出典: Technical Readout: 3058 Upgrade

END-6Q エンフィールド

重量: 50t
シャシー: ブラックストーンMD2E エンドースチール
パワープラント: マグナ250XL
巡航速度: 54km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: スターガードIII with CASE

武装:
  1×デファイアンス・ディスインテグレイター LB 10−Xオートキャノン
  1×サンダーボルト−12 大口径パルスレーザー
  2×デファイアンスB3M 中口径レーザー
  1×チズコンプ32 小口径レーザー

製造元: ブラックストーン・バトルメックス, Ltd
   主工場: ロクスリー
通信システム: コミュテック・マルチチャンネル10
照準・追尾システム: Tek・トゥルートラック

END-6Q エンフィールド
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


中心領域

エンドースチール
250XL



11[22]


169

重量

50.0
2.5
6.5



1.0
3.0
3.0
11.0


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値

16
12

12

装甲値

26/6
20/4
16
24

武器・弾薬

種別
LB 10−X AC
弾薬(LB−X)20
CASE
大口径パルスレーザー
中口径レーザー
中口径レーザー
小口径レーザー
部位
右腕
右胴
右胴
左腕
左腕
胴中央
胴中央

装備欄数






重量
11.0
2.0
0.5
7.0
1.0
1.0
0.5


概要:
 ダヴィオン兵によって“アーケルナル”星系にてほぼ2世紀前に発見された、エンフィールドと名付けられていたこのメックのプランは、古びつつあるワイバーンを置き換える為に設計された中量級市街戦メックというものであった。かような先進的な設計を保有する事に熱心であった恒星連邦は、最終的にそれの開発を開始するのに必要な技術を得られる事となる3050年初期になるまでの間、そのプランを秘匿し続けた。非常に人気のあったエンフォーサーの随伴機を求めていたNAISは、その美観と搭載装備に変更を加えて、それをより互換性の高いものへとした。3055年、ブラックストーン・バトルメックス・リミテッド社はこの設計機を製造する為のライセンスを与えられ、そして、ブラックストーン社は氏族国境にいる部隊や連邦=共和国に雇用されている全ての傭兵部隊への出荷を開始した。
 皮肉な事に、その製造が開始されて以降でダヴィオン部隊向けに製造されたそれは極少数であった――その量産が開始される前にライラ同盟が袂を分かったのである。そして、幾らかのエンフィールドはダヴィオン兵に届いたものの、その者達の全ては(キャサリン)忠誠派部隊に属していたのであった。しかし、エンフィールドを受領したそれららのダヴィオン部隊は、即座にそれをそれと随伴するエンフォーサーと共に1つの小隊へ配属し、その組み合わせについての評価を開始した。


性能:
 近接火力支援ユニットであるこのエンフィールドは、量産にあたって使用可能であったあらゆる種類の先進製造用資材をその身に宿しているものである。そのエンドースチール、CASE、エクストラ=ライトエンジンは十分な重量を浮かして、最大限の装甲防御と他の設計機(より火力と装甲が劣っている機体)に伍する巡航速度を保持しつつ印象的な大火力を搭載する事を可能にしている。エンフィールドに欠けているものがあるとするのならば、それは混み合った戦場や市街地の戦場で機動力を維持するのに必要なジャンプジェットであり、エンフィールドは大抵の場合に於いて敵部隊によって側面攻撃を受けるのを防ぐのに小隊の有能な仲間に頼らざるを得なくなっている。
 しかしながら、火力というカテゴリーに於いては、その搭載兵器は印象的なものである。エンフィールドの2つの主力兵装は、互い違いの腕に搭載されたそのLB 10−Xと大口径パルスレーザーにある。パルスレーザーは300m以内でのみ有用であり、大抵、それは装甲に穴を穿ち、それで剥き出しになった目標の内部中枢をオートキャノンのクラスター弾が有効に活かせるようにする為に使用される。バックアップ兵器としては2基の中口径レーザーと1基の小口径レーザーが存在しており、それらは90m以下の距離に於ける戦闘を助力するものである。それらのレーザーと実体弾砲の砲列によって発生する熱を相殺する為に11基のダブルヒートシンクがあり、それらは殆どあらゆる状況下でエンフィールドを涼しい状態に保っている。


