O5P Dossier: Spirit Cats
氏名: デッカー・ノヴァキャット (Dekker Nova Cat)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: オミクロン
車輌: ベヒーモスII戦車
生年月日: 03/18/3095
髪: 茶
目: 青
デッカー・ノヴァキャットは、他の全てのノヴァキャットの戦士にも似ている様に見える。彼はスピリット・キャッツの運動の全てに身を捧げている――しかし、彼は予知視を信じてはいるが、ピュリファイアーズの者達ほどの信心深さはない。彼は“ベヒーモスII重戦車”の操縦を習得しているが、注目を集めるほどのものではない。要するに、彼の非常な平凡さが、彼を目立たせているのである。誰も、彼ほどの平凡さは無いのであった。
我々は彼の過去を明らかにするべく長い時間を費やしたのであるが、彼がそうである様に見せている以上の何かである事を示す如何なるものも存在してはいなかった。しかしながら、彼の件に割り当てられたエージェントは両者共に、それは何かがおかしいと感じている。両者は、彼を潜入工作員でスパイであると疑っている――しかしながら、誰の為のスパイであるのかは不確かである。
5王家の全ては、自分達が望む場所にエージェントを配置する能力を有している。共和国は、共和国がその種の活動に従事しないと我々が信じ込む事を望んでいるが、我々は別の情報を掴んでいる――彼は彼等のエージェントに違いないであろう。他のどの氏族も、この種の活動に関る事を強く望むかは疑わしい。その他の可能性としては微々たるものであるが、彼がケヴ・ロス自身の潜入工作員というものもある。上院議員は彼のスピリット・キャッツ内で最高の信任を持っている事を見せ付けているが、カーテンの背後でのこの指導者の行動が彼の公の顔と一致しなかったのは、これが最初のものではないであろう。デッカーは、将来の監視を支えるに足りるものである。
車輌: ベヒーモスII重戦車
識別番号: SC449-21QK
総重量: 100t
駆動方式: 装軌式
動力: 300ヴィラーXL
巡航速度: 34km/h
最高速度: 54km/h
装甲: アークシールド・マックスIII・アドヴァンスド
武装:
1×エクソスター ER大口径レーザー
1×ポーランド・メインモデルC ガウスライフル
2×ホリーLRM20-パック with/アルテミス
2×ホリーSRM IV
コメント:
“ベヒーモスII重戦車”は、オリジナルの“ベヒーモス重戦車”の改良型である。“ベヒーモスII重戦車”の計画が始まった時、“ベヒーモス重戦車”(の歴史)はたった1世紀半――他の車輌デザインの多くは大規模な改修無しに数世紀を任務に就く――であった。しかし、オールディス・インダストリーズ社はそれにも拘らず、自分達の最も成功した設計の内の1つを完全に改良するとの決定を下した。
しかしながら、オリジナルの“ベヒーモス重戦車”は非常に成功した設計である事を証明していたのであるが、3100年代初期の相対的な平和はそれにほぼ注文無しとの結果を引き起こしたのである。開発に非常に費用が掛かっているこの車輌の需要を生み出す為に必死に方策を探したオールディス・インダストリー社は、全ての顧客にこの車輌の贈与を開始した――最初の数ヶ月の戦闘でそのパフォーマンスが評価された後に、注文が大量に来るであろうと考えての事である。
この“ベヒーモスII重戦車”は組立てラインから出現した正に最初のこれの車輌で、スピリット・キャッツのデッカー・ノヴァキャットによって取得された。彼は、これに“タイタン”と名付けている。
氏名: イータン・ノヴァキャット (Etan Nova Cat)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: ピュリファイアーズ
車輌: BE701ジョースト戦車
生年月日: 03/27/3104
髪: 茶
目: ヘイゼル
イータン・ノヴァキャットは、ピュリファイアーズ内でジャニス・ノヴァキャットと衝突する方向にある様に思われる。これは、意見やイデオロギーの違いにさえも関係はない。彼等は共にスピリット・キャッツで今までに知られた中で最も偉大な戦士になる事に身を捧げており、共に自分達の予知視が自分達の指導者であるケヴ・ロスのものよりも適切であると信じているのである。
結局の所、スプリット・キャットのチャンピオンは、唯1人のみ存在できるのである。彼等の競争は激しく、イータンとジャニスはそれぞれ独自の方法論を持っている。彼はジャニスが有している様な大きさの刺青やボディ・ピアスを持ってはいないのであるが、彼はその狂戦士の激情で以って有名であり、殆どの車輌操縦士達が怖気をふるうであろう状況の中にも自分の“ジョースト戦車”を突入させる。幾つかの事例に於いて、イータンと彼の車輌が生き残った戦闘状況の中では、メックでさえも破滅してしまうであろうと言われた程である。彼の名声が増大し、同朋の氏族人の中で彼への尊敬が高まった事により、彼はジャニスの目に留まった――彼はこの競争を嫌がっており、これは恐らく非常にすぐに彼女の視界内で有利になるものになるかもしれない。
必要があるのならば、この状況は我々の操作にとって打って付けのものである。
車輌: BE701ジョースト中戦車
識別番号: NC230-51T1
総重量: 40t
駆動方式: 装軌式
動力: 200スタンダード
巡航速度: 54km/h
最高速度: 86km/h
装甲: アドヴァンスド・コンパウンド・ベータ
武装:
8×シリーズ2C ライト・マシンガン
1×シリーズ7N ER大口径レーザー
1×タイプX“ショートボウ”LRM-10ランチャー
コメント:
“SM1対戦車車輌”の成功裏に終った登場後、ノヴァキャット氏族は更なる別の中型戦車の開発計画に着手した。この設計は長射程のダメージを与える事を可能にする為に遥かに特殊化したものになる予定であったが、結局は対人兵器も大規模に配列して搭載する事になった。
戦線に送り出された“ジョースト戦車”の最初のシリーズは、大口径レーザーが突然発射される可能性があるというバグを火器管制機構内に起していた。全ての最初のシリーズのこのバグは除去された――識別番号NC230-51T1のものを除いては。その現在のパイロットであるイータン・ノヴァキャットは未だに問題は存在していると断言しており、この事は彼にこの車輌を“グレムリン”と呼ぶように誘っている。氏族の科学者階級は今までにこの車輌を4度も見てきている。故に、そのパイロットの背後で、彼等はパイロットの“不可思議な予知視”がその精神に影響を及ぼしているのではないかと訝っている――そして、更に重要な事に、彼等は彼の照準能力も訝っているのであった。
氏名: ケヴィン・ノストラ (Kevin Nostra)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: シヴァ・ケシーク
メック: ゼウス
生年月日: 10/08/3094
髪: 無し
目: 灰
ノストラは、オリジナルのSLDFの指導者のアレクサンドル・ケレンスキー将軍と著しく似ている事で、同胞のスピリット・キャッツの中で肉体的に際立っている。彼の“ブラッドライトの神判”後の予知視によって閃かれたものの伝えられる所によれば、幻視は彼に“自分が実際にケレンスキーの魂を持っている”事を確信させたそうである。ノストラは注意深くこのイメージを磨き、“偉父”の発言を話し、癖を憶え込む事さえもしている。彼は自分の自由時間の多くを、ケレンスキーに関するジャーナル、ホロ・ビデオ、その他の全ての記録を、それがどれだけ僅かなものであっても狂信的な執念で以ってじっくりと研究する事に費やしている。折衷的なスピリット・キャッツの中でさえも変人であると見なされているにも拘らず、ノストラは彼がケレンスキーの生まれ変わりであると本当に信じている信奉者達を集めている。この事が、ギャラクシーコマンダー:ケヴ・ロスのリーダーシップに脅威を投げかけるかどうかは未来の課題である。しかし、とかくするうちに、ケヴィン・ノストラは臨床上、気が狂っているかもしれないとの可能性は、より懐疑的な彼の同胞達の中の懸念を育てているのであった。
メック: ゼウス
識別番号: LA7149-67H
総重量: 80t
シャシー: アドヴァンスド・チャリオット・タイプV
動力: ピットバン320 ライト
