出典: Technical Readout: 3050 Upgrade
BL-6-KNT ブラックナイト
重量: 75t
シャシー: テクニクロン1L エンドースチール
パワープラント: ヴィラー300
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット:
ジャンプ能力: 無し
装甲板: ヴァリアント・ラメラー
武装:
1×マグナ・ヘルスターII PPC
2×トローネルIII 大口径レーザー
4×トローネルII 中口径パルスレーザー
1×トローネルI 小口径レーザー
製造元: コング・インターステラー・コーポレーション
主工場: コンノート
通信システム: トランスコム・アルファ
照準・追尾システム: トランスコム・ベータ with ビーグル・アクティブプローブ
BL-6-KNT ブラックナイト 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
|
重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 PPC 大口径レーザー 大口径レーザー 中口径レーザー 中口径レーザー 中口径レーザー 中口径レーザー 小口径レーザー ビーグル探査装置 |
部位 右腕 右胴 左胴 右胴 左胴 右腕 左腕 頭 胴中央 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
再統合戦争の最中に登場したこのブラックナイトは、驚異的な成功を収め続けている。コング・インターステラー・コーポレーション社(KIC社)はこの機体により、メック設計者達の究極の重バトルメックを作り出すという“ホーリー・グレイル”(究極の夢)に迫ったのである。
星間連盟の崩壊後、第1次継承権戦争にてその製造工場が重大な損傷を受けるまでKIC社はそれの製造を継続した。しかし、予備部品の製造と整備を実行するのみに縮小したKIC社の資産は最終的には回復し、3065年、それによりこの企業はそのバトルメック製造プラントの再建をしたのであった。
性能:
エンドースチールのシャシーに重装甲防御を搭載したブラックナイトの外観は、中世の鎧を着た巨人に似ている。その印象的なエネルギー兵器の砲列は、このメックをほぼ無視できない存在へとしている。しかしながら、このエネルギー兵器の数の多さは、20基の放熱器があるにも拘らず発熱を重大な問題へとしているのである。その1基のビーグル探査装置は、ブラックナイトに最高のECMを除くその他の全てを破る事を可能にしている。その上、このシステムは兵器システムと連結しており、マグナ小口径レーザーによって生成される低強度のレーザー波を掃射する事により、ビーグル装置のスキャナーが近くの目標を分析するのを可能としている。
数世紀以上に渡り、ブラックナイトは非常に手強い敵手であるとの名声を築き上げ続けている。この設計機と交戦した生き残り達は、その容赦のない前進を停止させるのにその敵手を文字通りバラバラにしなければならなかったとの物語を伝えている。
配備:
タウラス連合国との戦役の際には準備ができていたブラックナイトは、2578年、惑星“リッジブルーク”にて最初の戦闘を経験した。第3重強襲連隊(ザ・パイソンズ)は、その新型の重メックを使用して第15要塞大隊の司令部を強襲した。その戦闘の最中、中隊指揮官はその洗練された電子機器がブラックナイトを素晴らしい指揮メックにしている事に気付いた。その成功したデビュー後、SLDFの第1軍団はこの設計機を大規模に配備した。
SLDFと同様に、コムスターも惑星“ツカイード”での戦闘の最中にブラックナイトがレベルI部隊やレベルII部隊に於ける理想的な指揮ヴィークルである事を体験した。
ブラックナイトはまた、氏族のゾラーマ部隊にも見掛けられているものである。
派生型:
SLDFの近衛バトルメック連隊用に指定されたBL-6b-KNT型は、2751年に登場した。これは16基の2倍効率の放熱器を装備し、武装を1基のキンスローターER PPCと2基のレイカーX大口径パルスレーザーにアップグレードされている。
