O5P Dossier: Stormhammers


氏名: タマーラ・デューク (Tamara Duke)

所属勢力: ストームハンマーズ
所属部隊: ライラン・レンジャーズ
メック: ウルフハウンド
生年月日: 12/18/3109
髪: 赤
目: 黒

 タマーラ・デュークは、ヤセク・ケルスワ=シュタイナーに――彼の抱く政見にも構わず――熱狂的に忠誠を誓っている数少ないライラン・レンジャーズの1人である。彼女にとって、スカイアをライラの権威下に復帰させるのは反逆ではなく、スフィア共和国の最終的な失敗に対する自然な反応なのである。しかしながら、このデュークの熱狂的な献身の根底には、恐らく、公爵自身への激しい強迫観念的とも言える個人的な傾倒の方がより大きく存在しており、政治的な行動へのものは少ないであろう。実際、彼女がケルスワ=シュタイナーの注目と賞賛を得る為にどんな事でもする――この行動の中には公爵への悪口を言った同僚は誰であっても裏切る(密告する)事も含まれている――であろう事は明白である。この行いにより、彼女は軍内で同僚からほぼ孤立させられている――要するに事実上、彼女は戦場で支援なしに軍事行動をするのである。しかしながら、デュークがこの状況に不満を抱くどころか自分の戦闘技術を証明する良い機会であると見ているのは明らかである。そして、彼女はストームハンマーズの指導者の利益の為に頻繁に“派手な行動”を行っているのであった。



メック: ウルフハウンド

識別番号: KH115-344C
総重量: 35t
シャシー: アークロイヤルKH/エンドースチール
動力: 210 核融合
巡航速度: 65km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: デュラレックス・ミディアム
武装:
1×サイクロプスXII 射程延長型大口径レーザー
3×マーテル 中口径レーザー

コメント:
 ライラ共和国の輝けるメックである“ウルフハウンド”は、第4次継承権戦争の最中にドラコ連合の“パンサー”への対抗機として初登場した。この機体は、その重量のメックとしては有用で手強く、長時間・長距離戦闘用に作られた歩くレーザー砲台と言った存在である。極めて効率の良い放熱機構により、“ウルフハウンド”は激しい行動の最中であってもその有効性と機動力を保ち続けられ、戦場での優位性を保証している。
 タマーラ・デュークの“ウルフハウンド”は、3050年の氏族侵攻の全期間を通して高名な傭兵部隊ケル・ハウンドで実際に使われ、以来、全ての主要戦闘に使われた機体である。数え切れない程の任務に従事したこのメックは幾度も撃たれてバラバラになったが、その都度に異なった構成で以って再修理が為されるのみであった――これは、この機体の持つ生存性の証左となるものである。“聖戦”の後に、多くのケル・ハウンド隊員が自分達のメックと共にスフィア共和国に移住した。そして、その中には、タマーラ・デュークがライラの旗にちなんで“アイゼンファウスト(鉄拳)”との愛称を付けたこの機体も含まれていたのであった。



氏名: ミヒャエラ・フリーマン (Michaela Freeman)

所属勢力: ストームハンマーズ
所属部隊: アーコンズ・シールド
メック: アトラス
生年月日: 09/25/3099
髪: 茶
目: 黒

 我々のエージェント達は、ミヒャエラ・フリーマンがシュタイナー家のライラ情報部(LIC)の一部局であるライラ共和国対テロ部隊“ローエングリン”のメンバーである事を確信している。この確信は、語るに足る如何なる軍事的な背景も有していないのにも拘らず彼女がヤセク・ケルスワ=シュタイナーからの支援をほぼ即座に享受した事によって強力に補強されている。更に、彼女が共に持ってきた“アトラス”バトルメックへの彼女の精通と彼女の小火器の技術は、エリート・レベルの戦闘訓練を示唆してもいる。彼女はしばしば陰鬱さや自分の殻に閉じこもる様を見せるが、彼女は自分についての指揮権の雰囲気を維持しており、そして、彼女は定期的に、“ローエングリン”のエージェントの可能性があると分類されているアーコンズ・シールドの他の幾人かの隊員達とも会っているのである。これらの監視結果は、我々にストームハンマーズのLICの秘密支援の最上部を良く表すと思われる――そして、反スフィア共和国活動に於けるシュタイナー家の関連の最大の明白な徴である――この女性の監視を強化する事を促した。


