O5P Dossier: Republic of the Sphere
氏名: エゼキエル・クロウ (Ezekiel Crow)
所属勢力: スフィア騎士団
所属部隊: パラディン
メック: ブレード
生年月日: 不明
髪: 茶
目: 青
プライオリティ・アルファ・レポート:分析継続中
エゼキエル・クロウとして知られているスフィア共和国の聖騎士は、共和国で最も著名な戦士達に対して進行中の我々の調査に於いて高い優先度を与えられている――実際、我々の上位者達は非常に熱心に彼へ焦点を向けている。これまでに集められた予備資料は、共和国でさえも彼の真実を知らないであろう事を示している。彼のファイルに見られる食い違いは、エゼキエル・クロウの正体がカペラ大連邦国(もしくは、共和国の世界で形成された他の闇の組織)のエージェントである可能性を示唆しているのである。例えば、最近の“地球”での事変に於けるクロウの役割は、彼が口では共和国支持を並べ立てる一方で行動はその様な主張を支持するものではなかった事を示している――だがしかし、彼の記録の全てに渡って、彼がデヴリン・ストーンの人々の壮大な実験に最善を尽くしたいと心底から願っている証拠となるものもあり、それ故に、彼についての調査は遥かな混沌へと滑り落ちていっている。
メック: ブレード
識別番号: RS133-70A
総重量: 35t
シャシー: FITES-B7
動力: 245マグナXL
巡航速度: 76km/h
最高速度: 119km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: スターガード フェロファイバー
武装:
1×ミドロン・モデルRC ロータリー・オートキャノン5
1×ブライト・ブルーム 射程延長型中口径レーザー
1×エクソスター・エリート 射程延長型小口径レーザー
コメント:
偵察機と襲撃機のコンビネーションとして製作された軽量級の“ブレード”は、高速で、良好な装甲を持ち、実弾兵器とレーザー兵器を効果的に合わせて内蔵した機体である。最高速度は毎時100kmを十分に達成する事が可能で、同時にこの様な軽量級としては驚異的な砲火を浴びせられるこのバトルメックは、より遅く重いユニットが探知する前に攻撃をして素早く離脱する事が可能である。
RS133-70Aは3090年代後半に共和国に売却された幾つかの完成輸入品の“ブレード”の内の1つであり、エリートのスフィア騎士団の中で著名となった軽量級メックである。エゼキエル・クロウはこのメックに“ブラック・ライトニング”と名付けており、その速力と火力を最大限に効果的に活用して独特の一撃離脱の戦闘スタイルを見せ付けている。恐らく、共和国で最高のエリート戦士の1人である彼の技量は、その攻撃に精密な精度を与えており、自分よりも重さで劣るものを圧倒できる筈の重量級のバトルメックでさえも迅速に倒す事を彼に可能とさせている。
氏名: オールドウィン・スチュワート (Aldwin Stewart)
所属勢力: スフィア共和国
所属部隊: プリンキペス・ガード
メック: ワスプ
生年月日: 04/19/3111
髪: ブロンド
目: 黒
共和国軍の列に加わる前、オールドウィン・スチュワートは、第8宙域の惑星“カリソン”の惑星知事であるアリソン・スチュワートの甘やかされた手に負えない息子であった。成長するにつれ、彼は自身の貴族の生れという強みを最大限に活用し、老スチュワートが最終的に彼のふざけた行為に疲れきって、自制心を教える事を望んで彼を軍学校へ送り出すまでは、自身の行動のしっぺ返しから守られていた。しかしながら、この試みは中途半端な成功しか収められなかった。オールドウィン・スチュワートは確かにある程度の自制心と謙虚さを学んだが、それは、全てのメック戦士に共通する自惚れた自己過信を持つ事と引き換えにしてのものでもあったのである。今や、自身の能力にこの上のない確信を持った(そして、確かに、最小限の裏工作でベテランのプリンキペス・ガードへの配属とバトルメックを勝ち取るのに十分に良い腕を持っていた)スチュワートは、彼が単なる甘やかされた御曹子であったとの事実よりは、ほんの少ししか嫌われてはいない。この傲慢さが彼の最初の実戦経験を越えてまで持続するかどうかは、まだ試されてはいない。
メック: ワスプ
識別番号: DC5210-37G
