出典: Technical Readout: 3050 Upgrade
DRG-5K グランドドラゴン
重量: 60t
シャシー: ニークヴァーン・タイプ58-66SH
パワープラント: ヘルメス360XL
巡航速度: 64km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: スターシールド with/CASE
武装:
1×テロス・デカクラスター LRMミサイルシステム
1×ローズライト2 射程延長型PPC
3×ヴィクトリー23R 中口径レーザー
製造元: ルシエン・アーマーワークス
主工場: ニークヴァーン
通信システム: サイファー・コムシス3
照準・追尾システム: イーグルアイSY10-10
DRG-5K グランドドラゴン 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 LRM10 弾薬(LRM)24 CASE ER PPC 中口径レーザー 中口径レーザー 中口径レーザー |
部位 胴中央 左胴 左胴 右腕 左腕 左胴(R) 右胴(R) |
装備欄数 |
重量 |
概要:
新たに再発見された星間連盟技術を使用して徹底的にアップグレードした由緒あるドラゴン・シリーズの置き換え機であるこのグランドドラゴンは、3040年に初期生産に入った。続く15年間で、ルシエン・アーマーワークス社(LAW社)はDRG-5N型を2機種間の橋渡しの設計として使用し、その全てのドラゴンの組立てラインをこのグランドドラゴン・シリーズに置き換えた。
LAW社の複数の工場で作られていたグランドドラゴンの製造は、ワード・オブ・ブレイクのディーロン軍管区の産業中枢への破滅的な攻撃とLAW社の惑星“ルシエン”の複合施設の完全破壊の所為で、3068年から3070年に掛けてほぼ停止する事となった。しかし、このドラコ連合随一の兵器製造業者の重役達の素早い思考のお陰で、この払底は短期間のものとなった様である。
LAW社は当座の資本金を大量に獲得するべく、幾つかの現行の機体――ブラックジャック・オムニの様な主に他社と共同で開発した機体――の設計明細書を売却した。その後、ペシュト軍管区内の氏族によって荒廃させられた幾つかの世界に話を持ち掛け、LAW社はそこへの投資をして小規模の工場を複数建設した。そして、2年を経ずに、少なくとも3つの工場――惑星“アビー・アジ”上の改修された工場、惑星“サーヴィンスヴィル”上の再建された工場、惑星“ニークヴァーン”上の完全に新規の工場――が操業を開始したのであった。
その革新的な技術チームのお陰により、ニークヴァーン工場がグランドドラゴンの当初の製造を認められた。そこのチームはメックの古いアルシャイン・タイプ50-60Hシャシーを分析し、腰部と胴部の構造を強化する方法を発見した。彼等は自分達の発見をLAW社の研究/開発チームに発表し、交互組立て方式が2つの部位を緊密に結合して高速にする事が可能であり、それは大きな回転閾値をもたらし、グランドドラゴンにそれまでの限定されていた250度ではなく300度近くの旋回角度を与えられる事を示したのである。
彼等の独創力に感銘を受けたLAW社はニークヴァーン工場へ即座にグランドドラゴンの製造ライセンスを与え、新型シャシーに彼等の発見を組み入れる事を承認した。
性能:
グランドドラゴンはDCMSによって非常に熱心に奉じられており、クリタの多くの正規部隊に於いて一般的な設計機となった。その良好な熱効率・それなりの速度・長射程兵器・弾薬への低依存という効果的な組み合わせは、グランドドラゴンを多数の戦場の役割をこなせる極めて融通の利くものへとしている。
配備:
グランドドラゴンは2年近く製造が停止されているが、DCMSに於いては未だにお気に入りのバトルメックである。ニークヴァーン製の型は、その星系内からほぼ途切れる事なく発送されている。未だに作戦可能な状態にあるほぼ全てのDCMS正規部隊が、最低でも1個中隊の稼働するドラゴン/グランドドラゴンを保有している。部品が尚も容易に入手できる事により、これらの機体はかなりの長期間に渡りドラコ連合軍内で大きな部分を占め続ける事を保障されているものである。
