出典: Technical Readout: 3058 Upgrade

BSW-X1 ブッシュワッカー

重量: 55t
シャシー: アースワークスGRF
パワープラント: ヘルメス275XL
巡航速度: 54km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: カロン・ユニティーウィーヴ フェロファイバー with CASE

武装:
  2×フェデレーテッド 5−ショット・LRMミサイルシステム
  1×ブレイズファイアー・スウィートショット ER大口径レーザー
  1×ミドロン・モデルB オートキャノン
  2×ジョンソン ミニガン

製造元: ターヘス・インダストリーズ
   主工場: ターカッド
通信システム: ターヘス・エウテルペHM−14
照準・追尾システム: ターヘス・アレス−8a

BSW-X1 ブッシュワッカー
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


中心領域


275XL



11[22]


161(FF)

重量

55.0
5.5
8.0



1.0
3.0
3.0
9.0


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値

18
13

13

装甲値

26/8
22/4
11
22

武器・弾薬

種別
AC/10
弾薬(AC)10
LRM5
LRM5
弾薬(LRM)24
ER大口径レーザー
マシンガン
マシンガン
弾薬(マシンガン)100
CASE
CASE
部位
右腕
右胴
左腕
左胴
左胴
胴中央
右胴
左胴
右胴
右胴
左胴

装備欄数










重量
12.0
1.0
2.0
2.0
1.0
5.0
0.5
0.5
0.5
0.5
0.5


概要:
 このブッシュワッカーは氏族技術を全く使用していないが、その最終的な設計は氏族バトルメックの構造原理を適用した結果として生まれたものである。元々は氏族侵攻よりも前に開発されていたこのメックの革新的な設計は、幾つかの重要な領域に於いて主流となっていた設計思想から離れていた――主として、敵の照準システムに捉えられず、印象的な兵器搭載量の為の強度と空間を提供する、その低い機高かつ切り詰められた外観にて。しかし不幸な事に、この伝統的設計からの根本的な逸脱は複雑かつ込み合った内部構造というものに帰結する事となった。センサーシステムと通信機器に対する核融合エンジンの近接は内部での干渉を生じさせ、それは照準システムとセンサーシステムの頻繁な故障を引き起こした。評価者達はそれの基本設計とその能力には感銘を受けたが、それらの慢性的かつ明白な電子的難点はブッシュワッカーが決して完全な量産に入らない事をほぼ確実にしていた。
 しかし、この暗い予測は惑星“トワイクロス”上のジェイドファルコン基地に対する襲撃成功により覆された。その数ある発見の中には、氏族メックの幾らかに関する技術仕様書と概略図の広範なコレクションが存在していたのである。その中でもブッシュワッカーの設計チームにとって特に興味深かったのは、氏族のヴァルチャーであった。ブッシュワッカーよりも垂直な設計であったが、ヴァルチャーの内部も(ブッシュワッカーと)同様の圧縮された容量の問題を抱えていた。氏族の技術者達はそれを補正するべく内部レイアウトに対して幾つかの常ならぬ決断を下しており、それにより核融合エンジンと繊細なシステムの干渉を最小限にしていた。そして、ブッシュワッカーの独特なその必要性に対して氏族の解決策を適用する事で、設計技術者達はこのメックの内部構造を再構成して電子的な干渉を除去する事ができたのであった。


性能:
 このブッシュワッカーは、何よりも第一に長距離戦闘バトルメックである。その2基のLRMランチャー、1基のER大口径レーザー、優秀なミドロン・オートキャノンは、それに中心領域のバトルメックで比肩するものが殆ど存在しない程の射程での致死的な破壊力を与えている。通常の対戦相手との戦闘に於いては、機知に富んでいるブッシュワッカーのパイロットは対戦相手との距離を保ち続け、このメックの相対的な素早さを頼みにして近接戦闘を避ける。その前部に搭載された2基のジョンソン・ミニガンは、歩兵の対メック・チームの強襲に対する幾許かの防御を提供している。
 当然の事であるが、この射程の強みはブッシュワッカーが氏族の軍勢と交戦する際には雲散霧消する。氏族の長距離兵器群はブッシュワッカーの射程を50%上回っており、砲火を交わすのを中心領域の戦士達にとって問題のあるものへとしているのである。その結果として、ブッシュワッカーの部隊は地形やその他の障害物を利用して有効射程に近付くという連携戦術を作り上げている。それの典型的な小隊は、3機のブッシュワッカーと1機の高速軽量級メックでチームを組む。そして、軽量級メックは観測機――そして必要のある場合は囮――として行動し、ブッシュワッカーの直接/間接LRM射撃の指揮をするのであった。


