O5P Dossier: House Liao
氏名: “テ・ヴェーデ”ヴェーダーマン ('TheVede' Vederman)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 大連邦国後備機兵団
メック: マッドキャットII
生年月日: 07/07/3099
髪: 茶
目: 茶
サーナ士官学校に行っている間、グレゴリー・アレクサンダー・ヴェーダーマンは第6大連邦国後備機兵団(ハステイング・ウォリアーズ)のアーケード・レンジャーズの歴史書に出会った。離脱していたセントアイヴズ協定を征服してリャオ家の一部へと戻した3060年〜3063年の戦争の最中に創設されたアーケード・レンジャーズは、事前の軍事訓練を全く受けていない――シミュレーターの時間を相当量こなしていたのみの――学生達の1個中隊であった。戦争の期間中は、全てのもの、如何なるものも、軍務に就く事を強要された。戦闘の間、アーケード・レンジャーズは点数の記録を続け、彼等のみが理解可能な大部分が殆ど理解できない複雑な数式を使用した。そして、彼等は生き残るのみならず、他より抜きん出る事も為し遂げたのであった。
この人生で気苦労のない様に見える方法は即座にグレゴリーの中の琴線に触れ、彼に彼等の真似をする事を促し、感動的なまでのシミュレーター時間を達成させた。実際、彼は自分の新たに回収された“マッドキャットII”に小型のビデオ・シミュレーター・システムを応急で装備させており、彼は自分の余暇を“テ・ヴェーデ(見る事)”で消費している。不幸な事に、この応急装備は照準システムのショートを引き起こし、時折“マッドキャットII”の照準コンピューターを機能停止させている――彼と彼の助整備員のどちらもこれまでの所は問題を突き止めるのに成功していない。彼の国家所有財産への勝手な改造と彼の「俺達の内の誰か1人が死ぬとしても、それは俺ではない」との態度は、今やマスキロフカが“質問”をする為に彼を拘留しようとするまでに至っているが、彼の戦場での武勇はマスキロフカを寄せ付けないのに十分なものである……少なくとも今は。
(訳注: “TheVede”はイタリア語です)
メック: マッドキャットII
識別番号: SF203-00Z
総重量: 90t
シャシー: DCSAM エンドー4
動力: タイプ49 360 核融合
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: インプルーブド・ブラスターズ・モデルX2
武装:
1×ミルダグラス“エンペラー・ボーンズ” ガウスライフル
1×シリーズ4D-2 大口径ヘビーレーザー
1×シリーズ6A 中口径ヘビーレーザー
コメント:
“マッドキャットII”は60年以上も生産が為され、氏族と中心領域の様々な王家の双方と同様にスフィア共和国にも販売されている、素晴らしい強襲型メックである。この“マッドキャットII”のバリエーションはシーフォックス氏族のお気に入りである――これは、より良い生存性の為にXL融合エンジンを交換しているが、火力を幾らか犠牲にしているものである。
このメックは最近に、カペラ大連邦国領域内の惑星“インガソル”上のシーフォックス氏族の物資集配センターでの紛争の最中にリャオ家の軍によって捕獲された。そして、最終的にはそれが誤解である、とリャオ家のマスキロフカの長官とシーフォックス氏族スピーナ・カーンネイト(デルタ・アイマグ指揮官)のオヴカーンのペトル・カラサとの双方によって裁定されたが、カペラ大連邦国は戦場で捕獲した資産を引き渡すのを拒否したのであった。その氏族製のガウスライフルが破壊されて以来、カペラ製のガウスライフルがその場所に応急的に取り付けられている。
氏名: ホア・フィリィ (Hoa Phiri)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 武家戦士団
メック: ティアン・ゾン
生年月日: 07/20/3100
髪: 黒
目: 青
誰に聞いても、ホア・フィリィは、カペラ大連邦国の武家であるダイ・ダ・チ家の自身の同僚のメンバー達の中央にて畏怖の念を起こさせる存在である。ヨーロッパ系とアジア系の家系の交わりを伝える繊細な特徴を持つほっそりとした体つきではあるのだが、彼女のパール・ブルーの眼を覗き込むと稀に猛烈な事になる。この不自然に見つめる行為は、彼女を取り巻く危険なオーラを増す事のみに繋がるのである。最も無慈悲なカペラ大連邦国の政治将校の1人として、特に彼女の名声と忠誠により、ホア・フィリィがダイ・ダ・チ家に配属されるのは当然の事であろう。カペラの法の全ての面に精通し、しばしばマスキロフカによって指示を与えられているフィリィは、ダイ・ダ・チ家内の全てのものを――地位に拘らず――カペラ大連邦国首相の意志に完全に忠実な状態にしておくのを確実にする事を重視している。彼女は地位に拘らずリャオ家の目的に異議を申し立てる如何なる者も抹殺する事に躊躇はしない――フィリィに異議を唱えたものは誰であっても、しばしば単に行方不明になるのである。
メック: ティアン・ゾン
識別番号: CC081-09B
総重量: 75t
シャシー: ヘレスポント・タイプTZ
動力: ロウリングス300XL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: ヘレスポント・ライトII ステルス
武装:
2×セレス・アームズ 射程延長型大口径レーザー
2×ミドロン・スラッガー ライト・ガウスライフル
コメント:
重装甲を持ち、激しい打撃を加えられる“ティアン・ゾン”は、3090年にリャオ家のカペラ大連邦国によって最初に配備されたポスト・ジハード・メックのデザインである。ステルス能力、良好な機動力、長射程の火力で以って設計されたこの機体は、反撃をほぼ恐れずに強力なダメージを与える事が可能で、多くのカペラ大連邦国のエリート部隊でお気に入りの存在となった。
CC081-09Bは、通常型の重いガウスライフルを2基の軽量型に交換して残りの重量をより強力なレーザーの為に使用した、派生型の生産行程から来たものである。これらの変更はこの“ティアン・ゾン”の派生型に通常のモデルよりも長い射程を与えているが、今やこの機体は戦闘でより多く過熱するようになってしまっているのであった。この“ティアン・ゾン”の現在のパイロットであるホア・フィリィは自身の機体に“ゴールデン・フィスト”と愛称を付け、彼女の権威が“皇帝”ダオシェン・リャオ自身から直接来ている事を仄めかしている(ゴールドは、中国の皇帝達とその歴史の先に存在するカペラ大連邦国首相の独占色である) 戦闘に於いて、フィリィは政治将校に相応しく、公然とした打撃戦よりもステルス攻撃と長距離攻撃をする方を好んでいる。
氏名: トリン・メン (Tolin Men)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 武家戦士団
メック: シェン・イー
生年月日: 10/13/3101
髪: 赤
目: 黒
トリン・メンは、カペラ大連邦国の熱狂的に忠実な武家戦士団の一員としては、やや個人主義的で、危険なまでに反抗的な傾向を持った人物であると自身を見なしている。最も熱烈にリャオ家への忠誠を誓っている武家戦士団の1つであるカマタ家の指導する厳格な訓の中で育ったにも拘らず、メンは数回程“問題のある”所見により譴責されているのである。現在の首相であるダオシェン・リャオの政策――特に最近のカペラ大連邦国のスフィア共和国への政策について――を彼が声に出して非難した時の多数の記録事例で以って、1箱分のファイルを満たす事が可能である。メック戦士としてのメンの一流の技能――それと、彼がカマタ家の古老の師父(導師)の秘蔵っ子である事実――のみが、より重大で、恐らく致命的なものとなる可能性を持った懲戒が実施されるのを容赦している。彼の武家の伝説的な良き業(幸運)がどの程度の期間、この激しいメック戦士を守れるかは、時間が経たない事には全く何とも言えないものであろう。
メック: シェン・イー
識別番号: CC0133-22A
総重量: 65t
シャシー: アースワークスSYI
