Major Units: 3145

(ここには、3145年の主要部隊の解説を載せています。“フォートレス”外部残留スフィア共和国軍の(聖騎士アリアナ・ズー等々の)視点で以下の解説は書かれています)


スフィア共和国“レムナント” (Republic of the Sphere)

 

第7ハスタティ・センチネルズ

 HPGブラックアウトが中心領域を襲った時、第7ハスタティ・センチネルズは自宙域の星々の巡回の半ばであり、惑星“カーリダーサ”にて、自分達が指揮系統を断たれており本拠地の惑星(訳注:惑星“イリアン”)との連絡が取れない状態にある事に気付いた。最初の数ヶ月間、彼等は現地に留まり、程無く通信網が復旧する事を期待していた。しかしながら、3132年の終わりには、ヴェロニカ・サンマルタン大佐は他の方面の国境での活動が増大しているとのレポートに基づき、惑星“イリアン”には戻らずスフィア共和国のマーリック=スチュアート共和国との国境を固める事を決断した。そして、第7ハスタティ・センチネルズは自らの大隊群を惑星“アルケス”、惑星“ニューホーム”、惑星“スチュアート”に展開し、その来るのが明らかであろう侵攻を待ち受けた。
 彼等は、3133年の全期間と3134年の大部分の期間を無為に待機し続けた。その年の8月、サンマルタン大佐は自分の部隊を本拠の惑星“イリアン”に戻す事を決断した。しかし、第7ハスタティ・センチネルズが惑星“スチュアート”に別れを告げて約1ヶ月後、シーフォックス氏族、マーリック=スチュアート共和国、スフィア共和国忠誠派のパルチザン、マーリック=スチュアート共和国忠誠派の惑星のパルチザン、4者間での戦闘が勃発したのであった。そして、移動中であったサンマルタンは、10月後半に惑星“レミュラク”に到着するまで、その侵攻に関して知る由もなかった。また、そこにて自らの航宙艦群のリチャージを行っている間に、第7ハスタティ・センチネルズは惑星“イリアン”で所謂“ファクション・ウォー”が激しく戦われている事を知り、自分達のホームワールドの救出に先んじて動いた。しかしながら、この行動も画餅に帰した。“アクベンス”へのジャンプ予定日の2日前に、第7ハスタティ・センチネルズの主力航宙艦はヘリウムのシーリングの破損を起こし、通りすがりのシーフォックスのアイマグから交換部品を手に入れられるまでの間、彼等を立ち往生させたのである。彼等が到着した頃には惑星“イリアン”での戦闘は決着がついており、スフィア共和国はその他のより差し迫っている危機を鑑みてこの惑星を当面は諦める事を決断した。
 “フォートレス・リパブリック”が実行された時、第7ハスタティ・センチネルズはその壁の外に留まる事を選び、ダミアン・レッドバーンの召集には即座に一団で以て応じた。彼等は“レムナント”の軍部隊の信頼できる中核を形成し、今日でもそれを維持している。

第3プリンキペス・ガード

 RAFの一線部隊の大部分は自分達がホームとする宙域との密接な関係を保持しており、自分達が基地とする惑星群には相当な結び付きを持っていた。これはプリンキペス・ガードの連隊群では特に真実の事であり、第3プリンキペス・ガードもその例外ではなかった。“ブラックアウト”時には惑星“シャート”、惑星“デーヴィッド”、惑星“サダルバリ”に駐留していた第3プリンキペス・ガードに対して、最高司令部は惑星“シレーネ”、惑星“マルカブ”へ後退する事を命じた――そこからならば、彼等は第3宙域の問題地点により素早く対応するのが可能となるからである。ドラゴンズ・フューリーとスピリット・キャッツの両者がこの宙域にて活動していたが故に、“ブラックアウト”時代の最初の数年間、彼等は忙殺された。タラ・キャンベルが作り上げたハイランダーズの連隊群の助けにより、彼等は最悪の暴力が振るわれるのを何ヶ月間も抑え続ける事を為し遂げた。
 しかしながら、3135年には、ハイランダーズの大部分が“地球”や“スカイア”に移動した事により掛かる圧力が増大した為に、第3プリンキペス・ガードは惑星“タウン”と惑星“スモール・ワールド”へ後退する事を強いられ、事実上、宙域のそれ以外の部分をドラゴンズ・フューリーに譲る事となってしまった。議会反乱に於いては、(反乱議員軍は)強力な部隊を惑星“オザワ”と惑星“マルカブ”に送り込み、そこから他の惑星――第3プリンキペス・ガードの駐留地を含む――に手を伸ばしていっていた。そして、ジュリアン・ダヴィオンが議員連合に立ち向かう援軍と共に惑星“ローネル”に到着した際には、ロミオ・セラーノ大佐は喜んで第3プリンキペス・ガードを彼の部隊に合流させ、反乱軍の撃滅を手助けしたのであった。
 レヴィン総統がRAFの再集合を告知した時、第3プリンキペス・ガードは後に“フォートレス”となる所へは戻らずにジュリアン・ダヴィオンと共に留まる事を選んだ。ジュリアンと第1ダヴィオン近衛隊がライラ共和国に向かい、恒星連邦が惑星“ローネル”の領有を主張した後でさえも、第3プリンキペス・ガードは惑星“アディックス”と惑星“スモール・ワールド”を保持し続けていた。3142年、ダヴィオンがその宙域の残存する独立した惑星群を制圧していった時にようやく、彼等はそこから立ち去った。そして、占領された宙域を1年近く移動した後、彼等は惑星“マーカス”に到着し、“レムナント”に加入したのである。しかしながら、ジュリアン・ダヴィオンが恒星連邦への期間準備の為に惑星“カリソン”に滞留した際、第3プリンキペス・ガードの多くは彼と共に行く事を選んだのであった。

