出典: Technical Readout: 3058 Upgrade

DVS-2 デヴァステイター

重量: 100t
シャシー: スターリーグXT
パワープラント: 300XL
巡航速度: 32km/h
最高速度: 54km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: デュラレックス・ヘビー

武装:
  2×ポーランド・メインモデルA ガウスライフル
  2×ドナール PPC
  4×インテック 中口径レーザー

製造元: ノース=ストーム・バトルメックスInc
   主工場: ロクスリー
通信システム: ジョンストン・ワイドバンド
照準・追尾システム: ランダル・ピンポイント−HY

DVS-2 デヴァステイター
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


中心領域


300XL



14[28]


296

重量

100.0
10.0
9.5



4.0
3.0
3.0
18.5


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値

31
21
17
21

装甲値

47/12
30/10
34
40

武器・弾薬

種別
ガウスライフル
弾薬(ガウス)8
弾薬(ガウス)8
ガウスライフル
弾薬(ガウス)8
弾薬(ガウス)8
PPC
PPC
中口径レーザー
中口径レーザー
中口径レーザー
中口径レーザー
部位
右腕
右腕
右胴
左腕
左腕
左胴
右胴
左胴
胴中央(R)

右胴
左胴

装備欄数











重量
15.0
1.0
1.0
15.0
1.0
1.0
7.0
7.0
1.0
1.0
1.0
1.0


概要:
 アマリス内戦が開始される直前にケレンスキー将軍自身によって設計されたこのデヴァステイターの開発は、“簒奪者”ステファンが地球帝国の支配権を奪った時に突然に停止する事となった。リソースは戦争活動へと向け直されたが、その設計チームはこの設計機に非常に入れ込んでおり、ケレンスキー将軍が“地球”への侵攻を開始する頃には彼等は6機の評価用プロトタイプを納入していた(その費用は設計チームの懐から支払われた) それらのデヴァステイターの戦闘記録は、全く発見されていないものである――これにより、この星間連盟防衛軍の最後のオリジナルの設計機の1つがどの様な成果を上げたのか、プロトタイプの何れかが生き残ったのかどうか、歴史家達は評価を行う事が不可能となっている。
 これのプランは3023年、惑星“ホフ”にて、その近年に発掘された星間連盟基地をある部隊が探索する事により再発見された。しかし、そのプランを調査した最初の技術者達は、オリジナルの機体に組み込まれていた如何なる新技術も再製造する事はできなかった。NAISが利用可能な技術を使用して1機のデヴァステイターのプロトタイプを組み立てたのは、3033年になってからの事となる。その数年後には穏やかな製造が開始され、そのローテクDVS-1型は3048年――この年に連邦=共和国はそれの完全版の製造開始が可能となった――になるまでエリート部隊に配備されていった。


性能:
 その低速性を克服する様な長距離火力を持つべく設計が為されたが故に、(腕には)2基のポーランド・メインモデルA ガウスライフルが搭載され、副次的に胴体には2基の粒子ビーム砲が配置された。一般的通念に於いては主砲にはより良好な防御力を与える為にもその配置場所を入れ替えた方が良いとされるであろうが、ノース社はデヴァステイターの最も強力な砲が側面の敵にも攻撃可能である事を望んだのであった。加えて、それは、戦闘中でラッキーヒットにてガウスライフルが爆発しても、その起こり得る連鎖反応でメックの脆弱なXLエンジンがダメージを受け難く、激しい戦闘状況に置かれたデヴァステイターの予測寿命を伸ばす事を意味してもいる。
 その中口径レーザーの砲列により、デヴァステイターは近接戦闘にも耐えられるが、その最も印象的な特徴は熱管理能力にある。14基のダブルヒートシンクは、パイロットに最高速で動き回りつつも心配する事なくその全ての重兵器を射撃するのを可能とさせている。インフェルノ・ゲルに塗れていたり複数のエンジンへの致命的命中を喰らっている間でさえも、デヴァステイターのパイロットは行動を少しばかり控えるだけで機体をオーバーヒートさせずにいられるのであった。