動力: ヘルメス260 エクストラ・ライト
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: ヘレスポント・ライト ステルス
武装:
1×ファーミル・マキシレーズ 大口径レーザー
2×ファーファイア LRM20-ラック
コメント:
“シェン・イー”は“聖戦”が終了して間も無くカペラ大連邦国によって、その主防御機構にステルスを際立たせ、重火力支援ユニットとして開発された新たな設計のメックである。65t級の機体としては良好な機動力と2連の重ミサイル・ランチャーを有し、センサーを妨害する分厚い装甲に覆われたこのメックは、CCAF内の古いミサイル支援機材の幾つかと次第に置き換えられていった。過激なまでに忠実なカペラの武家戦士団は、これらの新たな機体の大部分を最初に受領する部隊に含まれていた。そして、今日も機体は、これらのエリート戦闘団の傑出した要素として残っているのである。
トリン・メンはカマタ家の同朋の戦士との“紳士的な決闘”の後に彼の政見を越えて、識別番号CC0133-22A(現在は“アイアン・タイガー(鉄虎)”との愛称が付けられている)を操縦する権利を勝ち取った。メンは短時間の血腥い戦闘の中でも彼の信望の為に、ライバルのシュー・ムレンを不具にもせず、殺しもしなかった。しかし、この事件は彼の上位者達の彼に対する見解に更なる黒星を加えたのであった。
氏名: アンジェイ・チュペック (Andrzej Czupek)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 武家戦士団
メック: ユー・ホワン
生年月日: 03/06/3092
髪: 赤
目: 茶
8歳でカマタ家の階層内に導き入れられたアンジェイ・チュペックは、この80年以上の間に於いて武家へ入門した恐らく最も若き志願者であろう。彼の選抜は、彼の持つ目覚ましい自制心――恐らくCCAFの現役の士官でロリックス教義の敬虔な研究者である彼の両親から吸収したものであろう特性――によって促進されたものである。カマタ家の一員となる際に、チュペックは自分の両親が幼少時に失敗した場所にて効果的に成功を収めた。しかし、そうする事によって、事実上、彼は家族との全ての接触を失ったのである。恐らくこの別離の結果として、その後の年月でチュペックは――彼自身が良い生徒で戦士候補生である事を証明し続ける一方で――次第に彼の厳格な訓の幾つかを失い始めた様に見えたのであろう。そして、彼の時折生じる短時間だが猛烈な癇癪は全く精神病として診断されていないのであるが、チュペックの将来を純粋に危惧する者達がカマタ家内には存在しているのであった。
メック: ユー・ホワン
識別番号: CC337-15A
総重量: 90t
シャシー: チャリオット・タイプII エンドースチール
動力: 360ヘルメスXL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: ローダン-90s
装甲: スターシェル・スタンダード
武装:
1×ミドロン・オブリタレーター ウルトラAC/20
1×ファーミル・マキシレーズ 大口径レーザー
1×ゼウス 長距離ミサイル10-ラック
3×マーテル 中口径レーザー
コメント:
リャオ家の強力な“ユー・ホワン”強襲型メックはワード・オブ・ブレイクの助けにより復活/活性化された幾つかのバトルメック製造企業の中の1つから生まれ、シン・シェン(“新生”)国家復興計画の一環として最初に出現したものである。明瞭なカペラ風の趣で以って設計されたこの“ユー・ホワン”はそれらの新型メックの中で最も重い機体であり、そして、適切な重兵器の砲列が重装甲で高い機動性を持ったそのフレーム内に積み込まれている。
CC337-15A(“イレイザー”との愛称が付けられている)は、カペラ大連邦国の武家のカマタ家のアンジェイ・チュペックによって操縦されている“ユー・ホワン”である。多数の戦闘が見られた“聖戦”の最中に作られたこの(オリジナルから)僅かに変更された派生型は、中距離にて敵を行動不能にする打撃力を備えるべく破滅的なウルトラ・オートキャノンと異種の通常型レーザーを搭載している。敵のメックに対しての戦闘の際に、チュペックは自身の武器を使う為にしばしば接近をしなければならず、至近距離での致命的な強打の為にその巨大なオートキャノンを取っておき、主として自機のレーザーを頼みにしている。
氏名: エヴァン・カースト (Evan Kurst)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 武家戦士団
メック: ティ・ツァン
生年月日: 01/22/3110
髪: 茶
目: 茶
カペラ人の末裔として惑星“リャオ”で生まれたエヴァン・カーストは、悪名高い“リャオの大虐殺”の際の十字砲火で両親が殺害された時に1歳で孤児となった。そして、幼少期に里子として育てられた事は共和国への疑念を生み、共和国をカペラ系の市民の“情け深い圧制者”にすぎないと考えるようにしたのである。内部から“同胞”を救う事を探求したカーストは、推薦を欠いた事により拒まれた軍事訓練へのアクセス手段を最終的に得る為に政治的積極行動主義者へとなった。ブリック・アカデミーでの彼の候補生の経歴とその後のリャオ戦技学校を通して強い疑いが掛けられたが、彼は自身を有能なメック戦士であると証明し、カペラ大連邦国派のレジスタンス指導者であるマイ・ワーの注意を引いた――そして、彼はカーストを自分の翼下へと置いたのである。事件の背後で協力行動をして、ワーとカーストはカペラ大連邦国の為に惑星“リャオ”を取り戻す手助けをし、そして、ワーの破壊された武家を復活させたのであった。
メック: ティ・ツァン
識別番号: CC403-14B
総重量: 60t
シャシー: SLスペシャル
動力: 360ヘルメスXL
巡航速度: 65km/h, 76km/h with/TSM
最高速度: 97km/h, 119km/h with/TSM
ジャンプジェット: シェヴロンI
装甲: デュラレックス・ヘビー
武装:
5×ディヴァース・オプティックス 射程延長型中口径レーザー
4×ディヴァース・オプティックス 射程延長型小口径レーザー
コメント:
“ティ・ツァン”は3060年頃に初登場した、カペラ大連邦国では初の自国産の重量級格闘バトルメックである。その強力な3重強化筋肉によって振り回される4トンの戦斧と中〜近距離レーザーの砲列により、このメックは白兵戦の熟達者となっている。また、その装甲と速度は、激しい射撃戦の中でも耐えられる極めて恐るべき力を機体にもたらしてもいる。
CC403-14Bは、“リャオの大虐殺”に続いての期間、共和国に対して行われたカペラ大連邦国の多くの襲撃の1つの際に、共和国の部隊によって捕獲された。そして、カペラ大連邦国が惑星“リャオ”に侵攻してきた時、共和国のトライアリー・プロテクターズによって持ち込まれたユニット群の中にこの機体は含まれていた。この機体のメック戦士はカーストの陣営に離反し、そして、その若きメック戦士候補生(カースト)は共和国の支配下から惑星“リャオ”を“解放”する為の最終決戦の際にそれを自分のものにする事を為し遂げたのであった。再興したイジョーリ家の一員となった事により、エヴァン・カーストはこのカペラ製のメックを自分のものとして保有するのを許された。
氏名: C・シラー (C. Schiller)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 大連邦国後備機兵団
メック: グリフィン
生年月日: 06/13/3100
髪: ブロンド
目: 緑
C・シラー――彼女の与えられた名前はコンセティーナであるが、今はその名を使うのを拒否している――は、カペラ大連邦国の社会的に好ましくない人物を更生させる為の非常に熱心な試みの実例である。シラーは子供の時、精神的・肉体的に虐待され、何度か家から逃げ出している。しばしば、ストリート・ギャングや三合会の一員としてストリートに暮らした彼女は、最終的に当局が彼女に兵役を選ぶか監獄での生涯を選ぶかを提示するまでは、何度も逮捕されていた。当然、前者の選択肢を選んだ、シラーの初期の市民軍務用の訓練は、(彼女の)メック戦闘技能への適正を発見した。進んだバトルメック訓練を保証されたシラーは、この思いもかけない感激である新たな機会に熱心に取り組み、賞賛と共にこれを修了し、大連邦国後備機兵連隊への配属をも受け取った。それ以来、彼女は模範的なカペラの市民となったように見え、「国家への奉仕は、他の点では破滅した魂も真に救える」との理論に信憑性を添えるものとなっている。
