出典: Technical Readout: 3145 Republic of the Sphere
ARS-V1 アレス
重量: 135t
シャシー: ロードス−M エンドーコンポジット
パワープラント: プラズマスター270
巡航速度: 21km/h
最高速度: 32km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力:
装甲板: マクシミリアン320 with/CASE II
武装:
41t分のポッドスペース使用可能
2×ハイペリオン・ランス 射程延長型中口径レーザー
3×ハイペリオン・レイ 射程延長型小口径レーザー
2×ロングファイアー・ライト LRM−5ランチャー
3×ハーヴェスター2K SRM2ランチャー
6×タイタンズ・トレッド A−ポッド
製造元: ロードス・ファウンドリー
主工場: デヴィルズ・ロック
通信システム: タイタンズ・シャウトMk. IV A
照準・追尾システム: タイタンズ・ヴァンテージMk. II
ARS-V1 アレス 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左中右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
重量・装備配置
部位 頭部 |
固定装備 |
残装備欄数 |
胴中央 |
ER小口径レーザー(C) SRM2 エンドーコンポジット |
4 |
右胴 |
ER中口径レーザー(C) ER小口径レーザー(C) LRM5 SRM2 弾薬(SRM)50 CASE II |
6 |
左胴 |
ER中口径レーザー(C) ER小口径レーザー(C) LRM5 SRM2 弾薬(SRM)50 CASE II |
6 |
右腕 左腕 |
エンドーコンポジット エンドーコンポジット |
7 7 |
右脚 中央脚 左脚 |
2×A−ポッド 2×A−ポッド 2×A−ポッド |
0 0 0 |
固定装備 ER中口径レーザー(C) ER小口径レーザー(C) LRM5 SRM2 弾薬(SRM)50 CASE II ER小口径レーザー(C) SRM2 ER中口径レーザー(C) ER小口径レーザー(C) LRM5 SRM2 弾薬(LRM)24 CASE II 2×A−ポッド 2×A−ポッド 2×A−ポッド |
部位 右胴 右胴 右胴 右胴 右胴 右胴 胴中央 胴中央 左胴 左胴 左胴 左胴 左胴 左胴 右脚 中央脚 左脚 |
装備欄数 |
重量 |
ゼウス(基本型)武装構成
武器/弾薬 3×ストリークSRM6(C) 弾薬(ストリーク)60 CASE II ダブルヒートシンク 3×ダブルヒートシンク 照準コンピューター ダブルヒートシンク 3×ダブルヒートシンク 2×ER PPC(C) 3×ダブルヒートシンク |
部位 右腕 右腕 右腕 右腕 右胴 胴中央 胴中央 左胴 左腕 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
ヘラ(A型)武装構成
武器/弾薬 インプルーヴド・ヘビーガウスライフル CASE II ダブルヒートシンク 弾薬(iヘビーガウス)24 ダブルヒートシンク 2×ダブルヒートシンク 3×ダブルヒートシンク 3×ER中口径パルスレーザー(C) ダブルヒートシンク |
部位 右腕 右腕 右腕 右胴 右胴 胴中央 左胴 左腕 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
ハデス(B型)武装構成
武器/弾薬 MRM20 アポロFCS TSEMP 弾薬(MRM)12 2×ダブルヒートシンク ウルトラAC/10(C) 弾薬(ウルトラ)40 MRM20 アポロFCS 弾薬(MRM)12 CASE II |
部位 右腕 右腕 右腕 右胴 胴中央 左腕 左腕 左腕 左腕 左胴 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
アフロディーテ(C型)武装構成
武器/弾薬 3×ストリークLRM5(C) 弾薬(ストリーク)48 CASE II ダブルヒートシンク C3親機 ダブルヒートシンク エンジェルECM ダブルヒートシンク C3親機 ダブルヒートシンク ロータリーAC/5(C) 弾薬(RAC)80 CASE II ダブルヒートシンク |
部位 右腕 右腕 右腕 右腕 右胴 右胴 胴中央 胴中央 左胴 左胴 左腕 左腕 左腕 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
ヘパイストス(D型)武装構成