メック: アトラス

識別番号: WB3014-15G
総重量: 100t
シャシー: ファウンデーション・タイプ10X
動力: ヴィラー400XL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: デュラレックス・スペシャルヘビー with/CASE
武装:
2×ヴィクトリー・ニッケル合金 射程延長型大口径レーザー
2×ガイデッド・テクノロジー第2世代 ストリークSRM6-ラック
1×インペレーター・コード・レッド LB 10-X AC

コメント:
 バトルメックの重量スケールの頂点に位置し、大量の装甲と武装が施された“アトラス”は、星間連盟期にバトルメックが登場して以来それの優越性を語る決定的な言葉であり続けている。ミサイル、レーザー、実弾兵器の混合火力を備えたこの機体は、その鈍重な地上速度によってのみ戦闘が妨害されるものである。しかしながら、“アトラス”の力は如何なる包囲攻撃作戦や防御作戦に於いてもそれが最前線に配置される事を保証しており、多くの指揮官達が長期遠征の際にそれの内の1機を自分達の司令機体として選択するのであった。
 ミヒャエラ・フリーマンの“アトラス”、“ブリュンヒルト”は、非常に興味深い事に、“聖戦”のるつぼの最中に惑星“ヘスペラスII”で勝利したライラ軍によって捕獲されたワード・オブ・ブレイクの機体である。それ以来、この機体は惑星“ターカッド”の駐屯部隊の中でずっと姿が見られていた。かくして、ストーム・ハンマーズ内のこれは、突然の出現であった。――それを操縦する謎めいたパイロットと共に(これは)怪しいものである。



氏名: ミハイル・サッカー (Mikhail Thacker)

所属勢力: ストームハンマーズ
所属部隊: ターカン・ストライカーズ
メック: ウジエル
生年月日: 02/16/3098
髪: 青
目: ヴァイオレット

 巨体で、筋骨逞しく、粗暴といってもいい程に荒々しい、ミハイル・サッカーは、何に対しても喜びを見出せない男で、まるで最重要のものであるかのように自身に与えられた全ての任務を遂行するという満足する事のない欲求によって追い詰められているように見える。同僚達によって“ロボット”との愛称を付けられているサッカーは、他者にできるだけ冷たく不吉であるように努めている。彼の出自は彼の小隊の仲間にさえも神秘に包まれているが、我々はHPGが停止する約5年前に彼が惑星“グラディウス”の市民軍に偵察兵として勤務していたと確信している。当時、ミハイル・シードとして知られていた彼は、酔っ払っている時に行われた野外演習の最中に本物の兵器をはからずも発砲し、4人の車輌乗員を殺害してしまった後に罷免された。その後すぐにシードは姿を消したが、サッカー――アルコールには決して手を触れないが他の全ての点に於いてシードと一致する男――は、惑星“スカイア”に丁度3ヵ月後に姿を現したのである。



メック: ウジエル

識別番号: LA417-36B
総重量: 50t
シャシー: ファウンデーションE50 エンドースチール
動力: GM300 XL
巡航速度: 65km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: ロウリングス50
装甲: マクシミリアン100
武装:
2×パーティーキル・ヘビーキャノン PPC
2×スカッターガン・ライト・マシンガン
1×ハーベスター20K SRM-6ランチャー

