出典: Technical Readout: 3039
CGR-1A1 チャージャー
重量: 80t
シャシー: ウェルズ990
パワープラント: LTV400
巡航速度: 54km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: デュラレックス・ヘビー
製造元: ルシエン・アーマーワークス
主工場: ルシエン
通信システム: テック・バトルコム
照準・追尾システム: ダルバンHiRez
CGR-1A1 チャージャー 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 小口径レーザー 小口径レーザー 小口径レーザー 小口径レーザー 小口径レーザー |
部位 頭 右胴 右腕 左胴 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
問い: ライラの最もお気に入りの偵察ユニットは何か?
答え: 敵が持っているチャージャーである。
使い古されたジョークに対するこの答えは、ルシエン・アーマーワークス(LAW)社の最大の失敗作であるCGR-1A1チャージャーへの言及をしたものである。当初、それはSLDF向けの超重量級偵察機と見なされていたのであるが、ドラコ連合の戦士達の大部分はチャージャーへの配属を懲罰任務と思ったのであった。
このチャージャーは、ウェルズ・テクノロジーズ社――LAW社の元・ライセンシー――によって製造がされた。LAW社のその大規模買収が為された後の3027年、ウェルズ・テック社は廃業した――そして、CGR-1A1のラインは、その直後からゆっくりとした流れとなり、3030年には完全に停止した。
性能:
チャージャーの豆鉄砲の様なレーザー砲列はメック戦士の熱狂的なファン達にとってさえもお笑いの対象であるが、その堅固なデュラレックス・ヘビー装甲はそうではない。10tの装甲を誇るこのチャージャーは、中量級や重量級メックとの小競り合いを容易に持ち堪える事ができる。チャージャーの弱体な攻撃火力を鑑みると、それはその装甲が提供する防護を常に必要とするものである。その装甲は頑強ではあるが酷使に耐えられるものではなく、チャージャーのパイロット達は大抵の場合に於いて激しい戦闘に加わる事は避け続けるものである。
元々はダミー兵装(カメレオン・メック訓練機の例に則ったもの)を装備した高速偵察メックとして意図されたこの設計機は、惨憺たる不成功に終わった。しかし、継承権戦争の勃発により、チャージャーは信頼性がありかつローメンテナンスのメックとなり、それはLAW社の不当利得者達を無駄に苛立たせる事となった。それは辺境との国境の惑星/世界にて有効な存在であり、スティンガーやワスプ、主武装が既に破壊されてしまっているその他の如何なるメックの群れからもそこを防衛し続けたのである。
配備:
この設計機はSLDFでの使用が取り止められたが故に、ウェルズ・テック社は実際的にチャージャーの群れ(その過大な販売見積もりと、その結果として起きた過剰製造による産物)の中で溺れる羽目になった。しかし非常に数奇な事に、星間連盟の崩壊と第1次継承権戦争はこの企業を破産から救った。見付け出せる限りの如何なるメックも必要としたDCMSは、この企業の過剰在庫を買い上げると同時に自らのその急速な急速な拡張を支えるべく長期契約も結んだのである。かような次第で、チャージャーのその大部分はDCMSの部隊の中に存在している。
必然的ながら、戦場でのサルベージを通して、チャージャーはLAAFやAFFS(そして若干範囲は狭いがFWLM)の軍にも行き渡る事となった。ダヴィオン軍は自らのサルベージ品を最終的には傭兵市場に流す事になったが、それとは対照的に、ライラ軍はこの設計機を自らの強襲中隊用の重偵察機として採用した。しかし、ライラ人達はチャージャーを他の王家達よりも多少暖かく遇したのであるが、ウェルズ社は輸出制限の所為でその設計機を彼等へ能動的に直接販売する事はできなかった。そして、他の方法が探求されたのであった――ISFがその長期間に渡る活動(違法行為)を最終的に暴いた際に、LAW社はウェルズ・テック社の緊急買収を実行し、ウェルズ・テック社の取締役会に“その先祖達と共に食事を取る”事を勧める事となった。