配備:
 エンフィールドは他の最近の設計機程多くの戦闘を経験しておらず、そして、書類上ではそれは結構な存在であったが、ライラ宙域の全域で激しい戦闘が開始された際の実戦ではそのパフォーマンスは良く言っても凡庸という評判であった。エンフォーサーやその他の似た機体の為の近接戦闘支援機としては、このメックのXLエンジンは素早く厄介の種になった――それで増加した火力と速力もその脆弱性を埋め合わせるものとはならなかったのである。エンフィールドが戦闘に突入した時は、大抵の場合に於いて、それは戦闘不能状態で戻ってくるか戻ってもこないかのどちらかであった。指揮官達は、その戦闘が最も激しい状態になるまではこのバトルメックを予備として保持する様になった――対戦相手が損害を受けてエンフィールドにダメージを与える力がなくなっている、もしくは最低でもエンフィールドが支援火力を提供している間は他のより頑強である目標に注目がいっているようになっているのを望んでの事である。戦後、指揮官達の多くはより頑強である中量級メックの方を選び、そのエンフィールドを予備役兵や市民軍部隊へ静かに移譲する事を開始している。

派生型:
 初期の頃から、ブラックストーン社はエンフィールドが持っているかもしれない脆弱性について気付いており、3060年に6J型の提供を開始した。それは小口径レーザーと1基の中口径レーザーを除去し、大口径パルスレーザーを1基のより長射程の標準型レーザーに交換している。それらで追加の重量が使用可能になった事によりもたらされた、5基のヒルドコ・モデル13・ジャンプジェット――これでエンフィールドが打撃を受けにくくなる事が期待された――は、その生存率を向上させている。
 オリジナルよりも良好なものではあったが、それでもパイロット達は6J型に満足はしておらず、ブラックストーン社は現在、より頑強であるライトエンジンを使用した設計を実験中であるが、今の所はそれは1機のプロトタイプ以外は全く製造されていない。このプロトタイプはパルスレーザーではなく1基の通常型大口径レーザーを使用しており、そのより重くなったエンジンの帳尻を合わす為に1基の放熱器を除去している。そして、1基のガーディアンECM(敵のセンサーを妨害する事による追加の防御をもたらす為に搭載された)と共にフェロファイバー装甲が追加されている。




私的解説:

 エンフィールドは、星間連盟の計画機を元にエンフォーサーの随伴機となる事を意図して開発されたメックです。その武装構成はエンフォーサーに似たものではありますが、より近接戦闘に適したものに改められています。しかし残念な事に、この仕様は3060年代の戦場では裏目に出て、その戦績は芳しくないものとなりました。そして、後の“聖戦”でもライトオートキャノンを搭載した思い切ったそれの新型が登場したものの華々しい活躍はできず、ダークエイジに於いてはほぼ第一線から退いています。
 その相棒の機体であるエンフォーサー(エンフォーサーIII系列)はそれなりの活躍をしてダークエイジでも新型が開発されて第一線に留まっているのを鑑みると、その境遇の差には泣けてきます。何故この様な差が付いたのか、その原因が何にあるかを断定するのは難しい所です。敢えて言うのならば、搭載兵装の違いがその明暗を分けたのかもしれません。比較的遠距離からそれなりの火力の攻撃ができるエンフォーサー、接近しないと全火力が発揮できないエンフィールド――損害を受ける可能性が高いのはどちらの方かと問われると、恐らく後者でしょうから。それから、エンフィールドを使用するユーザー側にも多少の問題があったかもしれませんね(ライラの軍部隊の一般的な傾向からすると、エンフィールドを機動戦でうまく使えたかどうかは疑問です)

 ボードゲームに於いては、エンフィールドはまずまずの働きをするでしょう。多少脆弱で、中量級としてはジャンプジェットがないのが機動力の面で些か不利ですが、近〜中距離砲戦ならば結構頼もしい存在です。相棒であったエンフォーサーに負けないような働きをエンフィールドにはさせたいですね。

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