コメント:
 連邦=共和国内戦の最中に開発され配備された“ウジエル”は、そのライラの製造業者によって継承権戦争で名声を博した由緒ある“グリフィン”と同等である、新型の強力なワークホース・メックとして売り込まれたものである。高速で良好な装甲を持ち、長射程のエネルギー兵器と短距離ミサイルを混載したこの“ウジエル”は、シュタイナー=ダヴィオン間の戦争の荒れ狂う時の中で即座に人気を集めた。
 LA417-36B(“マイティ・フォース”)は、内戦の終結間近にライラの軍に配備された高速攻撃機の“ウジエル”である。これはその後、“聖戦”の最中に惑星“ヘスペラスII”の防衛部隊の一部として配備された。そして、その惑星の最終的な解放後にストーンの連合軍によって回収された、このほぼスクラップと化していたメックは、それがストーンの新たなスフィア共和国のスカイア市民軍部隊に吸収された時に新たな生を与えられたのであった。



氏名: アリッサ・ゴールドベルク (Alissa Goldberg)

所属勢力: ストームハンマーズ
所属部隊: ライラン・レンジャーズ
メック: パンサー
生年月日: 02/19/3111
髪: ブロンド
目: 緑

 ライラン・レンジャーズの多くの者と同じく、アリッサ・ゴールドベルクは自身の忠誠が日々試されているのを見出している。スフィア共和国のスカイア市民軍のメンバーかつオリジナルの第4スカイア特戦隊出身の士官の子孫である彼女の第1の優先事項は、惑星“スカイア”の人民を守る事である。しかし、恒星間通信ネットワークの崩壊とヤセク・ケルスワ=シュタイナーの指導力に影響を与えられた事は、スフィア共和国の旗の下では自身の故郷が将来安全でないであろう事を彼女に理解させたのであった。しかしながら、ヤセクの主張を手伝った事は、今の所ゴールドベルクを失望させている――彼女は余りにも多くの者達が“スカイア”への愛情ではなく自分達自身の利己的な利益の為に彼に従っている事を目撃しているからである。中でも特に彼女を苛立たせているものは、ストームハンマーズの女性集団がヤセクに夢中になっている事である。そして、彼女は、彼女達を“ヤセクのハーレム・ガールズ”と嘲笑して無視しているのであった。



メック: パンサー

識別番号: DC1333-31D
総重量: 35t
シャシー: アルシャイン560-キャリアー エンドースチール
動力: リーネックス140
巡航速度: 43.2km/h
最高速度: 64.8km/h
ジャンプジェット: レキシントン・Ltd. リフターズ
装甲: マクシミリアン42 with/CASE
武装:
1×ローズライトII 射程延長型PPC
2×テロス SRM-4ミサイル・ラック

コメント:
 長年、ドラコ連合と結び付いているのであるが、この“パンサー”は、実際の所は2739年に他の偵察ユニット用の火力支援機として最初に製作を命じられた星間連盟期のデザインである。軽量級バトルメックとしては比較的低い地上速度によって制限され、継承権戦争の300年間を通して傑出するのに失敗した事は“パンサー”に衰退への運命を定めかけた。しかし、クリタの技術者達と工場は、31世紀中盤の技術復興の際にそれに再度のチャンスを与えるのに十分に長く生き残らせ続けられたのである。
 DC1333-31Dは、今日でも稼動している多くの“パンサー”と同様に、ブレイク教徒の“聖戦”を通してクリタ家の軍で使われた“聖戦”以前に行われた改修型の機体である。この射程延長型PPCと2基のミサイルランチャーを装備した機体は、デヴリン・ストーンとウルフ氏族の連合軍がブレイク教徒達に惑星“イムブロスIII”からの撤退を強要した後にその元ドラコ領の惑星から回収した幾つかの機体の中に存在したのであった。



氏名: アルトゥーロ・ウルフ (Arturo Wolf)

