出典: Technical Readout: 3039
ASN-21 アサッシン
重量: 40t
シャシー: マルテックス40
パワープラント: VOX280
巡航速度: 75km/h
最高速度: 118km/h
ジャンプジェット: ロックス・リフトシリーズ1
ジャンプ能力: 210m
装甲板: 100AFVTA
製造元: マルテックス・コーポレーション
主工場: エルライ(2835年に破壊)
通信システム: ギャレットT15B
照準・追尾システム: ギャレット500S
ASN-21 アサッシン 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 中口径レーザー LRM5 弾薬(LRM)24 SRM2 弾薬(SRM)50 ジャンプジェット ジャンプジェット ジャンプジェット |
部位 右腕 右胴 右胴 左胴 左胴 胴中央 右胴 左胴 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
星間連盟外の軍事財務専門家達の多くに有力な戦闘機というよりも政治的な利益供与プロジェクトであると見なされていたこのアサッシンは、それにも拘わらず軽小隊に対する戦闘に於いて信頼できるメックである事がわかった。しかしながら、有益である星間連盟の契約を確保する為に、アサッシンは幾つかの企業界隈で誇張された性能統計値と虚偽に満ちた予算見積もりで以て誇大宣伝をされた。そして、多少の贈賄をする事で、マルテックス社は最終的にはSLDFの契約を確保する事を為し遂げたのであった。しかし、その製造の最中、この企業はその設計仕様の幾らかに手抜きを行った。そして、多数の品質管理上の違反によりマルテックス社のアサッシン工場群の内の2つに調査が入れられた後には、このメックの製造レートは這うような速度のものとなった。その重量にしては冴えない火力であった事により、アサッシンは静かにその使用が取り止められるか辺境や軍事市場へ流されるかされる事となった。
性能:
このアサッシンは、元々は偵察メックや襲撃メックとして使用される多数の古きワスプやスティンガーへのより重量のある対抗機として市場に出された。このアサッシンはその素晴らしい速力と機動力、優秀な装甲防護、確固たる火力により、それらのより軽量であるメック達を打ち負かす事ができた。しかしながら、その消費される弾薬への過度に依存は、長引いた戦役に於けるアサッシンの長期作戦能力を制限している。それにも拘わらず、それはSLDFやマーリック国民軍の駐留部隊や防衛部隊にとって人気のある設計機となった。
このメックの兵装は3つのシステム――長距離ミサイルラック、短距離ラック、腕搭載型のマーテル・中口径レーザー――で主に構成されている。それは両方のランチャーに対して合計で74斉射分しか搭載できないが故に、この設計機は支援用の補給ユニットが割り当てられない限り継戦力が制限される。しかしながら、大部分のパイロット達にとってのその最大の欠点は、その軽い弾薬搭載量ではなくその極めて狭いコクピット――中心領域に於ける最も窮屈なコクピット設計の内の1つ――にある。アサッシンの400年の経歴の最中、マルテックス社はより余裕のある空間を提供するべく努力してコクピットの冷却システムを何十回も再設計したが、その何れの試みも成功を収めれなかった。その最終結果は、大部分のパイロットにとって狭く快適でない乗り心地で、コクピット内での時間が他の標準的な設計機の半分に制限される(元・アサッシンのパイロットの多くは、その残りの人生を悩ます事となる後遺症問題の歴史に連なる事となった)、というものであった。
このアサッシン――主に2815年まで製造されたもの――にある唯一の他の問題は、短距離ミサイルラック用の給弾システムである。慢性的なジャムの所為で、それは大抵は高熱の状況の最中に故障を起こし、それは整備場での完全な解体を通してのもの以外では直す事ができない。厳しい団体的圧力の下、ホリー社は最終的にはに2815年に新たな給弾システムを登場させ、数年間のリコ−ル修理の資金を賄う事さえもした――しかしながら、その欠陥のあるシステムを未だに搭載している私有のアサッシンは依然として多数が存在しているのであった。
配備:
その登場以来、僅か数百機のASN-21型しかマルテックス社によって製造されていない。それらの現役にあるアサッシンは予備部品の欠乏の所為で控え目な使用がされたが、マーリック家はこのメックを第3次継承権戦争後期に於いて熱心に使用した。このアサッシンは3058年――新たなバトルメック・モデルの流れが市場を溢れさせた年――の後には現役から殆ど消え去りかけていた。それらの現役に残ったものは、大体は一族の先祖伝来の家宝であり、それらにはある程度の改修が為されている。
派生型:
3039年に於いてアサッシンの真の派生型は1つのみが存在していたが、それはマルテックス社によって設計されたものでもサポートされたものでもない。ダヴィオン家は幾つかのジャンプジェットと装甲重量を犠牲にして3基の小口径レーザーを追加するという実験を行った。この設計は成功ではないと見なされたが故に、それはカペラ境界域市民軍のAFFSの公式編制表に僅か3機しか記録されていない。しかしながら、非公式には、ハンス・ダヴィオン国王が惑星“パンポール”の付近に建設した秘密の工場を持っており、そこにてASN-101型の建造を含む作業がされている、との噂が何年も消えずに残っていたものである。状況証拠はカペラ境界域市民軍の幾つかの演習に於いてそれらの設計機が少なくない数で存在していた事を裏付けているが、公式のTO&Eにそれらは全く記載されてはいない。中傷者達は、マスキロフカのスパイを混乱させ悩ませる為にAFFSがダミーの兵装を搭載した通常のASN-21型を使用した、との主張をしている。
著名なメック戦士
メック戦士デイル・サンドストロム
自機のアーチャーが破壊された際に、マーリック家の第5レグルス軽機隊に歩兵として配属されたサンドストロムは、決して“失機者”の1人として甘んじて生きる事はしなかった。3011年に自分の出身惑星の“ソフィーズ・ワールド”にて長期休暇をしていた最中、彼は1機のアサシンの残骸を発見した。自らの人生の貯蓄の全てを使用し、彼はそのメックを稼働状態に再生する事を為し遂げた。軽機隊からのその離脱後、サンドストロムはその自らのアサッシン“ダークデス”に乗ってフリーランスの賞金稼ぎとして活動した。3033年のその死亡までの間に、彼は約45の“(賞金)獲得”を記録していた。(3033年に)とある緑色に塗装された1機のマローダーとぶつかり合った際にサンドストロムは殺害されたのだ、との噂は未だに根強く残っているものである。
私的解説:
アサッシンはその誕生の経緯に些かの問題があり、それ程の数は製造されなかったメックですが、意外と堅実な戦闘力を持った存在です。ただ、予備部品の入手性が悪かった為に戦場への投入が控えられ、アサッシンの名声は決して高いものにはなりませんでした。そして、アサッシンの改良型の研究も余りうまくはいかず、多数の新型メックが登場する後の3058年代には危うく消滅し掛かります。しかし、ここでカペラ大連邦国がアサッシンの製造ライセンスをマルテックス社から取得して量産した事からその命脈は一先ず保たれる事となります。老兵は死なず、と言った所でしょうか。
ボードゲームの方では、アサッシンは火力は余りありませんが同時代の大抵のメックより優れた機動力を持っていますので、それを活かして観測機の役割を果たしたり迂回攻撃や一撃離脱攻撃をしたりすれば良い感じでしょうか。直接的に戦闘をするのは避けたいですね。