出典: Technical Readout: 3067
マッドキャット Mk II
重量: 90t
シャシー: DSAM エンドー4
パワープラント: タイプ79 360XLフュージョン
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: グランドスラストMk.5
ジャンプ能力: 90m
装甲板: フォージングZM15 フェロファイバラス
武装:
2×EMRG“ギャラクシー”シリーズ ガウスライウル
2×タイプX“ショートボウ”LRM10ランチャー
4×シリーズ2B 射程延長型中口径レーザー
製造元: マニュファクチャリング・プラントDSF-94
通信システム: メガバンド・システム21
照準・追尾システム: Dトラック・スイート4
マッドキャット Mk II 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 ガウスライフル 弾薬(ガウス)16 ガウスライフル 弾薬(ガウス)16 2×ER中口径レーザー LRM10 弾薬(LRM)12 2×ER中口径レーザー LRM10 弾薬(LRM)12 ジャンプジェット ジャンプジェット ジャンプジェット |
部位 右腕 右胴 左腕 左胴 右胴 右胴 右胴 左胴 左胴 左胴 左胴 胴中央 右胴 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
3050年代の10年間に及ぶ戦争は中心領域の方へより遥かに甚大な被害をもたらすものであったのだが、それでも氏族は戦場での損害に痛みを感じていた――かつて、最も強大で、最も恐れられていた、ウルフ氏族とジェイドファルコン氏族に於いては、特に。しかしながら、過去の数年間の出来事が証明しているように、本国の氏族達もまた安楽ではなかったのである。
常に自分達の利益の増強法を探しているダイヤモンドシャーク氏族の指導者達は、これからの10年間の始まりにて1つの方策を見出した。自分達の“ハ・オトコ”(注:ダイヤモンドシャーク氏族が中心領域輸出用に開発した65tの機体)で得た成功の例に倣って、彼等は同朋の氏族に販売する事が可能な更なる別の標準的なバトルメックの開発を開始したのである。そして、自分達の新たな設計の基礎を現存するバトルメックに置いた事により、ダイヤモンドシャーク氏族の技術者達は開発期間を鋭く短縮し、“マッドキャット Mk II”を15ヶ月以内に全面的な生産の下へと置いたのであった。
性能:
外見上は顕著に“ティンバーウルフ”と酷似して誕生しているのであるが、このバトルメックは新しく強力な産物である。13tものフェロファイバー装甲を搭載したこの“マッドキャット Mk II”は、信じられないほど弾力性のある設計である。また、それ以上に、この機体は、強襲型メックとしては速く俊敏である――その最高速度は86km/hに達し、そのジャンプジェットは極めて厳しい地形を除く全てを機体に飛び越えさせるのであった。更に、一方で、この機体には明確な強みが有る――このメックの有する俊敏性は、その最大の長所という訳では無いのである。
その胴体に搭載されたLRMラックによってサポートされている腕に搭載された一対のガウスライフルは、“マッドキャット Mk II”に戦場を完全に支配する能力を与えている。より強力な弾幕を与えられるバトルメックも存在してはいるのであるが、いずれにせよ安全限界とエンジン停止の危険を冒さずにこのメックが放つ事が可能な安定した量の火力を維持できるものは僅かしか存在していないのである。
また、“マッドキャット Mk II”はその射程距離内にて敵をずたずたに引き裂く事が可能であり、450m――殆どの近代の戦場での戦闘に於いて未だに中距離と考えられている距離――以内で最高の機能を発揮する。そこにて、このメックのパイロット達は各胴部に一対ずつある射程延長型レーザーも使う事ができ、至近に迷い出てきた如何なる大愚か者も手早く片付けるのであった。
興味深い事に、氏族の技術者達は、このバトルメックにその古き“ブライアン・キャッシュ”から出してきた兵器を搭載する事を選択した。この決定によって、このメックの性能に影響が及ぼされてはいないが、しかし、その設計者達は腕に搭載したガウスライフルの前方に排気口を増設するといった様に、シャシーに幾つかの修正をしなければならなかったのであった。
配備:
“マッドキャット Mk II”は今や5年以上も生産されている――その一方で、この通常型のバトルメックを実際に配備している氏族は非常に少数である。ウルフ氏族とジェイドファルコン氏族の両者は明らかに販売への候補者になりそうであったのだが、彼等は全く購入をしなかった――アイスヘリオン氏族やスチールバイパー氏族でさえも購入はしなかった(もっとも、(前記の)全ての氏族は、多種の神判を通して勝ち取った少数機を配備してはいる) 唯一、ノバキャット氏族のみが相当量を配備している。
驚くべき事に、極少数機が、ドラコ連合と元・連邦=共和国であった国家(恒星連邦)の両者にて使用されている事が判明している――特に、惑星“プロセルピナ”の最終決戦に於いて。
誰もその事実を確認できてはいないが、ダイヤモンドシャーク氏族が今や無修正の氏族の装備を中心領域に販売する意志がある事は、明白だと思われる――少なくとも、限定的な基準に於いては。これは、何故、この氏族が“ティンバーウルフ”よりも“マッドキャット”の呼称を選択したかについての説明となるであろう。もし、これが真実であるのならば、ダイヤモンドシャーク氏族内の姿勢に於ける重要な転換の兆候であろう。この氏族が、このバトルメックを武装するのに旧式兵器の貯蔵品を使用するのを選択したという確かな事実は、この説に信憑性を加えるものである。
私的解説:
この“マッドキャット Mk II”は、中心領域への販売を強く意識して開発されたメックです。最初にこのメックを販売されたドラコ連合と恒星連邦は戦場での運用を経て、このメックをかなり気に入り、大量に購入を開始しました(彼等からすれば、あの“マッドキャット”の最新型というセールス文句も大きかった様ですが(笑)) また、購入に難色を示していた他の氏族も、ワード・オブ・ブレイクの“聖戦”を通して、このメックの能力を認めて購入に前向きとなりました。
順調な販売に後押しされ、このメックは普及していきます(そして、マッドキャットIIと短縮された名称で呼ばれる事も多くなりました) この機体は32世紀になっても改良が続けられてエンハンスト型や“スーパーマッドキャット”と呼ばれる型が出現しており、戦場では恐るべき存在として知られています。マッドキャット Mk IIは、クラシック・バトルテックとダークエイジを繋ぐ掛橋的な存在と言えるのではないでしょうか? オリジナルの“マッドキャット”が有していたバランスのとれた性能には及びませんが、マッドキャット Mk IIもまた最高峰の機体の1つである事に間違いはないと思います。