出典: Technical Readout: 3050 Upgrade
CN9-D センチュリオン
重量: 50t
シャシー: コリアン・モデルKL77 エンドースチール
パワープラント: GM300XL
巡航速度: 64km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: スターガードIII with/CASE
武装:
1×ミドロン・エクセル LB 10−Xオートキャノン
1×ルクソール3R LRM−10
2×フォテック806c 中口径レーザー
製造元: コリアン・エンタープライゼス、ジャラスター・エアロスペース
主工場: ニューアヴァロン(コリアン)、パンポール(ジャラスター)
通信システム: コリアン・トランスバンク-J9
照準・追尾システム: コリアンB−テック with/アルテミスIV
CN9-D センチュリオン 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 LB 10−X AC 弾薬(LB−X)20 CASE LRM10 弾薬(LRM)24 アルテミスIVFCS 中口径レーザー 中口径レーザー |
部位 右腕 右胴 右胴 左胴 右胴 左胴 胴中央 胴中央(背面) |
装備欄数 |
重量 |
概要:
AFFS(恒星連邦軍)の軍内では首位の中量級バトルメックであると見なされているこのセンチュリオンは堅実に作られた機体であり、NAISで開発された新技術の主たるテストベッドとなった。そして、この新技術こそがセンチュリオンをダヴィオン家の正規部隊から忘れ去られる存在となってしまうのを防いだのであった。
センチュリオンは、最初はコリアン・エンタープライゼス社によって成功作であったトレビュシェットの作戦上のパートナー機として開発されたものである。しかし、2845年、惑星“ラメン”のコリアン社の元々の工場が破壊された時、原型機のルクソール−Dシリーズ・オートキャノン用の交換部品は稀少となった。そして、ルクソール−Dの取付部は違う型のオートキャノンを受け入れる事が可能であったが、かような改修は長い時間を消費するものであり、その上、常にうまくいくとは限らなかったのであった。取り付け部のメンテナンス問題により、3000年代初期にはAFFSはこの設計機を退役させる寸前にあった。
(その後)コリアン・エンタープライゼス社は惑星“ニューアヴァロン”に新たな製造工場を建設した――その位置は工場施設とNAISとの連結の為に最高機密とされた。コリアン社が最初に取り組んだのは、その癖のある取付部をより柔軟な改良品へと置き換える事であり、これはあらゆる場所の技術者達が抱いているセンチュリオンのイメージを向上するのに寄与した。ここで全てのAFFS正規軍部隊に無料でこの交換部品一式を提供した事により、コリアン社はAFFS内にこの設計機が留まり続ける事を確実なものにした。
3047年、コリアン社は、ジャラスター・エアロスペース社が限定的なライセンスの下で惑星“パンポール”にてCN9-A型を製造するのを許可し、この事はこの設計機の更なる低価格化と普及に寄与した。3052年には、センチュリオンは多くの国境の市民軍にて一般的な見掛けられる存在となっていた。
コリアン社のNAISとの結び付きにより、センチュリオンは新技術用の一般的なテスト・プラットフォームとなった。3重強化筋肉、ロータリー・オートキャノン、照準コンピューター、コンパクト・エンジン、更には新型のプラズマキャノンでさえも――その全てがセンチュリオンにてテストされたのであった。
惑星“ニューアヴァロン”のコリアン社工場が破壊されたとの噂は確認が取れていないが、新たなセンチュリオンが現地の攻囲下にあるAFFS部隊に全く配備されていないのは確かな事である。噂の1つは、コリアン社がNAISのロマネスク様式を追求した新型メック・プラットフォーム開発に助力しており、それ故に新たに製造されたセンチュリオンの前線への到着が遅延している、としているものである。
その一方で、惑星“パンポール”の工場は、カペラ大連邦国によって大打撃を受けたカペラ境界域軍を増強する為にその生産量を2倍にしている。
性能:
センチュリオンは、主として中〜長距離戦機である。原型機の武装の取付部は改造を加える上での問題を引き起していたが、コリアン社の設計者達は原型機のCN9-A型の美観を維持しようと試みている。センチュリオンは通常、大口径のオートキャノン、長距離ミサイルラック、幾つかの種別のレーザーを搭載している。これらの兵器の内の何れかを背面装備にするかどうかはパイロットの好みの問題であるが――大部分のパイロット達はその砲身を前面に向けたままにする事の方を好んでいる。
