出典: Technical Readout: 3050 Upgrade

AWS-9M オウサム

重量: 80t
シャシー: テクニクロン・タイプG
パワープラント: ピットバン320XL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット:
ジャンプ能力: 無し
装甲板: デュラレックス・ヘビー・スペシャル

武装:
  3×フューシゴン・ロングトゥース 射程延長型PPC
  1×ディヴァース・オプティックス・タイプ10 小口径レーザー
  1×マグナ400P 中口径パルスレーザー
  2×ホバーテック ストリークSRM−2ポッド

製造元: テクニクロン・マニュファクチュアリング、イリアン・バトルメックス・アンリミテッド
   主工場: サヴァンナ(テクニクロン)、イリアン(イリアン)
通信システム: ギャレットT19-G
照準・追尾システム: ダイナテック2780

AWS-9M オウサム
技術基盤:
総重量:
機体中枢:
エンジン:
  歩行MP:
  走行MP:
  ジャンプMP:
放熱器数:
ジャイロ:
操縦席:
装甲値:


中心領域


320XL



20[40]


247

重量

80.0
8.0
11.5



10.0
4.0
3.0
15.5


頭部
胴中央/背面
左右胴/背面
左右腕
左右脚

中枢値

25
17
13
17

装甲値

30/20
24/10
26
34

武器・弾薬

種別
ER PPC
ER PPC
ER PPC
小口径パルスレーザー
中口径パルスレーザー
ストリークSRM2
ストリークSRM2
弾薬(ストリーク)50
部位
右腕
右胴
左胴

胴中央
胴中央
左腕
左脚

装備欄数







重量
7.0
7.0
7.0
1.0
2.0
1.5
1.5
1.0


概要:
 オリジナルの星間連盟のライセンスの下、テクニクロン・マニュファクチュアリング・コングロマリットによって2665年に最初に製造されたこのオウサムは、それまでに製造された中で最高の強襲型メックの1つであるという事を素早く証明した。その15tのデュラレックス・ヘビー・スペシャルアーマーの分厚い装甲、その熱特性により常時に近い使用が可能な3基の粒子ビーム砲の火力が合わさり、如何なる敵指揮官の心にも恐怖を与えるウェポン・プラットフォームを作り出したのである。

性能:
 テクニクロン・マニュファクチュアリング社とイリアン・バトルメックス・アンリミテッド社は、かような成功した設計をいじるのに全く気が進まなかった。しかしながら、3050年代の開始とヘルム・メモリー・コアによる技術復興、氏族侵攻が合わさり、中心領域の全域で全ての著名なバトルメックのアップグレードに拍車が掛かったが故に、彼等は改良に踏み切ったのであった。
 企業達は利用可能な最新の兵器を活用し、22基のダブルヒートシンクと共に、3基の射程延長型PPC、中口径と小口径のパルスレーザーを1基ずつ、2基のストリークSRM2を搭載した。更に、企業達は8Q型に存在した僅かな不満の種の内の1つ――機体の速度問題の改正を試みた。彼等はピットバン240をピットバン320エクストラライト・エンジンに交換し、その速度を時速約65kmにするのを可能とした――これは、この重量クラスの機体としては素晴らしい成果である。


配備:
 全ての大王家の軍にてこれの多種の派生型が見掛けられている――最も辺境の国家でさえも由緒ある8Q型を配備しているのである。現在、新型のAWS-10KM型はマーリック家とクリタ家の精鋭によって独占的に配備されている。このメックの重量サイズの製造契約とこの設計機の発送を鑑みるに、狡猾なイリアン・テクノロジーズ社であってもこの派生型を他王家や更には傭兵部隊へ販売するのを可能にする抜け穴を見つけ出せるかどうか非常に疑わしいものである。

派生型:
 AWS-9Q型オウサム――“ゲレロ作戦”の最中に最初に出現した機種――は、オリジナルのAWS-8Q型の出発点へ立ち戻ったものである。批判者達の幾人かはこの射程延長型PPCの時代に通常型PPCを搭載した事を嘲笑しているが、9Q型は素晴らしく効果的である事を証明している。重装甲の80tのシャシーに4連の通常型PPCと19基のダブルヒートシンクを搭載したこの9Q型は、長時間に渡り圧倒的な火力を放つ事ができるのである。そのガーディアンECMと小口径レーザーは、おまけに近いものである。
 AWS-10KM型はアルシャイン・ウェポンリー社とイリアン・テクノロジーズ社の間の合弁事業であり、8Q型と9Q型設計の明白な後継機である。アルシャイン・ウェポンリー社が自らの需要の多い新型PPC兵器をこの事業に持ち込む一方で、イリアン・テクノロジーズ社はコンパクト・エンジンとコンパクト・ジャイロという自らの印象的な武器である最先端技術を加えた。この10KM型はコンパクト・エンジンとコンパクト・ジャイロに加えて、エンドースチールを使用しつつ18基のダブルヒートシンクとガーディアンECM、2基のヘビーPPC、1基のスナブノーズPPCを搭載している。10KM型の熱曲線は8Q型と9Q型のどちらよりも急なものであるが、コンパクト・エンジンとコンパクト・ジャイロの使用とそれによる戦場での生存性の向上はその犠牲を払うだけの価値があるものである。


