O5P Dossier: Highlanders


氏名: クラレッサ・フランシス (Claretha Francis)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: ノースウィンド・フュージリアーズ
メック: ヴァリアント
生年月日: 06/13/3103
髪: 黒
目: 緑

 ノースウィンド・フュージリアーズ連隊の多くの者と同様に、クラレッサ・フランシスは、HPGの停止がハイランダーズの組織と更なる連隊の必要性を導くに至る前は予備兵であった。また、ノースウィンド・フュージリアーズの他の多くの者達と同様に、彼女の一族の系譜にはスフィア共和国の下で解隊される前のノースウィンド・ハイランダーズのノースウィンド軽機隊での勤務が含まれている。HPGの暗黒が降りた時、フランシスは即座に新たに創設されたノースウィンド・フュージリアーズ内での偵察員としての常勤の軍務の為に自身の会計の仕事を辞め、タラ・キャンベル伯とスフィア共和国への忠誠を誓った。自身の以前の職業のお蔭で、フランシスは鋭い分析的な思考力を有しており、彼女の観察力と会計の技能はハイランダーズの兵站の能率化に非常に役立っている。戦場では、それらと同じ能力が彼女の素晴らしい操縦技能と調和し、彼女を理想的な偵察メック戦士にしている。しかしながら、彼女の砲術と近距離戦でのパフォーマンスはノースウィンド・フュージリアーズの平均を僅かに上回っているに過ぎないのであった。



メック: ヴァリアント

識別番号: RS153-61B
総重量: 30t
シャシー: スモール・バグ-B
動力: 210GM XL
巡航速度: 76km/h
最高速度: 119km/h (151km/h with/MASC)
ジャンプジェット: 無し
装甲: ヴァリアント・ガントレット・スタンダード
武装:
3×ブライト・ブルーム 射程延長型中口径レーザー

コメント:
 小さく、高速で、軽量の打撃者であるこの“ヴァリアント”は、偵察、後衛、側面攻撃機動を意図している。ハチェットと、同様に強力な3基の中距離レーザーを備えたこのメックは困難な地形での接近戦闘に熟達しており、そこにてその優秀な機動力は大部分の反撃砲火を回避する事をそれに可能とさせている。
 RS153-61Bは3120年にスフィア共和国軍用に製造され、惑星“ノースウィンド”の正規防衛軍の一部として配備された。その全ての時に於いて、このメックは決して戦闘に加わる事は無く、主にパレード行進や訓練演習に用いられ、故にこれは暗黒が降り懸るまではその武装を怒りの中で放つ事は無かったのであった。この“ヴァリアント”の現在のパイロットであるクラレッサ・フランシスは、これに“シャドウ・フォックス”との愛称を付けている。彼女の好む戦闘スタイルは自身の距離と側面位置を維持する事に集中して敵のユニットを可能な限り回避し、自身が遭遇する如何なる孤立した敵対者も狙い撃つとのものである。



氏名: ドック・スチュワード (Dock Steward)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: 共和国護衛兵団
メック: ウォーハンマーIIC
生年月日: 08/23/3097
髪: 黒
目: ヴァイオレット

 ドック・スチュワードの心は正しい位置にあり、危険に晒されているスフィア共和国を保護する自身の献身を補強する技能を彼が持っているにも拘らず、彼はハイランダーズの勢力とその共和国護衛兵団に対する負担を増加させ続けている。生来の化学的不均衡(脳内の神経伝達物質代謝異常)の受難者であるスチュワードは躁鬱性行動の全ての古典的な徴候を明らかに示してきており、その状態は恒星間通信の崩壊以降、悪化しているのである――広範な薬剤の投与と治療にも拘らず。その結果として、スチュワードは、特に砲火の下では、ますます当てにならなく、何をするか予測できない存在へとなりつつある。適正な人材を必死に欲している彼の上官はHPGの停止以降、彼が操縦している強力な“ウォーハンマー”に価値を見て彼を部隊に留めている。しかし、彼の状態の悪化が続いた場合、彼が降格されるか、地上勤務に廻されるか、完全に任務を解かれるかするのは、時間の問題に過ぎないのかもしれない。



メック: ウォーハンマーIIC

識別番号: IH7180-13E
総重量: 80t
シャシー: SFX-80 エンドースチール
動力: タイプ10 320 核融合
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: フォージングZM15 フェロファイバー
武装:
4×シリーズ7K 射程延長型大口径レーザー
2×パターンJ7 SRM-6ランチャー
1×シリーズ1 Mk3 射程延長型小口径レーザー

