出典: Technical Readout: 3145 Republic of the Sphere

CLR-03-O セレリティ

重量: 15t
シャシー: S−エクウス・オミクロン エンドースチール
パワープラント: リパブリック240XXL
巡航速度: 172km/h
最高速度: 259km/h、345km/h(MASC使用時)
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: ストラスブール・アーマメント・タイプ3

武装:
  2t分のポッドスペース使用可能

製造元: RAFマニュファクチュアリングセンター・プロヴィデンス
   主工場: 地球
通信システム: コムスター・リモートリンク・シータ
照準・追尾システム: イオタ−ルミナスTCKM

CLR-03-O セレリティ
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


中心領域(アドヴァンスト)

エンドースチール
240XXL
16
24(32)

10[20]
(XL)
(小型、ドローン)
24

重量

15.0
1.0
4.0



0.0
4.0
3.0
10.5


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右前脚
左右後脚

中枢値




装甲値

5/1
4/1

重量・装備配置

部位
頭部

固定装備
無し

残装備欄数

胴中央 XLジャイロ
右胴 XXLエンジン
ドローン・オペレーティングシステム
エンドースチール
左胴 XXLエンジン
ダブルヒートシンク
エンドースチール
右前脚
左前脚
エンドースチール
エンドースチール

右後脚
左後脚
エンドースチール
エンドースチール


固定装備
ドローン・オペレーティングシステム
MASC
部位
右胴
左胴

装備欄数

重量
2.0
1.0

基本型武装構成

武器/弾薬
TAG
C3子機
部位

装備欄数

重量
1.0
1.0

A型武装構成

武器/弾薬
2×SRM6(iOS)(C)
部位

装備欄数

重量
2.0

B型武装構成

武器/弾薬
エンジェルECM
部位

装備欄数

重量
2.0

C型武装構成

武器/弾薬
ビーグル探査装置
遠隔センサー投射機
部位

右胴(R)

装備欄数

重量
1.5
0.5

D型武装構成

武器/弾薬
2×ER火炎放射器
部位

装備欄数

重量
2.0

E型武装構成

武器/弾薬
インプルーヴド・ヘビー中口径レーザー(C)
ER中口径レーザー(C)
部位

右胴

装備欄数

重量
1.0
1.0


 “フォートレス・リパブリック”の側面の1つは、RAFの相互戦闘技術の広範なアップグレードと拡充であった。そして、それには、“聖戦”の最中にコムスターによって最初に配備された超軽量級無人機セレリティの様な長年に渡り放棄されていた技術の復活も含まれていた。

性能:
 RAFの技術者達はコムスターのセレリティを収得し、それをより強力なツールへとした。恒星連邦の超軽量級のプレイシーカーよりも高速であるこの新型セレリティは、オムニメックという柔軟性、高速の電子妨害・偵察・緊急対応の阻止といった性格の任務を務められるものを持っている。無人コントロールの有効距離が許す限りではあるが、これは固定された施設にとって無比の可能性を与えるものである。

配備:
 セレリティは固定された施設から離れてその姿が見掛けられるのは稀であるが、ロードス・プロジェクト装備によって実施された様な略奪襲撃に於いては少数機が“フォートレス”から隠密に外部へ出ている。これらの機体はスフィア共和国成立以前のコムガードの機体に見える様に入念に偽装されたが、破壊されたセレリティが後に残される事は非常に稀であったが故に、これが問題になる事は殆どなかった。
 ストーンズ・フューリーは近年、セレリティ超軽量級機の数部隊の演習で以て実験をしている。惑星“リバティー”の町と村の多くは未だに反総統の怨恨感情の温床のままであり、高速のセレリティはストーンズ・フューリーにドクトリンを洗練する為の多くの機会を提供しているのである――それらの無人機を激しい戦闘に晒す事をせずに。その中でも、ストーンズ・フューリーがそれらの無人オムニメック群を使用してレジスタンスを監視し続けた手法は、特に注目すべきものである。
 そのMASCがないとしても、セレリティは大部分のVTOLに匹敵もしくは凌駕する速度を披露する。メックを異なる武装構成でローテーションする事によって、ストーンズ・フューリーはレジスタンスの移動を(C型武装構成で)追跡し、その後に彼等の通信を(B型武装構成で)遮断するのに熟達していった。そして、より小さな幾つかの(レジスタンス)細胞でさえも、D型やE型武装構成で以て殲滅されていっているのであった。
 セレリティの使用に関するラサルハグ・ドミニオン、ドラコ連合、カペラ大連邦国内での現地のレポートは、それらの国家の士官達で自らが見たものを理解している者が存在したとしても極少数である事を示している。傍受にて、ワード・オブ・ブレイクの部隊、海賊、甚だしくは本国氏族の前進偵察部隊と遭遇した、と彼等が報告している事が明らかになっているものである。その正体を暴かれる危険は非常に大きかったが、それらの効果は非常に有力なものであり、セレリティやその他の無人機を“フォートレス”外に派遣するのが中止される事はなかった。