著名なメック戦士
キャメロン・サンジャメ軍司教
 最も悪名高いオウサムのパイロットは、誰あろうワード・オブ・ブレイクの軍司教キャメロン・サンジャメである。狂信的であるとの定義を下されているその組織の中でさえも更に狂信的であると見なされているキャメロンは、その現在の力ある地位への急速な上昇を強力なトヤマ派の下位派閥である“6月6日”運動の指導者として開始した。その上、サンジャメは特殊部隊ブレイクズ・ラスの一員でもあり、この事は彼をエリートメック戦士とほぼ定義付けているのであった。

ロドニー・クラット中尉
 余りにも多くの戦災孤児達が数多の世界の汚いストリートにて漂うままにさせられているか、ライラ共和国行政サービスという巨大な官僚政治の中で忘れ去られているのとは異なり、運命はロドニー・クラットの手の中に味方して転がり込んできた。惑星“アークロイヤル”の海岸地方に流れ着いたクラットは、ジェイソン・ヤングブラッドという者と偶然接触する事となった――その時、彼はこのケル・ハウンド士官に対してスリを試みたのであった。ヤングブラッドはこのティーンエイジャーをストリートへ戻す事はせず、ケル・ハウンドで働くよう仕向けた。そして、そこにて彼は、最終的にジェイソンの息子であるジェレミヤの良き友人へとなった――ジェイソンは彼の動きに目を光らせていたのであるが、彼はクラットの地位の上昇に対して決して依怙贔屓を示さないようにしていた。アキラ・ブラーヘ中佐が“ケル・ハウンドの枠内を越えた状況に対処する”為の独立中隊の創設を決定した時、彼はそのクレッセント・ホークの再編成をするべくジェイソンと接触した(クレッセント・ホークは氏族侵攻の最中にケル・ハウンドへ吸収されていた) ヤングブラッドは心を動かされたのであるが、彼自身は若い者の仕事を行うには年老い過ぎていると考えており、ケル・ハウンド候補生達の教育に満足していた。そして、彼は代りに、自分の息子とクラットを推薦したのであった。ジェレミヤ・ヤングブラッドは自分の父親のメック――PXH-7K型の状態へ徹底的にアップグレードされた機体――から部隊の指揮を執り、一方でクラットはガーディアンECMをC3子機に交換するという僅かな改修が施されたそのAWS-9Q型で以て副隊長を務めた。高速打撃部隊が強襲型メックを持つというのは異例の事であるが、ジェレミヤは自分達の来る任務にクラットの火力は必要とされる追加であると考え、この行動を全面的に支持している。




私的解説:

 80tメックの中でも圧倒的な威圧感を持っているのが、このオウサムです。3連装のPPCとそれによる熱を処理する大量の放熱器という組み合わせは、オウサムに圧倒的かつ堅実な火力を与えています。この火力はどんなメックであっても無視する事はできず、正に戦場を制する機体の1つだと言えるでしょう。
 3050年代の改良型オウサムはオリジナル型の路線を踏襲したもので、射程が延長されたPPCによりその有効性は更に増しています。また、小口径パルスレーザーの追加により、近づかれると厄介な歩兵への対策もバッチリです。更に上の火力を求めるのならばPPCを4基搭載した9Q型という機体もありますので、好みによってはこれを選択するのもありでしょう。ただ、オウサムの火力は直線的なものですので、障害の多い地形でLRM間接射撃を駆使した戦術を実行されると苦戦してしまいます。その様な地形では、ジャンプ能力を持った高機動メックとランスを組んだ方が良いでしょう。
 3070年代には、ヘビーPPCとスナブノーズPPCを搭載した改良型オウサムがドラコ連合と自由世界同盟にて登場しています。これらの機体はエリートが使用している事が多いとの事ですので、戦場で目にした際は要注意ですね。

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