総重量: 20t
シャシー: ヘレスポント・タイプW エンドースチール
動力: ヘルメス120XL
巡航速度: 65km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: ヘレスポント・リーパーズ
装甲: デュラレックス・スペシャル・ヘビー
武装:
1×ディヴァース・オプティックス・タイプ20 中口径レーザー
1×シグンガ 中距離ミサイル10-パック
コメント:
今までに製造された最古の偵察メックである“ワスプ”は、元は25世紀後半に地球帝国用に開発されたものである。現在でさえも製造が続けられているこのメックは、その想定されていた偵察機としての役割をより高速でより先進的な機体に凌がれてしまっているが、それでもまだ一般に有名で、都市制圧ユニット、もしくは、軽装の駐屯部隊の支援用に使われている。オールドウィン・スチュワートによって操縦されているこの型は、ドラコ連合によって開発された派生型のラインから来たもので、近距離での優れた火力を実現する為に中距離ミサイル・パックと通常型の中口径レーザーを搭載している。
非常に興味深い事に、この“ワスプ”(良く解からない理由により“ゴールデン・グース”との愛称が付けられている)は“聖戦”の際に破壊されたのであるが、ほぼ40年後に奇跡的にも再びその姿を現したのである。そして、その姿を現した時――ダヴィオン領の惑星である“ガルターIII”に対する失敗した襲撃の際に、この機体は捕獲された。そして、3129年、恒星連邦は、このメックをその他の多数の“サルベージ品”と共にスフィア共和国に売却したのであった。
氏名: メイソン・ダン (Mason Dunne)
所属勢力: スフィア共和国
所属部隊: スフィア騎士団
メック: マッドキャットIII
生年月日: 06/06/3101
髪: 茶
目: 茶
メイソン・ダンは、ヴィクター・シュタイナー=ダヴィオンが所有している恒星連邦の多数の地所の1つで成長した。彼の一族が地所で働いていた事により、彼は全ての種類のインダストリアル・メック――アグロ・メックからフォレストリィ・メックまで――を操縦するに到った。そして16歳の時に、彼は窮地に陥った数人の森林消防隊員を救うべく、森林火災の中心部にフォレストリィ・メックを操縦して突入したのであった。
彼の操縦に関しての専門知識と危機に直面しても明らかに恐怖を感じない様は、ヴィクターの注目を引き、ヴィクターが彼を共和国に連れていく要因となった。そして、そこにて彼は共和国の軍で自身の価値を証明する機会を得、目覚しい速度で以ってスフィア騎士団員に選ばれたのである。その時以来、彼は多数の任務を与えられ、その全てを模範的な形で果たしている。
彼の経歴は結社(O5P)の注意を喚起するものである。しかしながら、彼の任務の幾つかは秘密の要素を含んでおり、騎士団の伝統である一般公開――(我々からすれば)幾つかの点で正に“うぶ”とも言うべき制度――からは懸け離れている。これが何を意味するかは明らかになってはいない。(今後も)ダンには警戒が必要である。
メック: マッドキャットIII
識別番号: WC201-03Q
総重量: 55t
シャシー: DSAM エンドー7
動力: 330XL
巡航速度: 65km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: フォージングZK15 FF
武装:
2×タイプXX LRM-20ランチャー
2×シリーズ5K ER中口径レーザー
2×シリーズ3K ER小口径レーザー
4×シリーズ1K ERマイクロレーザー
コメント:
“マッドキャットIII”が中心領域に直接販売されるようになって以来、前の“マッドキャットII”と同様に、共和国はこれらの巧みな設計のメックを多数購入している。
“マッドキャットII”の成功に続いて、ダイヤモンドシャーク氏族により製作された“マッドキャットIII”は、原型機の重量級メック“マッドキャット”のシンプルな中量級派生型機であり――組立てラインからロールアウトしたメックの中で史上、最も成功した機体である。
この特別の設計の機体は正に最新のものであり、それ故に現状でこの機種の操縦者は唯1人――スフィア共和国騎士であるメイソン・ダン以外には存在していない。彼は、この機体を“ゴースト”と命名している。
