出典: Technical Readout: 3050 Upgrade
CP-11-A サイクロプス
重量: 90t
シャシー: ストームヴァンガーHV-7
パワープラント: ヘルメス360
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: スターシールド・スペシャル
武装:
1×ゼウス・スリングショット ガウスライフル
1×デルタ・ダート LRM10
2×ディヴァース・オプティックス・タイプ20 中口径レーザー
1×ホバーテック・クアッド SRM4
製造元: ストームヴァンガー・アセンブリーズ・アンリミテッド
主工場: カフ(2774年に破壊)
通信システム: オルムステッド840 with/SatNavモジュール
照準・追尾システム: タクティコン・トレーサー280
CP-11-A サイクロプス 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 ガウスライフル 弾薬(ガウス)16 LRM10 弾薬(LRM)24 SRM4 弾薬(SRM)25 中口径レーザー 中口径レーザー |
部位 右胴 右胴 左胴 左胴 胴中央 胴中央 右腕 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
サイクロプスは、SLDFのより名声の低い正規連隊や星間連盟加盟国への配備用に元々は開発された指揮専用メックである。その製造は、2710年から2774年――アマリスのクーデターの最中にストームヴァンガー社の組立てラインが辺境共和国軍の兵達によって破壊された年――まで続けられた。地球帝国の近衛部隊に独占されていた様な先進的な技術を用いてはいなかったサイクロプスは、継承権戦争を生き延びた。(継承権戦争による)消耗は稼働状態にあるこのメックの数を減少させ、生き残った実機の多数は特定の任務用に改修されていった。そして、星間連盟技術の再発見は、非常に多様な数の野戦改修型を生み出し続けているのである。
性能:
巨大なヘルメス360核融合エンジンによって動力が供給されているこのサイクロプスは、90tの強襲型メックとしては高速である。しかしながら、この機動性はかなりの犠牲をもたらすものであった――僅か10tのスターシールド・スペシャル装甲しか受け入れられない程にその装甲防御は制限され、その兵装も重量級バトルメック程度のものに制限されたのである。
だが、これらの欠点は、タクティコンB−2000戦闘コンピューターによって十分以上に補われている。旅団規模までの隊列を統制できる能力を持つこのコンピューターは、このメックを高級士官達により非常に重用されるものへとしている。
また、その再発見が為された事により、ガウスライフルは重オートキャノンで武装した如何なるバトルメックにとっても一般的なアップグレードとなっているのであった。
配備:
使用可能なタクティコンB−2000コンピューターシステムを持っているサイクロプスは、非常に貴重な機体である。中心領域の全ての軍は、このメックを連隊や旅団規模の編成用の指揮機体として確保している。この役割の所為で、サイクロプスはエクスターミネイターやスペクターによるヘッドハンター・アタック(指揮官を目標とした攻撃)の対象にされている。そしてそれ故に、サイクロプスが護衛小隊によって護衛されるのは、サイクロプスにとっては習慣的なものとなっているのであった。
不幸にもその戦闘コンピューターを失ってしまったサイクロプス達は、強襲部隊への配属へと追いやられてしまう。そして不幸な事に、それらの危険性の高い任務に於いては、このメックは極めて高い損害を被るのである。
派生型:
一般的な野戦改修の1つは、追加の指揮・統制装備を加えたものである。このCP-11-C型サイクロプスは、デルタ・ダート・ミサイルシステムを1基のC3親機に置き換え、2tの装甲を追加している。
グルミウム・クリエイションズ社によってコムガード、SLDF、自由ラサルハグ共和国向けに製造されているCP-11-G型サイクロプスは、エンドースチールと15tのフェロファイバー装甲を使用している。その中口径レーザー群はER型へとアップグレードされ、SRMランチャーはストリーク技術を使用したものとなっている。その全ての弾薬は、右胴のCASEによって防護されたマガジンに収められている。その1tのLRM弾薬と1基の放熱器が除去されてはいるが、残る11基の放熱器はアップグレードが為されている。