コムスターは氏族との戦闘に備えて、多数のブラックナイトを改修した。そのBL-9-KNT型は、XLエンジンと15基のダブルヒートシンクを搭載している。その1基のマグナ・サンスポットER PPCはこの“クランバスター”に長射程を与えており、その複数の中口径レーザーは複数のより精密なアベルドヴェイ・パルスレーザーへ交換された。また、小口径レーザーとビーグル・システムは、胴中央に装備されたアビルドヴェイ大口径パルスレーザーと追加装甲に置き換えられている。そして、格闘武器に対して氏族が抱く軽侮の念に付け込むのを意図して、その左腕には5tのハチェットが追加されている。
ロビンソン・スタンダード・バトルワークス社(RSB社)は、3063年にブラックナイト製造する為のライセンスをKIC社より獲得した。外世界同盟のルーシャン・インダストリーズ社から輸入した高品質のレーザーを使用し、RSB社はBL-12-KNT型を開発した。PPCと中口径レーザーを射程延長型兵器に交換したこの派生型は、小口径レーザーとビーグルが存在していた場所に精密な照準コンピューターを追加している。これに16基のダブルヒートシンクが装備されているとしても、メック戦士はその熱レベルを注視する必要があるものである。
著名なメック戦士
ウィルバー・フリュース大尉
第124近衛重強襲連隊の2711年から2718年に掛けてのチャンピオンであるフリュース大尉は、恐らく最も奇妙なガンスリンガー・プログラムの修了者である。それが自分に強みを与えるものであると確信したフリュースは、“ワイルド・ウェスト(開拓時代の米国西部)”のガンスリンガーの神話に自分自身を熱中させたのである。彼は更に制服を着る事さえも止め、代りに古代アメリカ西部のガンマンの様な扮装をした。しかし、決闘で7年間に渡り決して敗北する事はなかったのであるが、彼の部隊指揮官が最終的に休養と回復の為にフリュースを“地球”へ送り返すまで、彼の精神の安定性は悪化し続けたのであった。
デイヴィッド・マッキノン中尉
伝説的なマッキノン奇襲部隊(“フォックス・ティース”の名で知られてもいる部隊)の指揮官ロス・マッキノンの従兄弟であるデイヴィッド・マッキノンは、暴発しやすい大砲の類であると見なされている。熟練の戦士かつ狡猾な戦術家であるのだが、マッキノンは命令を待たずに行動してしまう傾向があるのである。彼が常に正しかったという事実は、その上官達を一層怒らせるという作用のみをしており、彼を第20アヴァロン軽機隊の単なる中尉に留めてしまっている。
3070年、惑星“ベード”にて自分の小隊と共に取り残されてしまったマッキノンは、地元の市民軍とカペラ戦線から撤退してきた歩ける負傷兵集団という臨編部隊でワード・オブ・ブレイクの侵攻軍を撃退した。ブレイク教徒の戦術によりAFFS最高司令部が麻痺している事により、マッキノンは惑星“ベード”とその周辺の世界を防衛するという責任を引き受けている。現在、捕獲したBL-12-KNT型を操縦しているマッキノンと彼の増大しつつある不正規隊は、ワード・オブ・ブレイクを撃退し続けている。
私的解説:
ブラックナイトは、75tを代表する名機です。そのバランスの良い火力と装甲は高く評価されており、電子機器の優秀さと相まって指揮官機としても理想的です。また、弾薬を搭載していない事とXLエンジンの不使用からくるその耐久能力は不死身の黒騎士を連想させ、戦場では畏怖されています。
3050年以降に登場する改良型のブラックナイトは、どれも使える機体です。BL-9-KNT型はその計算され尽した火力と格闘兵器の組み合わせが絶妙ですし、BL-12-KNT型は照準コンピューターと連動した命中率の高い火力が魅力的です。ダヴィオンの変わり種であるBL-10-KNT型は、TSM装備なのが素晴らしすぎます。また、星間連盟専用機のBL-6b-KNT型もなかなかの武装です。ブラックナイトは、戦場で相手にするには油断できない機体と言えるでしょう。
3060年代には、自由世界同盟と恒星連邦でブラックナイトの製造ラインが新たに生まれています。これからも、ブラックナイトの伝説は作られていくでしょう。ちなみに、ブラックナイトの著名なメック戦士の項に書かれているデイヴィッド・マッキノン中尉ですが、後にスフィア共和国聖騎士となる人物だったりします。“聖戦”での彼のブラックナイトの活躍には期待したい所ですね。