派生型:
C3技術の開発から間もなくして、LAW社はDCMS指揮官達の要望に応えてC3子機型を設計した。背面装備型レーザーの1基を除去し、それをC3子機システムに取り換えるのは容易いアップグレードであり、DCMSのC3中隊の多くがこのDRG-C型を数機装備している。
余り一般的でないものはDRG-7K型であり、それはより議論の余地の多いMRMシステムを搭載しているものである。安価ではあるが、その絶えず続くシステム・バグとアップグレードに関する保障範囲は、大部分のメック戦士達にとって問題なのであった。未だに稼働状態にあるこの機体は、大抵の場合、そのシステムの癖への対処法を学習しそれを致死的な効果で使用する事ができるベテランのメック戦士によって操縦されている。
LAW社は最近になり、自らの部隊にドラゴンとグランドドラゴンのみで編成された中隊群を保有する事を主張しているより頑なである指揮官達を鎮める為にグランドドラゴンのC3親機型を配備している。1基のレーザーを更に除去し、通常型のLRMをより融通の利くMML−5ランチャーに置き換え、ローズライトER PPCをエコースタティックのスナブノーズ型に置き換える事により、LAW社の技術者達はC3親機を胴体に押し込む事を為し遂げたのであった。この新しい派生型――DRG-9KC型――はまた、ドラコ連合の新型ライト・フェロファイバー装甲技術も組み込んでおり、それはこのメックが追加の1.5tの防護板を搭載するのを可能にしている。
著名なメック戦士
武装戦士(メック戦士)エモリー・ウィルク
ソレンソン・セイバーズのオリジナルのメンバーの1人であるエモリー・ウィルクは、3034年に部隊の反逆者によりそのライフルマンが破壊された後は、グランドドラゴンのオリジナルの設計機の内の1機(古いDRG-1G型ドラゴンの改修機)を操縦した。3048年以降、より新しい型のグランドドラゴンを提供するとの申し出が繰り返しされたのであるが、ウィルクは自分自身の機体をしきりに改修する事の方を好んだ。エモリー・ウィルクは、3057年に死亡するまでの3050年代を通じてLAW社の秘密兵器の試験に於いて欠かせない人員であり続けた――3057年、実験的なガウス・システムが爆発し、その大規模なフィードバックは彼の脳に恒久的なダメージを与え、1ヵ月後、彼は昏睡したまま死亡したのである。
エモリー・ウィルクは、ダニエル・ソレンソン大尉の親友である。ソレンソンは3058年に、彼の名をとって自分の2人目の息子に名を付けた。
私的解説:
ドラコ連合の象徴的メックであるドラゴンはDCMS内で愛されており、如何なる時でもその供給は絶やされませんでした。結果、ドラゴン系列の機体はドラコ連合軍では一般的な存在となっています。時の大統領タカシ・クリタもグランドドラゴンを愛用し、“ルシエン”での戦闘の際には古いグランドドラゴンを駆って戦闘に参加しています。
ドラゴンは堅牢さには定評のある機体ですが、文章から察するにその古くから存在する腰部駆動装置の問題は根深いものだったのか、3070年でようやく完全な解決がされたようです。このフレーバーテキストの内容は直接ゲームに関係するものではないでしょうが、ドラゴンの運用時には兵站/補給担当士官は注意が必要ですね。
さて、“聖戦”に於いてルシエン・アーマーワークス社は途轍もない不幸に見舞われています――何と、その保有する主要工場のほぼ全てがワード・オブ・ブレイクやブラックドラゴン等々との戦闘で破壊されるか大損害を受けるか占領されるかしているのです。僅か2年で他の場所で複数の工場を建設して再起をしたのは、ルシエン・アーマーワークス社の底力を示したものと言えるでしょう。ドラコ連合トップの企業というその名声は伊達ではありません。
ドラゴンの製造再開により、ドラコ連合ではドラゴンのみで編成されるC3中隊が増えているみたいですので、遭遇した時には驚かないよう注意が必要ですね(笑)