けているが、その全ては拒絶されている。現在の所、その製造品の全ては、両氏族の損害を負ったトゥマンの再建に使用されている様である。
派生型:
現在の所、2つの派生型のみが記録されているが、奇妙な事に、その両型はオリジナルの型と共に“聖戦”の最中に出現をしているのである――まるで、ウルフ・イン・エグザイルとヘルズホースが長期に渡る実戦テストをほぼ行っていたかの様に。最初の派生型――実に小さな変更の加えられた型――は、5基の放熱器を犠牲にして照準コンピューターを搭載している。この型は酷く有害である熱レベルに達するのを避けるには4−3−4のサイクルでの斉射を維持する能力しか持たなくなったのであるが、複数の戦闘レポートはこの型が致死的な精度で以てメックの四肢を切断しメックの胴中央を撃ち抜いたという証拠を提示しているものである。
2つ目の派生型は、そのER PPC群をシリーズ7JaER大口径レーザーに換装しているが、照準コンピューターは保持したままでいる。この派生型はダメージが減少した代わりに射程を得ており、より機動狙撃機的な存在となっている――そして、これも氏族の一般的に容認されている規範からは逸脱しているものの1つなのであった。また、2基のコリブリ・オメガシリーズ中口径パルスレーザーがバックアップ火力を提供し、それらは胴中央にほぼ気付かれる事なく位置している。その28基のダブルヒートシンクは、熱の増加なしにその全兵装を射撃する事を可能とさせている。そして、1基のアクティブプローブと1基のECMがこの構成を締め括っており、これはウルフ・イン・エグザイルとヘルズホースがワード・オブ・ブレイクと中心領域によって使用された“汚い”戦術に自分達が晒された事から学んだ事を示しているのであった。
私的解説:
ヘルスターは、シグナスの兄弟機的な存在です。文中にもある通り部品の多くをシグナスと共有しており、いっその事、シグナスのエネルギー兵器装備版を作った方が良かったのではないか、と言われてもいます。しかし、あのシグナスのビジュアルから鑑みると、エネルギー兵器搭載で多くの機構的な無駄が発生してそれの解決に労力が費やさせられるのは目に見えていますから、一から作ったのは正解だったのでしょう。実際、実体弾兵器主体のメックをエネルギーボートに改装しようとして失敗した例は、バトルテックの世界上で多数存在していますし(笑)
ヘルスターはまた、氏族の戦術上の変化の徴候を示す機体でもあります。その長期戦を重視し格闘戦闘にも適している構造からは、中心領域侵攻氏族が中心領域の戦争に毒されている事(よりプラグマティズムを重視する様になっている事)を窺わせます。もっとも、守護派ウルフ氏族、ヘルズホース氏族はゼルブリゲンに対して元々リベラルでしたから、こうなるのは時間の問題だったかもしれませんが。
ボードゲーム上での運用では、ヘルスターはオウサムと似た様に扱うと良いでしょう。文中でも触れられていますし、ヘルスターは恐らくオウサムを多少意識して設計されたのではないかとも私的には推測しています。しかしまあ、氏族ER PPCを毎ターン4発撃てるのは、もの凄く強力ですね。ただ、ヘルスターはメックや車輌等々のハードターゲットには強いですが、歩兵部隊などのソフトターゲットには余り強くないので市街戦では必ず随伴機が欲しいですね。また、ダークエイジですとレーザー反射装甲やブルーシールド搭載機(例えばウェンディゴ)が比較的珍しくはなくなっていますので、ヘルスターのエネルギー兵器の火力に過信しすぎるのはプレイする時代区分によっては危険でしょう。
さて、ヘルスターで著名なメック戦士と言えば、ダークエイジのスフィア共和国遍歴騎士クリストフ・エルベでしょう。彼のヘルスターには特別な改修が為され、そのER PPC×4はER大口径レーザー×2と大口径パルスレーザー×2に交換されると同時に照準コンピューターが装備されています。この機体は不利な市街地での防衛戦闘にも良く持ち堪え、その元々の設計意図通りの長期戦闘に耐え抜きました。不屈の闘志を持つクリストフ・エルベと長期戦闘に優れているヘルスターの組み合わせは最適に近いものでした――ヘルスターは慎重さと粘り強さを持つパイロットが操縦するとその本領を発揮するメックですね。