出典: Technical Readout: 3145 Draconis Combine

DRG-11K ドラゴンII

重量: 65t
シャシー: ニークヴァーン・タイプ58-66SH エンドースチール
パワープラント: マグナ260
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: デュラレックス・ガーディアン・ライトフェロファイバー with/CASE II

武装:
  1×ローズライト2 射程延長型PPC
  1×シグンガ アローIV・アーティラリーシステム
  1×ディヴァース・オプティックス・タイプ25PX 中口径X−パルスレーザー

製造元: ルシエン・アーマーワークス
   主工場: ニークヴァーン
通信システム: サイファー・コムシス3
照準・追尾システム: イーグルアイSY10-10

DRG-11K ドラゴンII
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


中心領域(アドヴァンスト)

エンドースチール
260



10[20]


211(ライトFF)

重量

65.0
3.5
13.5



0.0
4.5
3.0
12.5


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値

21
15
10
15

装甲値

30/12
22/8
20
30

武器・弾薬

種別
ER PPC
弾薬(アロー)15
CASE II
アローIVシステム
中口径X−パルスレーザー
部位
右腕
右胴
右胴
胴中央/左胴
左腕

装備欄数



3/12

重量
7.0
3.0
1.0
15.0
2.0


 “聖戦”の最中にその製造能力のかなりの部分を失った後、ルシエン・アーマーワークス(LAW)社は自らの技術チームと研究チームがその企業の価値を支える事を期待した。そして、企業の軍事マーケティング部門は、かのDCMSのシンボル的なメックの改良が必要であるとの結論を下したのであった。

性能:
 このDRG-11K型は、その兵装配列よりもその全ての素材が国産のものである事の方で著名である。27世紀のユリゼンII世の自給自足命令の重視へと回帰した事により、このメックは一部分でさえも国外では作られていないのである。このドラゴンIIは、ドラコ連合市民達の力とその努力へのDCMSの信任継続の表明であると見なされている。LAW社の技術者達は自分達にできる限りの多くの先進技術をこのメックのフレームに詰め込んでおり、このメックを戦場に於ける強力な追加の機体へとしている。

配備:
 DCMS全体の通常型のドラゴン(老朽化しすぎていると分類された機体や修理記録を多数持っている機体)へのドラゴンIIによる置き換えが開始されている。多くの場合に於いて、連隊司令部へ届いた最初のドラゴンIIの機体群はISFの監視員や政治的地位に就いている者達によって所有権主張がされているものである。ベテランのメック戦士達はかような者達を馬鹿にしており、純然たるサムライのペースに付いていく為に彼等が科学技術による装置やごまかしの技へ頼っている事を嘲笑している。
 第7ニューサマルカンド連隊の2機のドラゴンIIは、惑星“パルミラ”のサウラ郊外でのダヴィオンの反撃阻止に於ける立役者である。ヘンリエッタ・マーゴリス大佐とその副官であるガーバー・ジャンコー少佐は容赦のない雷雨の最中、自分達の指揮中隊から分離して行動していた。そして、付近の岩棚の下に避難したマーゴリスとジャンコーは、狭い間道に沿って音を立てずに移動する重装備のAFFSの戦車群の縦列に気付いた。このコンボイ――第1恒星連邦槍機兵隊の一部――は、第9の陣地を迂回してサウラに滑り込む事を試み、かの荒れ狂う天候をカバーとして用いていたのである。
 数的に1:3と劣勢であった両士官はコンボイが通り過ぎるのを待った。戦車群が長距離に位置した時、ドラゴンII達は山峡の頂部伝いに移動をし、敵の只中にアローIVミサイルを数斉射叩き込んだ。ダヴィオンのコンボイの中に混乱が始まった時、マーゴリスは自機のPPCとレーザーを使用して先頭の部隊を無力化し、それと同時にジャンコーは隊列の後方を目標とした。そして、敵が立ち往生した事により、大佐とその副官は槍機兵隊の残余を整然と撃ち倒していき、都市へのダヴィオンの脅威を終わらせたのであった。
 惑星“ラマン”に於いては、第45ベンジャミン連隊のドラゴンIIは重戦車群がビュエルスヴィル郊外の湿原を横断している際に敵の砲陣地へ砲撃を加えるのに用いられた。湿原という遮るもののない地形とドラコ連合の戦車群が泥沼に難渋した事により、ラマンDMM(ドラコ境界域市民軍)の砲兵達は容易に第45ベンジャミン連隊の接近を防いでいた。ここで、複数のガンシップや観測機と連携したドラゴンIIの2個小隊は、ラマンDMMの陣地に数百発の大型ミサイルを撃ち込んだ。これによる大量殺戮は、第45ベンジャミン連隊の戦車中隊群に泥沼を渡りドラコ連合の為にビュエルスヴィル――それとその重要な予備燃料――を奪取する為の時間を与えた。