メック: グリフィン
識別番号: CC7650-95L
総重量: 55t
シャシー: アースワークスGRL エンドースチール
動力: ヘルメス275 エクストラ・ライト
巡航速度: 54km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: ロウリングス55
装甲: スターシールドA with/CASE
武装:
1×トローネルXIII 大口径パルスレーザー
2×インテック 中口径パルスレーザー
1×デルタ・ダート LRM15-パック with/アルテミスFCS
コメント:
信頼性があり確かである“グリフィン”は、星間連盟期に初登場した。機動力・装甲・火力が見事に調和されたこの機体は、あらゆる役割・系統の任務に参加しつつ、継承権戦争の苛酷さから生き延びてきた。この“グリフィン”の人気は無数の派生型を生み、その中にはC・シラーによって操縦されているCC7650-95Lも含まれている。この型は、命中精度の高い近距離エネルギー兵器と、同様に精密な長距離ミサイル・ラックを組合わせたものである。
シラーの“グリフィン”、(ストリート時代の彼女の親友にちなんで)“ドリア”との愛称を付けられた機体は、“聖戦”後のある時点にリャオ家用に製造され、カペラ大連邦国の栄光の為に幾つかの小さな襲撃に参加していたものである。シラー自身は、これのパイロットとして7つの撃墜――2機のバトルメックを含む――を挙げており、その中の1つはスフィア共和国の“ファイアスターター”である。シラーの戦闘スタイルは、その土地の地形を巧く抜けて最良の隠れ場所に辿り着く為にジャンプジェットを好んで使用し、その後に、エネルギー攻撃とミサイル攻撃を交互に放ちつつ最も近くの敵と戦闘をするというものである。
氏名: クララ・パークス (Clara Parks)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: マッカロン装甲機兵団
メック: ティアン・ゾン
生年月日: 01/10/3104
髪: 赤
目: 緑
クララ・パークスは自身の一族の血統を、マッカロン装甲機兵団がカペラ大連邦国の正規軍ではなくリャオ家に仕える単なる傭兵部隊であった日々にまで辿る事が可能である。実際、彼女の祖母は、エレイン“ブレイズ”パークス:サンシャオ(大佐)――3062年のセントアイヴズ奪還後のマッカロン装甲機兵団第1連隊の指揮官なのである。当然の事ながら、パークスはこの様な高い階級にまだ就いてはおらず、僅か5年程度のマッカロン装甲機兵団の現役メンバーである。しかし、この期間で彼女は既にベテランのメック戦士の非凡な技量を見せてサンウェイ(小隊指揮官=大尉)の階級に昇っただけでなく、彼女の先祖の“咽元に飛び掛る”戦術と同じものも見せ付けている。
パークスの戦術は、敵の指揮ユニットの抹殺をして混乱を撒き散らし、その後に、彼女がその状況を活用するのを可能とする事に中心を置いている。しかしながら、この特徴は、戦闘の経験よりも若さによる性急さから制動されたものなのである。
メック: ティアン・ゾン
識別番号: CC056-29B
総重量: 75t
シャシー: ヘレスポント・タイプTZ
動力: ロウリングス300XL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: ヘレスポント・ライトII ステルス
武装:
2×セレス・アームズ 射程延長型中口径レーザー
2×ミドロン・コンカッサー ガウスライフル
コメント:
“ティアン・ゾン”は、その他の古いメックのラインが閉鎖される間に於いてさえも、3090年にカペラの製造ラインから最初に出現したポスト・ジハード・メック(“聖戦”以後のメック)設計機である。ステルス機構で以って設計されたこのメックは、反撃砲火の恐れを比較的小さくしつつ敵に接近して大きなダメージを与えるに十分な機動力があり、エリートの武家やデス・コマンドの様な悪名高い部隊のお気に入りの機体となっている。複数のレーザーによってバックアップされたその2基のガウスライフルは、このメックの放熱器に重荷を負わせる事さえも無く強力な打撃力・遠距離火力を提供するものであり、“ティアン・ゾン”に長時間戦場に留まる事を保証している。
クララ・パークスによって(恐らく彼女の祖母を称えて)“ブレイズ”との愛称が付けられたCC056-36Aは、今までに生産された“ティアン・ゾン”の最初の量産品の1つから来たものである。パークスは敵戦線後方に潜入する為にそのステルス機構を使い、そこにて彼女が見つけ出したどのような指揮部隊も襲う事を好んでいる。
氏名: ダナイ・リャオ=セントレラ (Danai Liao-Centrella)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: マッカロン装甲機兵団
メック: センチュリオン
生年月日: 06/06/3108
髪: 黒
目: 緑
スン=ツー・リャオの三女で、カペラ大連邦国首相自身の妹でもあるダナイ・リャオ=セントレラは、我々の結社にとっても謎の人物である――彼女の誕生記録には不整合が少なからず存在し、彼女の真の年齢にも疑いを投げかけているのである。元々は彼女の母親の祖国であるリャオ家の統一政体領域の伝統の中で育ったのであるが、未知の理由により彼女は3120年代後期に公的生活から姿を消し、惑星“ソラリスVII”の闘技場、正にそのカイ・アラード=リャオのセノーターフ訓練場の所属の下でのみ現れた。闘技場での彼女の能力は決して伝説的なカイ・アラード=リャオ――かつて彼女の父の支配に逆らった人物――の持っていた能力のレベルには達しなかったが、(ダオシェン・リャオが「国家へ利益をもたらした事により」彼女を呼び戻すまでの間の)彼女の“ソラリス”での存在は、リャオ家の致死的で陰から人を刺すやり口を熟知している人々の全てを唖然とさせたのであった。多くの、このカイとダナイの間にある親しい結び付きの確認は、カペラのリーダーシップの前途に危険な事件が起きる事を仄めかしている。しかし、ダナイの国家への忠誠心は、疑問の余地が無いように思える(ダオシェンが武家戦士団内に(彼女の)ポストを用意した際に、マッカロン装甲機兵団のポストの方を受け入れた彼女の理由は、興味深く、密に監視する必要があるものである)
メック: センチュリオン
識別番号: FS1010-031X
総重量: 50t
シャシー: コリアン・モデルK77 エンドースチール(改修型)
動力: ヴィラー300XL
巡航速度: 64.8km/h, 75.6km/h with/TSM
最高速度: 97.2km/h, 113.4km/h with/TSM
ジャンプジェット: 無し
装甲: スターガードIII with/CASE
武装:
1×シリーズ4D-2 大口径ヘビーレーザー
1×タイプXX“ロングボウ” 長距離ミサイル20ランチャー with/アルテミス
コメント:
何世紀もの間、“センチュリオン”は、中心領域の全域でポピュラーな中量級バトルメックであった。この用途の広いメックには多くの派生型があり、その多様なメックは今日でも存在している。しかし、惑星“ソラリス”でダナイ・リャオ=セントレラが最初に操縦した機体のような悪名の高さを獲得できたものは、数少ない。それと言うのも、識別番号FS1010-031Xを帯び、ただその番号と“イェン・ロー・ワン(閻羅王)”とのみ刻まれているこの機体は、かつてダナイの高名な伯父であるカイ・アラード=リャオによって操縦されていたものに他ならないのである。