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: グラスゴー・リミテッドX
武装:
1×ノース 射程延長型PPC
1×ターヘス・リーチャー15 ロングレンジ
1×デファイアンスP5M 中口径パルスレーザー
1×サイクロプスXII 射程延長型大口径レーザー
コメント:
長い間、ライラ共和国の大黒柱であった“ゼウス”は、調和した優秀な重火力/装甲と共に激戦を制する良好な地上速度と放熱器をもたらすものである。強襲任務と包囲攻撃用に作られたこの機体は、そのオリジナルのものが登場してから数世紀を経た後でさえもライラの第1位の強襲メックであり続けている。
ケヴィン・ノストラの“ゼウス”は、連邦=共和国内戦で惑星“ターカッド”を防衛するライラ軍の一部として使われた歴戦の機体である。しかしながら、ワード・オブ・ブレイクの“聖戦”の最中の惑星“スカイア”の最終戦闘でこのメックは狂信者に倒され、スカイアがストーンの共和国に加入した際には、その他の破壊された機体と共に放置されていたのであった。ケヴィン・ノストラは、これに“ファーザーズ・ヴィジョン”との愛称を付けている。しかし、現実のケレンスキーがこのタイプの機体を決して操縦した事がなかったとの理由により、彼はこの割り当てに不満を感じている様である。
氏名: マイケル・ノヴァキャット (Mikel Nova Cat)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: オミクロン
車輌: SM1対戦車車輌
生年月日: 05/05/3110
髪: ダークブロンド
目: 青
マイケル・ノヴァキャットは、“トゥルーボーン”――氏族の優性遺伝子育成プログラムの一環である“鉄の子宮”で生まれた者――ではない新しい世代のスピリット・キャットの1人であり、その事に誇りを抱いている。
氏族が最初に優性遺伝子育成プログラム創設して以来、数世紀間、彼等――“フリーボーン”(自然出産で誕生した者)の同朋達は2級市民としての扱いを受け、“純粋”でない事を嘲笑されていた。“フリーボーン”個々の持つ能力に拘わらず、これは彼等を影に留め続けたのである。しかしながら、中心領域への氏族の侵攻と、そして中心領域の社会/観念と密に半世紀間も――スフィア共和国内の飛び地の領土に住んだ氏族人は特に――接した事により、純粋な氏族の文化がゆっくりと堕落していくのは必然だったのである。現在、フリーボーンのスピリット・キャットの新世代達は実際に注目と力を手に入れ始めており、この事はより伝統的な彼等の同胞達を戦慄させているのであった。
その上、他の幾人かと同様に、マイケル・ノヴァキャットも自身の氏族を車輌を駆って守る事に満足している。彼は、大多数の氏族人が“メックこそが唯一の価値ある戦闘ユニットであり、車輌は戦士には相応しくないものである”と軽蔑していた過去を是とはしていないのである。この彼の姿勢がフリーボーン達の主張を助長する事になるか、戦場で彼の死を見る結果となるかは未知数である。しかし何にせよ、マイケル・ノヴァキャットは考慮すべき力になるであろう。
車輌: SM1対戦車車輌
識別番号: NC339-18QX
総重量: 50t
駆動方式: ホバー
動力: 165スタンダード
巡航速度: 86km/h
最高速度: 130km/h
装甲: アドヴァンスド・コンパウンド・ベータ
武装:
4×シリーズ2C ライト・マシンガン
1×タイプ10 ウルトラ・オートキャノン20
コメント:
何世紀もの間、一般的に氏族は車輌に対して軽侮の念を抱き、バトルメックのみを戦士が戦場に持ち込む真にして唯一の武具であると見なしていた。しかしながら、中心領域への侵攻と、そこで氏族が出会う事となった諸兵科連合戦術(歩兵、車輌をメックと共に使う戦術)は、大抵の場合に於いて彼等が用いた戦闘法よりも優れていたのである。この事実は直接的に、氏族を幾つかの新たな車輌設計へと誘ったのであった。
“ショーデン強襲車輌”の成功に続いて、ノヴァキャット氏族は他の車輌を攻撃/撃破する事を目的に、特別な設計の車輌開発を開始した。その車輌は、戦場に存在する最も強力な兵器の1つを搭載し、驚異的な速度で以って戦場にその兵器を運ぶ事が可能であった。
NC339-18QXは、現在、抗争の渦中にある全ての派閥が戦場に出している全車輌の中で最も“キル・レシオ(撃墜比率)”が高いものの1つである。最近、行われた“オザワ”での戦闘に於いて、この車輌は5台もの車輌を数瞬で破壊したのであった。故に、マイケル・ノヴァキャットは、この車輌に“ソウルリーバー(奪魂)”と名付けているのである。
氏名: ロバート・バヴロス (Robert Bavros)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: オミクロン
車輌: ランプレイ輸送ヘリコプター
生年月日: 06/09/3096
髪: 白
目: 黒
(一般には)啓蒙運動が為されていると思われているのであるが、ロバート・バヴロスへの彼等の扱いによって証明されるように、スピリット・キャッツでは未だに氏族社会の基本的な偏見と習慣が支配的な影響力を持っている。37歳の時、この戦士は全盛期を過ぎて“ソラーマ”(2線級部隊=予備部隊)の地位への引退の時期であると考えられた。これは、彼が28歳の時――この時、彼はまた氏族のエリート戦士の一隊も率いていた――にブラッドネームを獲得したにも拘わらず行われたのであった。現在、単なる輸送パイロットとして後方梯団の任務が割当てられている、この長髪を1本の厚い弁髪にして背の中央に流している小さい細身の男は、相当の痛恨に満ち、以前の自分の殻に閉じこもっているように見える。上位者が返答を要求しない限り彼が喋るのは稀であり、任務中と任務外のどちらであろうとも付き合いを拒否している。戦闘時、彼は最高の任務達成者である事を証明する――彼は任務目標を他の助けを全て排除しつつ、ドローンの精密さと信頼性で以って達成するのである。
車輌: ランプレイ輸送ヘリコプター
識別番号: TC0146-510B
総重量: 30t
駆動方式: VTOL
動力: 130ヴィラー
巡航速度: 97km/h
最高速度: 151km/h
装甲: スタースラブ/2
武装:
2×ハープーン SRM-4ラック
1×スカッターガン ライト・マシンガン
コメント:
タウラス連合国――最も工業化された辺境国家の1つ――は、この荒廃した小国家で進行中の沈滞があるにも拘わらず、惑星“ピナード”に在るヴァンデンバーグ機械工業社の工場から“ランプレイ輸送ヘリコプター”を送り出す事に成功した。高速の貨物輸送機を主として開発された“ランプレイ輸送ヘリコプター”は、完全編制の歩兵部隊を戦場に運べる能力を有すると同時に、その2連ミサイルラックとマシンガンから感動的なまでの援護射撃を放つ事ができる。
ロバート・バヴロスの“ランプレイ輸送ヘリコプター”は、10年以上前に海賊から捕獲されたものである。HPG網が失われた後、スピリット・キャッツのオミクロン星団隊へ姿を現す前に、彼は恐らくこの機体をスフィア共和国の市民軍から盗み出したのであろう。
氏名: ユーリー・ノヴァキャット (Youree Nova Cat)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: オミクロン
メック: サンダーボルト
生年月日: 06/13/3106
髪: 茶
目: 緑
ユーリー・ノヴァキャットは実際は全くノヴァキャット氏族の者ではなく、“アブタカ”――捕えられ、氏族の軍社会の儀式と法を通じてその氏族に取り入れられた戦士――である。元は、惑星“チコノフ”のユーリー・カラスキロフとして生れた彼は、HPG網が崩壊した直後の2つの勢力間の小戦闘でスピリット・キャッツにボンズマンとして残されるまではソードスォーンに仕えていた。若く、外部からの影響を受けやすい戦士であったユーリーは、氏族の道に容易に転向した――これは、捕えられた戦士の中では珍しくない現象である。しかしながら、彼等の心霊主義の完全な理解にユーリーは到れず、それ故に、彼の戦士の地位の回復は今年の初期になり、彼はオミクロン星団隊に配属される事となったのであった。現在、彼自身の氏族内での栄光を探求するのに技術的には自由になったにも拘らず、ユーリーが単独で残されるのは稀であり、誤魔化しに用心深くなるのに十分に長く中心領域人の中で生きてきたスピリット・キャッツの上官達に密に監視されているであろう事に我々の諜報員は気付いている。