武器/弾薬 2×大口径パルスレーザー(C) ライトPPC 3×ダブルヒートシンク 3×ダブルヒートシンク ラジカルヒートシンク・システム ダブルヒートシンク 3×ダブルヒートシンク 2×ER大口径レーザー(C) C3子機 3×ダブルヒートシンク |
部位 右腕 右腕 右腕 右胴 胴中央 胴中央 左胴 左腕 左腕 左腕 |
装備欄数 |
重量 |
ポセイドンが初期のプロトタイプ試験を完了した折しも、第2の、より柔軟な超重量級メックの計画が立案されていた。より重くより鈍重であるが、このアレスはその自らの不足分をより分厚い装甲・再構成可能なペイロード・友軍バトルアーマーの輸送能力で以て埋め合わせるものとされた。このオムニメックのアプローチはそれらの機体に対する技術要員達のサービスをより高速化するのに寄与し、また、間接砲支援をも含む、戦場により大きな火力ももたらす事となった。これらの全てはその姉妹機のメックと似た外観のパッケージと共にもたらされており、そして、これは同時に敵の指揮官達はアレスが砲火を開くまではそれが何であるかの確信が持てない事を意味するものでもあるのであった。
性能:
ユニークな3脚の人型シャシーを再び用いたこのアレスは、ボルトからリベットの最後の1本までポセイドンに似せて作られている。これは当初はロードス・プロジェクト技術者達――同時に2つの超重量級3脚機を開発中であった――の便宜上から出てきたものであったが、この付随的な結果のものは不意の観測者やスパイ達を混乱させる事にも役立った。
そして、上記の最後の点を強化するべく、ワード・オブ・ブレイク様式の従来の型に嵌らない命名方式を採用する事によって、更なる混乱の種が撒かれれる事となった。よりシンプルで覚えやすいアルファベットの名称ではなく、アレスのパイロットと指揮官達の間では自分達のメックを武装構成名のみで呼称する事(その過程に於いては、時折、アレスの名を省きさえもした)が慣行となった。この事は過去10年間で多数の誤ったレポートを生じさせている――非スフィア共和国人の観測者達はゼウス、ヘラ、ハデスの全てを、同一のシャシーを用いた単なる戦闘武装構成ではなく、異なる3脚の機体であると識別してしまったのである。
配備:
アレス・トライポッドはストーン旅団の全ての連隊に配備され続けており、“地球”のラメント連隊とディフェンダーズ連隊には明確により多数のそれが見掛けられるものである。これの他では、この機体の1個中隊が惑星“デヴィルズ・ロック”の工場群(この機体が組み立てられている場所である)に配置されており、第15ハスタティ・センチネルズが既に付け加えられているその惑星の防衛力を増加させている。
もちろん、これは当然のものである。惑星“デヴィルズ・ロック”はウルフ帝国から1回のジャンプ距離という“フォートレス・リパブリック”の最外縁に位置しており、スフィア共和国に対する如何なる氏族の侵攻であろうともその第1波に必ずや含まれると思われるのである。そして、この理由により、太陽系の“火星”上にてアレスとポセイドンの両方の製造を再現する為の必死の努力は継続されているのであった。それらの工場群は、この10年期の終わりには稼働状態に入る事が望まれている。一方、惑星“デヴィルズ・ロック”の工場群とそのパワーセンターには、占領が目前のものになった時に基地司令官が作動させられる強力な破壊用の爆薬が取り付けられていっている。
また、主にスフィア共和国の隣国達の活動を見張る為のみならずスフィア共和国全般(そして特に惑星“デヴィルズ・ロック”)に対する攻撃の如何なる可能性も先制で粉砕する為に、この宙域の至る所への隠密偵察と襲撃が継続されてもいる。
著名なユニット
騎士コレット・ドラモンド
コレット・ドラモンドは、ゴーストの如き人物である。彼女は配備された最初のアレス級の超重量級3脚機の1つを指揮したのであるが、彼女は自らの敵に疑念を抱かせ続ける事を重視したのであった。“フォートレス・リパブリック”の壁が建てられてから間もなくして、“コロッサル(巨大な)・メック”についての報道がスフィア共和国及びその周辺のメディア・サイトに掲載された。それらの中で最も悪名高い例の1つが、元・スフィア共和国の惑星の市民軍基地に対する襲撃、護衛のアトラスIIIと共に砂漠迷彩のアレス――ドラモンド機――が宇宙港を通って踏み進むのを示したものである。