コメント:
 装甲と火力のリヴァイアサンであるこの“ウォーハンマーIIC”は、継承権戦争以前の時代からの強力なクラシック・デザインの氏族の手による強化バージョンである。一般に強力なエネルギー兵器で武装して破壊的な近接戦闘用に短距離ミサイルでバックアップされているが、数世紀の間には多数の派生型が出現しており、その中には強攻撃力と遠距離攻撃力の為に4連装の射程延長型レーザーを誇っているこのアイスヘリオン氏族の型も含まれている。
 IH7180-13E(“ライトショー”)――ヘルズホース氏族の侵攻の最後の日々に於けるアイスヘリオン氏族の滅亡の際に捕獲された――は、ブレイク教徒達に対抗するストーンの連合軍に参加した僅かなヘルズホース氏族の部隊の中に存在した。そのメック戦士は太陽系の“火星”を巡る激戦に参加し、そして、戦争が終結した後、彼女がストーンの後を追って彼の共和国に入るのを選んだ時、彼女は自身と共にこの由緒ある機体を持ち込んだのである。



氏名: カーヴァ・グレーヴズ (Kava Graves)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: 第1カーニィ隊
メック: トール(ソア)
生年月日: 03/23/3099
髪: 茶
目: 灰

 暗黒がスフィア共和国に降り懸った時、惑星“サダルバリ”――ここにて彼女はデルヒアンにあるサダルバリ・ソリューションズ・ディストリビューション・センターのローダーメックのパイロットとして働いていた――のネイティブであるカーヴァ・グレーヴズは、惑星市民軍の才能はあるが過小評価されていた“予備役兵”であった。今にも起るかもしれない侵略に偏執的になった政府により戦時勤務へと召集されたグレーヴズは、第3宙域と第4宙域に渡って散発する戦闘のレポートを理解すべく自身の全力を尽くした。ここで、問題がどれ程広がっているのかを理解し、スフィア共和国の権威が失われている中で自身の指導者達が自分達の権力基盤を確保する為に策動しているのを見た彼女は、彼等が最も近い国家を保護する為に身を捧げている――彼女が信頼するには余りにも欲深いと考えた単なる将軍達の野心ではない――組織であると信じて、新たに発足したハイランダーズの勢力へと離脱した。そして、ハイランダーズの血統を欠いているにも拘らず、グレーヴズが地元で培った技能が彼女をエリートの戦士に値する者へとしていた事が明らかになった時に、彼女は実際に第1カーニィ隊の地位を勝ち取ったのである。



メック: トール(ソア)

識別番号: GB2798-54M
総重量: 70t
シャシー: オリヴェッティT4 エンドースチール
動力: 350マグナXL
巡航速度: 55km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: コンパウンド・ベータ フェロファイバー
武装:
3×タイプXV“ロングボウ” LRM-15ランチャー with/アルテミス
2×タイプV“ロングボウ” LRM-5ランチャー with/アルテミス
2×シリーズ1 ER小口径レーザー

コメント:
 この重量級の“トール(ソア)”は中心領域に侵攻をした際の氏族の第一線の部隊に於いては人気機種で、優秀な装甲・機動力、熱効率の良い兵器群を誇っており、この事はその中心領域の対戦相手達を驚愕させた。ジェイドファルコンで好まれているだけでなく他の侵攻氏族達の中にも見受けられる(例えばその1つである)“ミサイル・ボート”型の“トール”は、氏族の主要な攻勢の際にはしばしば強襲編成の中心にいる姿や機動火力支援機として活動している姿が見られた。
 “聖戦”の最中の惑星“セバルライ”の解放の際にゴーストベアー氏族によって使われたGB2798-54Mは、ブレイク教徒の中性子爆弾がそのパイロットを殺害した後にはデヴリン・ストーンの連合軍に回収され、通信が崩壊した時には惑星“サダルバリ”に駐留している市民軍部隊の中に存在していた。そして、当時それを操縦していた市民軍のメック戦士、カーヴァ・グレーヴズは、自身が発足して間もないハイランダーズ勢力に参加した時にそれを携えていったのである。彼女は、これに“スノーストーム”と愛称を付けている。



氏名: ロテム・フリドベルク (Rotem Fridberg)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: ノースウィンド・フュージリアーズ
メック: コディアック
生年月日: 06/29/3102
髪: 無し
目: ヘイゼル

 ロテム・フリドベルクは、デヴリン・ストーンが自身のスフィア共和国に作り出す事を熱望した文化混合の成果である。氏族とライラの伝統が結び付いた両親に生れたロテム・フリドベルクは、両世界の最高のもので以って祝福された。彼のコンパクトかつ筋肉質の体格は優秀な戦士を作り出す為に氏族によって使われた、精選された数世紀間に渡る人工授精の恩恵を受けたものであり、一方、細部を見抜く鋭敏な知性と鋭い眼識――ライラの一般的な特性である――は彼を騙すのが困難な存在へとしている。しかし、フリドベルクをハイランダーズの一員としたものは、その血統にも拘らず彼が常に惑星“ノースウィンド”を自分の故郷であると認識しているとの事実である。ハイランダーズの故郷で生まれ育った事からもたらされた愛国心の観念によって突き動かされたフリドベルクは“ノースウィンド”の市民軍での経歴を歩み、暗黒がスフィア共和国全域に広がった時は非常勤のメック戦士として勤務していた。故に、彼はタラ・キャンベル伯の動員令に最初に従った者達の中に含まれており、そこにて彼の操縦技能は素早くノースウィンド・フュージリアーズでの地位を彼にもたらしたのである。