メック: サンダーボルト
識別番号: FW1148-90H
総重量: 65t
シャシー: アースワークスTDRII エンドー7
動力: マグナ260
巡航速度: 43.2km/h
最高速度: 64.8km/h
ジャンプジェット: チルトン465 ジャンプジェット
装甲: スターシールドA with/CASE
武装:
1×インペレーター・オートマチックウェポンリー ガウスライフル
1×デルタ・ダート LRM 15-ラック
3×ディヴァース・オプティックス 射程延長型中口径レーザー
コメント:
アースワークス社の高名な“サンダーボルト”重バトルメックは、継承権戦争を通してバトルメック軍団の頼りになる慣れ親しまれたメックであった。65tの重量で、重装甲と火力を持つこのメックは、最大の“サンダーボルト”工場の内の1つを維持している自由世界同盟で特に好まれた。数世紀で多数のこれの派生型が出現したというのも驚くべき事ではない――この中には識別番号FW1148-90H、ユーリー・ノヴァキャットが操縦するモデルも含まれている。“アヴェンジャー”との愛称が付けられたこのメックは、(元は)大口径レーザーと放熱器があった場所に強力なガウスライフルとジャンプジェットを誇り、打撃力と機動力の双方を増強している。
元は“聖戦”の直前に自由世界同盟軍用に製造されたのであるが、この“サンダーボルト”の戦士はその戦闘の頂点の最中にデヴリン・ストーンの軍に参加する為に離脱した。そして、この戦士はワード・オブ・ブレイクから惑星“アトレウス”を解放する為の作戦中に戦死したのであった。しかし、ストーンの軍は(これの)サルベージを主張し、これはスフィア共和国軍を建設するのに使われたのである。
氏名: ファイサル・ロス (Faisal Rosse)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: オミクロン
メック: ダッシャーII
生年月日: 02/12/3110
髪: 赤
目: 茶
ファイサル・ロスはスピリット・キャッツのオミクロン星団隊の向う見ずな大精力家であり、しばしば自身を砲火の戦線へ投げ入れては、全ての氏族人が熱望する戦場での栄光を探し求めている。この自分自身の死の運命への無頓着な軽視は、典型的なものではないとはいえ、氏族での彼の地位の上昇を助け、21歳の若さにも拘らず彼に“ブラッドネーム”を獲得させた。しかしながら、その全てを通して、見えざる幸運のみが彼の生存を保持し続けた筈である。技能や手腕の欠如と、“時間を浪費する”自分の道を導く為の“予知視探求”の修練を忌避する事により、ファイサルの経歴の進捗は実在する何らかの軍事的才能よりも、彼の狂戦士の如き戦闘形態による結果が大きい。更に、彼が自分の部隊全体が直面する危険よりも、個人的な勝利に熱中する様になってしまっている事により、戦場に於ける彼の指揮経験の不足は十分に実証されている。ファイサルの幸運が最終的に尽きるまでに、これがどれだけ長く続くかは、時間が経たない事には何とも言えないものである。
メック: ダッシャーII
識別番号: NC155-22D
総重量: 40t
シャシー: エンドースチール
動力: 400XL
巡航速度: 108km/h
最高速度: 162km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: フェロファイバー
武装:
6×射程延長型マイクロレーザー
コメント:
氏族の“ダッシャー”は“氏族戦争”に於ける最も高速で強力な軽量級メックの1つである――平均で時速160kmを越える最高速度と武装の配列は、その当時の中心領域の大部分のメックよりも格段に優れ、打ち勝つものであったのである。しかし、残念な事に、速力と火力を両立した事は、“ダッシャー”を戦場での如何なる損傷にも影響を受けやすい存在へとしていた。そして、“聖戦”の絶頂時に、氏族の技術者達は、より重く、耐久性のある“ダッシャーII”を発表し、オリジナルと同等の機動力だけでなく生存性にも非常に優れた機体を指揮官達に提供したのであった。
ファイサル・ロスの“ダッシャーII”、“ロケットマン”との愛称が付けられた識別番号NC155-22Dは、今年の前半の戦闘で“シャドウキャット”を失った後に、彼に割当てられたものである。どうやら、このメックは、“聖戦”の際にデヴリン・ストーンに従い共和国の建設を助けたノヴァキャット氏族の戦士達のメックの小規模の貯蔵所から来たものの様である。このファイサルへの割当が懲罰的なものなのか、名誉的なものなのかは依然として不明である。
氏名: レネット・ロッシー (Lenett Lossey)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: シヴァ・ケシーク
メック: スパイダー
生年月日: 01/19/3102
髪: ブロンド
目: 茶
ノヴァキャットの優勢遺伝プログラムの結果であるレネット・ロッシーは、惑星“オザワ”の小規模の氏族の包領にて誕生した。苛酷なバトルメック戦闘用に生れさせられ、その魂の中に神秘的なノヴァキャット氏族の為の理想を抱きつつ育てられたにも拘らず、常に彼にとってトゥルーボーンの戦士の水準を越えさせる、より多くの何かが存在した。実際、レネットが戦士階級に入る為の自身の“地位の神判”に勝利する前にも、彼は他者を魅了して巧みに扱う天賦の能力を見せ付けていたのである。この能力は彼が数年に渡って自身の地位を上昇させるのを助けた――この中には、ブラッドネームとシヴァ・ケシーク内での地位を勝ち取った事も含まれている。しかし、鋭敏で政治的にも抜け目が無いロッシーの行動様式は、彼が真のアート・フォームに昇華させた才能――氏族の戦士の為の才能――の為に、その大部分が温和な交際と有効な話をする事へと制限されているのである。
メック: スパイダー
識別番号: RS3045-11G
総重量: 30t
シャシー: クルーシス-II・デラックス エンドースチール
動力: ピットバン240 ライトエンジン
巡航速度: 86.4km/h
最高速度: 130km/h
ジャンプジェット: ロウリングス75
装甲: カロンFWL・スペシャル フェロファイバー
武装:
5×ディヴァース・オプティックス 射程延長型小口径レーザー
コメント:
この“スパイダー”の匹敵するもののいない速度と無限に近い持久力は、この機体が2560年に登場した後にそれが星間連盟コマンド部隊用に選定されたバトルメックとなるのに寄与した。しかしながら、星間連盟崩壊後の数世紀間の継承権戦争は、“スパイダー”の数を自由世界同盟の惑星“テマタギ”上の工場から極細々と出るだけのものにしていたのであった――“聖戦”の最中にこれらの施設の破壊が“スパイダー”の生産ラインの殆どを抹殺するまでは。しかし幸運な事に、この機体は後の数十年間で新たな生産ラインが徐々に発展していった時に絶滅を免れた。そして、これらの末裔達はその(オリジナルの)パフォーマンス・プロフィールを模倣していたのである――たとえ、それが星間連盟期の“スパイダー”のスマートな外観をしていなかったとしても。
RS3045-11Gは、その様な“聖戦”後のモデルの1つである。元はスフィア共和国の軍用に製造され、その現在のパイロットであるレネット・ロッシーにより“シルバー”との愛称が付けられているこれは、5連装の小口径レーザーを誇っている。この搭載兵器は、頻繁にロッシーに近接戦闘――敵の隊列からの反撃砲火を避けるのに彼がメックの速度に頼らざるをえない場所――へ突入する事を強いている。
氏名: リズ・ノストラ (Liz Nostra)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: シヴァ・ケシーク
メック: クリムゾンホーク
生年月日: 12/09/3103
髪: 黒
目: 灰
トゥルーボーンでブラッドネーム持ちであるノヴァキャット氏族のリズ・ノストラは、HPG通信網崩壊の直前には自身の経歴の頂点にいた。彼女はその経歴の全てをノヴァキャット氏族の人民とスフィア共和国へ広範に奉仕して築き上げていっており、この魅力的で致死的な濃い色の肌を持つ戦士は感動的なまでの一連の勝利を隣国の5王家から来た海賊と襲撃者達との戦闘であげていっていたのである。
