出典: Technical Readout: 3050 Upgrade

CRB-27 クラブ

重量: 50t
シャシー: ホリス・マーク1A
パワープラント: マグナ250
巡航速度: 54km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: ポーライナ フェロファイバー

武装:
  2×RAMテック1200 大口径レーザー
  1×セレスアームズ 中口径レーザー
  1×エクソスター 小口径レーザー

製造元: コーサラ・ウェポンリーズ
   主工場: ノースウィンド
通信システム: ダルバン・シリーズK/ギャレットT11-b
照準・追尾システム: 650 RND/ギャレットD2j

CRB-27 クラブ
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


中心領域


250



16


161(FF)

重量

50.0
5.0
12.5



6.0
3.0
3.0
9.0


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値

16
12

12

装甲値

20/8
16/6
16
24

武器・弾薬

種別
大口径レーザー
大口径レーザー
中口径レーザー
小口径レーザー
部位
左腕
右腕
胴中央

装備欄数



重量
5.0
5.0
1.0
0.5


概要:
 2719年、これが星間連盟用に製造された際、コーサラ・ウェポンリーズ社によって採られた方針は、維持が容易かつ補給線から遠く離れての長期襲撃に良く適したバトルメックを作り上げるというものであった。その精密な照準システムと通信システムしか最先端技術と見なされなかった(当時、この機体が搭載していたフェロファイバー装甲は信頼性が確立された技術であると見なされていた)が故に、クラブは多くの者達に信頼性の高い機体と思われ、結果としてSLDF中量級メック群にとってのスタンダードとなった。しかしながら、星間連盟の崩壊はこの設計機を製造停止状態へとし、フェロファイバーの製造が失われた事はその生き残りの機体達に通常型装甲を搭載するというダウングレードが為される時代を導いたのであった。しかし、クラブの洗練されている簡潔性はその多くが現在まで生き残るのを事実上保証していたのである。

性能:
 クラブの良好な地上速度と全てがレーザーで固められているその兵装は、それに補給線から遠く離れた襲撃機として他より抜きん出る事を可能にさせている。これを更に促進するべく、その元々の通信/照準システムは現地の衛星ネットワークと当時の他の通信上の革新を相互作用させた設計をされており、そのパイロットに無比の偵察能力を与えていた。実に、ダルバン・シリーズKと650 RNDの組み合わせは、クラブのコンピューターに敵部隊の移動の予測させる事も可能としていたのであった。しかし、それらのシステムの精密さと継承権戦争の破壊の猛威は、継承権戦争の終り頃にはそれらのシステムを消耗させてしまう事となった。継承権戦争の終り頃には、(コムスターによって保持されているものを除いた)残存するクラブの大部分は既製の似た様な部品での間に合わせをせざるを得なかったのである。

配備:
 今日稼働状態にあるクラブの大部分は、コムガード、ワード・オブ・ブレイク、ドラコ連合、若干数の二線級の氏族部隊の武器庫内にて見掛けられるものである。これらの内の大多数は第1次星間連盟向けに作られたオリジナルの生産分――この事はこの設計機の持つ生存性の証左であろう――であるが、コーサラ社は3050年代に惑星“ノースウィンド”にてクラブの生産を再開させている。また、コムスターがラサルハグ政府にCRB-30型製造用の設計明細書を売却した、との噂も存在している。