どのようにして、リャオ=セントレラが世間から消え去っているその時期にこのバトルメックと出合ったか――同様にどのようにしてメックに搭載されている実験的な氏族の技術と出合えたか――は、不明である。リャオ家のエリートの地位に在る者達でさえも、彼女がそれを所有している事について討論をしている程である。激しい改修――“ソラリス”の闘技場の外で見る事は稀である盾とハチェットの組合せ――が為されているが、このメックの起源は、スン=ツー・リャオの子供である事から以前に考えられた可能性よりも、ダナイとカイの間の関係がより深いものであった事を仄めかすものである。幾人かは、これはカペラ大連邦国の前途にある興味深い時代への前兆に違いないとさえも提唱している。
氏名: ユン・チャイ (Jung Chae)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 武家戦士団
メック: ヘルスター
生年月日: 04/30/3107
髪: 黒
目: 黒
穏やかで、静観的で、控えめな、ユン・チャイは、カペラの全武家を律する品行の訓である“ロリックス教義”に熱狂的に帰依している。彼はまた、ダイ・ダ・チ家では珍しい極めて宗教的な男でもある。この信仰と軍の義務への強力な観念の組合せは、チャイへ非凡な調和を作り出した――彼は全ての生命を神聖なものであると見なしているのであるが、そうする必要や命令があった時には、極めて巧みにそれを滅ぼすのである。戦場の外では、彼は、真の戦士とは話し合いと駆け引きに失敗した時にのみ戦う者であると信じて、暴力が大嫌いだと公言している。しかしながら、戦闘の中では、彼は7つもの武術の型に熟達した極めて致死的な男で、スラッグ・ピストルからレーザーライフルの全ての射撃の名手で、絶対の死をもたらすメック戦士なのである。
メック: ヘルスター
識別番号: WX056-54B
総重量: 95t
シャシー: モデルMA-58 エンドースチール
動力: 核融合 380XL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: ロイヤル-7・スタンダード
武装:
4× リッパー・シリーズA1 射程延長型PPC
コメント:
“ヘルスター”強襲型バトルメックは、ワード・オブ・ブレイクの“聖戦”が勢いを無くしていく最中にヘルズホース氏族と惑星“アークロイヤル”に座す追放ウルフ氏族との間で共同開発された機体である。無尽蔵の火力の大量の兵器を振るい、分厚い装甲の層で防護されつつも尚、良好な機動力を維持しているこの95tのメックは、長期戦闘を念頭に置いて作られており、氏族の迅速かつ獰猛な戦闘様式からは逸脱した存在である。
この“ヘルスター”(識別番号WX056-54B)のパイロットであるユン・チャイは、機体に愛称は与えていない。記録は、このメックが惑星“アークロイヤル”の守護派ウルフ氏族の領土で“聖戦”の終結直後に作られ、技術交換でスフィア共和国に譲渡される前に、主に防御ユニットとしてその氏族にほぼ5年間用いられた事を示している。その後、カペラ大連邦国とスフィア共和国の間で頻繁に起る国境紛争の1つの際に、武家のダイ・ダ・チ家はこの機体を捕獲したのであった。
氏名: リー・チャン (Rhi Chan)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: マッカロン装甲機兵団
メック: タージ
生年月日: 11/19/3103
髪: 黒
目: 黒
リー・チャンはマッカロン装甲機兵団内の最高のメック戦士の1人である――少なくとも、彼の空想的な栄光と勝利の物語を聞いてくれるであろう、彼の話せる人々を彼が維持しつづけられるのならばだが。チャンのリャオ家とマッカロン装甲機兵団への忠誠は疑いの無いもので、それにより彼の虚勢とバトルメックの操縦能力は見事なものとなっている。しかしながら、彼の話を30秒以上聞いた誰もが、彼が自惚れの強い法螺吹きに他ならないと思う事にほぼ疑いは無いであろう。惑星“シーアン”のヘレスポント・インダストリー社の富裕な役員の息子であるチャンは、贅沢な生活を送って成長した。彼はしたがって、その全くの尊大さを明白に顕にして過ごし、文字通り“一般民衆”を見下すように育っているのである……だがしかし、彼には役目が与えられているのであった。――CCAFでの勤務が彼に自制心と謙虚さを教える事を、チャンの富裕な両親が望んだのはあり得る事である。しかしながら、これまでの所、それらの努力は失敗している様に見える。
メック: タージ
識別番号: RS0103-04A
総重量: 40t
シャシー: ノース・ミディアムSE5-3c
動力: 320ピットバン エクストラ・ライト
巡航速度: 86.4km/h
最高速度: 130km/h (173km/h with/MASC)
ジャンプジェット: 無し
装甲: ヴァリアント・ラメラー
武装:
3×ディヴァース・オプティックス 射程延長型中口径レーザー
1×シグンガ 長距離ミサイル10-ラック
コメント:
“タージ”は、スフィア共和国の防衛軍に主に用いる為に製造された最初のバトルメックの1つであり、3080年代の初期に惑星“ノースウィンド”の組立てラインから生産されたものである。生き残りの全部隊でデヴリン・ストーンの共和国に加入したノースウィンド・ハイランダーズによって開発された“タージ”は、高速で良好な装甲と全ての距離で有効なレーザーとミサイルの物量を持った中量級の機体である。
RS0103-04Aは、民生品の優先により組立てラインが閉鎖される前に、惑星“ノースウィンド”のコサラ・ウェポンリー社から生産された僅か数百機の“タージ”の1つである。このメックは、最初のカペラ大連邦国の侵略――“リャオの大虐殺”と呼ばれるものが行われた際には、惑星“リャオ”のスフィア共和国の市民軍部隊内にあった。カペラの部隊はこの機体を戦争の初期に捕獲し、その他の共和国の回収物と共に退却した。この機体の現在の所有者であるリー・チャンは、その過去を認めて機体に“リボーン・キラー(生き返った殺し屋)”との愛称を付けている。
氏名: サンドラ・スン (Sandra Sung)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: マッカロン装甲機兵団
メック: マローダーII
生年月日: 08/15/3107
髪: 赤
目: 茶
カペラの武家にとって高名な戦士の家系を保ち続けるのは全ての伝統に反するものである――しかし、かような伝統は非武家系のカペラの部隊には当てはまらないものである。従って、サンドラ・スンは、リャオ家に忠誠を誓ったベテランの元・傭兵部隊であるマッカロン装甲機兵団のメンバーになったのであった。サンドラ・スンは、アリス・スン――武家のヒリツ家に仕えた叙勲されし戦士でワード・オブ・ブレイクの“聖戦”の時代に武家を率いた人物――の誇り高き子孫である。自身がかような英雄的精神の伝統を持っている事を知っているサンドラは、祖父が過去に行ったのと同じく、格式ある武家への自らの入門許可を強制的に発させる事を試みた。しかし、彼女を即座に追い返す代りに(武家の)家長は「その様な心とその様な子孫である者は、首相の闘士としての自身の運命を常に探究するべきである」と言及して、マッカロン装甲機兵団での地位を勧めたのであった。
メック: マローダーII
識別番号: CC2032-80G
総重量: 100t
シャシー: GMマローダー
動力: GM300 ライト
巡航速度: 32km/h
最高速度: 54km/h
ジャンプジェット: チルトン850 Mk II
装甲: ヴァリアント・ラメラー
武装:
2×ミルダグラス“エンペラー・ボーンズ” ガウスライフル
1×マグナ・ファイアスター 射程延長型PPC
コメント:
クラシックな重量級バトルメックの改良・重量増加型である“マローダーII”は、最初は悪名高い傭兵部隊ウルフ竜機兵団用の独占的なデザインとして開発されたものであるが、最終的には3050年代中期に輸出販売がされた事により非常にポピュラーなものへとなった。その圧倒的かつ調和のとれた長射程で強力な打撃力を持つ実体弾兵器とエネルギー兵器により、それらの機体は1斉射か2斉射で以って容易に敵ユニットを破壊するか行動不能にする事が可能であり、その一方で、それらの極度に分厚い装甲とジャンプ能力はそれらに恐ろしい天空からの強打を可能としているのである。