しかしながら、恒星間通信網の崩壊は彼女の将来への展望を打ち砕いた。そして、彼女の未来の道筋を明らかにする為の予知視探求の失敗は、彼女に失望と無気力を残したのである。不確かな未来に対する彼女の懸念は戦場でのパフォーマンスの下落として表れ始め、最終的に以前の指揮上の地位から彼女が降格される結果へとなった。
リズは栄光からの長く厳しい転落を抱かせた何かを止める事を為し遂げ、シヴァ・ケシーク内の自分の地位を保持したのであるが、彼女の戦場での能力は未だに減少したままであり、スピリット・キャッツの未来に対するギャラクシーコマンダー・ロスの予知視への忠誠は些か疑問である。一方、彼女は共和国の危機がただ一時的なものである事を深く望んでおり、正常性と秩序が戻る事を祈っているのであった。
メック: クリムゾンホーク
識別番号: BS571-08H
総重量: 25t
シャシー: ヨークII XT
動力: 125ヨークXL
巡航速度: 55km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: クラン・シリーズ タイプ1・ライト
装甲: コンパウンド6A
武装:
2×シリーズ4D-2 大口径ヘビーレーザー
コメント:
ブラッドスピリット氏族とシーフォックス氏族の間で共同開発された軽量級の“クリムゾンホーク”は、速力よりも火力と装甲に重きを置いた軽打撃メックとして計画されたものである。市街地形や集団戦術への使用が意図されたこのメックは、その主武装として2基の射程延長型レーザーを備えており、超遠距離でも深刻なダメージを与えるのを可能としている。また、更なる打撃力を得る為に大口径ヘビーレーザーを搭載したブラッドスピリット氏族の派生型が幾つか製作されたが、それは射程と幾許かの精度を引き換えにしたものであった。
BS571-08Hは後期の武装配置型の1つで、精密射撃よりも打撃力を重視したものである。スピリット・キャッツのリズ・ノストラによって操縦されているこのメックには、ノストラの不確かな未来を反映して“ワンダラー(放浪者)”との愛称が付けられている。リズは自身の機動力を保持する事を好んでおり、ヘビーレーザーで狙撃をしながら遮蔽地形をジャンプで出入りする――これは、この様な軽量級メックをパイロットするものとしては正統的な戦術である。
氏名: マリア・デーヴァリース (Maria Devalis)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: ピュリファイアーズ
メック: シャドウホークIIC
生年月日: 09/12/3089
髪: 灰
目: ヘイゼル
RAF(スフィア共和国軍)の熟練したメック戦士であったマリア・デーヴァリースは、一度は、騎士叙勲を受けれるかもしれない立場にあった。しかし、彼女のノミネートに対する審査員は、彼女がノヴァキャット氏族の敬虔な心霊主義者である事から彼女の客観性に疑いを抱いた。これらの疑念者達は(騎士叙勲の名誉を受け入れる前に行われた)“彼女の予知視の探究を受けるとの決断”を、あらゆる懸念も上回る、彼女の“迷信”に対する偏愛の明白な証拠として引合いに出したのであった。そして、この様な行動が滑稽であると広く非難された――デヴリン・ストーン本人からさえも――にも拘らず、この大騒動はスフィア共和国の大メディアが狂乱する中で最終的に騎士叙勲を与えるのを撤回させる事を促し、彼女の同朋のノヴァキャット氏族の者達以外の間ではデーヴァリースの名声は汚されたのである。彼女はこの結果を公然と受け入れ、その後に行われた叙勲の申し出もコメントを発さずに断った――しかし、内心、彼女は猛烈な屈辱的な痛みを感じていた。そして、未だにこの事件について憤慨している事により、彼女の忠誠心のスピリット・キャッツへの転向は、彼女にとって何よりも容易な事であったのである。
メック: シャドウホークIIC
識別番号: NC3500-03C
総重量: 45t
シャシー: NCIS エンドースチール・タイプM
動力: コンソリデーテッド・フュージョン270 スタンダード
巡航速度: 65km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: ノースラップ・スターリフターズM45s
装甲: コンパウンド・フェロファイバー
武装:
2×シリーズ7Ja ER中口径レーザー
1×タイプ6・シリーズ アドヴァンスド・タクティカル・ミサイル
1×シリーズ6b ER大口径レーザー
コメント:
由緒ある“シャドウホーク”中量級バトルメックの氏族製のこの改良型は、オリジナルよりも10t軽く、20%機動性がより高く、何倍も致死的なものである。全ての侵攻氏族によって主に2線級の編成で用いられているこの機体は、軽・中量級の敵メック部隊に対して効果的なレーザーとミサイルのコンビネーションが使える優秀な汎用攻撃機として役立った。
NC3500-03C(“ルミノシティ(光輝)”)は“聖戦”の開始直後にノヴァキャット氏族に実戦配備された、ドラコ連合=ゴーストベアー・ドミニオン戦争で被った損害を回復する為の進行中の努力の一環として製造されたものである。ブレイク教徒と戦う為に徴用されてデルタ・ギャラクシーに配備されたこの機体とその戦士は、“聖戦”の狂信者達によって蹂躙された世界を奪還する為の幾つかの軍事作戦にて戦った――その中には、3069年の惑星“ベンジャミン”での戦いも含まれている。そして、他のデルタ・ギャラクシーの者達と同様に、この機体とそのパイロットは続いてスフィア共和国へ加わったのである。
氏名: マリサ・ノヴァキャット (Malisa Nova Cat)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: シヴァ・ケシーク
メック: ウラー
生年月日: 04/15/3109
髪: 赤
目: 黒
“聖戦”の際にデヴリン・ストーンと共に戦ったオリジナルのノヴァキャット氏族の戦士の末裔であるのだが、マリサ・ノヴァキャットの“フリーボーン”の地位は、先祖の伝統を継承するのに苛酷な闘争を彼女に強要した。しかし、“階級の神判”を受けた時に、彼女の持つ活力と技能は1機の撃墜を為し遂げ、メック戦士の地位をもたらした。そして、彼女の氏族の法とスフィア共和国への熱狂的な献身は、シヴァ・ケシーク星団隊への配属を彼女にもたらしたのである。
HPG通信網が崩壊し、それと同様にスフィア共和国も崩壊すると見えた時、マリサは彼女の氏族の将来の中で自分の役割を決める為の探求の予知視を受け取った。“予知視は自分に蛮族の群れの覆いから傷ついたノヴァキャットを守る方法を見せた”と主張する彼女は、ギャラクシー・コマンダーであるケヴ・ロスの指揮に不滅の忠誠を誓っている。
戦闘時、マリサは(上記とは)対照的な考究をする。大規模な戦闘が行われる前に自身を興奮状態へと駆り立て、しばしば武器を放ちながら戦闘へ突入する彼女は、敵へ死の打撃を与える為にシャットダウンの危険を冒してしまっている。しかしながら、一度狂乱が消え去ったのならば、彼女の戦闘法は落ち着いた正確なものとなり、氏族の訓練で強化された成果を証明するのであった。
メック: ウラー
識別番号: JF327-12E
総重量: 30t
シャシー: オリヴェッティS2 エンドースチール
動力: GM180XL
巡航速度: 64km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: コンパウンド・アルファ フェロファイバー
武装:
1×タイプAA4 ガウスライフル
2×モデルV 中口径ヘビーレーザー
コメント:
特にジェイドファルコン氏族に好まれているものではあるが、“ウラー”バトルメック(氏族の中では“キットフォックス”として知られている)は、氏族が侵攻してきた際には全ての前線で広く姿が見られるメックとなった。速力よりも火力を重視して開発された軽量級メックである“ウラー”は、その当時、途方も無く強力なガウスライフルを見せつける最も軽量の機体の1つだったのである。しかし、その脆弱な装甲と比較的遅い陸上での速力は、機体の平均寿命を些か短いものにしているのであった。
識別番号JF327-12E――マリサ・ノヴァキャットにより“ワールウィンド(旋風)”との愛称が付けられている――は、元はノヴァキャット氏族のデルタ・ギャラクシーの為に製造されたものであり、奇跡的にも“聖戦”の砲火を生き延びてデヴリン・ストーンの共和国へ贈られた軍勢の一部となったものである。しかしながら、マリサへ割り当てられて以来、この“ウラー”は戦場よりも修理区画に在る時間の方が多く記録されている――この理由の大部分は、マリサの凶暴な戦闘術の遺産として機能を停止した放熱器を交換する為である。