派生型:
31世紀の前期に於いては、それの2つの派生型のみが登場を果たしていた。そのCGR-1L型は、ウェルズ・テック社によってカプテイン協約の貿易条項を通じてカペラ人達に販売されたものである。それはその装甲防御の約半分を代償にして、小口径レーザー群を2基の中口径レーザーと1基の大口径レーザーに置き換えている。しかしながら、CCAFの戦士達の死に物狂いの精神状態から考えるに、それはカペラ人達にとって受け入れ難い派生型であった。派生型のCGR-1A5型は、カペラの改修型である。そのエンジンはダウングレードされて、1基のオートキャノン/20、2基のSRM6ラック、1基の中口径レーザーを備えるのに十分なスペースが空けられ、それはチャージャーを恐るべき近距離打撃機へと変えている。
DCMSはCGR-1A1チャージャーを見込みのない機体であると見なし、LAW社と共に諮問委員会を組織してこのプラットフォームの再設計を行った。その委員会は、最初の内は休止状態のチャージャーのラインをより強力でより速力の遅いCGR-1A9型(1基の小口径レーザーと4基の中口径レーザー、1基のLRM20を搭載していた)の製造をするものへとした。そして、それは、“3039年戦争”に於いてAFFSの部隊群を驚愕させた。また、それより後には、コムスターからの援助により、DCMSには先進技術――中でもチャージャーをハタモト・チへと至らせた技術――が思い掛けずにもたらされたのであった。
著名なメック戦士
メック戦士テリー・フォード
かつては継承国家群の中で最も幸運なメック戦士であると見なされていたフォードは、第9アイリシアン特戦隊と共にした襲撃の最中にその些か不運な死を遂げるまでの間、自機の“ナンバーセブン”を操縦していた。アトラスやバンシーでさえも破壊するであろう大量の打撃から生き残る事で名高かったフォードは、自分自身と1人の助整備兵を除いては如何なる者にも自分のメックの修理をするのを許さなかった。その“セブン”は幾度となくアップグレードされたが、決して最高の性能を発揮する事はなかった――1つにはフォードの不十分な技術力の所為で。フォードがソレンソン・セイバーズのロングボウに対して“ハイランダー・ベリオル(ハイランダー式埋葬)”を見舞おうと目論んで土手から飛び降りをした時に、最終的に“セブン”の幸運は尽きた。そのジャイロはその自由落下に過敏に反応し、フォードは“セブン”を壮大にうつぶせに倒れさせてしまい、それは彼の生命を奪ったのであった。
“セブン”は、セイバーズによってサルベージ品として取得された。しかし、完全な組み立て直しがされたにも拘わらず、それは絶える事のない故障、機能不全、障害にひっきりなしに悩まされた。やがて、“セブン”はセイバーズの名簿から消え去る事となった――戦闘降下演習の最中にパイロットの乗っていない“セブン”を“誤って”降下船から落としてしまった、との1つの噂が存在しているものである。
私的解説:
バトルテック世界で最高峰の駄作機との評判が高いチャージャーですが、信頼性が高かったり、整備維持が容易だったり、発展改良を加えられる余地が結構あったり、と機械的な素性は良かったりします。そして後にはロングランの機体となるハタモト・シリーズの開発の基礎にもなったりしていますから、そのポテンシャルは侮れません。チャージャーのその始まりは決して良いものではありませんでしたが、終わり良ければ全てよし、と言った所でしょうか。また、ダークエイジでも数勢力のランダム・メック表にその名が記載されているのが見られるのは、恐るべきものですね。
バトルテック・ボードゲームに於いては、チャージャー基本型の運用は簡単です。とにかく敵に向かって突っ込ませるか、待ち伏せをするか、です。その改良型は近接戦に強い真っ当な重火力機や支援機になっていますが、基本型は被害担当メックになるか、格闘メックになるか、観測機になるしかありませんから。一方、バトルテックの新作PCゲームですと、その武装が格闘攻撃と極めて相性が良いので無改造でも活躍のチャンスがある様な気がします。