第8トリアリイ・プロテクターズ

 3144年、RAF総司令官エリヤ・ホープウェルが正規連隊に部隊固有のニックネームと徽章を採択するのを許可した時、第8トリアリイ・プロテクターズは自分達が何を選ぶべきであるかについて迷いを抱かなかった。“カペラン・クルセイド”の最中の自分達の勝利に対するその過度に感情的な反応は、彼等に既に“イグザルタント・エイス(有頂天の第8)”という非公式のニックネームをもたらしており、そして、彼等はそれに沿って適切な紋章――スフィア共和国の旗を背景にその両腕を勝ち誇って空に掲げている1機のバトルメックのシルエット――のデザインをしたのである。この図案の為にはそれの当時の指揮官であったウェード・J・グラント大佐がポーズを取った、と言われている。
 “カペラン・クルセイド”後の年月は、本拠惑星“デネボラ”上にいた第8トリアリイ・プロテクターズにとって大部分は静かなものであった。しかしながら、一度“ブラックアウト”に襲われるや否や、彼等はスフィア共和国のオリエント保護国とカペラ大連邦国との国境を強化する為に素早く配置転換をされた。彼等は惑星“スザノ”にて“大洪水作戦”(訳注:3134年に開始されたカペラ大連邦国によるスフィア共和国への大侵攻作戦)の第1波に遭遇し、そこにて彼等は侵略軍が橋頭堡を築くのを成功裏に阻止し続けた。しかし残念な事に、20年間の平和な時代の中で第8トリアリイ・プロテクターズの兵員配属は最小限度のものにまで削減されており、彼等は前線を越えてカペラ人達を追撃する為のリソースを持ってはいなかったのであった。それでも第8トリアリイ・プロテクターズは数年間に渡り惑星“スザノ”を保持し、カペラ人とオリエント人の両者からその星系を守り抜いた。
 “フォートレス・リパブリック”の準備がされている期間中に、第8トリアリイ・プロテクターズの隊員達の多くは、惑星“スザノ”防衛で自分達が血を流した日々を重んじ、レヴィン総統の後退命令を無視する事を選んだ。そして、同様に、惑星“カリソン”と惑星“マーカス”の我が“レムナント”軍への合流も拒絶した。3142年――カペラ大連邦国が惑星“スザノ”を奪取する為に必要十分な部隊を振り向ける気になったという事が明白となった時――になってようやく、彼等は合流に同意した。惑星の住民達にこれ以上の苦難を与えるのを願わなかったオシーン・フィーガン大佐はカペラの同格の指揮官と平和的な退却の交渉をし、そして、第8トリアリイ・プロテクターズは我々に加わったのである。

フィデリス

 “フォートレス・リパブリック”後の時代に於ける多くの驚きの中でも最たるものが、この“フィデリス”の存在である。それらの神秘的で超有能な戦士達は、10年前にその存在を明らかにして以来、スフィア共和国領域全域に渡る多数の戦闘に於いて大いなる助けとなっている。彼等はその兵士達の使用以外にも、私が今までに見た中で最高の知識を持ち熟練しているテック達で以て我々の活動を補助してもいる。くたびれて停止した装備や戦闘で損傷した装備をも活用し、それらを元の状態にまで修理するのみならず、その殆どあらゆるシステムの性能向上までしてしまう彼等の能力は、他の状況でならばとっくの昔に見放していたであろうユニットを配備し続ける事を我々に可能にさせている。
 また、彼等の戦闘技術は、非凡に他ならないものである。我々はそれらの兵士達が何処から来たのか全く知らない――しかしながら、ここ10年間で思い付く限りのシナリオが考察されてはいる――が、彼等の部隊は“レムナント”が戦った全ての主要な戦闘に存在している。幾度も、彼等は戦闘計画に於ける非常に重要な要素を提供している。彼等の兵士達は疑いを挟まずに命令に従い、所謂プロの兵士をも恥じ入らせる程の機敏さと能力で以て任務を遂行する。彼等の戦闘航宙艦“フレイタス”(訳注:ダンテ級フリゲート)の存在は、大抵の場合に於いて決して過小評価はできない強みを我々に与えている。そして、彼等の訓練レジュメ――アウトサイダー用に修正が加えられた――は、我々のRAF部隊の効率をかなりの割合で向上させている。私は、率直に言えるものである――“フィデリス”の助力がなかったのならば、我々は恐らくこれ程までに持ち堪えられはしなかったであろう、と。
 “フィデリス”はジェイドファルコンに対して常に極度の敵意を示してきており、どちらかと言えば、近年の彼等のウルフ氏族に対する戦闘は更に猛々しいものとなっていっている。この事が、彼等が追放されたウルバリーン氏族の末裔であるという仮説の確証と反証の何れになるかについては、他者に判断を任せる――私は、彼等が我々の側にある事にただ幸福を感じているものである。


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