(訳注: このO5P調査報告書が書かれたのは、3133年1月26日の事です。よって、この時点では、この型のマッドキャットIIIは彼しか所有しておらず、調査報告書にはその様に書かれています)
氏名: クリストフ・エルベ (Kristoff Erbe)
所属勢力: スフィア騎士団
所属部隊: 遍歴騎士
メック: サンダーボルト
生年月日: 04/17/3101
髪: 灰
目: 青紫
クリストフ・エルベは、ほぼ首席で大学の卒業証書を得た事と共和国の法への深い知識を有している事に基づきスフィア騎士団の賛助の下でメック戦士訓練を受けるのを認められた時に、自分の故郷である惑星“タウン”でそれなりの名士となった。既に30歳を越えているのであるが、彼の訓練時の熱心さは純真な若者の様であった。不幸な事に、暗黒は彼が訓練を始めてすぐに降り懸り、必死になった総統へ全ての訓練生に来る混沌を食い止める為に戦闘配置につくのを命じる事を強いたのであった。エルベは突然に自分が遍歴騎士に昇格させられたのを見出す事となり、自分の故郷へ戻り連続殺人鬼の追跡を助ける活動をする為に即座に急派させられたのである。この恐ろしい体験が彼の最初に割り当てられた仕事であり、それはコルドヴァの“リトル・ルシエン”地区の街路での銃撃戦で最高潮に達した。そして、(この事件は)彼に衝撃と多大な自己疑念を残し、若い熱心な騎士を一面で老けさせたのであった。
メック: サンダーボルト
識別番号: FW6435-88W
総重量: 65t
シャシー: アースワークスTDRII エンドー7
動力: マグナ260
巡航速度: 43.2km/h
最高速度: 64.8km/h
ジャンプジェット: チルトン465 ジャンプジェット
装甲: スターシールドA with/CASE
武装:
1×インペレーター・オートマチックウェポンリー ライト・ガウスライフル
1×デルタ・ダート LRM 15-ラック
3×マーテル 中口径レーザー
コメント:
“サンダーボルト”はオリジナルの星間連盟にまで遡れるクラシックな設計で、途方も無い火力、良好な装甲、耐久力を兼備したものである。今日でも未だに、全ての近代の軍で事実上見られ――その大部分は劇的に改められた外観を有しているのではあるが――、多くの派生型が中心領域の全域に存在している。この機体は、自由世界同盟軍の為に作られたものでオリジナルの設計に近くなり、古い大口径レーザーを強力で熱効率の良い打撃を放つライト・ガウスライフルに交換しただけである。
クリストフ・エルベに割り当てられたこの“サンダーボルト”は、最近、所謂“リトル・ルシエン”の殺人鬼に殺された最後の犠牲者に敬意を表して“カオリ”との愛称を受けている。惑星“タウン”での事件以来、エルベの旧来は保守的で慎重であった戦闘での戦術は、明らかにより向う見ずで攻撃的なものになっている。真に命懸けの獰猛さに見える何かに駆り立てられ、勝利を為し遂げる為に彼はしばしばそのメックを全くの限界にまで――そして時折それを越えてまで――押し進めるのである。
氏名: “聖騎士”ジョーナ・レヴィン (Paladin Jonah Levin)
所属勢力: スフィア共和国
所属部隊: スフィア騎士団
メック: アトラス
生年月日: 07/10/3082
髪: 茶
目: 茶
ジョーナ・レヴィンは、惑星“ヘスペラスII”――惑星上に在るデファイアンス・インダストリーのメック製造工場へ部品を供給している、彼の叔父所有の工場が存在した地――で成長した。彼は叔父の膝元でメックについての業務/経営学を学んだ。そして、この事は彼を軍士官学校への入学へと誘ったのである。彼の人生は不運と幸運に付き纏われるものであった……。しかし、彼が不運に襲われる時、それは大抵の場合に於いて悲惨極まりないものであったが、彼はどういうわけか事態を解決するか、もしくは事態から利益を得るかをしているのである。その様な事態は3110年の“クラーギン”の戦闘に於いても起きた――そこにて、彼の部隊は彼の周りに1人さえも残さずに潰滅した。しかしそれでも、彼自身はどうにか生き残る事に成功したのであった。