所属勢力: ストームハンマーズ
所属部隊: ターカン・ストライカーズ
メック: ウラー
生年月日: 07/07/3103
髪: 無し
目: 灰

 アルトゥーロ・ウルフは、惑星“アークロイヤル”上にある追放ウルフ氏族の包領の離脱者である。彼は、アレクシア・ウルフがストームハンマーズへの加入を選んだ時、彼女の後を追い、彼女がターカン・ストライカーズを創設するのを助けたのである。彼の姿勢と戦闘での武勇が彼のウルフの包領での厳しい氏族様式の訓練の結果であるかもしれない一方で、彼の性質は大分部のウルフ氏族人の厳格さに遥かに及ばないものである。それどころか、アルトゥーロは実の所、彼の同僚たちの中でも相当のユーモアのセンスを持っており、無邪気な実際的なジョークと即妙の一言を発する彼の趣味によって目立ってもいるのであった。この楽天的な人生観は、ケル・ハウンド傭兵部隊と惑星“アークロイヤル”の地元民との常の接触に起因するものである可能性はある。しかし、これの真の原因は、アルトゥーロのターカン・ストライカーズの詳細不明の戦士との人目を忍ぶ交際関係によるものである事を噂は指し示している。しかし、この根底に座す進取の気性にも拘らず、アルトゥーロはコクピットの中では全ての任務をこなす者になり、そこでの彼の全ての行動は厳格な意志に満ちているのである。



メック: ウラー

識別番号: WX8101-71C
総重量: 30t
シャシー: オリヴェッティS2 エンドースチール
動力: 180GM エクストラ・ライト
巡航速度: 64km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: コンパウンド・アルファ フェロファイバー
武装:
1×タイプAA4 ガウスライフル
2×モデルV ヘビー中口径レーザー

コメント:
 ジェイドファルコン氏族の中でお気に入りの“ウラー”バトルメック(氏族では“キットフォックス”と呼ばれている)は、氏族の侵攻の最初の年の際にはライラ戦線で良く見かけられる存在となった。速力よりも火力を重視して作られたこの軽量級の“ウラー”は、当時、破滅的なそのガウスライフルを誇った最小のメックの内の1つであった。しかしながら、貧弱な装甲と比較的低速な地上速度は、開けた戦場をこのメックのメック戦士にとっての危険な事柄へとしたのである。
 WX8101-71C(そのパイロットであるアルトゥーロ・ウルフによって“スモール・バット・デッドリー(小さいが危険)”と名づけられている)は、当時のフェラン・ケル族長の命令の下、ウォーデン・ウルフ(守護派ウルフ氏族)用に作られ、“アークロイヤル防衛戦線”の防御を強める為に惑星“アークロイヤル”に置かれた。連邦=共和国内戦の際には、このメックは第1ウルフ軍団の一部であった。そして、“聖戦”の際にワード・オブ・ブレイクとの戦闘に参加する前は、惑星“ブルーホール”、惑星“メリッシア”、惑星“ブレア・アソル”にて、ジェイドファルコン軍に対しての戦闘で姿が見られたのであった。



氏名: クリスティン・ショーン (Krystyn Shon)

所属勢力: ストームハンマーズ
所属部隊: アーコンズ・シールド
車輌: パディラ間接砲戦車
生年月日: 08/05/3105
髪: 茶
目: 灰

 かつては、共和国に忠誠を誓う市民で、ジョージ・ケルスワ=シュタイナー公爵の強烈な支持者でもあったクリスティン・ショーンの両者への信頼は、HPG網の崩壊後すぐに打ち砕かれた。カリスマ的な公爵のヤセク・ケルスワ=シュタイナーに心を揺さぶられた彼女はストームハンマーズに参加する為にスフィア共和国のスカイア市民軍から離脱した。そして、彼女の忠義に報いて、エリートのアーコンズ・シールド連隊の車長の地位が贈られたのであった。彼女の心変りが瞬間的な衝動の結果のものに見えたとしても、ショーンが元スカイア連邦であった世界はライラ共和国に再加入するべきであると信じているのは本当のようである。オリジナルのライラ共和国の一部としてのスカイア、タマラー、ドネガルの歴史的な統合とシュタイナー家による数世紀もの慈悲深い統治を引き合いに出して、彼女は、スフィア共和国の失敗は混沌と戦乱で混乱した銀河の中の彼女等に選択肢を一切残さなかったと信じているのであった。