氏名: リカード・ノヴァキャット (Rikkard Nova Cat)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: シヴァ・ケシーク
メック: ファイアスターター
生年月日: 08/09/3098
髪: オレンジ
目: 茶
全てのノヴァキャット氏族人、特にシヴァ・ケシークの者達と同様に、リカード・ノヴァキャットはスピリット・キャッツと彼等の指導者であるケヴ・ロスへ熱狂的に帰依している。しかしながら、レーザーをベースとしたメック/車輌を好む大多数の同胞達とは異なり、リカードは自身の射撃術を試す為に、運用されている中でもかなり独特のバトルメック――ファイアスターターを選択した。このメックの主兵装は、射程は短いが強力な火炎を放射する為に、(メックの)核融合炉によって発生する熱を巧みに利用している火炎放射器である。この種の兵器は正確な照準が困難であり、正確な照準が不可能ではない者がいるとしても、そのようなメック戦士は少数である。火炎放射器は多くの場合、パイロットに簡単な照準と簡単な射撃技術の使用のみを必要とさせるものである――この武器の放射効果は、通常、目標の方位全てのものに幾つかの損害を与え得るものなのである。
しかしながら、リカードはそのような杜撰な射撃術に甘んじてはいない。多くの年月を費やして磨き上げた技量と多数の神判により、彼はその兵器の使用法をほぼ完璧なものにしており、より容易に目標を照準可能な兵器を用いている他のメック戦士達よりも高い頻度と精度で以って目標に打撃を与える事が可能なのである。かような義務に対する献身は、彼へ陰謀を企てる事を困難にするものであろう。しかし、もし、彼を転向させる事ができたのならば、結社(O5P)にとって完全に適した存在になるであろう。
メック: ファイアスターター
識別番号: FS298-77Y
総重量: 30t
シャシー: ファウンデーション・ウルトラライト エンドースチール
動力: GM210
巡航速度: 64.8km/h
最高速度: 97.2km/h
ジャンプジェット: ルクソール・ロードリフターズ
装甲: デュラレックス・ノヴァ
武装:
6×ホットショット フレーマー
1×デファイアンス・モデルXII 射程延長型中口径レーザー
コメント:
今までに戦場に出現したバトルメックの中で、最も特殊な設計のものの1つである“ファイアスターター”は、両腕に装備された6基の火炎放射器によって、その名声を得た。火炎放射器はどの目標に対しても強力であるが、非装甲の歩兵に対しては特に破滅的なものである。
生産ラインからこの機体が送り出されたのは星間連盟が崩壊する前の事であり、それ故に、後に氏族となるべき運命であったSLDF(星間連盟防衛軍)と共に中心領域を離れる事ができたのではあるが、これはそうはならなかった。その代わりに、中心領域の代々のパイロット達に受け継がれ、惑星“エイヴォン”上でドラコ連合軍とノヴァキャット氏族が激突した3059年に捕獲されるまで、ノヴァキャット氏族の手に収まる事はなかった。“ファイアスターター”に搭乗していたメック戦士はこの戦闘で戦死したが、それにも拘わらず、その戦闘に於ける彼の武勇故に、そのマシンを操縦する事によって彼の事跡を称えるべく1人の若き氏族の戦士を進み出させたのであった……。
この機体の持つ並外れた、大いなる歴史により、リカード・ノヴァキャットは、機体を“ソウルボア(魂の運び手)”と名付けている。
氏名: ロブ・ホーゲ (Rob Hoge)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: ピュリファイアーズ
メック: オセロット
生年月日: 09/01/3105
髪: 赤
目: ヴァイオレット
生まれつき喧嘩早く激しい気性のこのシニカルで生意気な若い男はピュリファイアーズの軍内に於けるホープで、如何なる可能性に対しても個人的な名声と栄光を要求する事を自身の“運命”であると決心している。自身の仲間達との“討論”の中心部で見かけられない時、ロブ・ホーゲは徹底的な肉体トレーニングかシミュレーター内で自身のバトルメックの技能を磨く事に自らの時間を費やしている――この追求は自身のキャリアに対する彼の献身を強調しているが、彼から同僚達を引き離してもいる。自身の故郷の惑星にて長距離水泳選手として名高いロブは、戦闘に入る前に自身の酸素濃度を減らす事を好んでいる――自らの呼吸の完全なコントロールをし続けなければならない環境で戦うのを自身に強いる事によって、彼は自身を超戦闘状態に置き、他の戦士が全く望むべくもない超人的な技能レベルで自分が戦う事が可能になる、と彼は信じているのである。
メック: オセロット
識別番号: NC513-13E
総重量: 35t
シャシー: カーティスフォックス・オセロット
動力: 210ジェネラルシテムズXL
巡航速度: 65km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: リーパー・モデル、L6
装甲: フォージングFF-01 フェロファイバー
武装:
1×モデルX 大口径ヘビーレーザー
2×シリーズ2d 射程延長型中口径レーザー
コメント:
“オセロット”は、ノヴァキャット氏族が中心領域へ離脱した数年後に最初に彼等の工場から出現した。軽量・高機動のこのメックの典型的な複数のレーザーと複数の放熱器の搭載と、そのサイズとしては優秀な装甲は、“聖戦”の際にこれを理想的なハンターキラーへとした。NC513-13Eは、実際、他の軽量級メックを一斉射で行動不能にする火力と精度を増す為の照準コンピューターを持った中距離打撃機として構成されていた。このメックは、そのメック戦士がデヴリン・ストーンを追ってスフィア共和国に入る前は惑星“バックミンスター”と惑星“ヴェガ”(ブレイク教徒の狂信者達により手酷く攻撃されたドラコ連合の惑星)での戦闘に従事しているのが見られた。
ロブ・ホーゲ――この“オセロット”を継承する最新のメック戦士――は、その氏族製の大口径ヘビーレーザーの一種独特の性質の為に、これに“ホットヘッド”と愛称を付けている。彼は戦闘に於いて自身の搭載システムに混乱を引き起こすこの武器の影響について不満を言っているのではあるが、それへの彼の熟達振りは殆ど伝説的なものである。
氏名: サリーア・ノヴァキャット (Sariah Nova Cat)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: ピュリファイアーズ
メック: センチュリオン
生年月日: 08/30/3106
髪: 黒
目: 緑
サリーアは虚弱性の問題からきゃしゃな人物であるが、自身のシブコでの訓練時代以来、彼女はこの事実を自身の武器貯蔵庫の中にある武器の1つとして使用してきている――大分部の人々は、彼女の小さなサイズの為に彼女を過小評価しているのである。優秀な戦士ではあるのだが、それは力と野心の糸を織り成す事への彼女の技能となっており、スピリット・キャッツ内で彼女を目立たせている――それ程有名ではなく余り上流ではないブラッドネーム・ハウスであるヴォッカ家の一員に彼女がなって以来、特に。彼女の現在の目標は、ピュリファイアーズの指揮を勝ち取る事に集中しているように見える。これは明らかに、彼女をジャニス・ノヴァキャットと一対一で戦わせる事になるであろう。そして、これは、幾つかの興味深い機会をもたらす事が可能であろう。
しかしながら、水面下では、彼女の本当の欲求は、ヴォッカ家のブラッドネームを再び25の数へと増やし、デレポータス家やディーヴァリス家の栄光と名声に匹敵するものをそれに持たせる事であるように思える。また、ジャニス・ノヴァキャットがデーヴァリースのブラッドネーム・ハウスである事により、ジャニスの伝説的な短気さは間違いなく前に向かって噛み付く事となるであろうし、彼女はサリーアの計画に必ず気付くと思われる。彼女の“センチュリオン”には、“チョーズン(選ばれしもの)”との愛称が付けられている。
メック: センチュリオン
識別番号: 不明
総重量: 50t
シャシー: コリアン・モデルKL77 エンドースチール