彼の勇気、そしてより重要なもの――彼の“クラーギン”で死亡した人々の家族を助けたいとの強い願いは、デヴリン・ストーンの注目を引き、そして共和国の騎士になるという機会をもたらした。それ以後、彼は長年に渡って疲れる事を知らずに無心に働き続け、デヴリン・ストーンに彼を円卓の一員として迎え入れ、18人の聖騎士の内の1人、もしくは総統議会の一員となり、彼の献身的な働きが以後も続く事を欲させたのである。
メック: アトラス
識別番号: DC558-00T
総重量: 100t
シャシー: ファウンデーション・タイプ10X
動力: ヴィラー400XL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: デュラレックス・スペシャルヘビー with/CASE
武装:
2×ヴィクトリー・ニッケル合金 射程延長型大口径レーザー
1×ドラゴンズ・ファイアー ガウスライフル
2×ガイデッド・テクノロジー第2世代 ストリークSRM6
コメント:
今日の戦場を闊歩する数世紀もの戦歴を持つ多くの“アトラス”達――ソードスォーンのデレック・ハズバニーが搭乗している“アバタール”のような機体――とは違い、この“アトラス”は1年未満の機体年齢しか有してはいない。この機体は未だに完全な無傷の状態を維持している……だが、それにも拘わらず、これの背後には機体自身が作り上げた伝説的な戦歴があり、他の戦士が畏敬の念を持って接するに足るものを備えているのである。
“アトラス”は、星間連盟防衛軍のアレクサンドル・ケレンスキー将軍自身の手により、恐ろしげな様相に設計されたその頭部で以って、対戦相手に最初の武器を射撃する前から強い恐怖を与えられ得る究極のメックとして製造が命じられたものである。極最近になり組立てラインから出てきたばかりのこの“アトラス”は、スフィア騎士団の為に共和国によって購入されたものである。現在、この機体はジョーナ・レヴィンによって操縦されており、彼は全く不可思議な事にこの機体を“ソリテュード(孤独)”と名付けている。
氏名: アヴリエル・スターリング (Avriel Sterling)
所属勢力: スフィア共和国
所属部隊: ハスタティ・センチネルズ
メック: グリフィン
生年月日: 11/19/3108
髪: ブロンド
目: 青
若く、美しく、武術への天賦の才を授けられたアヴリエル・スターリングは、真にエリート部隊のハスタティ・センチネルズに相応しい人物である――もっとも、彼女に嫉妬心を抱く多数のライバル達は彼女の配置に不平を言っているのではあるが。しかしながら、スターリング自身は“彼女が地位を得る為に女性的魅力を使用した”との彼等の当てこすりを無視している。そして、その代わりに、禁欲的なプロフェッショナリズムで以って任務に精励しており、友人と敵を同様に少し離れた距離に引き留めつづけているのであった。高いストレスの状況下に在るにも拘らず、彼女の自制心は非凡で、砲火の下でも伝説的な平静さを維持し、前線の戦士と言うよりはむしろ派遣されたメディア・レポーターの客観的超然さで以って自身の状況を報告する。この独特の性質について訊ねられた時、彼女はただ肩をすくめ、自分が不可避的な死を受容している事を仄めかす。これらの意外とも言える不健全な感傷のみが、アヴリエル・スターリングが自分の精神の動きに他者を立ち入らせる事を許した唯一の自己洞察である。
メック: グリフィン
識別番号: LC8290-01D
総重量: 55t
シャシー: アースワークスGRF エンドースチール
動力: デファイアンス275 ライト
巡航速度: 54km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: ロウリングス55
装甲: スターシールドA with/CASE
武装:
1×サイクロプスXII 射程延長型大口径レーザー
2×ラムテック1500Z 射程延長型中口径レーザー
1×コベントリー・スターファイア LRM15-パック
コメント:
オリジナルの星間連盟の日々以来、この由緒ある“グリフィン”は到る所に存在しており、中心領域の全ての野戦指揮官達は、その機動力・装甲・火力の組合せを評価していた。それらの特徴は、この機体を継承権戦争の辛苦の中でさえも生き続けさせ、偵察から強襲までの考えられる全ての任務の中で役目を果させた。“グリフィン”の人気は数え切れない程の異なる型を生み出し、その中にはハスタティ・センチネルズのアヴリエル・スターリングによって操縦される改修が施された識別番号LC8290-01Dも含まれている。この型の射程延長型レーザーは同様に強力なミサイルパックの火力と見合ったものであるが、機体の限定的な放熱器の能力に重い負担を掛けている。
