出典: House Liao、Hardware-Handbuch 3031、Technical Readout: 3039
CTF-1X カタフラクト
重量: 70t
シャシー: アースワークスCTF
パワープラント: VOX280
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: カロン・ロイヤルスター
製造元: アースワークス・インコーポレーテッド
主工場: チコノフ、グランドベース
通信システム: コミュテック・マルチチャンネル10
照準・追尾システム: ブレイズファイアー・サイトロック
CTF-1X カタフラクト 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 PPC 中口径レーザー 中口径レーザー AC/10 弾薬(AC/10)10 中口径レーザー 中口径レーザー |
部位 右腕 右腕 右胴(背面) 右胴 右胴 左胴(背面) 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
2953年、惑星“カーヴァーV”は自由世界同盟に陥落し、カペラ大連邦国の極めて重要な重量級と強襲型のバトルメック製造ラインは奪われてしまった。そして、この惑星を奪還する為の戦闘は3年間に渡り猛威を振う事となり、戦闘が終った時には“カーヴァーV”の工場は煙の燻る瓦礫の山へと変わっていた。その結果、カペラ大連邦国は第3次継承権戦争の終盤に重量級バトルメックの凄まじい欠乏を経験する事となった。故に、カタフラクトという設計機はカペラ大連邦国の新型重量級バトルメックの必要性により誕生したものなのである。しかし、このリャオ家の31世紀に於ける最高の自慢の成果となる筈であったものは、カペラ大連邦国の被った最も屈辱的な敗北の象徴へとなったのであった。
性能:
継承権戦争により荒廃させられたカペラ大連邦国の工業基盤は、ヴィンディケイターよりも大きな機体を製造するのがほぼ不可能な段階にまで損なわれていた。しかしながら、それでも尚、多数の工場は部品の製造をするのは可能であった。この入手可能なコンポーネントを寄せ集める事から、カタフラクトは誕生したのである。
薄情にも“フランケンメック”とのニックネームを与えられた書類上のカタフラクトは、継承権戦争の戦場にて時折与えられる様な応急的な部品の不格好な山に確かに似ているものであった。その脚・胴・右腕はマローダーをベースにしたものであり、また多数のフェニックスホークのコンポーネントも組み込まれていた。そして、その左腕は、元々は1機のシャドウホーク(初期のプロトタイプのシャドウホークはまだ即座に流用できる手駆動装置機構をしていた)の右腕であったのである。しかし、良くある様な間に合わせ作業による機械的な悪夢のものとは異なり、カタフラクトは慎重に設計されており、その部品も機体上の役割に基づいて巧みに工作されていた。その結果として生まれたものは見た目が美しくないかもしれないが、機能的かつ(より重要な事に)カペラ大連邦国で製造可能なものであった。
装甲の層を重ねられたこのカタフラクトは容易にダメージを吸収する事が可能であり、それのみならず、更に重要な事に相当なダメージを叩き出す事も可能である。長距離に於いてはセレスアームズ・スマッシャーPPC(ヴィンディケイターから借りてこられたもの)とサルロン・マキシキャノンの組み合わせが強力な打撃力を提供する。近づかれた場合は、4基のセレスアームズ中口径レーザーが正面と後面の両方に於いて近距離火力を提供している。
配備:
カタフラクトはカペラ大連邦国の標準的な重量級バトルメックとなるのが予定されていたのであるが、第4次継承権戦争の最中の惑星“チコノフ”の喪失はそれらの計画を狂わせた。ダヴィオン家の兵士達こそが、この設計機を多数受領したのであった。驚異的なまでの成功を収めた“ラット作戦”に参加した部隊の多数は、勝利を収めたAFFSの手に落ちた多数のカペラ大連邦国の世界にて鹵獲もしくは製造された装備を使用して再建をしたのである。カタフラクトは南十字星部隊の戦列の中では良く見掛けられる存在となり、そして、このダヴィオンの戦列内へのカペラ製バトルメックの出現は3039年のドラコ戦線での戦闘の際にクリタの兵達に幾許かの混乱を引き起したのであった。