動力: ヴィラー300XL
巡航速度: 43.2km/h
最高速度: 64.8km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: スターガードIV FF
武装:
1×ヘビー・アンクスト L-タイプ・レーザー
1×ライト・アンクスト L-タイプ・レーザー
1×ルクソール3R LRM-10
2×ブライト・ブルーム 中口径レーザー
コメント:
複数の任務が可能な融通の利く中量級メックである“センチュリオン”は、何世紀もの間、ワークホースであった。その良好な機動力、長距離兵器の性能、水準以上の装甲と優秀な熱処理能力は、この機体を最も優秀で万能なユニットの1つとした。この機体は、“アトラス”の装甲や“ジュピター”の火力に代表される様な如何なる分野も専門にはしていないが、その万屋的設計はそれにどの状況でも配置に就く事を可能としているのであった。
氏名: シクソ・ノヴァキャット (Sixo Nova Cat)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: シヴァ・ケシーク
メック: ブレード
生年月日: 10/25/3103
髪: 無し
目: 灰
本当の所は、シクソ・ノヴァキャットはバトルメック操縦席の窮屈な空間に座すよりは、バトルスーツの装甲殻の中に入って戦う事を運命づけられたエレメンタルの戦士として訓練をするべきであった。少なくとも、この禿頭の頭皮が儀式的な入れ墨で覆われている、2mの身長の筋肉の塊を見た誰にとっても、それだけは明白である。シクソの外見は正にエレメンタルの血統の結果のものであるが、しかし、(実際は)彼はスフィア共和国を建国する為にデヴリン・ストーンに同行したオリジナルのデルタ・ギャラクシーの戦士の誰かのフリーボーン(人腹生れ)の子孫で、若い頃にメック戦士候補生としてテストされた者なのである。自身の生れの状態にも拘らず、シクソは熱狂的にスピリット・キャッツで優位を占めているノヴァキャット氏族の神秘主義に身を捧げており、この準宗教的な氏族の一派の中で自身の場所を見つける為の努力の一環にて予知視の探究に着手する事さえもしている。ともかく、彼のテンポの速い猛烈な打撃を加えられるメック対メック戦闘の技術は、この“リスター”(注:将来に期待をかけられている人を意味する氏族の言葉)を本当に目立つ存在へとしている。
メック: ブレード
識別番号: FS156-81C
総重量: 35t
シャシー: FITES-B7
動力: 210GM エクストラライト
巡航速度: 64.8km/h
最高速度: 97.2km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: スターガード フェロファイバー
武装:
1×ミドロン・モデルB オートキャノン/10
2×ブライト・ブルーム 射程延長型中口径レーザー
コメント:
偵察機と襲撃機のコンビネーションとして製作された“ブレード”は、そのサイズとしては高速で、良好な装甲、重武装が施されたメックである。この派生型のFS156-81Cは特に激しい打撃を与える可能性を秘めた重オートキャノンと2基の中口径レーザーを誇っているが、代償としてその著しい速度を幾らか引き換えにしている。従って、この機体は襲撃機として優れている一方で、支援のないままにされたのならば戦闘でより大きなダメージを被りがちである。
FS156-81Cは、元は丁度20年以上前に恒星連邦用に製造されたものであるが、3121年の国境紛争の最中にカペラ大連邦国によって捕獲された。(しかし)この機体とその新たなメック戦士はその後すぐにスフィア共和国に逃亡し、ノヴァキャット氏族の子孫達によって激しい影響が及ぼされているスフィア共和国市民軍の一部となった。その時、この機体に割り当てられたシクソ・ノヴァキャットは、HPGネットワーク崩壊後のケヴ・ロスのスピリット・キャッツの旗への召集に応えて、自身と共に“ドーン・チャージャー(突撃開始)”と愛称を付けた自身の“ブレード”をもたらしたのである。
氏名: スーザン・ドラモンド (Susan Drummond)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: オミクロン
メック: リージョネア
生年月日: 04/20/3104
髪: 黒
目: 青
ノヴァキャット氏族のメック戦士として、エリートのステータスを証明する軍事能力、“コーデックス”、“ブラッドネーム”を持つスーザン・ドラモンドと最初に出会った人々は、大抵の場合、彼女の明らかに氏族人らしくない外見に驚く。落ち窪んだ目、常に顰めている顔、青白い色調の肌、小柄な体格は、彼女の身体的な脅威を低く見せている。しかし、多くの戦士達――氏族人と、同じく中心領域人の戦士――が、かような評価をした為に彼女と対した戦闘で倒されているのである。
また、ドラモンドが戦闘で防御戦術を好む事と、自分の部下達を多く救う為に勝利を犠牲にするのも厭わない事等も、彼女を氏族の戦士の典型的ではない実例にしている。オミクロン星団隊の支援星隊の中量級メックの“リージョネア”に配属されている彼女は、その高い機動性を理想的な射撃位置を得る為には使用せず、自分の同僚達を援護できるより良い位置に移動する為に使用するのである。しばしば、より鈍重な戦士、もしくは装甲の薄い戦士への(敵にとっての)障害になる為に走り回っているのが見られるドラモンドは、全力攻撃をするのに適正だと感じる時まで、防御的にのみ射撃をする傾向がある。この行動――取り消し命令に面した中でさえもする行動――は、オミクロン星団隊に属する戦士達から“マザー・ヘン(心配性の女、雌鶏の意)”との真意が不分明な愛称を彼女にもたらしている。
メック: リージョネア
識別番号: FS554-21R
総重量: 50t
シャシー: 2Aタイプ15 エンドースチール
動力: マグナ350XL
巡航速度: 76km/h
最高速度: 119km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: スターガードII
武装:
1×ミドロン・モデルB オートキャノン/10
コメント:
ライラの中量級メックの“ブリッツクリーク”の設計に対するダヴィオン家の回答である“リージョネア”は、高速で良好に装甲が施され、単一の兵器システムを中心に製作された中量級のメックである。本来は精密な照準コンピューターに連動した単一のロータリー・オートキャノンで以って設計された“リージョネア”は、ワード・オブ・ブレイクの“聖戦”の最中に生産が開始された後に、その致死的な命中精度で有名になった。この輸出バージョンは戦後にスフィア共和国への売却用に生産されたもので、複雑ではない種類の砲を選びロータリー・オートキャノンは交換されているが、精度の増大により、元のものと同等の照準能力は保持している。
FS554-21Rは、そのような輸出バージョンの1つで、スフィア共和国が成立した直後に恒星連邦によって売却されたものであり、HPG通信網の崩壊後から間も無く、最終的に、スピリット・キャットの手に収まった。スーザン・ドラモンドの持つ防御戦術への好みを認知するかの如く、現在の操縦者である彼女により、このメックには“シールド・オブ・オミクロン(オミクロンの盾)”との愛称が付けられている。
氏名: コーラ・ノヴァキャット (Cora Nova Cat)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: オミクロン
メック: アグロメックMkII MOD
生年月日: 08/17/3113
髪: ブロンド
目: 青紫
シブコから出たてで、威勢のいい、戦場での戦闘でのみ氏族へ自身の価値を証明する事を熱望するコーラは、表面上はスピリット・キャッツのオミクロン星団隊の地位を支配している実用主義の戦士達の典型的な例に見える。しかし、ノヴァキャット氏族の同胞の大部分とは違い、彼女はピュリファイアー星団隊の様な他のノヴァキャット達が規則正しく取り組む“無駄な”予知視探求の修練への軽蔑を表出しているのである。
