出典: Technical Readout: 3075
シグナス
重量: 95t
シャシー: タイプBMH-7 エンドースチール
パワープラント: GM380XL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: フォージドタイプHH34 スタンダード
武装:
2×ミドロン・エクセル ウルトラタイプ10・オートキャノン
4×コリブリ・オメガシリーズ 中口径パルスレーザー
製造元: バーガン・インダストリーズ
主工場: モバイル(HH−ベータ)、アークロイヤル(WCサイト1)
通信システム: CH6シリーズ・インテグレイテッド
照準・追尾システム: ハンター(7a)・デディケイテッドTTS with 照準コンピューター
シグナス 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 ウルトラAC/10 弾薬(ウルトラ)30 2×中口径パルスレーザー 照準コンピューター 2×中口径パルスレーザー ウルトラAC/10 弾薬(ウルトラ)30 |
部位 右腕 右腕 右胴 右胴 左胴 左腕 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
氏族本国の全域で行われている激しい戦闘のうねりによって拍車を掛けられていたと思われるヘルズホース氏族のウルフ氏族への最近の強襲は、追撃を受けている最中の軍勢の行動にも似た必死のものに見えた。そして、それから数ヶ月を経ずしての(中心領域への)彼等の非戦闘員階級の者達と解体して運ばれてきた多数の工場群の到着は、(中心領域に)舞い戻ってきたヘルズホース氏族が中心領域に築かれたその基盤へ大急ぎで移動をしてきた、という様相を補強するものであった。3072年、最終的に彼等の侵攻が停滞していった時、疲弊したヘルズホース氏族はそれと同様の必死さで以て――ゴーストベアー氏族とジェイドファルコン氏族に商人や軍人の使節を派遣する事さえもして――自分達の軍勢の損害を回復するべく慌ただしく行動をした。
この努力の結実したものの1つこそが、(従来では)あり得なかった同盟者である惑星“アークロイヤル”の追放ウルフ氏族達よりもたらされた助力で以て明らかに急速開発をされたバトルメック、シグナスである。
性能:
このシグナスは、悪名高いウルフ竜機兵団により使用されてきており、現在はケル・ハウンドと惑星“アークロイヤル”の追放ウルフ氏族によっても広く使用されているアニヒレーターの新たな派生型から着想の多くを得ている。しかしながら、そのシャシーは、特有の“チキン・ウォーカー”デザイン、フード状の胴体/円蓋を含んだ、マサカリ(ウォーホーク)やダイシ(ダイアーウルフ)といった氏族の古典的なオムニメックに見られる特徴を混合したものであった。
オムニではなく通常型のバトルメックとして作られたこのシグナスは、それにも拘わらず強襲型のユニットとしては印象的な地上速度を保持しており、氏族設計機の標準をキープしている。その装甲はベーシックな設計のものであるが、それは激しい戦闘の過酷さからエンドースチール骨格を防護するのに十分なものである。
しかしながら、新型のアニヒレーターから教訓を得たその火力こそが、それの真の輝きを放つものである。その途轍もない実体弾の火力に感銘を受けたヘルズホース達は、より効率的である氏族技術を結び付けた場合のアニヒレーターの搭載形式に可能性を見出した。ヘルズホースの技術者達は(追放)ウルフ氏族から来た科学者達と協調してアニヒレーターの4基のLB 10−X兵器を腕搭載型の2基のウルトラAC/10で以て踏襲する事を選択し、また、近接防御用に4基の中口径パルスレーザーは保持する事を選択した。その結果として通常の車輌と歩兵部隊に対する有効性は若干低下したが、その強大な火力――特に照準コンピューターと連動したもの――はその他のバトルメックといったハードなユニットを素早く打ちのめす事ができた。
奇妙な事であるが、腕部の組立に関する常ならぬ問題――これは現場にバトルメックを得る為の競争と組み合わさった――は、シグナス・プロジェクトに携わる技術者達にシャシーのデザインを完成させる際に異例の手段に訴える事を強いた。シグナスの給弾機構――戦場に於いて際立った外観を示した――は実際にメックの本体の外部に沿って伸びている様に見えるものであり、肩部に搭載された弾薬庫から兵器に向かって垂れているものであったのである。この異例なデザインの選択は戦闘に於いては危険なものになると思われたが、その装甲ベルトと給弾機構は戦闘にて驚く程に耐久性がある事を証明した。そして、氏族の科学者達の幾人かは、それは致命的な瞬間にメックのオートキャノンを作動不能にするかもしれない兵器への給弾不良率をも低下させている可能性がある、との主張をしてもいる。
配備:
製作されたばかりの設計機であるが故に、この文章を書いている時点では、シグナスは1ダース程のシグナスしか出現しておらず、その大部分はヘルズホース氏族と追放ウルフ氏族達によって試験中である。
派生型:
現在の所、ヘルズホース達は、彼等の新型のハイパーアサルト・ガウス兵器を使用した少なくとも2つの既知のシグナスの派生型を試験している。強襲専門ユニットであるシグナス2は、ミドロン・ウルトラ10の両方、照準コンピューター、4基の放熱器を巨大な2基のHAG−40と各4tの弾薬に交換している。また、この型に搭載されているパルスレーザーは射程延長型に交換されているが、これらの搭載兵装は強力である一方で、メックはその火力の全てを一度に効果的に使用する為の冷却能力が不足している。
一方、シグナス3は4基のより小型であるHAG−20を使用しているが、その為には基本設計の機体から5基の放熱器、照準コンピューター、全てのレーザー兵器を降ろし、更には1tの装甲(その大部分は脚部)をも犠牲にしなければならなかった。合計で6tの弾薬がそれらの兵器には供給されており、それはシグナス3に連続射撃の場合は90秒間の攻勢寿命を与えているに過ぎないものであるが、それらの火砲の凄まじい射撃分量はそれに抑え付けられた如何なるユニットもその弱点を活用できるようになる前に倒すであろう事を確実にしているものであろう。
私的解説:
シグナスは、その巨体と給弾ベルトの目立つアナクロなデザインが印象的なメックでしょう。そして、メックウォリアー:ダークエイジでは比較的初期に登場し、AoDではバンソン本人の搭乗機になっていたりし、“聖戦”に於いて活躍したとの記述もあったりしますから、意外と世界設定的には優遇されているメックとも言えるでしょう。また、“Wars of Reaving”で氏族本国から追われ、中心領域に生存圏を築く為に無理をした連戦で疲弊したヘルズホース氏族にとっては、干天の慈雨的な存在でもあります。もっとも、氏族技術のアニヒレーターを欲したのならば、ウルフ・イン・エグザイルの協力も得られていますし、ヘルズホース氏族は既に存在しているアニヒレーターCでも素直に製造した方が良い気がしないでもありませんが(笑)
急造メックにしては機械的な問題が殆ど発生していなく堅牢な設計ですから、シグナスは頼りになるメックです。汎用性を重視するのならばハイパーアサルト・ガウスライフル搭載型の方が使い勝手が良いでしょうが、対メック戦闘に割り切るのならば基本型が優れていますし、ここは基本型を推したいですね。照準コンピューター連動型の2門のウルトラAC/10の火力は大したものです。シグナスは、アウトレンジされる相手でも出てこない限りは1対1の戦闘で一方的に負ける事は先ずないでしょう。