これと同様に、セントアイヴズ協定がカペラ大連邦国から独立した時、多数のプロトタイプ・カタフラクトがセントアイヴズ槍機兵隊の管理の手に落ちていた。
この第4次継承権戦争の敗北はマクシミリアン・リャオ首相の最後のか細い現実での支えを破壊し、彼の娘のロマーノがカペラ大連邦国の惨めな残存物の支配権を掌握した。彼女のリーダーシップの下、惑星“ベテルギウス”の民間工場はより“重要な”任務へと転換された。そして、日常的な見せしめとしての拷問や処刑による、(その生き残りの)作業員達の狂乱的な努力により、3032年――アンドゥリエンの侵略者達に対する反攻に参加するのに丁度間に合うその時に、カタフラクトは製造ラインから出現し始めたのである。
派生型:
CTF-2X型は、2基の放熱器を犠牲にして2tの装甲が追加されている。PPCは1基のファーミル・マキシレイズ大口径レーザーに置き換えられ、胴のレーザー群は正面に射撃するようにされている。そして、左腕の腕装備型の中口径レーザー群は、ホバーテック・クァッドSRM4ランチャーに交換されている。このCTF-2X型はまた、追加の1tのオートキャノン弾薬も搭載している。
著名なメック戦士
ジョージ・リットン曹長
エリートのマッキノン奇襲部隊(フォックス・ティースという名で知られてもいる部隊)の一員として、継承権戦争の開始以来、リットン一族はマッキノン一族のボディーガードとして仕えている。リットンの父親は、第4次ハロウズ・サン戦でロス・マッキノンを護衛している間に死亡した。頑強かつ力強いジョージ・リットンも同じ役割にて仕えており、イアン・マッキノンの後背を守っている。
最初期のプロトタイプ・カタフラクトの内の1機であるCTF2X00013――“ラッキー・サーティーン”の名の方でより良く知られている機体――は、城壁で囲まれた都市チコグラードの攻防戦の際に捕獲された。そして、このCTF-2X型は、損傷し老朽化したそのウォーハンマーの代替機としてジョージに与えられたのである。リットンは自分の新型バトルメックに非常に満足した――技術者達が粗雑なカペラ製品の修正を一度した後には。“ラッキー・サーティーン”は、後に試作型のER大口径レーザーと試作型の“フリーザー”放熱器を装備させられている。
私的解説:
重量級以上のバトルメックを製造する工場が失われた3000年代初期のカペラ大連邦国は、国内で入手可能な部品を寄せ集めて新たな重量級バトルメックを作り上げる事を考えました。その結果、誕生したのがこの70tのカタフラクトです。様々な機種のバトルメックの部品が使われた為にその外見は正にキメラと言った所でしたが、意外とその素質は悪くなく、十分に使える機体へと仕上がりました。
しかしながら、第4次継承権戦争の時にはカタフラクトはまだ数が揃っておらず、一部の先行量産型の機体は活躍したものの戦局に大きく寄与する事はできませんでした。そして、その製造工場が占領された事により、カタフラクトは恒星連邦に於いて最初に大量配備される事となり、皮肉にも第4次継承権戦争でのカペラ大連邦国の大敗北を象徴する機体となってしまいました。カペラ大連邦国が新工場でカタフラクトの製造を再開できたのは3032年以降となりました。――カペラの為に作られたのに敵の手により利用されたりと、カタフラクトの運命は皮肉に満ちています。
しかし幸か不幸か、敵対する両国にて製造が行われた事により、或る意味に於いてカタフラクトはグローバル化した機体となっています。カペラ大連邦国と恒星連邦にまたがって活動する傭兵部隊ならば、部品の入手が容易でしょうからカタフラクトを配備するのも悪くないと思います。“聖戦”期でも改良が続けられ新型(ステルス・アーマー装備型等々)が登場するカタフラクトは、もしかしたら他の機体よりも恵まれているのかもしれませんね。