出典: Technical Readout: 3150

GTD-20S ゲッターデメルンク

重量: 75t
シャシー: ブラックストーンETG エンドースチール
パワープラント: エドアシシュ300コンパクト
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: スタースラブ/4 ヘビーフェロファイバー

武装:
  1×デファイアンス1001 射程延長型粒子ビーム砲
  1×コベントリー・スターファイアー LRM15ランチャー
  5×デファイアンス・モデルXII 射程延長型中口径レーザー

製造元: ブラックストーン・バトルメックス, Ltd
   主工場: イナールクス
通信システム: コミュテック・ハイバンド14
照準・追尾システム: RCAインスタトラック・マークX

GTD-20S ゲッターデメルンク
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


中心領域

エンドースチール
300コンパクト



12[24]
(コンパクト)
(胴体搭載型)
231(ヘビーFF)

重量

75.0
4.0
28.5



2.0
4.5
4.0
12.0


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値

23
16
12
16

装甲値

36/10
24/8
24
32

武器・弾薬

種別
ER PPC
LRM15
弾薬(LRM)8
5×ER中口径レーザー
部位
右腕


胴中央

装備欄数



重量
7.0
7.0
1.0
5.0


 由緒あるサンダーボルトの置き換えを意図したこのゲッターデメルンクは、過度に頑丈かつ過度に複雑な設計をされている。しかし、このメックに対するメディアの嘲笑にも拘わらず、それが持つ生存性は伝説的なものとなり、その事はそれをLCAFの半ダースの連隊にてその姿が一般的に見掛けられる存在へとしたのであった。

性能:
 メック戦士達は、ゲッターデメルンクの胴体搭載型コクピットに対して愛憎を抱いている。(射出での)緊急脱出は不可能であり、その“緊急開放”脱出システムは複雑であった。それは最初に、緊急アクセスパネルを開けてレバーを引く事によって、そのコンバット・シュラウドを引っ込めなければならない。シュラウドを引っ込めるのが失敗した場合は、10秒でそれの爆発型着脱ボルトが作動する事となる。そして次に、そのコクピット・ハッチの爆発ボルトをコントロール・ダイヤルを反時計回りで回す事によって爆発準備状態にし、そのダイヤルを押し込む事によってそれを作動させるのである。そのメックが直立している場合は、コントロール・ダイヤルの隣にある適切なレバーを引く事によって脱出用スライドを展開する事が可能である。

配備:
 このゲッターデメルンクは、第19次ヘスペラスII戦の最中にその不死身振りを実地証明した。その戦闘の2日目にはLCAFはこの惑星を放棄し、傭兵部隊の寄せ集めの一団はデファイアンス・インダストリーズ社工場の外で立ち往生する事となった。ここでウルフとジェイドファルコン達は互いを破壊し合う事に対してより多くの関心を持っていたが、それでも両者はそれの邪魔者達を抹殺するのに時間を割く事にした。そして、(その傭兵部隊の)シャハテビッヒ・イェーガーズはノース・ホイットマンのスルデン高地の東部のジェイドファルコンの一団を片付けた後でウルフ氏族のハウル・ケシークの1個星隊と衝突した時に、自分達のその状況に気付く羽目になった。
 1機のブラッドリーパーと1機のツンドラウルフ――両機共にイェーガーズのゲッターデメルンクに対して特に興味を抱いた――を含んだそのウルフの部隊は、冒頭の砲火の応酬でゲッターデメルンクの左腕を屑鉄にした。これにイェーガーズは、勇敢に反撃した。そのゲッターデメルンクは良く狙いの付けられたPPCの一射――それはブラッドリーパーの右胴のATM弾薬を爆発させた――で以て、ブラッドリーパーを倒すのをアシストした。そして、イェーガーズは3機のメックを失いその数を6機に減らしたが、彼等はそのウルフの星隊を壊滅させた。それから戦闘を避ける事を意図して、イェーガーズは西に向きを変えた。2時間後、彼等はハウル・ケシークの1個偵察新星隊によって発見された。ここで、それらの損害を負った中心領域部隊を容易い獲物であると考えたウルフ達は攻撃を仕掛けた。
 そのゲッターデメルンクはノヴァを倒したが、1発のER PPCの打撃によりその頭部とコベントリー・スターファイアーが破壊された。この死闘を逃れられた氏族人は2人のみであったが、シャハテビッヒ・イェーガーズの内で生き残ったのは2機――大打撃を受けたプリフェクトとゲッターデメルンク(今やその頭部と左腕と左胴とデファイアンス・モデルXIIの内の3基を失っていた)――のみであった。
 イェーガーズは身を隠す事を試みたが、偵察新星隊のもう半分の片割れ――混成バトルアーマーの1個星隊――によって追撃された。主センサーの喪失によってその攻撃能力が大いに削がれていた事により、ゲッターデメルンクは大いに不利であったが、それにも拘わらず、それはバトルアーマーの1個ポイント隊の抹殺を為し遂げた。かのメックはその右腕と右胴を失ったが、倒れなかった――別のポイント隊が攻撃に加わりその左脚を奪うまでは。そして、そのメック戦士は無傷であった。プリフェクトもまた、その戦闘で倒されたが、そのパイロットは同程度の幸運を持ってはいなかった。


派生型:
 ブラックストーン社は、それの近距離用派生型――明らかにライラのサンダーボルトの派生型にインスパイアされたもの――も売り出している。そして、それは、複数の短距離ミサイルと複数のパルスレーザーを使用している。

著名なユニット
戦士エレアノール
 ウルフ氏族はかのゲッターデメルンクのパイロットをボンズマンに取ったが、その敵メックを修理する事はリソースの無駄遣いであると見なした。そして、それは、他のサルベージ品と共にシ−フォックス氏族に売却された。デルタ・アイマグのティブロン・カーネイトのオヴカーン:アーウィン・ファウラーは回収されたバトルROMを調査し、それが優越した氏族の兵器に対してあれ程までに良く耐えた事に感銘を受けた。彼は、そのメックを氏族の兵器とフェロラメラー装甲を使用して再建するのを命じた。その最初の試験に於いて、戦士エレオノールは4機の氏族の中量級と軽量級のメックを倒し、それはかの商人の尽きる事のない歓喜となった。
 ティブロン・カーネイトは、ライラ共和国と資金を持つ全ての傭兵部隊に対するこの構成のアップグレード・キットの販売を開始している。このカーネイト内で囁かれる噂は、完全なそれの工場製造モデルがやがて出てくる可能性がある事を指し示している。




私的解説:

 ゲッターデメルンクはサンダーボルトを参考に開発されたメックで、その重装甲や武装に原型機の面影が見られる機体です。3138年に登場したこの機体の毀誉褒貶は相半ばするものであった様ですが、実際の戦闘ではその耐久力は頼りになるもので、重装甲を尊ぶライラ共和国軍の傾向に合致していました。そして、苦境に陥っている3140年代のライラ共和国ではまずまずの地歩を得る事になります。ゲッターデメルンクは攻勢に適性があるかどうかは疑問ですが、長期戦や防御戦に向いている機体である事は確かです。時勢に合ったメックを得られたライラ共和国は、その点だけは幸運だったかも知れませんね。

 このメックの最大の長所は、その頑丈極まりない設計と耐久力にあります。その反面、この時代の重量級メックとしては、その攻撃力は大人しいものになってしまっています。敵の火力を引き付けて他のメックの盾になる事こそが、このメックの役割でしょう。この機体では敵を短時間で撃破するのは余り期待せず、正面から堅実に立ち向かうのが良いものと思われます。

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