配備:
 元々は氏族/ライラ同盟国境沿いにほぼ独占的に配備されていたのであるが、ブッシュワッカーは今や元・連邦=共和国の殆ど全ての第一線部隊にて見掛けられるものとなっている。幾つかの理由の為に、それはカペラ境界域とドラコ境界域の両方の部隊にて特にお気に入りの存在へとなっている。

派生型:
 2つの派生型が常用される様になっている。S2型はLRM−5ランチャーとマシンガンを2基のSRM−4と1基のアンチ・ミサイルシステムに交換しており、また、そのオートキャノンを1基のLB−Xにアップグレードしている。
 L1型はより非常に急進的な設計であり、ライトエンジンという未だに比較的新しい技術を使用している(通常型のエクストラライト・エンジンの代わりに) それから、この機体は、大口径レーザー(射程延長型にアップグレードされている)を除く全ての兵装とCASEをLB 20−Xオートキャノンと3tの弾薬、2.5tの追加装甲と引き換えにしている――また、そのフェロファイバー装甲もエンドースチールと引き換えにされている。


著名なメック戦士
サラ・ブレア大尉
 3065年、11月12日、ケヴ・エヴァンス中将は、惑星“カシアス”のローメン山脈の麓でのDCMSの第5光の剣連隊と第6リュウケン連隊に対する数ヶ月間に渡る機動防御戦闘を止めた。彼の防衛線の中心は、カラス・ライン――現地の市民軍と第3南十字星部隊によって建設された堅牢な防御施設群――にあった。掩蓋陣地や隠蔽された砲列によって撃退されたショウトク大佐は、第5リュウケン連隊の数部隊を率いて翼側迂回攻撃に出た。彼等を待ち構えていたのは、第17アヴァロン軽機隊の第3大隊であった。チャド・トーマス少佐が最初の数分間で倒された時、ブレア大尉が指揮を継承した。そして、彼女の巧みな指揮は、数的に圧倒されたその大隊に第5リュウケン連隊の部隊を繰り返し撃退する事を可能にさせた。ガン・カメラの記録映像は、ブレアのブッシュワッカーがショウトクのハタモト・チと砲火を交わすのを見せているものである――そして、この決闘は、3066年1月31日に繰り返される事となるのであった。“カラスの戦い”でのDCMSの重い損害は惑星“カシアス”上のパワーバランスを一変させ、第17アヴァロン軽機隊に第5光の剣連隊と第6リュウケン連隊を圧迫する事を可能にさせ、第17アヴァロン軽機隊は続いての数週間で重い損害を与えていった。ここで最終的な敗北に直面したショウトクは、志願者達の2個中隊を率いて第17アヴァロン軽機隊への総力を挙げての攻撃に出た。3機の軽機隊のバトルメックがハタモト・チと交戦したのであるが、戦闘記録はブレア大尉の距離を置いての冷静で正確なアルファストライクこそがかの大佐を倒したものである事を確認しているものである。3066年2月6日、DCMSの部隊群は惑星を引き払った。




私的解説:

 ブッシュワッカーは設計に新機軸を盛り込んだ為に開発が難航し、制式化はされないであろうと思われていたメックです。ブッシュワッカーにとっては氏族の侵攻は幸運な事だったでしょう――氏族メック・ヴァルチャーから得られた知見から開発に弾みが付いたのですから。そして、氏族侵攻が停止して間もない3053年にブッシュワッカーは期待の新鋭機として完成する事になります。ブッシュワッカーの使用実績はそれなりに良好だった様で、連邦=共和国系の部隊で重宝されました。その後、“聖戦”にてその製造工場が完全破壊された事、大量の資金が必要とされた事から、ターヘス・インダストリーズ社はコベントリー・メタルワークス社にブッシュワッカーのプランを売却します。そして、ダークエイジでもそれらの二社によって主に国外への輸出製品として製造が続けられています。最新型のBSW-X4型は、プラズマライフル、MML、MASCを搭載した結構な性能の機体になっています。

 ブッシュワッカーは長距離戦闘を重視しているメックですが、実はどの距離でもそれなりに戦えるオールラウンダーでもあります。その基本戦法はLRM間接射撃集中でしょうが、手持ちの戦力を見て欠けている部分をブッシュワッカーに補わせる運用も良いかも知れません。

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