アヴリエル・スターリングは自分の“グリフィン”に、その武装の配列と、一斉射撃毎に自分のコクピットを満たす恐ろしい熱の2つの理由から、“スピットファイア(火吹き)”との愛称を付けている。彼女は攻撃的な戦術を好んでおり、しばしば、撒き散らす濃密なレーザー砲火の保護の下に敵の位置への突撃をする。
氏名: イレーナ・ボリョン (Irena Borjon)
所属勢力: スフィア共和国
所属部隊: トリアリイ・プロテクターズ
メック: ローカスト
生年月日: 11/12/3106
髪: 赤
目: ヘイゼル
イレーナ・ボリョンは、スフィア共和国では数少ないレイザルハーグ人の人口の多い世界の1つである惑星“デューベ”の出身である。歴史書は自由レイザルハーグ共和国(自由ラサルハグ共和国)の役割を軽く扱っているが、この短命の抹殺された国家は確かにブレイクの狂信者達を駆除する為の連立行動に加わり、“聖戦”の際には頻繁にコムスター軍と共に戦っていたのであった。その後、デヴリン・ストーンに従ってスフィア共和国の建国に入ったこれらの勇敢な戦士達の中には、第2自由人民軍のラーズ・ボリョン大尉――彼の偵察中隊は惑星“ニューアース”の解放を助けた――もいた。彼の甥の娘であるイレーナ・ボリョンは、自分の名高い伯父の事を非常に誇りに思っている。彼の足跡を追った彼女は、トリアリイ・プロテクターズで最高の偵察メック・パイロットの1人となった。しかし、彼女の指揮官達からの多くの賞賛にも拘らず、ボリョンは極めて謙虚で、伯父がしたであろうのと同じく共和国に仕えているだけである、と彼女はただ述べている。
メック: ローカスト
識別番号: FW7171-03J
総重量: 20t
シャシー: コリアン-II・デラックス エンドースチール
動力: ヘルメス240XL
巡航速度: 129.6km/h
最高速度: 194.4km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: カロンFWLスペシャル フェロファイバー
武装:
1×マグナMkVI 射程延長型中口径レーザー
4×マグナMkIV 射程延長型小口径レーザー
コメント:
クラシックな“ローカスト”の設計は星間連盟の時代以来多くの場所に在り、その速力と、前衛ユニットとしての頻繁な配備や“集団”戦術で以って良く知られているものである。継承権戦争を生き延びた最も高速で最も安価な設計の1つであるこのメックは、31世紀中期の技術の再生によって、一層危険な存在へとなった。イレーナ・ボリョンによって操縦されているこの型は強力な近距離レーザーの砲列を備えており、時速200km近い走行をする事が可能である。この速力と火力の調和は、この型の系列を正に恐るべきものにした――特により重いメックを打ち倒す為に集団で運用した時には。
自分の“ローカスト”に“アンチェインド・フューリー(解放されし怒り)”と名付けた――(これは彼女の伯父の古き部隊を漠然とだが思い起こさせるものである)――ボリョンは、戦闘の際には自分がメックから搾り出せる全てのミリメートル単位の速力を用い、敵の列に混乱と強い恐怖を振り撒き、同時にどのような敵の砲火をも回避する。
氏名: ジャクリーン・ペジコ (Jaquelin Pejiko)
所属勢力: スフィア共和国
所属部隊: トリアリイ・プロテクターズ
車輌: MHIクレーン重輸送機
生年月日: 07/08/3097
髪: ブロンド
目: ヘイゼル
表面的には、物静かで反社交的なジャクリーン・ペジコをその公式記録が言う以上の何かであると考える理由は殆ど存在してない――この女性はスフィア共和国の荒れた若者を救済するプログラムの一環として荒廃した惑星“アウトリーチ”から連れ出され、惑星“リャオ”の芸術学校に入学した。実際、彼女の純白の犯罪記録はこの困難な過去を補強している。しかしながら、彼女の初期のメック戦士訓練に於ける説明のつかない程の高い成績と、彼女の芸術学校での最後の年の直前にそれを断固として辞退した事が、我々の分析員の注意を喚起した。この突然の落後はスフィア共和国メック戦士としての有望な経歴を頓挫させるものであり、ペジコのその困難な過去にも拘らず、明白なそれの動因となるものはないのであった。更にも増して不可解なのは、彼女の同僚達が彼女を失敗者かつ犯罪者と見なす一方で、何故か、彼女がその結果としての単なる一支援パイロットとしての自分の役割に満足している様に見える事である。