CP-11-H型は、“レディ・デス”トレヴァリンの盗賊達の軍勢内にて最初に目撃されたものである。そのミサイルランチャーと2tのオートキャノン弾薬以外の全ては、6基の20連ロケットランチャーに置き換えられている――また、この賊どもの改修型は、そのアップグレードされた放熱器を誇ってもいる。そして、その装甲はフェロファイバーのものとなり、1.5tの追加装甲が加えられている。
惑星“グルミウム”にてDCMS向けに製造されているCP-12-K型は、CP-11-G型に似ている。しかし、それはエンドースチールのシャシーを使用して作られてはいるが、13.5tの通常型装甲しか搭載していない。そのLRMランチャーは1基のMRM20と1tの弾薬に交換され、ガウスライフルの存在していた場所には1基のウルトラ10を搭載している。その両胴に存在したマガジンは、CASEによって防護されている。その12基の放熱器はアップグレードが為され、腕のレーザー群はER型へとアップグレードされている。
著名なメック戦士
アリアナ・ウィンストン将軍
第21打撃連隊のチャールズ・ウィンストン大佐の娘であったアリアナは、エリダニ軽機隊の中で育った。彼女は素早く階級を上昇させていき、最終的には旅団全てを指揮するようになった。サーペント作戦へ参加すべく選ばれたウィンストン将軍は、モーガン・ハセク=ダヴィオン元帥によって氏族本国で戦闘を行うという彼の作戦の次席指揮官に選抜された。そして、元帥が暗殺された時に、その作戦の責任はウィンストンに掛かったのであった。
中心領域最良の部隊の幾つかで構成された連合軍を指揮するウィンストンは、スモークジャガー氏族の本拠である惑星“ハントレス”を攻撃した。ここで完璧な奇襲を為し遂げたサーペント任務部隊は、二線級のスモークジャガーの防衛部隊を壊滅させた。しかし、その後に、自分達が中心領域から撤退を強いられたスモークジャガーの一線級部隊の残存部隊との死闘をする羽目になった事に気付く事となった。
中心領域からの援軍が到着する正に直前に、ウィンストン将軍は自らのサイクロプスのコクピットから自軍を指揮した戦闘に於いて戦死した。
ジャニス・アナポリス大佐
その古びたバトルメック――CP-11-A型仕様にアップグレードされたもの――からペリフェリー・スターガードを指揮しているアナポリス大佐は、最近になりそのペリフェリー・スターガードを自由世界同盟との激戦へ突入させている。何故、マーリック軍が自分達の現在の戦場から非常に離れた場所にある惑星“ローブルク”を攻撃したかについては不明である。しかしながら、惑星“ローブルク”上に存在しているスターコープ社の工場が主目標であったのであろうが、自由世界同盟に対しても自由な販売をしているこの企業の施設を攻撃した事はこの上なく危険を伴うものであると思われる。
私的解説:
指揮用メックとして名高いサイクロプスですが、星間連盟では更なる指揮用の高級機が存在していたのか意外な事に格下扱いされていた様です。しかし、サイクロプスは先進的に過ぎる技術を用いていないのが幸いしてか継承権戦争の技術低下時代を生き延び、遥か未来のダークエイジにまでその命脈を保っています。
サイクロプスはフレーバー・テキスト上では優遇されており、かなりの規模の部隊を指揮する事が可能な高性能コンピューターを持つ等々、優れた性能を有しています。ただ、その指揮能力の名高さから指揮官機狩りを専門とするヘッドハンター小隊に良く狙われるので、必ず十分な護衛をつける必要があるでしょう。
グレイ・デス・メモリーコアの発見以後、B−2000コンピューターの再生産の試みは続けられていますが、3072年辺りでも未だに成功は収められていないとの事が“Technical Readout: 3039”には書かれています。B−2000コンピューターを保有しているのは、サイクロプス全体で10%に過ぎないそうですから、その貴重さが窺われます。ちなみに、ハンセン荒くれ機兵団のゲルハルト・ハンセンとヴォルフガング・ハンセンの親子は、それぞれが稼働状態にあるB−2000コンピューター付きのサイクロプスを使用しているとの事です。ハンセン荒くれ機兵団、結構レアな機体を親子で2機も持っているのですね――彼等の強さの一端はこれだったのかもしれませんね(笑)