本当の所は、彼女の反心霊主義は中途半端な感情にすぎず、彼女自身への注意を引き寄せ、その結果、彼女は必然的に生じる神判の結果を通して同胞達に自分の軍事能力を証明できる、というのを目論んだ計算された手なのかもしれない。既に、コーラは彼女の信念に疑問を抱いた人々から発された幾つかの挑戦を通して自分の流儀についてを争っている――しかし、同時に、故意に戦闘の切っ掛けを作るのは氏族の社会で成功する為の大胆な経路とも見る事が可能であるが、無頓着な方法で以って各戦闘に取り組む彼女の様は彼女の未熟さと近視眼さを明らかにもしているのであった。
コーラの虚勢は彼女の昇進を助けるどころか、近い内に彼女の上位者に彼女の大目的を邪魔せざるを得なくする可能性がある――無意味なプライドを越えて、氏族の数少ない訓練されたメック戦士の内の1人の喪失を阻止する為にも。
メック: アグロメックMkII MOD
識別番号: IMC-02037/8
総重量: 30t
シャシー: IMミディアム・デラックス
動力: GM120
巡航速度: 43.2km/h
最高速度: 64.8km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: スタースラブ/3
武装:
1×オリンピアン フレーマー
1×ディナポリST4 ヘビーデューティ・スラッシャー
コメント:
“アグロメックMkII”への焼夷戦闘用の改修は、オリジナルの型が備えていた強力なグラップラー・ホイストを火炎放射器に交換し、通常の作業用装甲の代わりに軍用品の装甲版を使用する事によってその防御力を増加させている。焦土戦術と他のメックを過熱させる用に意図されたこの設計は、民間型よりも僅かに丈夫で戦闘での価値も大きいものである。
コーラ・ノヴァキャットに割り当てられた、地元で製造されたこの“アグロメックMkII”――自分が抱く予知視探求への信頼欠如から彼女は“インファデル(不信心者)”とそれに愛称を付けた――は、彼女の最初のメックである。中心領域のベテラン・パイロットと同等の戦闘技能を持つ有能なメック戦士ではあるのだが、コーラのメック戦闘の専門的知識への精通さの欠如は、格闘戦闘に突入するのではなく火炎放射器の使用を選り好みする事によって証明されており、戦場を彷徨う際には、ゆっくりと、殆ど一歩一歩足を運ぶペースで以って彼女は火炎放射器を使うのであった。
氏名: ダイアン・ノヴァキャット (Dyan Nova Cat)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: ピュリファイアーズ
車輌: サクソンAPC
生年月日: 07/24/3092
髪: 灰
目: 青
戦場では卓越した戦士であるにも拘らず、ダイアン・ノヴァキャットの生れは氏族の車輌指揮官にとって典型的なものである。優性遺伝学プログラム外での妊娠で誕生した“フリーボーン”である彼は、その生れにも拘らず、戦士の訓練を勝ち取るのに十分な戦闘への適性を見せ付けた。
彼の歩兵戦闘と通常車輌戦闘の才能――特に、マーシャル・アーツとライフル、ホバークラフトの操縦の才能は、最終的にダイアンを伝統的な“戦車乗り”へと導き、そこにて、彼は都市が不安定な際には、しばしば定期的な治安維持派遣の役目にて自身の氏族へ役立った。しかしながら、彼をAPC指揮官としてピュリファイアーズに連れて来させたものは、彼のスピリット・キャッツの神秘的な習慣への熱狂的な信心と、戦闘の興奮の中で自身の“サクソンAPC”を動かす彼の並外れた技量なのであった。ダイアンの戦闘操縦についての証人(証拠)は、彼が重度精神病患者か薬物中毒者、或いはその両方である事を示唆するものである。
しかしながら、この中年の戦士は、それを自身の技量と、いつ回避運動すべきかを彼に伝える彼が言う所の“マイクロ・ビジョン”の双方のお蔭であるとしている。彼の生きた積荷である兵達は結果として安全に戦場に着くにも拘らず、ダイアンの“防御的機動”のスタイルは本来の運搬に対する感謝の念よりも少ないものしか彼等から獲得できないでいるのであった。
車輌: サクソンAPC
識別番号: LAS671-033b
総重量: 35t
駆動方式: ホバー
動力: GM175 核融合
巡航速度: 108km/h
最高速度: 162km/h
装甲: アークシールド・ヘビーII
武装:
1×キッカー2 マシンガン
コメント:
重装甲で瞠目するほど高速な“サクソンAPC”はシュタイナー家の軍用に、“聖戦”の初期の年にスカイアのサイクロプス・インコーポレーテッド社によって最初に製造されたものである。そして、ライセンスをした事は、最終的に、この小さなホバークラフトに中心領域中のほぼ全ての常備軍の列へ入り込む道を見出す事を可能とし、通常型のAPCを凌いだのであった。大重量と近代の戦場の進化した兵器に耐えられるよう作られた“サクソンAPC”は装甲の為に火力を犠牲にしているが、完全装備の歩兵分隊を戦場へ運ぶのに十分な内部カーゴ・スペースを予備スペースと共に保持している。
ダイアン・ノヴァキャットの“サクソンAPC”である識別番号LAS671-033bは、惑星“ヘスペラスII”のデファイアンス・インダストリーズ社によって実際に製造され、“聖戦”の後期にデヴリン・ストーンの軍によって惑星“アスケラ”上で再生された。これの前にこの種の車輌を4輌操縦していたダイアンは、自身の“サクソンAPC”に、その目映い速度を引き合いにして“フェイツ・コメットV(運命の彗星5世)”との愛称を付けている。
分隊: カーラズ・スコーチャーズ (Kara's Scorchers)
指揮官: カーラ・フレッチャー大尉
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: シヴァ・ケシーク
種別: 混成歩兵部隊
部隊数: 4
元は共和国内のヘルズホース氏族の領地の一員であったカーラ・フレッチャーは、HPG通信網崩壊の正に直前、ノヴァキャット氏族とヘルズホース氏族の戦闘の際にボンズマンとして捕えられた時には、既にブラッドネーム持ちのエレメンタルであった。そして、素早く自身の能力を証明して彼女は戦士階級に受け入れられ、着実に地位を高めていった。現在、彼女はシヴァ・ケシークのスターキャプテンである。
カーラは自分の氏族の為の戦闘と先へ進む事を越えては如何なる野心も現していないのであるが、彼女の成功に嫉妬する敵を持っている。彼女の素晴らしい体格(彼女は今までに任務に就いた者の中で最も巨大なエレメンタルの1人である)と戦闘での武勇(ヘルズホース氏族の無類のバトルアーマー訓練のお蔭である)は、カーラズ・スコーチャーズ(カーラ焼焦隊)と名付けられた彼女に従う歩兵達をもたらした。彼等の際立った正面襲撃はメック戦士にさえも不覚を取らせ、彼等に勝利をもたらし、カーラのヴィクトリー・ベルトにも新たな刻み目をもたらすのであった。
歩兵部隊: クラン・バトルアーマー (The Scorchers)
総重量: 1t
シャシー: ミディアム・ヒューマノイド
地上速度: 11km/h
ジャンプジェット: スタンダード・クラン120M ジャンプパック
装甲: スタンダード・クラン
武装:
1×ジェネラルシステムズ・タイプII ヘビー・フレーマー
2×パターンJ2 SRM-2ランチャー
コメント:
その原型機である“エレメンタル・バトルアーマー”程は融通が利かないが、高速で良好な装甲を持つ“クラン・バトルアーマー”は、それでも、現在戦場にある中で最も強力なモデルの1つである。これは、2基の短距離ミサイルと、また、バトルメックを過熱させるのに使用可能な重火炎放射器を搭載している。
氏名: デクラン・デーヴァリース (Declan Devalis)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: オミクロン
メック: マローダーII
生年月日: 11/01/3100
髪: ブロンド
目: 茶
ノヴァキャット氏族のブラッドネームを帯び、戦場での戦術と戦略的思考についての天賦の才を持っているのであるが、デクラン・デーヴァリースの戦闘記録は異常な程に個人的な栄光が欠如している――これは、彼が戦場での交戦の際により防御的な役割の方を熱心に引き受け、自分の同僚のスピリット・キャッツ達に進撃と交戦を任せてしまう事に主に原因がある。しかしながら、氏族の戦士社会に於いて防御的気質と平凡なコーデックスは大抵の場合、軽蔑へと繋がるものであり、デーヴァリースの部下達の多くは彼の命令決定に対して常に疑問を抱いているのであった。そして、この事態を更に悪化させるかの如く、デーヴァリースの物腰と言葉遣いは、氏族戦士の一般、更には非常に達観的であるスピリット・キャッツ達のものさえよりも明確さと厳密さが相当に劣っているのである。何故、この戦士がその属している勢力とこれ程までに不釣合いに見えるのか、何故、スピリット・キャッツが彼がその指揮系統に入るのを受け入れているのかについては、多数の噂が存在している。それらの噂により、デクランは恐らく元々は戦士階級の生まれではなかったのではないか、というものが我々の有力な仮説となっている。しかしながら、もし、それが本当であった場合、彼がその地位を保持するのにどういう手段を使っているのかが不明になるのであった。