車輌: MHIクレーン重輸送機
識別番号: RS1003-450A
総重量: 30t
駆動方式: VTOL
動力: 100ヘルメス
巡航速度: 86km/h
最高速度: 130km/h
装甲: スタースラブ/3
武装:
4×スカッターガン ライト・マシンガン
コメント:
マイケルソン・ヘビーインダストリーズ社は、VTOL市場へ送り出すその最新のものを僅か5年前に登場させた――彼等は歩兵/物資輸送用に特化した“クレーン”重輸送機を登場させたのである。軽武装かつ軽装甲であるが、素晴しい速度と機動性、貨物スペースを持っているこの“クレーン”は、困難な地形にて大量の補給物資や歩兵を素早く移動させるのに理想的な存在である。
ジャクリーン・ペジコの“クレーン”は、3110年代に兵站ネットワークを向上するという計画の一環としてスフィア共和国の為に製造された。彼女の操縦に関する技能は非凡であるが、この当初はメック戦士として訓練を受けていた女性……ジャクリーン・ペジコは、その指揮官に自分の“クレーン”に明るい色の赤十字を記す事を強要されて以来、驚くほど慎重に戦闘へ飛んでいく様になっている。彼女は貨物や兵員を降ろす為に、如何なる戦闘からも安全な距離を保持し続ける事を好んでおり、しばしば、医療支援を提供する為に“危険な”着陸地点へ入るのには促しをする必要がある。
氏名: タミー・ミラー (Tammi Miller)
所属勢力: スフィア共和国
所属部隊: トリアリイ・プロテクターズ
メック: ヴァルチャー
生年月日: 06/26/3108
髪: 茶
目: 灰
多様性に満ちたプロフィールを持つタミー・ミラーは、歴史的にはカペラ大連邦国の世界であった惑星“シェンシ”に居住する少数派のライラ人のブルーカラーの一族で生まれ育った。中国語、ドイツ語、英語を流暢に操るミラーは教養があるだけでなく率直にものを言う人物で、見落されがちな中流階級にとっての希望の道標である。しかしながら、彼女や彼女に似た者達が表面上は共和国の軍が巨大で幸福な人種・文化のるつぼであるというイメージを促進する一方で、RAF(スフィア共和国軍)での彼女の経歴は彼女がトリアリイ・プロテクターズに配属された事によって停滞しているとの事実は残っているのである。彼女はこの事実を、自身の“愛国的でない”カペラの文化に対する賞賛と自身の社会的身分と貴族の後援の欠如の所為にしている。
メック: ヴァルチャー
識別番号: WC3161-02G
総重量: 60t
シャシー: バーガン・バージョン8.3 エンドースチール
動力: 300ヴィラーXL
巡航速度: 55km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: コンパウンド24B2 フェロファイバー
武装:
2×シリーズ6b ER大口径レーザー
2×ジェネラルシステムズ ERマイクロレーザー
4×タイプXV“グレートボウ” LRM-15ランチャー
コメント:
中心領域で目撃された最初の氏族のバトルメック達の内の1つであるこの“ヴァルチャー”は、その中心領域名をその物理的なプロフィールだけでなく火力支援機としての明白な役割の為に得た。その敵に対してミサイルの波を降らす為にしばしば戦場から遠く離れた所に位置するようにしているこのメックは、戦闘に突入する前にその犠牲者の死を待ち構えている巨大な死肉鳥に似ているのである。“ヴァルチャー”は氏族の中――特にゴーストベアーとスモークジャガーの軍の中――では良く見かけられた存在で、今日でさえも存在し続けている。
WC3161-02G(“ブルーゴースト”)は、“聖戦”の際に惑星“スカイア”を解放する任を負った連合軍内で使用されたウルフ氏族の“ヴァルチャー”である。その戦士はこの戦いで戦死したが、その痛めつけられた機体はデヴリン・ストーンの直率部隊に伝わり、そこから“聖戦”後に彼の共和国へもたらされたのであった。
氏名: デボラ・マクダーモット (DeBorah McDermott)
所属勢力: スフィア共和国