CC2032-80G――その現在のパイロットであるサンドラ・スンにとっての“アイアン・ラザラス”――はワード・オブ・ブレイクの“聖戦”が始まる直前にリャオ家のカペラ大連邦国用に製造されたもので、その激しい戦争を通じてカペラとブレイク教徒の軍の間の多数の戦闘の中に配置された。驚くべき事に、打ち倒されて半ばスクラップにまで幾度かなったにも拘らず(非常に多くの修理が為された結果、カペラのステルス・アーマーを搭載した現在の姿が与えられた)、この“マローダーII”は“聖戦”が終結してマッカロン装甲機兵団のリストに移された時に、最初の状態に修復されたのであった。
氏名: ヴィンセント・オールトマン (Vincent Altman)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 武家戦士団
メック: シェン・イー
生年月日: 06/09/3107
髪: 茶
目: 緑
若く、向う見ずで、傲慢との印象を与えるのであるが、ヴィンセント・オールトマンはカペラ大連邦国の武家のダイ・ダ・チ家にとって熟練のメック戦士である。自身の同僚の戦士達の幾人か程は騒々しくないが、オールトマンは戦場の内外の双方で、言行共に興奮しやすく直情的でもある。彼はしばしば真の脅威が具体化する前でさえも攻撃に移り、ほぼ反射的な自発さで以って討論や戦闘に突入をする。この傾向は適切な量よりも多くの叱責を彼にもたらしたが、同時に渋々であるが“事態の制御をした”事による幾つかの賞賛を彼に勝ち取らせもしている。イニシアチブを誇示しているのか、単に性急であるだけなのか、そのどちらであるかにせよ、オールトマンは自分の突然に激発する行動をしばしば、霊感や確かな第六感に帰するものであるとしている。彼が本当に千里眼の類の天与の才を持っているかについては多くの者が疑問を持っているのではあるが、この熱意溢れる戦士に大きな不運が全く降り懸っていないとの事実は、彼が少なくとも非常に幸運である事を示してはいる。
メック: シェン・イー
識別番号: CC0327-04A
総重量: 65t
シャシー: アースワークスSYI
動力: ヘルメス260 エクストラ・ライト
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: ヘレスポント・ライト ステルス
武装:
1×トローネルXIII 大口径パルスレーザー
2×ホリー 中距離ミサイル20-ラック
コメント:
“シェン・イー”は“聖戦”から僅か数年後に最初に出現した、重火力支援用に作られ、しかもステルス能力で強化が為されたものである。65tの重量で、標準的な機動力を持ち、致死的なミサイルとレーザーを混載し、センサーを偏向させる装甲とECMを持つこのメックは、カペラ大連邦国のエリート部隊によって使われる第一位の火力支援ユニットとなった。
CC0327-04Aは工場のラインから作り出された最新の“シェン・イー”の1つで、より柔軟性のある中距離パッケージの為にオリジナルの長距離兵器を交換して異なる兵装を搭載しているものである。その現在のパイロットであるヴィンセント・オールトマンはこのメックに“ヴィジョニーア”との愛称を付けており、彼は敵の側面をすり抜けて後衛部隊を叩く為にそのステルス・システムを使う事を好んでいる。
氏名: アンダーソン・グラスパー (Anderson Glasper)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: マッカロン装甲機兵団
車輌: グローリー火力支援戦車
生年月日: 12/07/3110
髪: 茶
目: 青
リャオ家の古参部隊であるマッカロン装甲機兵団連隊の多くの者は、彼等が傭兵であった時代にまでその伝統を遡る事が可能であるが、アンダーソン・グラスパーについては同じ事が言えない。実際、彼は正に4年前までは、カペラ大連邦国の市民権でさえも要求ができなかったのである。グラスパーの恒星連邦からの亡命の原因は、即座に明らかなものとはならなかった――しかし、その後、間を置く事無くカペラ大連邦国に到着した彼は、ある社会的地位にある市民のユリア・ホワンと結婚をし、公式にCCAF(カペラ大連邦国軍)へ加入したのであった。彼の若さと、我々の諜報員が“マスキロフカ”か地元の三合会との関係があると考えている女性との結婚は、何らかの政治的な誘惑の形態が疑われるものである。しかしながら、グラスパーのダヴィオン家内での政治・社会・軍事機構での地位の欠如は、カペラ大連邦国の如何なる明らかな目的に対しても彼の有効性を低くするものであろう。一方、彼のリャオ家への忠誠は非の打ち所が無いのは明白で、忠誠の対象を変えたのが本当である事を示している。
車輌: グローリー火力支援戦車
識別番号: FS0678-20A
総重量: 85t
駆動方式: 装軌式
動力: スタンダード255 核融合
巡航速度: 32km/h
最高速度: 54km/h
装甲: デュラレックス・ヘビー フェロファイバー
武装:
1×ミドロン・トーネード ロータリー・オートキャノン/5
2×コベントリー・スターファイア LRM-15ラック
2×ディヴァース・オプティックス ER中口径レーザー
コメント:
“グローリー火力支援戦車”が生産ラインで最初に作り出されたのは3067年の事である――これは、熾烈な内戦によって引き起こされた3年もの生産の遅れを先ず暗示するものである。ロータリー・オートキャノン機構を搭載し、2基の長距離ミサイル発射筒が取り付けられたこの戦車は、鈍重な地上走行速度を純然たる火力と耐久性で以って補っている。“聖戦”の際には、多数の“グローリー戦車”が生産され、ダヴィオン領域やデヴリン・ストーンとの連携地域にて活動が見られた。そして、そこにて、彼等は自分達の価値を十分以上に証明したのである。
この戦車の現在の指揮官であるアンダーソン・グラスパーによって識別番号FS0678-20Aには、“ウェイワード・サン(我侭な太陽=強情な恒星連邦)”との愛称が付けられている――これは、彼の自分と車輌の出自に対する皮肉に満ちた誓いを示すものである。しかしながら、この現行の戦車は、その車長の様に亡命をしたのではなく、惑星“スピカ”上でのダヴィオン家の軍との国境紛争の際にカペラ大連邦国軍によって捕獲されたものなのであった。彼は直接戦闘へ突入するよりも、自分の“グローリーファイア支援戦車”の間接射撃兵器を使う事を好んでいる。
氏名: アニシート・トゥヴィーダ (Aniceto Tuvida)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 大連邦国後備機兵団
メック: スティンガー
生年月日: 05/01/3112
髪: ブロンド
目: 青
アニシート・トゥヴィーダは、真にカペラのイメージ・キャラクター――リャオ家の理想と方針に完全に順応した――である。自身の国家の市民としての彼女はカペラの子供達が常に願い、熱望する事が可能な全てであるが、人としての彼女は心が非常に鈍くなっているのである。如何なるイニシアティヴや個性のセンスも欠いている事からすると、トゥヴィーダがメック戦士としての訓練を完了するのを為し遂げた事は全くの驚きであり、彼女が今の地位を決して越えはしない事はほぼ保証されている。しかしながら、この事にも拘らず、彼女は自身の内的衝動の欠如が自身の停滞の原因になっているであろう事を気付いていないかの如く、自身の平凡な出世街道に完全に満足している様に見える。幸運な事に、彼女が彼等の最も信頼できる戦士の1人であるが故に、彼女の上官達は彼女のこの資質を評価している様である。
メック: スティンガー
識別番号: TC4699-131K
総重量: 20t
シャシー: アースワークスSTG
動力: VOX120
巡航速度: 65km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: ロウリングス52
装甲: デュラレックス・ライト フェロファイバー
武装:
1×ディヴァース・オプティックス 射程延長型中口径レーザー
2×デス・ブロッサム 15パック・ロケットランチャー