車輌: パディラ間接砲戦車

識別番号: RS0325-19A
総重量: 55t
駆動方式: 装輪
動力: 145リーネックス
巡航速度: 32km/h
最高速度: 54km/h
装甲: スタースラブ/3
武装:
2×ハープーン SRM-6ラック
2×メインファイアPD アンチミサイル・システム
1×デファイアンス サンパー間接砲

コメント:
 オリジナルより20t軽量の“パディラ間接砲戦車”は、信頼性の高い長距離支援砲撃を必要とする指揮官に安価な火力を提供する。長距離支援砲撃用にサンパー間接砲が搭載され、一対の強力な短距離ミサイル発射筒によって更なる増強が行われている“パディラ間接砲戦車”は、敵部隊に対して衰える事のない斉射を遠・近両方で浴びせる事が可能である。
 スフィア共和国への売却用に、スカイアに基盤を持つサイクロプス・インコーポレーテッド社によって特に製造され、クリスティン・ショーンによって指揮されているこの“パデイラ間接砲戦車”は、ヤセク・ケルスワ=シュタイナーがストームハンマーズの創設を発表した時には正に新品であった。乗員や戦車に戦闘に突入する危険を冒させない為に、ショーンはほぼ完全に戦線後方で活動するのを好んでおり、射撃を行うのも彼女を視認する事や反撃が不可能である目標に対してのみである。臆病な取組み方に見えるものではあるが、彼女の戦闘方法は臆病風に吹かれたものというよりは実用性に基づいたものと言える――彼女は戦車が余りにも鈍重であり、大抵の追撃から逃れられない事を理解しているのである。



氏名: ラールセン・ハビック (Larsen Habbick)

所属勢力: ストームハンマーズ
所属部隊: アーコンズ・シールド
車輌: クロウ偵察ヘリコプター
生年月日: 05/09/3097
髪: 灰
目: 茶

 アーコンズ・シールド連隊の多くの者達に自惚れたエリート主義の横柄な人物と見なされているのであるが、ラールセン・ハビックの「自分は現役で最高のパイロットの1人である」、との主張を信じないであろう者は極少数である。HPGの崩壊前、ハビックは実際に惑星“リプトン”のレッドストーム映画社のスタント・パイロットであり、そこにて、彼は野外やセットの上の両方で、民間と(払い下げの)軍の両方のヘリコプターとその他のVTOLを幾度も飛ばしていたのである。彼のパイロットとしての経験により、契約をした際に彼がヤセク・ケルスワ=シュタイナー公爵のアーコンズ・シールド内の空中偵察セクションに入ったのは自然な事であった。しかしながら、一度そこに入った所で、彼の極度の自信過剰は明らかになった。自己愛的な観点で、彼は、アーコンズ・シールドの歩行するメック戦士達、“戦車乗り達”、“フット・スロッガー達(歩兵)”を見下し、「図体の大きなメックや戦車よりも、飛行する航空機の方が大量に必要とされている」と、言うのを躊躇しなかったのであった。



車輌: クロウ偵察ヘリコプター

識別番号: LC0518-710A
総重量: 15t
駆動方式: VTOL
動力: 85DAV
巡航速度: 130km/h
最高速度: 194km/h
装甲: スタースラブ/3
武装:
2×エクソスター ER小口径レーザー

コメント:
 クリタ家の技術者達によって軽偵察/目標観測機として設計された超軽量の“クロウ偵察ヘリコプター”は、ワード・オブ・ブレイクの“聖戦”が開始された直後の場面に最初に出現した。驚異的な飛行速度と敵ユニットを探知/追跡可能な電子機器を持つ事により、“クロウ偵察ヘリコプター”は無傷で――その極度に薄い装甲を殆ど心配せずに――敵区域への侵入と離脱をするのを可能としていた。
 自身の“クロウ偵察ヘリコプター”に“ナイトウィング”との愛称を付けているハビックは、カミカゼ突撃を装ったり、操縦を失った振りをしたり、ワンマン航空ショーとしか言えないものをしたりする事によって、味方と敵のユニットを“不安にさせる事”を特に好んでいる。しかし、これらのスタント飛行は時々役に立つ事――もしくは、少なくとも楽しめる事――を証明している一方で、それ以上に頻繁にただ上官達の肝を潰す事のみを引き起こしており、上官達にこの横柄なヘリコプター操縦士が遅かれ早かれ本当に地上に自身を叩きつける事になるであろうと、確信させたままにしている。