所属部隊: トリアリイ・プロテクターズ
車輌: マーズ強襲戦車
生年月日: 01/25/3104
髪: 赤
目: 青
ブレイク教徒の“聖戦”以来、多くの人から軍務は余り高い考慮を払われなかったにも拘らず、デボラ・マクダーモットは21歳の盛りに兵籍に入る事を選んだ――恒星間通信が崩壊し、それに続いて混沌が生じる7年前の事であった。共和国の市民として生まれ育ち、自身を歴史――特に31世紀の歴史――の研究者であると宣言しているマクダーモットは、スフィア共和国という壮大な実験を本当に信じている。過去4世紀間の絶え間の無い戦争を心に留めている彼女の熱烈な信念は、“スフィア共和国は、星間連盟崩壊以来、中心領域が飲み込まれている絶え間の無い戦争のサイクルを克服する為の今までで最も完璧な試みである”というものなのである。この信念――事実上、ほぼ信仰になっている――は、彼女の周囲に落ちてきている暗黒の混沌に直面しているも拘らず、彼女を愛国的な理想主義者といった類のものへと変えている。
車輌: マーズ強襲戦車
識別番号: GB2619-711F
総重量: 100t
駆動方式: 装軌式
動力: 核融合200
巡航速度: 22km/h
最高速度: 32km/h
装甲: コンパウンド・ゼータ フェロファイバー
武装:
1×シリーズ7N 射程延長型大口径レーザー
1×CRG ガウスライフル
2×シリーズIX マシンガン
1×タイプKOV LB-10Xオートキャノン
3×タイプXV“クロスボウ”LRM15ラック with/アルテミスFCS
2×パターンJ6c ストリーク-6 SRMランチャー
コメント:
文句なく、今までに製造された氏族製の地上車輌の中で最も重い、この100tの“マーズ強襲戦車”は、一斉射で軽量級バトルメックを行動不能にするか破壊してしまうほど非常に強力な兵器の量を搭載している。その巨大な重量の結果として比較的鈍重ではあるが、そのフェロファイバー装甲の分厚い覆いは、この図体の大きな車輌に敵を打ち負かす時間を与える為に、十分に敵の砲火を逸らしているのであった。
このGB2619-711Fと呼ばれていた“マーズ強襲戦車”は、元はゴーストベアー氏族の車輌で、“聖戦”の際にワード・オブ・ブレイクとの戦闘を助ける為に送られた氏族の部隊の中に含まれていた――しかし、その乗員は惑星“ニューアース”を巡る戦闘の際に焼夷弾攻撃によって殺されたのであった。マクダーモットは時折、この車輌を動かしている時に半狂乱の幽霊のような声を聞く事ができると主張している。彼女の技術者達が車輌を調査し、全てが完璧に順調に機能している事を証明したにも拘らず、彼女は自身の戦車が(幽霊に)憑かれていると信じ続けている。そして、その結果、彼女はこの戦車を“ローリング・ダッチマン(さまよえるオランダ人)”と呼び始めているのであった。
氏名: ハーシャ・ミスコヴィッツ (Harsha Miskovitz)
所属勢力: スフィア共和国
所属部隊: ハスタティ・センチネルズ
メック: ブレード
生年月日: 12/29/3100
髪: 黒
目: 茶
スフィア共和国に熱狂的に忠誠を誓い、ハスタティ・センチネルズの同朋――全ての者がスフィア共和国の根幹である正義の理念を強固に抱き厳密に信奉している――の中に並ぶ者は実質的に存在しない程の技能を持つハーシャ・ミスコヴィッツは、聖騎士の理想的な候補者に思える。しかし、この情熱的で力強いメック戦士は(騎士にならずに)、愛する祖国の正規軍に仕えている。ミスコヴィッツの抱く熱狂は、純朴さからもたらされたものではない。彼女の一族は“聖戦”の暗黒の日々を、“シリウス”の冷酷な再教育施設で過ごした――そして、彼女は自分の両親がブレイク教徒の宗教裁判官の手により死ぬのを見た母親が語る恐怖の物語と共に成長したのである。今、共和国全土に渡って広がりつつある暗黒は、彼女が決して本当に見はしなかった恐怖の物語の光景を思い出させるものであった。そして、彼女が支持する国は混沌に向かって滑り落ち続けている――故に、彼女は自分が死に到るまで国を守る事を誓ったのであった。
メック: ブレード
識別番号: RS130-64A
総重量: 35t
シャシー: FITES-B7
動力: 245マグナXL
巡航速度: 76km/h