コメント:
オリジナルの星間連盟が崩壊した時、“スティンガー”のデザインは1世紀に近い年数を経たものとなっており、ワード・オブ・ブレイクが“聖戦”を開始した時代にはそれらは25万機以上が製造されていた。これらの機体――依然としてそのオリジナルの構成のままでいる――の多くは、長年に渡って偵察機としては失墜しており、鎮定や通常支援の様な他の任務用に多数の改修を施す事が促されてきている。辺境で最も工業が発展した国家の1つであるタウラス連合国が、今日アニシート・トゥヴィーダによって操縦されているこのモデルを製造している。
トゥヴィーダの“スティンガー”、“ヒドゥン・ショック”と愛称が付けられたもの――恐らく(タウラス連合国の)失敗に終ったダヴィオン家に対する襲撃の際に捕獲されと思われるもの――は、恒星連邦との“ヴィクトリア戦争”の最中にカペラ軍によって捕獲されたものである。重ロケットランチャーと中口径レーザーで武装したこの機体は驚異的な打撃を放てるものであり、トゥヴィーダは自分の首相の敵に対してそれを向ける事ができて非常に満足している。
氏名: ドミトリー・ヴォスカヴィッチ (Dmitry Voskavich)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: マッカロン装甲機兵団
メック: ウォーハンマーIIC
生年月日: 03/10/3099
髪: 無し
目: 黒
ドミトリー・ヴォスカヴィッチは、スフィア共和国への燃える憎しみを心に深く抱いている。しかしながら、際立って、この憎しみは彼の一族の先祖代々の故郷の惑星“チコノフ”(彼等がある名声の土地所有者の称号を与えられた地)をスフィア共和国が占有しているとの事実にはそれ程由来したものでなく、最近の出来事からより多く由来したものである。3年前、スフィア共和国が是認した報復攻撃に対して惑星“コーレイ”を防衛している間に、彼の中隊は共和国の傭兵部隊によって待ち伏せされ、壊滅させられた。負傷し、彼自身の機体も武装解除されて事実上無力化されたヴォスカヴィッチは、攻撃者達が彼の戦友達の機体の幾つかをサルベージの為に引きずって離れていくのを見守る他はなかったのであった。敗北によって面目を失い、共和国がカペラ大連邦国に幾つかの怨みを返すのに自軍の代わりに傭兵部隊を使ったと思われた事に憤激した彼は復讐を誓った。ヴォスカヴィッチは、スフィア共和国の軍隊に対した際は、如何なる慈悲も認めず、如何なる慈悲の期待もせず、殆ど狂戦士の猛威で以って攻撃を行う。
メック: ウォーハンマーIIC
識別番号: SF1789-48B
総重量: 80t
シャシー: SFX-80 エンドースチール
動力: タイプ10 320 核融合
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: フォージングZK11 スタンダード
武装:
2×シリーズ4D-2 大口径ヘビーレーザー
2×MPA14 MOD.12a ストリーク短距離ミサイル6-パック
1×シリーズ7JA Mk3 射程延長型中口径レーザー
コメント:
この“ウォーハンマーIIC”は古来のものに新たな生命を吹き込んだものであるが、非常に敬意を払われているバトルメック・デザインである。星間連盟絶頂期に存在したものよりも先進的な技術と高度な製造基準を使用して氏族によって徹底的に改修されたこの新たな“ウォーハンマー”は、重厚な装甲、途方も無い火力と長期化した戦闘の際にも優秀な戦場での持久力を誇っている。氏族の侵攻期にこの恐るべき強襲型メックが最初に初登場した時、中心領域の“ウォーハンマー”の改良型はこの新たな発展型の氏族バージョンの機体と競争するのに逼迫した。
識別番号SF1789-48Bは“聖戦”の最中にシーフォックス氏族によって売却用に製造された“ウォーハンマーIIC”の強力な改修型で、PPCと軽量フェロファイバー装甲板をヘビーレーザーと通常型装甲に換装したものである。マッカロン装甲機兵団は、その(シーフォックス氏族の)巡業護送船団がカペラ大連邦国宙域に稀な訪問を行った際の1つにこの機体を獲得したようである。その現在の指揮官であるドミトリー・ヴォスカヴィッチは、これに“レイジング・ブル(荒れ狂う牡牛)”と愛称を付けている。
氏名: フェリックス・ヤルタ (Felix Jarta)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 武家戦士団
メック: ゴースト
生年月日: 04/11/3093
髪: 茶
目: ヘイゼル
最初にフェリックス・ヤルタに会った時、殆どの者は、彼の恰幅のよい姿・乱れた髪・怠惰の徴であるだらしのない顎鬚・貧弱な自制心に騙される事になる。しかし、彼の外見は、武家のヒリツ家で最も天賦の才に恵まれた者達の中の1人である事を隠すものなのである。
鋭利な知性と剃刀の鋭さの反射神経に恵まれた彼は、卓越した戦場での武勇と戦術的洞察能力を証明している。彼はまた、科学と哲学の完成された研究者で、任務外の時には技術要員を手伝っているか、彼の個人的な研究に夢中になっているかしている姿をしばしば見る事ができる。この鋭利な知性と卓越したバトルメック戦闘技術の組合せはヤルタに素早い地位の上昇を可能とし、現在、彼はカペラ大連邦国の名の下にヒリツ家の完全な1個中隊の部隊を指揮している。この武家の首脳陣の多くは日常的に、この“ルネサンス的教養人”の研究生からの助言を求めている。更に特筆すべき事に、彼は野心よりも謙遜を示しているのである――これは大部分のカペラ大連邦国の士官の中に於いては、異常な組合せである。
メック: ゴースト
識別番号: LC113-41B
総重量: 50t
シャシー: GST-ライト エンドースチール
動力: デファイアンス300 ライト・フュージョン
巡航速度: 65km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: デュラレックス・ヘビー with/CASE
武装:
2×ターヘス・サンダーボルト12 大口径パルスレーザー
1×デファイアンスE5L 射程延長型小口径レーザー
1×ホリー SRM6-ラック
コメント:
この50tの“ゴースト”は、ワード・オブ・ブレイクの“聖戦”の終りが近い頃に人気機種の“グリフィン”を補完するものとして出現した。これは、軽量のエンジンと内部中枢の使用によって可能とされた、優秀な地上速度と恐るべき中距離兵器の砲列を備えている。この様に、装甲と兵器により重量が捧げられている事により、“ゴースト”はハンター・キラー任務と重侵攻に最適のものとなっており、スフィア共和国成立後の荒れ狂う年に広く使用されているのが見られたのであった。
識別番号LC113-41Bはシュタイナー家用に作られたが、当時、クリタ家に雇用されていた傭兵部隊ファイティング・インテレクチュアルによる襲撃の際に捕獲された。その後のリャオ家に対する戦闘で、ヤルタ自身が単独戦闘でこの“ゴースト”を行動不能にする止めの一撃を与えた事により、ファイティング・インテレクチュアルはこの機体を惑星“テン”にてヒリツ家の部隊に対して失った。ヤルタはこの勝利を祝して、自身の戦利品に“エンライテンド・スピリット(啓発された魂)”との愛称を付けている。
氏名: フラヴィオ・ロドリゲス (Flavio Rodriguez)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: マッカロン装甲機兵団
メック: コシ
生年月日: 01/28/3089
髪: 茶
目: 緑
フラヴィオ・ロドリゲスは、ジェイコブ・バンソンのバンド・オブ・ファイブ外で見られる中で最も貪欲で残酷かつ臆病な男の1人かもしれない。カペラ大連邦国に於ける豊かな背景――かつて傭兵部隊であったマッカロン装甲機兵団との幾つかの道に於ける結びつき――により、ロドリゲスの将来はあらかじめ彼にとって良好に設計されていた。自惚れて甘やかされた彼は自身の周囲の者達への無頓着な軽侮の念を増大させていき、自身が欲したありとあらゆるものを取り、家族に処理しなければならない問題を残していた。ギャンブル、アルコール、麻薬、等々の悪習に耽る彼は、ともかくも、間違った方向に踏み出したり自身が免職されたりせずに機兵団の隊内にいるのに丁度ぴったりの機転と注目を保持している。彼の数え切れない無分別――数回の失踪や3人の女性と1人の男性の従者の時ならぬ死――の結果として、未だにマスキロフカはこの男に関するファイルを保管している……彼に対して行動を取る余地があったにも拘らず。