メック: マローダーII
識別番号: LA1561-11F
総重量: 100t
シャシー: GMマローダー
動力: GM300 ライト
巡航速度: 32km/h
最高速度: 54km/h
ジャンプジェット: チルトン850 Mk II
装甲: ヴァリアント・ラメラー
武装:
1×ブラックウェル・アームズ“サンダーフィスト” ヘビー・ガウスライフル
2×マグナ・ファイアスター 射程延長型PPC
2×ディヴァース・オプティックス 射程延長型中口径レーザー
コメント:
当初は傭兵部隊ウルフ竜機兵団の為の専用バトルメックとして開発された、このクラシックなマローダーのデザインの強襲型改良機は、3050年代中期には最終的に輸出販売をするのに十分な程に人気のあるものとなり、王家部隊と傭兵部隊の間でその姿が見かけられるようになった。その破滅的な――だがシンプルな――長射程の実体弾兵器とエネルギー兵器の組合せは“マローダーII”に1〜2斉射のみで容易に敵ユニットを無力化/破壊するのを可能とさせており、また、その超重装甲とジャンプ能力はそれがより長く戦場に留まる事も可能にしているのである。
LA1561-11F(先進的な兵器と先進的な装甲による新たなシルエットの両方を備えた改良型)は、元々はライラ同盟用に連邦=共和国内戦勃発の直前に製造されたのであるが、その内戦の最中にダヴィオンの部隊によって捕獲された。“聖戦”の際にはこのメックとそのパイロットの双方はデヴリン・ストーンの連合軍と共に戦う為に赴き、“聖戦”終結の際にストーンの新たな共和国に加わった。その最新のパイロットであるデクラン・デーヴァリースは、この機体に“アイアン・シェパード”と愛称を付けている。
氏名: モニク・デレポータス (Monic Deleportas)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: ピュリファイアーズ
メック: ウォーハンマーIIC
生年月日: 08/23/3097
髪: 茶
目: 緑
この宇宙の如何なる場所であっても、モニク・デレポータスは精神異常者と分類され、その後にそのバトルメックから排除されるであろう。しかし、スピリット・キャッツ勢力の熟練部隊のピュリファイアーズに於いては、彼女の常軌を逸した――殆ど躁病患者の――振舞も普通のものであると見なされるのであった。氏族人の多くが引退をさせられる40歳に近づいているデレポータスは、その肉体に精巧かつ危険なイメージ増幅神経網を埋め込んでいる。彼女が纏っている混沌とした儀式的な紋様の組み合わせの真っ只中にてほぼ見えないものとなっているこのテクノ・タトゥーは、氏族の戦士の有効性を増強すると同時にその精神の健全性を低下させる事で有名である。デレポータスの場合、それは彼女に自分のメックに登場している際は常に神懸りの目覚しい感覚を与えているが、彼女の怒りが激発した際――それを埋め込んで以来この激発の起る頻度は増加しつつある――には常に無制限の破壊を加えさせるものとなっている。
メック: ウォーハンマーIIC
識別番号: SJ6302-29D
総重量: 80t
シャシー: SFX-80 エンドースチール
動力: タイプ10 320 核融合
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: フォージングZM15 フェロファイバー
武装:
2×ジェネラルシステムズ 大口径ヘビーレーザー
2×パターンJ7 SRM-6ランチャー
コメント:
持久力と戦場での絶対的な優越性を実現するべく製造された装甲と火力の巨人であるこの“ウォーハンマーIIC”は、継承権戦争を通じて戦士達に既に恐れられていた設計の氏族による改良機である。この機体は、一般的には複数の短距離ミサイルと軽量のエネルギー兵器群にバックアップされた強力な複数の粒子砲で武装させられているものである――しかしながら、スモークジャガー氏族の末期の日々に最初に配備されたこの4連ヘビーレーザー型を含む、更により致死的で派生型が程無く出現したのであった。
中心領域側に立ってスモークジャガーと戦ったノヴァキャットにより捕獲されたこの“ウォーハンマーIIC”(デレポータスによって“動物王”との愛称が付けられている)は、3060年代初期の第1次ドラコ連合=ゴーストベアー・ドミニオン戦争の際に再び戦闘に参加し、ワード・オブ・ブレイクの“聖戦”の際には惑星“ルシエン”と惑星“ディーロン”を解放する行動にて更に再び戦闘に参加した。そして、そのメック戦士は他のノヴァキャット戦士の多くと同様、その戦争の終結後、ストーンについて彼の共和国へと入っていったのである。
氏名: ザビハ・ノストラ (Zabiha Nostra)
所属勢力: スピリット・キャッツ
所属部隊: ピュリファイアーズ
メック: サンダーボルト
生年月日: 11/29/3089
髪: 白
目: 緑
純白の髪、魅力的だが皺により損なわれている顔の為に非常に年を取っている様に見えるが現在44歳であるザビハ・ノストラは、恐らくスピリット・キャッツ勢力の中でも最高齢のメック戦士と思われる。大部分の氏族人は年を取った戦士を蔑んでいるが、所謂“精霊の知恵”が老兵であるほど――それもブラッドネームを獲得した者には特に備わる、という考えに関連して、スピリット・キャッツに存在するノヴァキャット氏族の文化背景はそれに対して非常に寛容なものがあるように見える。ザビハの早老は、彼女の初期の経歴に於ける放射能被曝のせいである――彼女は(スフィア共和国市民軍の一員として)襲撃者の一団を追跡して“アウトリーチ”の荒廃地域に入った際に被曝したのであった。彼女は、その任務中のコクピット外殻破損による被曝からの回復をしている間に、“アウトリーチの亡霊”が自分を招く不可思議な予知視を得た、と主張している。そして、運命の悪戯の如く、HPGの崩壊から1年そこそこで、彼女は“アウトリーチ”を再回復する最初のスピリット・キャット達の中に含まれる事になったのである。
メック: サンダーボルト
識別番号: FW1591-33D
総重量: 65t
シャシー: アースワークスTDRII エンドースチール
動力: マグナ260
巡航速度: 43.2km/h
最高速度: 64.8km/h
ジャンプジェット: チルトン465 ジャンプジェット
装甲: スターシールドA with/CASE
武装:
1×フューシゴン・モデルXI 射程延長型PPC with/キャパシター
1×デルタ・ダート 長距離ミサイル15-ラック
3×マグナ ER小口径レーザー
1×ディヴァース・オプティックス・サンビーム ER大口径レーザー
コメント:
かつて自由世界同盟軍の主力であり、由緒正しく、強力な装甲が施された重量級機であった、この65tの“サンダーボルト”は、オリジナルの星間連盟の崩壊よりも以前から製造され続けているものである。それらの機体の大多数はレーザーとミサイルの強力な組み合わせを備えており、“聖戦”の際にFWLM(自由世界同盟軍)で使用されていたこの型もその中に含まれている。実際、FW1591-33Dは、狂信者達がその所属部隊を唆した際にワード・オブ・ブレイクの軍内に持ち込まれる事となった多数の自由世界同盟メックの中に含まれていた。ブレイク教徒の技術的魔術の下、このメックは2基の射程延長型レーザー、PPCの出力を増加させる試作型キャパシターの組み込みを含む、徹底的な改修を受けた。そして、この機体は戦争の後半にてデヴリン・ストーンの連合軍によって捕獲され、その元・主人に立ち向かい目覚しい働きをしたのであった。
ザビハ・ノストラは、HPGの崩壊後に現地の市民軍のメックの幾つかがスピリット・キャッツに吸収された際に、このサンダーボルト(彼女が“アウトリーチ”で使用したものと同一の機体)を受け継いでいる。そして、彼女はこれに“スピリッツ・ウィリング(精霊の意志)”と愛称を付けているのである。