最高速度: 119km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: スターガード フェロファイバー
武装:
1×ミドロン・モデルRC ロータリー・オートキャノン5
1×ブライト・ブルーム 射程延長型中口径レーザー
1×エクソスター・エリート 射程延長型小口径レーザー
コメント:
偵察・襲撃用に製作された35tの“ブレード”は、実弾兵器とレーザー兵器の強力な組合せが内蔵されている、素早く、適度な装甲を持つ機体である。“パックハンター”任務(集団襲撃任務)に理想的に適している――特に“ローカスト”や“ダッシャー”の様なスピード狂のメックと協調した場合にはより強力な――メックである“ブレード”は破滅的な一撃離脱戦術を巧みに用いる事により、自身よりも巨大な存在を脅かし餌食にする事が可能である。
RS130-64Aは、3091年〜3096年の間に恒星連邦によってスフィア共和国に売却された幾つかの“ブレード”の内の1つである。これらの“ブレード”は、素早くスフィア騎士団やハスタティ・センチネルズの様なエリート部隊特有の軽量級メックとなった。ハーシャ・ミスコヴィッツは現在この“ブレード”を操縦しており、“デュンケル・イェーガー(ダーク・ハンター)”との愛称を付けている。この機体の速力を最も効果的に使う為に、彼女は他の方角から再度の襲撃をするべく急速離脱をする前に強力なバック・ショットを与える事を好んでいる。
氏名: リロイ・ローズ (Leroy Rhoads)
所属勢力: スフィア共和国
所属部隊: トリアリイ・プロテクターズ
メック: サイクロプス
生年月日: 08/03/3088
髪: 黒
目: 緑
スフィア共和国という不死鳥の文字通りの心臓である“地球”にて誕生したリロイ・ローズは、今日の地球人の多くと同様に、ワード・オブ・ブレイクを中傷するプロパガンダ、そして他の中心領域勢力を中傷する様々な程度のプロパガンダに浸かっている。この様なレトリックは、コスモポリタンかつ島国的性質の“地球”の人々には受けが良かったのである――数百万人を殺害した核攻撃後には、特に。これはローズのRAF(スフィア共和国軍)への入隊を動機付け、そこにて新たな世界秩序の守護者として、彼は共和国の新兵勧誘員の男性モデルとなった。しかしながら、その“名声”にも拘らず、彼は全く、指揮上での存在感、騎士になるという強い意志を明らかにする事はなかった。彼のスフィア共和国の理想についての献身は実質的には内省的なものであり、余りにも盲目的な信念と正義感を築き上げており、その結果として彼は大抵の場合に於いてスフィア共和国が得た如何なる否定的な評判も無視してしまうのであった。
メック: サイクロプス
識別番号: LA5002-81F
総重量: 90t
シャシー: ストームヴァンガーHV-14・アドヴァンスド
動力: 360ヘルメス・スペシャル・ライト
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: スターシールド・スペシャル
武装:
1×デファイアンス・サンダー ウルトラAC/20オートキャノン
1×デルタ・ダート LR-10ミサイルラック
1×パーティキル・ヘビーキャノン PPC
2×ディヴァース・オプティックス ER中口径レーザー
コメント:
その通信機器、武装の組合せ、重量に比して良好な陸上能力の為に、指揮官達に好まれた由緒ある強襲型バトルメック・デザインである90tの“サイクロプス”は連隊指揮ユニットの主力品であるが、戦場にて見掛けられるのは稀である。この“サイクロプス”はその歴史に於いて幾つかの派生型が開発されており、その中にはこのLA5002-81Fも含まれている。この工場改修型は連邦=共和国内戦の最中にライラ同盟(ライラ共和国)によって最初に戦場に配備されたものであり、そのライト・エンジンの搭載により通常型で見られるものよりも多い武装と装甲の装備を技術者達に可能とさせたものである。
その戦争の最中、スカイア軍に捕獲されたこのメックは“より信頼できる”ライラの連隊に移譲される予定であったが、その前に“聖戦”は勃発してしまった。そして、疲弊したスカイア防衛軍の一部であったこれはブレイク教徒の“聖戦”終結前にデヴリン・ストーンと彼の連合軍により所有権を主張され、最終的にスフィア共和国のエリート正規連隊に辿り着く事となったのであった。