メック: コシ
識別番号: SF2055-14B
総重量: 25t
シャシー: タイプ2・スタンダード エンドースチール
動力: 175XL
巡航速度: 75.6km/h
最高速度: 118.8km/h, 151km/h with/MASC
ジャンプジェット: グラッドスラストMkI (180m)
装甲: フォージングZM7 フェロファイバー
武装:
6×モデルII 小口径ヘビーレーザー
コメント:
非常に高速な“コシ”は、3050年代初期、“地球”に向かっての容赦の無い打通に於いて氏族がライラ人・ドラコ人・ラサルハグ人達の国家に対する彼等の攻撃を開始した時に、最初に中心領域の戦士達の度肝を抜いた。軽量であるが信じ難いほどに良好な武装が施されたこの“コシ”(氏族では“ミストリンクス”の名で知られている)は、高速偵察と敵の偵察機を阻止する機甲/軽メックの能力を持った両用バトルメックである。
SF2055-14Bは、シーフォックス氏族の惑星“インガソル”の包領経由でカペラ大連邦国に“スクラップ”として売却されたシーフォックス氏族製の“コシ”である。それは技術的には機能しないものになっていたが、シーフォックス氏族はリャオ家の技術者達に、それとその他の幾つかの“スクラップ”の修復をするのに十分な予備部品を供給したのである。フラヴィオ・ロドリゲスは、自分の“コシ”に“シックス・ガン”と愛称を付けている。その6連装の小口径ヘビーレーザーを鑑みて、彼は敵の歩兵部隊・装甲部隊・支援車輌に破滅的な効果をもたらす為にそれを使うのを好んでいる。
氏名: マレク・ザビエルスキー (Marek Zabielski)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 大連邦国後備機兵団
メック: ワスプ
生年月日: 07/09/3096
髪: 茶
目: 黒
マレク・ザビエルスキーは、3111年に首相へ反抗した事により処刑された2人のカペラ人の工場労働者、グリーシャとスヴェトラーナ・ザビエルスキーの唯一人の息子である。この悲惨な個人的出来事は、悪名高き“リャオの大虐殺”の年、カペラ大連邦国とスフィア共和国の間の国境危機の絶頂時、抗議がスン=ツー・リャオ首相が死亡(もしくは、君の視点によっては“昇天”かもしれないが)したらしい事への憤激により鼓舞された時に起きた。スフィア共和国と戦闘をする事に反対している者達に味方したザビエルスキーの両親は共に、ダオシェン・リャオが権力を握った後に処刑されたのである――皮肉な事に、マレク自身が彼等の“反逆罪”の活動を自身の機兵団の上司に報告した後に。この行動がカペラ大連邦国への無情な忠誠を実証したにも拘らず、ザビエルスキーは長年の間マスキロフカによる密な監視下に留まり続けている――そして、その全ての間に於いて、彼は自身の行動に対して1オンスの自責の念も決して表さなかったのであった。
メック: ワスプ
識別番号: DA4350-11L
総重量: 20t
シャシー: ヘレスポント・タイプW エンドースチール
動力: ヘルメス120
巡航速度: 65km/h
最高速度: 97km/h
ジャンプジェット: ヘレスポント・リーパーズ
装甲: デュラレックス・スペシャルヘビー with/CASE
武装:
1×シリーズ6a 中口径ヘビーレーザー
1דロングボウIII” LRM-10ランチャー
コメント:
今までに作られたものの中で最古の偵察メックであり、そして、今日でも使用されている事により、この“ワスプ”はその偵察機としての役割をより高速でより先進的な設計機によって凌がれてしまっているかもしれないが、安価な都市鎮圧や軽装の守備隊の支援ユニットとして未だに広く知られており、大切にされている。マレク・ザビエルスキーのモデル、DA4350-11Lは、元はアンドゥリエン公国――自由世界同盟の元・構成国の1つ――によって配備されたのであるが、国境紛争にてリャオ家によって捕獲され、捕獲した氏族の技術で修理された。そして、その結果は、これを大抵の“ワスプ”よりも致死的なものへとしたのであった。
ザビエルスキーは自身の“ワスプ”に”バズソー”と愛称を付けており、彼は特に戦場――彼の兵器が最も有効な効果を持つ場所――でインダストリアルメックと軽量級バトルメックを目標にする事を好んでいる。しかしながら、彼は重量級メックと車輌に対しては彼は遥かに控え目であり、強力な支援があった場合にのみ交戦する方を好んでいるのである。
氏名: ジャス・フィロス (Jas Phillos)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 大連邦国後備機兵団
車輌: ガレオン軽戦車
生年月日: 06/10/3100
髪: 茶
目: 青
ジャス・フィロスは、20歳の若き時にカペラ大連邦国軍で兵籍に入った生粋の戦車兵である。兵站部での勤務にて過ごした2年間で以って歩兵戦術の訓練を受けた彼は、それ以来13年間、全ての地上レベルの戦闘の局面の一部を経験してきており、この事は今日の彼の大連邦国後備機兵団の指揮官の地位を説明するものである。フィロスがカペラの愛国者でカペラ大連邦国の人民と政府に熱狂的に忠誠を誓っており、そしてそれと正に同様に自分の兵士達の幸福に身を捧げているのは、特に驚くべき事では無い。しかしながら、これらの2つの理想は彼を時折悩みへと陥らせており、それ故に彼は最後の瞬間に自分の指揮下の包囲された兵達を救う為の命令を決断するであろう――個人的な危険を冒し、命令にも反して。自身を弁護する中で、フィロスはしばしば自分の個人的な格言――“全ては、首相に奉仕する者達を救う為の奉仕である”――を頼みにしている。
車輌: ガレオン軽戦車
識別番号: DO0501-65M
総重量: 30t
駆動方式: 装軌式
動力: 210GTEM 核融合
巡航速度: 76km/h
最高速度: 119km/h
装甲: ジョラーサ328 フェロファイバー
武装:
2×ヘリオン-V 中口径レーザー
1×プリーストリィ600p 中口径パルスレーザー
コメント:
“ガレオン軽戦車”は、元は自由世界同盟によってオリジナルの星間連盟防衛軍が使用する為に製造された由緒ある偵察車輌である。良好な地上速度とエネルギー兵器、全てに於いて手頃な価格が結合している、この“ガレオン軽戦車”は好まれる車輌となり、そして、継承権戦争を通じて生産と生産ラインが保持された。新技術の発見は、単にこの装甲車輌を戦場の指揮官にとってより価値のあるものにしたのみであった――価格が著しく高くなったのにも拘らず。
この型は、オリエント公国――“聖戦”の混沌の最中とその後に自由世界同盟から最初に離反した勢力の1つ――用に製造されたものである。これは3117年の惑星“シュエン・ワン”への失敗に終った襲撃の際に、リャオ家によって捕獲された。その現在の指揮官であるジャス・フィロスは現在のカペラ大連邦国の首相へのあからさまな敬意に基づいて、この車輌に“ダオシェンズ・ダガー(ダオシェンの短剣)”との愛称を付けている。
氏名: チー・ユン (Chee Yun)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 武家戦士団
メック: ティ・ツァン
生年月日: 03/30/3097
髪: 茶
目: ヘイゼル
チー・ユンは武家メック戦士系の出であるが、現在のその(所属)武家であるヒリツ家の生え抜きという訳ではない。ユンの祖父のアシゴ・ユンは、ブレイク教徒の“聖戦”の最中に壊滅した4つの武家の内の1つであるフジタ家にて傑出した働きをした。自分の祖父の国家の為の英雄的な自己犠牲の物語に感銘を受けたユンは、サーナ軍事士官学校に入学し、そこにて彼はその一際優れた熱狂的態度とそのメック戦士としての抜群の技量により抜きん出た。そして、彼の献身さと能力は非常に注目すべきものであり、ヒリツ家はそれ故に彼の“高齢”(当時、ユンは25歳であり、平均的なヒリツ家への志願者の2倍の年齢であった)にも拘らず彼を入れたのであった。ヒリツ家に奉仕するという名誉に喜んで応じたユンは、先祖に恥じない働きをしている。戦場に於いて、彼は自殺的な無鉄砲さの境界線上に位置すると言える狂信的なまでの豪胆さを示しており、特に自分の僚友達を守る戦闘の際には恐怖を覚えさせる存在となるのである。
