出典: Technical Readout: 3060
ファイアースコーピオン
重量: 65t
シャシー: コリオリ・クラスVI エンドースチール・クアッドフレーム
パワープラント: フュージョン260スタンダード
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: フォージングSA722 with CASE
武装:
1×タイプKOV LB−10Xオートキャノン
1×イルリヒト・ガンマシリーズ ウルトラ−10オートキャノン
製造元: ロッシュ・クアッドプレックス・アルファ
通信システム: JNEインテグレーテッド
照準・追尾システム: TRTTS・マークII
ファイアースコーピオン 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右前脚 左右後脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 LB 10−X AC 弾薬(LB−X)30 ウルトラAC/10 弾薬(ウルトラ)30 A−ポッド A−ポッド A−ポッド A−ポッド |
部位 右胴 右胴 左胴 左胴 左前脚 右前脚 左後脚 右後脚 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
4脚メックは通常の2脚メックと比較して強化された安定性と機動性を提供するのであるが、今までに如何なる軍隊もかような設計機を多数配備する事はなかった。メック戦士達はかようなメックが一般的にもたらすものである乗り心地の悪さを嫌い、4脚に必要とされる独特の操縦方法へ順応する事に抵抗したのであった。
しかし、これらの要因にも拘わらず、ゴリアテスコーピオン氏族は自らのトーテム・メックを製造する為に4脚設計へと目を向けた。蠍に非常に良く似ている、このファイアースコーピオンは、攻撃の為に上げられている蠍の尾に似た構造が組み込まれている。コクピットの近くに存在しているその鋏の様な意匠は実際には装甲防護であり、頭部の両側に置かれたそれは並外れて低い位置にあるコクピットを地上の歩兵達による狙撃から守っている。
惑星“ロッシュ”で行われた容赦のないウィドウメイカー氏族の吸収の最中、このファイアースコーピオンは打たれ強くかつ致死的な戦闘機として名声を築き上げた。
性能:
このファイアースコーピオンは、氏族の武器庫にある最も効率的な2つの兵器を組み合わせて広範な戦闘の役割を果たしている。地上にて攻撃をしてくる戦闘機に対する防護を提供する事と歩兵の支援をする事に同等に熟達しているこのメックは、その比較的遅い速力とジャンプ能力の欠如だけには苦しめられている。
(マンドリルと並ぶ)2つの純粋なトーテム・メックの内の1つであるが故に、このファイアースコーピオンの配備は論争の多いものとなった。ゴリアテスコーピオンの指導者達の多くは、この氏族の誇りのシンボルとしてそれは一線級部隊に所属するべきであると考えた。しかしながら、メック戦士と指揮官達の大部分はこのメックの戦術的な用法が限定されていると感じ、また、その直感的に理解しにくい操縦様式に対しても非難をしたのである。ファイアースコーピオンの低コストと頑強な設計は、それをゴリアテスコーピオン氏族の二線級部隊の大黒柱へとした――それらの部隊は市街戦を戦う事がより多いものと見込まれており、そこでならばファイアースコーピオンは他に勝っているのであった。
配備:
このファイアースコーピオンは、ゴリアテスコーピオン氏族の駐留部隊の間で良く見掛けられる存在である。ゴリアテスコーピオン達は、通常、このメックをエレメンタル部隊と共に配備しており、その重装甲と持続可能な火力で近接戦に於ける歩兵の作戦行動を容易にするのを可能にしている。
派生型:
その注目すべき改修型の1つは、第20スコーピオン重機兵隊のスターコマンダー:テムジンによって使われているものである。テムジンは自分のファイアースコーピオンを通常の兵装の代わりに、1基のウルトラAC/20、2基のLRM−10、5基のマシンガンを有するようにアップグレードしている。その巨大な大砲を支える為の4tの弾薬、そのLRM用の2tの弾薬、その5基のマシンガン用の200発の弾により、この設計機は市街戦に於ける危険な敵手となっている。その兵装を締め括っているのは敵の待ち伏せ地点を見付け出す為の1基のビーグル・プローブであり、それは近い将来の中心領域に対する軍事行動の可能性を鑑みると有用な追加品である。
私的解説:
ファイアースコーピオンは氏族の黄金世紀の最中の2834年に最初にゴリアテスコーピオン氏族によって開発されたもので、所謂トーテム・メックの魁的な存在の内の1つです。しかし、4脚メックはメック戦士達にとって概ね敬遠の対象であった事とその機体の性格からか、その後のファイアースコーピオンは一線部隊では余り用いられずに二線部隊に追いやられました。しかしながら、ファイアースコーピオンはデザイン的にはかなりの成功作です――機体自体の性能を損なう事なくあれ程までにスコーピオンに似た外観を実現できたのは称賛すべき偉業でしょう(しかも一見無駄であるコクピット周りの意匠をパイロットの防御に役立てるという、装飾性と実用性を両立させてもいます。これのお蔭か、設計特徴ルールの使用時には、ファイアースコーピオンはCowlの特徴が付与されています)
二線級に追いやられたファイアースコーピオンの改良頻度は余り高いものではありませんでしたが、3071年にはAPガウスライフルを集中装備した歩兵部隊全般に強い型が出現しています。昨今のゴリアテスコーピオン氏族の将来は明るくありませんが、これらの新旧のファイアースコーピオンが彼等の生存の一助になれば良いですね。
バトルテック・ボードゲーム上では、ファイアースコーピオンは移動の障害となるものが適度に多い地形で性能を発揮するでしょう。その遠近両用の兵装と小回りの利く4脚メックの特性が役立ちますから。また、ファイアースコーピオンは弾薬も豊富に搭載していますので、長期の射撃戦や支援任務にも優れています。ただ、後方に回り込まれるのには要注意です。4脚メックは胴体の回転ができませんので、場合によっては反撃もできずに一方的に損害を被る羽目になります。