配備:
 デヴァステイターは連邦=共和国(現在は、恒星連邦とライラ同盟)の軍にて約20年間に渡り現役であり続けており、非常に深く根付いている。3057年にライラ同盟が分離した時、キャサリン国家主席は3061年――キャサリンが兄の国の権力を握る事になった年――になるまで恒星連邦へのデヴァステイターの全ての発送をストップした。それらの発送品は忠誠派の部隊へ振り向けられ、それらは氏族侵攻からより破滅的であった連邦=共和国内戦にまで渡る激しい戦闘作戦の全てに於いて重く用いられた。この機体は長距離兵器のプラットフォームであるのみに留まらず、そのPPCとガウスの砲列を使用する事で如何なるヘッドハンター部隊も阻止するであろう、と多くの指揮官達に彼等のボディーガード・メックとしての指定もされた。
 連邦=共和国内戦の直後に間を置かず、ピーター・シュタイナー=ダヴィオン国家主席はノース=ストーム社にデヴァステイターの大規模注文を行った。戦闘の最中に戦禍を受ける事がなかったノース=ストーム社は、この国家主席の注文を満たすべく最大の生産高での製造を続ける事ができている。しかしながら、姉妹機のサンダーホークとは異なり、デヴァステイターは輸出が許されており、AFFSは自らの喪失した強襲型メックの多くを置き換えるべくそれを購入し続けている。


派生型:
 デヴァステイターの長引いた戦闘に於ける耐久力に関して懸念を抱いたノース=ストーム社は、DVS-3型を開発し販売している。前方射撃用の3基の中口径レーザーを除去したこの派生型は、0.5tの装甲、後方射撃用の1基の小口径レーザー、2tのガウス弾薬が追加されている。これは、極僅かしか売れていない――大抵の戦闘に於いて4tのガウス弾薬で十分であり、追加の弾薬よりも追加の中口径レーザーがあった方が良い、と多くの部隊は感じているが故に。
 最早製造されてはいないが、ローテクのDVS-1D型は幾つかの市民軍部隊に於いては現役でいるのが未だに見られる。それはダブルヒートシンクやガウスライフルの様な先進的な特徴を欠いており、その兵器の多くはダウングレードされて連邦=共和国がその当時に持っていたもので間に合わされている。その腕にはガウスライフルの代わりにAC/10、両胴にはPPCの代わりに大口径レーザーが入れられ、通常型エンジンの使用の結果として増加した重量の帳尻が合わされてている。そして、0.5tの装甲が削減され、胴中央には1基の追加放熱器が加えられている。既存のデヴァステイターをより良好な技術で以てアップグレードする為のリコールがあったが故に、この型は数ダース程しか現存していないものと推定されており、それらの機体の大部分はタウラス連合国の所有するものとなっている。




私的解説:

 デヴァステイターの初出は戦闘シナリオ集の“1669 McCarron's Armored Cavalry”で、そこにてラスボスとして出てくるという派手な登場をした事で個人的には印象的なメックです。その後、100tメックの種類もどんどん増えていった事からデヴァステイターは多少影が薄くなっている感がありますが、それでも依然として強力な存在ではあります。残念ながら3050年代の氏族の軍勢の中にその姿は見掛けられませんが、クロンダイク作戦の時には(ペンタゴン・ワールドでの新規製造品か“エクソダス”時に持ち出したものかは不明ですが)幾らかのデヴァステイターを使用していましたから、氏族も機体自体の性能は認めていたものと思えます。少なくとも氏族のブライアン・キャッシュの中には存在しているでしょう。中心領域に於いては惑星“ホフ”でそのデータが発見された事から再現が試みられ、最初にローテク版、後に完全版が作られ、デヴァステイターは見事復活します。皮肉な事に、開発をした恒星連邦の工場ではなく重量級の得意なライラ共和国の工場にデヴァステイターの製造が任された為、恒星連邦は後にそれに関する主導権を失う事となりますが。(しかし、3020年代の惑星“ホフ”はホットスポットですね。フリーザー放熱器やインプルーヴド・ジャンプジェットの研究試作から星間連盟期のデータの発掘までと、一惑星としては中々の技術的お宝が存在しています)

 デヴァステイターは数ある100tメックの中でもバランスの良い武装と装甲を持っており、個人的にはお気に入りのメックです。中距離・長距離砲戦に優れていますし、近距離でも3連中口径レーザーのお蔭でそれなりに戦えるメックですから。ただ、XLエンジン搭載により長期戦では意外な脆さを見せる可能性があるのと、開けていない地形では射線が通りにくくなり他のLRM搭載機に対して劣位になりがちなのは、要注意の弱点でしょう。

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