派生型:
 セレリティ・オムニメックの開発は数十年間に渡り行われ続けているが、その初期型の若干数が未だに現役に留まっている。コムガードは少数の基幹部隊を保持していたが、それらの大部分はコムガードと共に壊滅させられている。その最も極端である派生型は、05-X型である。それは、MASC、スーパーチャージャー、特別なスパイクを使用しており、真に恐るべき自殺的体当たり機となっているのである。

著名なユニット
ニコラス・ヴィラノヴァ軍曹
 ヴィラノヴァ軍曹はストーンズ・フューリーのセレリティの先導パイロットであり、その同僚達によって彼等が見た中で最高の無人機パイロットとして認められている。シミュレーション戦闘にて彼は体当たり攻撃で以てレヴナントの正規パイロットの8人中6人を倒し、ドアト級降下船に載せられて送り込まれる襲撃部隊への配置替えを2回も命じられている。彼はD型武装構成を好んでおり、伝統的なメック戦士の競争心意識を示す事は殆どないが、無人機を80km離れた場所まで動かす彼の技能には疑いを挟む余地はないものである。




私的解説:

 このセレリティは、バトルテックの書籍版テクニカル・リードアウトでは初の正式収録となる無人メックの1つです。バトルテック世界に於いて無人メックの扱いは難しいもので過去に余り触れられてはきませんでしたが、“聖戦”でワード・オブ・ブレイクが実戦使用した事によりクローズアップされました。“聖戦”後、無人メック技術はメック戦士の既得権益との兼ね合いやワード・オブ・ブレイクが使用した事により悪いイメージが付いた為に、中心領域各国で深い研究は(少なくとも表向きは)されませんでした。スフィア共和国ではワード・オブ・ブレイクから接収したものと解散する事となったコムガードから引き渡された技術をどうするかで悩みましたが、最終的にはデヴリン・ストーンの決断により破棄はせずに封印状態で保存される事となりました。
 セレリティ自体はコムスターが3052年の氏族戦争の時から研究を開始したものであり、“聖戦”の後期に完成していました。そのコムスターによる初期型セレリティはモジュール構造の特徴を持った非オムニメックの遠隔操作型無人メックでしたが、封印技術を開放して改良されたスフィア共和国量産版ではオムニメック化されたものになっています。そして、ワード・オブ・ブレイクの人工知能搭載型無人メックとは異なり、人の手による遠隔操作型無人メックとなっているのがセレリティの特徴です。大量に運用するのならば人工知能搭載型無人メックの方が面倒も少なく優位に立つでしょうが、遠隔操作型無人メックはその操作パイロットの技術がほぼ直接反映される為に戦力的な質が概ね高くなるという強みがあります(ただ、人工知能担当のプログラマーが極めて優秀であった場合は人工知能搭載型無人メックの方が強力になる可能性もあります) また、人工知能搭載型無人メックは電子妨害で暴走するという危険性(或る意味では利点)もありますが、遠隔操作型無人メックはとりあえず停止して無力化されるだけですむという安全性もあります。それぞれ一長一短ですが、これに於けるスフィア共和国の選択は興味深いものだと思います。

 バトルテック・ボードゲームで使用する際には、セレリティが遠隔操作型無人メックという余り馴染みのない存在である事を決して忘れないよう心掛けた方が良いでしょう。遠隔操作型無人メックの天敵は、ECM等々(チャフやTSEMPも含む)の電子的攻撃/妨害です。B型武装構成にしてECCMを使用すればそれなりのカウンターはできますが、それでも全体的に分は良くありません。敵部隊に電子的攻撃/妨害手段を持ったユニットが存在している場合、それを真っ先に潰すか、もしくは交戦を避けるかした方が無難でしょう。セレリティは、歩兵部隊を相手の戦闘や偵察、高速襲撃には非常に優れた適性のあるユニットです。当たり前の事ですが、弱いものいじめに徹するのがセレリティ運用に於ける基本ですね。
 余談ですが、セレリティは何気に全頭部射出型脱出装置を備えていますので、本体が破壊されたとしても高確率で頭部搭載装備が回収できる様になっています。XXLエンジンやXLジャイロの所為でセレリティのコストパフォーマンスは悪くなっていますが、これで多少は破壊された時の損失の削減ができています。このコンセプトを発案したのはコムスターですが、なかなか面白い試みですね。

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