メック: ティ・ツァン
識別番号: CC361-20B
総重量: 60t
シャシー: SLスペシャル
動力: 360ヘルメスXL
巡航速度: 65km/h, 76km/h with/TSM
最高速度: 97km/h, 119km/h with/TSM
ジャンプジェット: シェヴロンI
装甲: デュラレックス・ヘビー
武装:
5×ディヴァース・オプティックス 射程延長型中口径レーザー
4×ディヴァース・オプティックス 射程延長型小口径レーザー
コメント:
“ティ・ツァン”は、3060年頃にカペラ大連邦国の最初の国産重量級格闘戦バトルメックとして登場した機体である。強力な3重強化筋肉により強化されたその4tの戦斧、中距離〜短距離レーザーの砲列により、このメックは近接打撃戦に優れている。そして、その装甲と速度により、激しい射撃戦に耐えられるその恐るべき力の全てがもたらされているのであった。
識別番号CC361-20Bの現在のパイロットであるチー・ユンは、自分の“ティ・ツァン”をヒンドゥー教の破壊の女神に因んで“バリ”と名付けている(この名称の選択は、彼が仏教の信者である事から考えると奇妙なものである) 彼はその前のパイロット――かつ同胞のヒリツの戦士――が国境紛争で戦死した後に、この機体を受け継いだ。戦闘に於いて、ユンは自分の同胞の戦士達に対して狂信的な献身を示しており、しばしば、自分自身の負っているダメージにも拘らず、その僚友達を圧倒しかける如何なる敵ユニットの場所にも接近をする。
(訳注: 原文ではカマタ家とヒリツ家の混同がありますが、ここではヒリツ家に統一して訳しました)
氏名: ジェーシン・ベル (Jacyn Bell)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: マッカロン装甲機兵団
メック: ユー・ホワン
生年月日: 01/24/3110
髪: 黒
目: 緑
彼はマッカロン装甲機兵団の旗の下で戦い、ダオシェン・リャオとそのカペラ大連邦国への忠誠を高らかに宣言しているが、我々のソースはジェーシン・ベルがカペラ国民ではない事を確認している。実際、この男性――彼の持つ外国人的特徴はそのたどたどしい北京語からも明らかである――は、本当の所は3050年代後半以降リャオ家のまずまずの同盟国であり続けている辺境国家、カノープス統一政体の出身なのである。女性が支配するカノープス軍の為にバトルメックを操縦するべく訓練を受けたベルは恐らく、統一政体に於ける自分の性別と限定された社会的地位が自分の経歴の妨げになっている、と結論を下した様である。そして、それ故に、彼はその機会を得ると同時にCCAF(カペラ大連邦国軍)への“友好的転属”を受け入れたのであろう。しかしながら、比較的開放的であったカノープスから文化的に厳格である大連邦国への転籍は多少のカルチャーショックであり、ベルはその同僚の多くの周囲にて全く落ち着けない様に見えているのであった。
メック: ユー・ホワン
識別番号: CC201-12A
総重量: 90t
シャシー: チャリオット・タイプII エンドースチール
動力: 360ヘルメスXL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: ローダン-90s
装甲: スターシェル・スタンダード
武装:
1×ヴィクトリー・ブラスター LB-20Xオートキャノン
1×マグナ・ファイアスター 射程延長型PPC
1×ゼウス 長距離ミサイル10-ラック
2×マーテル 中口径レーザー
1×レイカー-IV 中口径パルスレーザー
コメント:
カペラ大連邦国は“新生”(もしくは“リバース”)として有名なその国家再生プロジェクトの一環で、強襲メックである“ユー・ホワン”を就役させた。ワード・オブ・ブレイクの助力を受けて、メック製造ラインの幾つかは再建/再稼動をされ、明白なカペラの趣を備えた新設計機のシリーズに生命をもたらす事となったのである。“ユー・ホワン”はこのシリーズの中で最も重い機体の1つで、その重厚な装甲の施された可動性の高いフレーム内に強力かつ多様な重兵器を詰め込んでおり、カペラ大連邦国中の重装部隊や強襲部隊で即座に人気機種となった。
ジェーシン・ベルは、自分の“ユー・ホワン”(識別番号CC201-12A)に“サンダーボール”と愛称を付けている。この機体は最近になり製造ラインから出てきたばかりであり、多くの新たな外観上の強化措置が織り込まれている。戦闘に於いては、ベルは良好な射点を得る為に“ユー・ホワン”のジャンプジェットを使用し、そのレーザーとPPCを頼みにし、このメックの破滅的な実体弾兵器を近接戦用に温存しておく傾向がある。かような“純粋”なカペラの強襲メックを操縦するという名誉を彼の様な外国人に許している理由は不明である――しかし、我々はこの疑問について取り組んでいる。
氏名: ノエル・ウルタド (Noel Hurtado)
所属勢力: リャオ家
所属部隊: 大連邦国後備機兵団
メック: トール(ソア)
生年月日: 08/28/3097
髪: 灰
目: 茶
ノエル・ウルタドは、根は優しいが、その能力が意欲を満たすのには多少足りない人物の古典的な一例である。彼は13歳の時に惑星“リャオ”での出来事を目撃し、カペラ人の全てが感じたものと同じ激しい怒りを持ち、スフィア共和国が「自分達の破滅を熱心に企む邪悪な成り上がり者である」という見解を深めていった。そして、3112年、彼は自分の年齢を偽りCCAFに入隊し、辛うじて突破した一連の激しい訓練の後、神経反応ヘルメットを被れる権利を獲得した。不屈であった彼のモットー――「首相が自らを犠牲にしたのと同じく、我々も犠牲になるべきだ」は、カペラの新兵募集スローガンの1つへとなっている。しかし、その献身にも拘らず、ウルタドは有能な一メック戦士以上の存在には決してなれず、大連邦国後備機兵団にてほぼ誰にも気にされない1人の“職業軍人”でいるのであった。
メック: トール(ソア)
識別番号: JF3307-61K
総重量: 70t
シャシー: オリヴェッティT4 エンドースチール
動力: 350マグナXL
巡航速度: 55km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: コンパウンド・ベータ フェロファイバー
武装:
2×タイプXV“ロングボウ” LRM-15ランチャー
2×タイプV“ロングボウ” LRM-5ランチャー
1×ジェネラルシステムズ アドヴァンスド・タクティカル・ミサイル6
1×ジェネラルシステムズ アドヴァンスド・タクティカル・ミサイル9
2×シリーズ1 ER小口径レーザー
コメント:
この重量級の“トール(ソア)”バトルメックは、3050年代の中心領域へのその侵攻の際にはジェイドファルコンの第一線部隊の主力であった。良好な装甲・機動力・火力――そしてその搭載兵器に対処する放熱能力――により、“トール(ソア)”はジェイドファルコンが尊ぶ確固とした致死性を具現化した存在であった。そのタウマンに対するそれの重要性により、ジェイドファルコンは自分達の惑星“ズデーテン”のバトルメック工場に念を入れて“トール(ソア)”用の生産ラインを複数追加し、本国との繋がりが断たれた後でさえもこの機体の配備を続けるのを守った。
しかしながら、シーフォックス氏族は惑星“トワイクロス”での神判に於いてこの“トール(ソア)”を捕獲した。その後、彼等はこれを惑星“インガソル”の自分達の物資集配センター経由でカペラ大連邦国に売却した。ノエル・ウルタドはその自分が熟達している火力支援能力を当てはめて、この機体に“ブレイジング・ハイル”との愛称を付けている。彼は、この機体のミサイル・ラックを使用して破壊的な間接射撃を送り込む事を特に好んでいる。