配備:
センチュリオンは、AFFSの保有兵器の中で最も一般的な中量級バトルメックである。恒星連邦がライラ共和国と合併していた短い期間中に、センチュリオンはLAAF(ライラ同盟軍)にある程度受け入れられている。
センチュリオンの新派生型がそれぞれ登場する度に、AFFSは軍事予算を補う為にゆっくりと傭兵市場へ旧型を放出している。そして、稀にであるが、(大抵の場合は盗みをするかサルベージをするか忘れっぽい補給士官を通すかして)より新しい型が傭兵部隊内に辿り着く事もあるものである。
派生型:
最近になり、恒星連邦の新型のライト・フェロファイバー装甲とコンパクト・ジャイロを使用し、ジャラスター・エンジニアリング社のプラズマキャノンを搭載した、新たなセンチュリオンの派生型が戦場に出現している。その胴体に装備された巨大なジャンプジェットと追加の装甲はこのセンチュリオンに重厚な外見を与えており、それによりカペラ大連邦国とタウラス連合国の幾つかの部隊はそれを新型バトルメックであると誤認してしまっている。
著名なメック戦士
カイ・アラード=リャオ公爵
伝説的な地位――ナターシャ・ケレンスキー、モーガン・ケル、ヨリナガ・クリタの地位、にまで到達できるメック戦士は極少数である。それらの名はそれと敵対するメック戦士達へ恐怖による震えを投げつけ、それらの名はその現実の偉業を正しく表現していないような無数の冒険活劇ホロビデオを通じて数世代を興奮させ続けるものなのである。そして恐らく、その(伝説の)リストのトップに位置する者は、その軍での初期の経歴を絶えず続く自己疑念の思いと共に開始した、このすらりとした控え目な男であろう。中心領域での20年間に渡る戦いはカイに自信をもたらし、彼を数少ないエリートへと変えた。惑星“トワイクロス”にて唯一人でファルコンガードを壊滅させた事から、闘技惑星“ソラリスVII”に於けるその流星の如きチャンピオンシップの獲得、カペラ大連邦国=セントアイヴズ戦役に於ける激烈なゲリラ戦に至るまで――カイが極めて自然にやってのけたその極致の技能を見せられる者は、他にはほぼ存在し得ないものである。そして、その時代の大部分を通して、彼は自分の父親のセンチュリオン“イェン・ロー・ワン”――そのパイロットとほぼ同等なくらいに悪名高いメック――を操縦していたのであった。
アーレマ“ポップス”オーヴェンタ
コリアン・エンタープライゼス社の正社員の中で唯一のメック戦士である“ポップス”は、ほぼ50年間に渡ってこの企業のテストパイロットを務めてきており、また、センチュリオンの派生型の全てを操縦した事がある唯一のダヴィオンのメック戦士としても知られている。ポップスは現在、“ニューアヴァロン”にて戦闘中に行方不明になったと記載されている。
私的解説:
センチュリオンは、50t級メックで最も一般的な機体です。このダヴィオンのアップグレード型は高級機志向のもので、高出力のXLエンジン搭載により速度と武装が強化されています。しかし、その一方で耐久力は見掛けよりも低くなっており、被弾はできるだけ避けた方が良いでしょう。特に重量級メック以上を相手にする場合、この機体にとって静止は死を意味するものだと思えます。
3050年以降のセンチュリオンは恒星連邦で大量生産された事により、恒星連邦軍では非常に一般的な存在となっています。これはメーカーのアフターケア等の戦略が功を奏したのが大きいでしょう。また、センチュリオンの工場がNAISの隣にあったお蔭で、センチュリオンにはいち早く最新技術が導入されました。もっとも、そのせいで“聖戦”の3070年代初期に行われた第3次ニューアヴァロン戦(小説“Isle of the Blessed”)にて、ジャクソン・ダヴィオン将軍がコリアン・エンタープライゼス社の工場を(少なくとも一部は)戦闘で吹き飛ばしてしまう事態になってしまうのですが。――NAISみたいな重要拠点に近すぎるのも考えものですね。
センチュリオンで最も有名な機体は、あのバトルテック世界最強のメック戦士であるカイ・アラード=リャオが搭乗するCN9-YLW“イェン・ロー・ワン(閻羅王)”でしょう。このジャスティン・シャン・アラードから受け継いだ機体はカイ・アラード=リャオと共に多くの伝説――ファルコンガードの壊滅、ソラリスVIIチャンピオン等々――を築いてきました。そして、ダークエイジでもこの機体は生き残っています(ダナイ・リャオ=セントレラが操縦しています) センチュリオンを代表するこの機体の今後にも要注目でしょう。