派生型:
 DRG-11R型は、DCMSの貴族士官や政治関連士官達の手にあるのが主として見られる派生型である。ノヴァキャットの反乱の最中に奪った氏族技術の貯蔵品によってアップグレードされた11R型は、その自らの片割れよりも僅かに高速である。これらのドラゴンIIは戦場での使用が控え目な傾向がある――公的にはその理由は、先進技術でより高くなってしまっているそのメンテナンス・コストの所為である、とされている。前線人員の大部分は、かような稀な使用はそのパイロット達が贔屓されている事により多くの理由があるものである、と非公式にコメントをしている。これは、それらのパイロット達の勇気とは逆の比較である。

著名なユニット
ヘンリエッタ・マーゴリス大佐
 当初は政治的な被任命者であると第7ニューサマルカンド連隊の司令部に見なされていたマーゴリスは、有能かつ危険な指揮官である事を証明した。サウル間道での彼女の勝利の話――彼女の副官の戦闘ROM提供により確認がされた――が公にされた時、第7ニューサマルカンド連隊の士気は急上昇した。そして、この行動により、管領は大佐にブシドーブレードを授与した。
 惑星“ツァーマ”強襲の総指揮を任されたマーゴリスの戦略的思考力は、ドラコ連合に素早い勝利をもたらした。惑星“ツァーマ”のAFFSの最後の拠点であるチャピンスバーグの強襲に於いて、彼女は第7ニューサマルカンド連隊の大部分を直率した。この征服の後、第7ニューサマルカンド連隊は休養と再装備の為に惑星“ケサイIV”に再配置されており、その間、マーゴリスはケンサイ・カミ(訳注:選ばれし者のみ受ける事が許されているドラコ連合の訓練プログラム)を受ける事が認められている。




私的解説:

 “聖戦”の最中にルシエン・アマーワークス社は大損害を受けると共に色々とブラックドラゴン関連でやらかした為に戦後の立場は微妙でしたが、結局の所は軍事的必要性から存続が認められて32世紀でも大企業として命脈を保っています。そんな彼等が再生の際に頼みにしたのは、自社の技術者達、そして長年に渡りドラコ連合のシンボル的メックであったドラゴンでした。
 このドラゴンIIは、ドラゴンの重量を増加させた拡大改良型です。名称から察するにその基本シャシーも既存のものの改修型みたいで、ニークヴァーン工場の技術者達の基礎設計の優秀さが窺えます。彼等は企業の上役達の期待に見事に応えたと言えるでしょう。ただ、自国産の製品に拘った為か、その武装は些か柔軟性に欠けています。ドラゴンIIが活躍できるかどうかは、アローIVの運用次第でしょう。ボードゲーム的には、TAG搭載機と連携してのアローIVホーミングミサイルに賭けるか通常弾を搭載しての間接砲撃の威力に賭けるかで好みが分かれそうですね。どちらの運用をするにしても通常型エンジンとライト・フェロファイバー、CASE IIの採用によりドラゴンIIはかなり頑丈な機体となっていますので、相当に余裕を持った戦いはできると思います。また、ドラゴンIIを相手にする場合には、DRG-11R型が存在してはいないかどうかを慎重に確かめた方が良いでしょう。殲滅したノヴァキャット氏族から奪った氏族スペック兵器を搭載したドラゴンIIは武装は似ているものの打撃力が上がっており、下手に接近すると手酷い損害を受けますから。

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