スフィア共和国周辺の世界への襲撃の為に送り込まれ、様々なライバル国家に対して自分のアレスのテストをすると同時に情報収集と“フォートレス”外に取り残された落伍者達の避難を手助けを行ったドラモンドは、アレスのモジュール方式の設計を最大限に活用し、それぞれの交戦の合間で自機の乗員や整備兵達にその武装構成、更にはその塗装様式にさえも絶えず変更を行わせた。しかしながら、それらの変更はランダムというものからは程遠いものである――その独自の内的論理を用い、ドラモンドは自分が使用した塗装様式と武装構成のそれぞれに詳細なバックストーリーを創作し、それらの全てについて連続性を保持させるべく日を追ってデジタル日誌を記した。この方式にて、彼女は多数の諜報組織――複数国に跨る――を騙し、その当時には遥かに少ない数しか存在しなかったにも拘わらず「スフィア共和国周辺の惑星群を攻撃する数ダースの“コロッサル”が存在している」と信じ込ませた。
クロノス
今までに製造されたアレス級3脚機の最初の機体であるクロノスは、プロトタイプの典型的な特徴を示すものである。その移動システムへの高負荷テストは、この機体の進行――特に平坦でない地形や荒れた地形での進行――を遅くする奇妙な脚の引き摺り癖を残した。また、その少し旧式化した構成ソフトウェアはトライアルの間を通じて常に繰り返しパッチが充てられており、それはセンサー・ゴーストや(その乗員達を憤怒させる事に)そのメックの非固定のペイロードについて周期的な誤認識を引き起こしてもいる。そのエンジンにはテックが今までの所は突き止めるのが不可能な緩やかな冷却剤洩れが存在しており、その右腕のアクチュエーターとサーボは水平よりも30度より上に腕を上げた際には身の毛のよだつ高く鋭い音を立てる。そして最後に、この機体に対する多数の実弾射撃テストからもたらされたダメージは、その胴体全体で想定されている装甲の90%しか支えられない機体を作り出す事になったのである。
ロードス・ファウンドリーの技術者達は、これらの問題の全てを処理するのには、クロノスのほぼ完全な解体、そのコア・シャシー、エンジン、コクピット・モジュールの交換が必要であろうと見積もっている。しかしながら、今の所は、RAFはそのオプションは贅沢すぎるものであると見なしている――工場群が可能な限りの速度で完成品のアレスを生み出す為に稼働している間は、それは承認し難いものなのであった。
私的解説:
アレスは、バトルテックで初となる公式の100tオーバーのメックかつ3脚メックです(マタルやオルカ、ヘッジホッグといった機体が過去に存在してはいましたが正統性は怪しい所が多いので公式ではこれが最初のものと言えるでしょう) その初出はメックウォリアー:ダークエイジのアレス3パックで、それに於いては3機種のアレスがフィギュアで登場しました。しかし残念ながら、その隠された設定や背景はWizKidsの業務停止の前に語られる事はなく、テクニカル・リードアウト:3145の発売まで大まかな性能以外は謎めいている存在のままでした。
さて、明らかになったアレスの仕様ですが、指揮能力を持った135tのオムニ3脚メックという予想よりも風変わりな存在でした。アレスはオムニメックである事から交換可能な武装構成も複数存在しており、それぞれ防諜の観点からゼウス(基本型)、ヘラ(A型)、ハデス(B型)、アフロディーテ(C型)、ヘパイストス(D型)と呼称されています。これらは素性を味方にも隠して“フォートレス・リパブリック”外部に送り込まれたスフィア共和国の秘密部隊による特殊作戦に使用され、それらの機体の存在自体の奇襲効果もあり様々な戦果を挙げました。そして、この様な巨人機の出現によるインパクトと変幻自在なその武装構成は各国の諜報機関を混乱させており、各国でのアレスの実体の解明は遅れています。これにより“フォートレス・リパブリック”の外に残されたスフィア共和国残存部への侵攻の遅延は少なからず生じており、アレス開発/運用についての費用対効果には疑問の余地はあるでしょうが、その功績は否定できないものとなっております。アレスは、ダークエイジ後期の開始を飾る注目すべき機体でしょう。
バトルテックのボードゲームでの表面上のステータスから見てみるとアレスの攻防性能は100tメックより多少良いと言った程度です。装甲は非常に分厚いのですが、その機体重量から来る鈍重さはそれを多少打ち消してしまっています。また、その巨体により通常のメックよりも高さがある事(3レベル)から射線が通りやすく的にされやすいのも欠点です。被害担当メックをしつつも装甲状態次第で集中砲火の受けにくい位置を適宜取るのがアレスの運用に於いては重要となるでしょう。
しかし、3脚メックという構造により小回りが非常に利く事、その360度旋回可能による死角のない射界、イニシアチブ・ボーナス、その3人乗りという役割分担による平均よりも水準の高い指揮/運用能力等々、大きな長所をアレスは持っています。ある程度の高さを持つ障害物の多い地形では、アレスは特に輝く存在になると思われます。