氏名: カルメン・ヘルン (Carmen Hern)

所属勢力: ストームハンマーズ
所属部隊: ターカン・ストライカーズ
車輌: レギュレーターIIホバー戦車
生年月日: 11/09/3104
髪: 茶
目: 茶

 カルメン・ヘルンは未だに、操縦席の爆発で被った美観を損なう傷跡――彼女の内耳を破壊し、ケル・ハウンド傭兵部隊でのメック戦士としての将来有望な経歴を永久に失わせた傷跡――を自身の左側の顔に有している。半分の耳が聞こえず、バトルメックを動かして真っ直ぐに立たせるのを保つのに必要なバランス感覚を提供する事が不可能であった彼女は、自身の元の同僚達が彼女無しで戦闘の中に去るのを見なければならなかった。最終的にケル・ハウンドを去ったヘルンは、ヤセク・ケルスワ=シュタイナーのストームハンマーズ創設の為の掛け声に応えて、アレクシア・ウルフの後について惑星“スカイア”に行った。彼女は依然としてメックの操縦は不可能であったが、ターカン・ストライカーズ用のアレクシア・ウルフの氏族に似た適性テストは、彼女が戦闘部隊で任務に就けられる他の道を明示したのである。自身の新たな役割の為の一年間の再訓練後、ヘルンは生まれ変わった戦士として、紛れも無い自らの戦車の指揮官として、戦場に滑り出したのであった。



車輌: レギュレーターIIホバー戦車

識別番号: CC0561-034A
総重量: 50t
駆動方式: ホバー
動力: LTV165 核融合
巡航速度: 86km/h
最高速度: 130km/h
装甲: ヘレスポント・ライトV フェロファイバー
武装:
1×インペレーター ライト・ガウスライフル

コメント:
 アルディス・インダストリーズ社は、より弾力的な高速攻撃戦車が欲しいとの要求に応えて、3083年に自分達の“レギュレーター・ホバー戦車”の改修型を公開した。この“レギュレーターIIホバー戦車”は、その原型車よりも僅か5tだが重く、ほぼ3倍厚くなった装甲の為に速度が減少しているが、それも原型車から僅か11%しか悪くなってはいない。その軽量型のガウスライフルを誇っているこの車輌は、長距離で重い打撃を与えられる原型車の能力を保持しており、程無く“聖戦”後のカペラ大連邦国軍の愛用する攻撃車輌となった。
 CC0561-034Aは、3095年にカペラ大連邦国用に製造され、スフィア共和国に対して行われた悲惨な結果に終った襲撃の際にこれが捕獲される前は、恒星連邦の敵手に対して数回の国境紛争で戦っていた。この車輌は、HPGが不全になった際に惑星“スカイア”に行き着く事になるまでは、スフィア共和国軍の幾つかの部隊を渡り歩いていた。それの現在の指揮官であるカルメン・ヘルンは、この車輌に“スラッガー(強打者)”との愛称を付けている。



氏名: フランツ・スピッツァー (Franz Spitzer)