派生型:
 継承権戦争の初期にフェロファイバー技術が消失していった際、通常型装甲板を搭載したダウングレードされたCBR-20型が出現した。クラブの他のシステムの大部分は広範に入手可能である部品で構成されていたが故に、これらの派生型は大半の星間連盟の遺物よりも維持するのが遙かに容易であり、ヘルム・メモリー・コアが原型の27型への復帰改修を可能とした時には尚も概算で100機ほどが存在していた。
 3050年代から3060年代に掛けてのC3技術の勃興は、新たなクラブの派生型を2つ生んでいる。ドラコ連合のCBR-C型は3050年代中期に最初に出現したものであり、それは胴中央の中口径レーザーがあった場所にC3子機を組み込んでいる。コムスターとワード・オブ・ブレイクのCRB-30型パッケージはより徹底的なものであり、それはC3iユニットとガーディアンECMを組み込む為の空間とER PPCと射程延長型小/中口径レーザーを使用した武装の完全なアップグレードの為の空間を捻出するべくXLエンジンが搭載されている。14基の2倍効率の放熱器が、このメックの相当な熱上昇曲線の制御を手助けしている。
 伝えられる所によれば、CRB-45型と名付けられている新型が惑星“ディーロン”にて活動するワード・オブ・ブレイクの戦闘部隊内に登場したとの事である。これらの手駆動装置を搭載していない型は、胴中央に搭載されたER大口径レーザーにバックアップされた3基のライトPPCという武装を誇っている。その改良されたヘビー・フェロファイバー装甲は、速度を20%増加させる為のより大型のXLエンジンを搭載しているにも拘らず、これらの機体にCRB-30型と同等のレベルの装甲を搭載するのを可能としている。これらの機体はまた、C3iシステムも使用しており、全武装を射撃した時でさえも冷えたままでいられる放熱器も持っている。単なる野戦改修と見なすには徹底的なものでありすぎるこれらの新型クラブの出所について現時点では不明であるが、ワード・オブ・ブレイクが惑星“ノースウィンド”にある奪取したコーサラ・ウェポンリーズ社の工場をアップグレードしたのではないか、と幾人かの分析官達は提唱しているものである。


著名なメック戦士
ジュディス“レイピア”フェーバー司祭ロー/ロー
 コムスターのエリート特殊部隊であるブレイクズ・ラスの工作員として訓練されたフェーバー司祭――コードネーム“レイピア”――は、氏族本国の位置を突き止めるという極秘の任務の一環で“ツカイード戦”の最中にわざと自ら捕虜になった工作員達の内の1人であった。フェーバー――自身のCRB-27型クラブをラツィーツェ河三角州にてスモークジャガーの犠牲にさせた――は、最終的にはトレントという名のスモークジャガー戦士を友人として手助けし、彼を寝返らせた。そして、この事は彼女が惑星“ハントレス”の位置を知る助けとなり、それは氏族戦争の終結を直接的に導くものとなったのであった。それ以降は、彼女はブレイクズ・ラスの任務へと復帰し、マローダーIICを褒賞で与えられる事でその功績は称えられた。伝えられる所によると、フェーバーは“聖戦”の直前の3067年にケイオス・マーチにてブレイク教徒の部隊と交戦している最中に戦死したとされているが、彼女の死体も彼女のメックのどちらも全く発見されてはいないのであった。




私的解説:

 クラブは、生存性と生産性を重視して開発された機体です。その為、前線の兵達の間では非常に愛されるメックとなり、将来的には星間連盟軍の中量級メックのスタンダードになるであろうとまで思われていました。星間連盟の崩壊と惑星“ノースウィンド”の工場の大破さえなければ、クラブはもっと普及していたでしょう。惜しまれます。
 バトルテックのボードゲーム上でもこの機体は頑丈で撃破には時間が掛かるものであり、とりあえず敵として出てくるのが嫌なメックの筆頭です。――この出てきたら嫌な感じはオストソルあたりと並ぶものではないかと個人的には思っています。
 通信システムとフェロファイバー装甲を除くとクラブに使われているものの技術レベルは高いものではなく、継承権戦争の最中でも“ノースウィンド”に残存する工場群が製造する部品類での維持は比較的容易でした。その結果、クラブ自体の生産量は1000機ほどだったにも拘らず、3050年代まで纏まった数で生き残れました。そして、3050年代に生産が再開された事により、その数は徐々に増しつつあります。もっとも、惑星“ノースウィンド”の工場が“聖戦”初期にワード・オブ・ブレイクに占領されているらしいので、最新型クラブはワード・オブ・ブレイクの独占機となっていそうです。ラサルハグでのライセンス生産がうまくいくのならばこの状況も変化するかもしれませんが……今後に注目ですね。

 ちなみに、クラブの著名なメック戦士であるジュディス・フェーバーは氏族の戦士(スターカーネル:トレント)をたらし込み、中心領域が氏族本国の位置を突き止める事に多大な貢献をした人物です。彼女の活躍については小説“Exodus Road”にて描かれています。まあ、彼女は、氏族的には幾ら憎んでも足りない悪女でしょう(笑) 色々と印象的であるこの彼女は、メックウォリアー:ダークエイジでフィギュア化されています。コムスターのファンならば、持っていたいフィギュアですね。

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