所属勢力: ストームハンマーズ
所属部隊: ライラン・レンジャーズ
車輌: コンドル・ホバー戦車
生年月日: 12/19/3102
髪: ブロンド
目: 青

 フランツ・スピッツァーは、ライラン・レンジャーズの第3世代のメンバーである。彼の一族は惑星“スカイア”の元・スフィア共和国市民軍に、この部隊が第4スカイア特戦隊として有名であった頃からずっと仕えていた。惑星“スカイア”のネイティブであるスピッツァーは当然の事ながら、自身の一族の系譜と一族の故郷の人々への献身を誇りに思っていた。そして、フランツ自身は、古き第4スカイア特戦隊の歴史的な姿勢に賛同し、自由かつ独立したスカイア連邦への望みを信奉していたのである。この理由により、ヤセク・ケルスワ=シュタイナーの(スカイアの)ライラの統治下への復帰を主張する姿勢は、スピッツァーの忠誠を少なからず揺るがしている。しかしながら、当分の間、彼は、ストームハンマーズの行動予定は大いなる目的へ向かっての短期間のステップであると考える事によって、自身の理想とする目的への折り合いをつけるように思える。だが、ケルスワ=シュタイナーの行動予定がスピッツァーの予想を越えて遥かに長期的なものであった場合に何が起るかについては、更なる議論が必要である。



車輌: コンドル・ホバー戦車

識別番号: LC1056-327J
総重量: 50t
駆動方式: ホバー
動力: 300ヴィラーXL
巡航速度: 65km/h
最高速度: 97km/h
装甲: スタースラブ/9.5 MkII
武装:
2×シュアファイアー・ミニガン
1×ヴァリアント・アーバレスト LRM15-パック
1×ミドロン・エクセル5SG LB-X AC

コメント:
 オリジナルの“コンドル・ホバー戦車”は火力の為に複数の中口径レーザーと1門のオートキャノンを混載していたが、“氏族戦争”期間中の兵器の進歩はそれらの全般的な有効性を劇的に向上する改修をする事を可能とした。それらのものの中で最高のものはオリジナルの内燃エンジンを核融合エンジンに交換し、長距離火力を向上する為に重い長距離ミサイル・ラックを追加したものである。そして、その古き親類達よりも低速であるが、この型の“コンドル戦車”は戦場で如何なる相手とも戦えるよう依然として速さと機動性を保持しているのであった。
 LC1056-327Jは“聖戦”の直前に第4スカイア特戦隊によって使用される為に製造され、惑星“スカイア”防衛に於ける事実上全ての戦闘にてその役割を果した。そして、この車輌は戦後にデヴリン・ストーンに従った第4スカイア特戦隊の生き残り達の残余と共に、スフィア共和国軍の一部となったのである。フランツ・スピッツァーは自身の“自由スカイア派”への忠誠を明瞭に表出する為に、この車輌に“スカイア・ファイアー”と愛称を付けている。



氏名: ディーン・レイノス (Dean Lanos)

所属勢力: ストームハンマーズ
所属部隊: アーコンズ・シールド
メック: スフィンクス
生年月日: 11/24/3102
髪: 無し
目: 灰

 大柄で、筋骨逞しく、禿頭かつ不快な人物であるディーン・レイノスは、言葉で戦う事や物理的に戦う事を何よりも愛している。巨大な自我を持ち、社会上の自律が欠けており、しばしばメック戦士になったばかりの新米達と同一の歩調を取るのであるが、その一方で、その自己評価と同じほどに彼が優れているという事実によって彼は他より傑出している。実際、この男を終る事の無いように見える酒場での殴り合いと営倉への滞在に追いやっているものは単なる力の誇示ではないのである――彼は本当に真に、何らかの物事について誰かと熱の籠った情熱的な競争をするのを愛しているのである。ストームハンマーズから入手した心理分析報告書は、レイノスが競争は肉体と精神にとって良いものである、と信じている事を明白に指し示している。この彼の見解は氏族が抱いている哲学のほぼパロディであり、彼は余り秘密にはせずにこの思考様式を高く評価しており、それを見習おうと明らかに懸命になっているのであった。彼の上官達がこの特別な“目こぼし”をいつまで容赦するかは、誰にも解らないものである。



メック: スフィンクス

識別番号: SF156-06A
総重量: 75t
シャシー: バーガン・バージョン6.2 エンドースチール
動力: 375XL
巡航速度: 54km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: コンパウンド12A2 フェロファイバー
武装:
10×シリーズ2f 射程延長型中口径レーザー
2×シリーズ6b 射程延長型大口径レーザー

コメント:
 ノヴァキャット氏族は、悪名高い“ブラックホーク”バトルメックの随伴機として“スフィンクス”を製造した。この機体は(ジャンプ能力は欠如しているものの)“ブラックホーク”と同等の機動力を持っているだけでなく、その“ブラックホーク”よりもかなり重いフレームは相当量の装甲を搭載する事をそれに可能とさせている。しかしながら、この機体はその小さな兄弟機と同様、過熱問題と真の長射程兵器が何も無いという問題に悩まされているのであった。
 ディーン・レイノスによって操縦されているこの“スフィンクス”は、2基の射程延長型大口径レーザーを搭載する事でその射程問題を克服するのを試みている――しかしながら、この“スフィンクス”の派生型は長距離打撃力はかなり増加したものの重い過熱問題を抱えてしまっているのである。SF156-06AはHPGネットワーク崩壊の直前にシーフォックス氏族によってスフィア共和国に売却された一連の“スフィンクス”の中に含まれていたもので、ヤセク・ケルスワ=シュタイナーのストームハンマーズによってその創設後すぐに徴発されたものである。レイノスはこのメックに“スコア・セトラー”と愛称を付けており、彼は砲火の下で絶えずその放熱器を限界まで酷使している。



氏名: ラトーニャ・リヨン (Latonya Lyons)

所属勢力: ストームハンマーズ
所属部隊: アーコンズ・シールド
メック: ヴァルチャー
生年月日: 05/10/3102
髪: 茶
目: 灰

 人々は一度は、ラトーニャ・リオンの事をヤセク・ケルスワ=シュタイナーの旗に傾倒した熱狂的なスカイア市民軍のメック戦士である、とそのまま受け止めてしまっていた。しかしながら、我々のエージェント達は程無くラトーニャ・リヨンというミステリーをより密接に熟視した。そして、期待通り、ラトーニャの身元が偽りに違いないものであり、それどころか全くLIC(ライラ共和国情報部)の為に働いてはいない事が明るみとなった。実際、我々が集めた証拠は、この寡黙だがストームハンマーズの力強い理想への不滅の忠誠を公言しているエリートメック戦士が実はSAFE――分裂したマーリック家と同程度にバラバラになってしまっている秘密諜報組織――から来たエージェントである事を暴いている。しかしながら、今日のSAFEの複雑極まる性質の為、この潜入の背後にその元・自由世界同盟のどの勢力がいるのか、その目的が何であるかについては、不明のままである。



メック: ヴァルチャー

識別番号: SJ2056-19G
総重量: 60t
シャシー: バーガン・バージョン8.3 エンドースチール
動力: 300ヴィラーXL
巡航速度: 55km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: コンパウンド24B2 FF
武装:
2×ジェネラルシステムズ 大口径レーザー
2×ジェネラルシステムズ ERマイクロレーザー
4×タイプXX“グレートボウ” LRM-20ランチャー

コメント:
 中心領域に於ける戦闘で見られた最初のメックの1つであるこの“ヴァルチャー”は、驚異的なまでに俊敏なユニットで以って戦場に圧倒的な火力をもたらすものである。重長距離ミサイルランチャーにバックアップされた4基のレーザーで武装した“ヴァルチャー”(氏族の戦士達の間では“マッドドッグ”との名で知られている)は、正しくどこから見ても猛禽であった。
 元々はスモークジャガー氏族用に製造されたこのSJ2056-19Gは、氏族侵攻の初期に於いては惑星“ルシエン”と惑星“ツカイード”にて戦闘を経験した。そして、最終的にスモークジャガー氏族の滅亡の先駆けとなるブルドッグ作戦の際に、これは中心領域軍に捕獲されたのであった。(その後)デヴリン・ストーンの旗の下に再結集したコムガードの寄せ集めの残存部隊の中にそのパイロットは含まれており、彼は自分と共にこの機体をストーンの新たな共和国にもたらした。ラトーニャ・リオンは、このメックにドイツ語で“猛禽”を意味する単語、“ラウプフォーゲル”との愛称を付けている。



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