メック: コディアック

識別番号: GB671-74L
総重量: 100t
シャシー: アルシャインLXL エンドースチール
動力: フュージョン400XL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: クラン・スタンダード・タイプA5
装甲: フォージングAD56・スタンダード
武装:
2×タイプXX“グレートボウ” LRM-20
1×タイプX“ショートボウ” LRM-10
1×クランMk.XVII 射程延長型PPC
8×シリーズ1 射程延長型小口径レーザー

コメント:
 この100tの“コディアック”は容赦のない火力と良好な機動性が事実上破壊不可能な1つのパッケージ内に纏められた事により、疑いもなく今までに考え出された中で最も破壊的な氏族のバトルメックである。ゴーストベアー氏族のトーテム・メックであるこの機体は、それが導入されて以来、中心領域と氏族のメック戦士達に等しく恐怖を起こさせている。そして、その多くが単独で戦闘に勝利する事で有名である。
 GB671-74Lは、レイザルハーグ統制が公式に成立する前、ゴーストベアー氏族用に最初は製造されたが、惑星“セバルライ”での熾烈な戦闘後に酷いダメージを受け、スクラップにする為に放置されていた。デヴリン・ストーンの連合軍内の氏族の技術者達はこの機体を修復する事を後に為し遂げ、ブレイク教徒の狂信者達が倒された後に新たに生れたスフィア共和国の武器庫にこれを加えた。かような経緯により標準の“コディアック”と搭載武装が異なっているが、致死性は(標準のものと)同等である。このメックの現在のパイロットであるロテム・フリドベルクは、そのゴーストベアー氏族の起源に敬意を表して、これに“ロスト・カブ(行方不明の子熊、死んだ子熊)”との愛称を付けている。



氏名: アリソン・ペラヨ (Alyson Pelayo)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: ノースウィンド・フュージリアーズ
車輌: ドナール強襲ヘリコプター
生年月日: 05/12/3099
髪: 黒
目: 黒

 既に30代も半ばに達しているのであるが、アリソン・ペラヨの心は未だに子供で、その事は士官クラブや大食堂よりもテーマ・パークやアーケードでの気晴らしを好むといったものによって証明されている。更に、彼女の話し方や行動様式は、熟練の戦闘パイロットというよりも高校生の少女といった印象を与える。この様な理由により、多くの者が彼女を過小評価する傾向にある。しかしながら、実際には、IQテストの成績と適性試験は、ペラヨが非常に鋭利な知性と政治/戦術についての才能を所有している事を証明しているのである――しかし、彼女はこれらの才能を、多大な努力で以って磨いている遊び好きの若者風な外面の下に隠しているのであった。任務外の時には、ペラヨは可能な限り多くの時間を、地元のモールや若者が良く徘徊しているその他の場所で過ごしている。そこにて、彼女は若い世代との“接触”を維持する為に、衣服・宝石・音楽・映画の最新のファッション・トレンドを観察しているのである。



車輌: ドナール強襲ヘリコプター

識別番号: SR6034-133D
総重量: 21t
駆動方式: VTOL
動力: 核融合50
巡航速度: 97km/h
最高速度: 151km/h
装甲: コンパウンドA2F・フェロファイバー
武装:
1×シリーズ7J 射程延長型大口径レーザー
2×パターンJ2 ストリーク-2 SRMランチャー

コメント:
 VTOLとしては重装甲が施され、また、氏族の高度な軍事技術を使用して作られた“ドナール強襲ヘリコプター”は相当な火力を戦場に素早く、正確にもたらすものである。大部分の地上ユニットを軽く凌駕する飛行速度と、その主武装としている強力で射程の長いレーザーにより、“ドナール強襲ヘリコプター”は如何なる気圏戦闘機ともほぼ同様に戦場を掃射する事が可能であり、氏族と同様に中心領域の軍部隊のお気に入りの機動/火力支援ヘリとなった。
 SR6034-133D(そのパイロットによって“スプリンガー”と呼ばれている)は、ワード・オブ・ブレイクの“聖戦”後のある時点にレイヴン同盟の惑星“ルーシャン”で正に製造されたものである。そのパイロットであるレミー・クラウスヴィッヒは、3107年にスフィア共和国に亡命し、彼と共にこの高性能のヘリはもたらされた。機体とパイロットの両者はスフィア共和国の市民軍に編入されたが、数年後には別れ別れとなった。そして、HPG通信網の崩壊前に、最終的にこのVTOLは惑星“ノースウィンド”の防衛軍の一部となったのであった。



氏名: タメカ・プライヤー (Tameka Pryer)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: ノースウィンド・フュージリアーズ
車輌: パルチザン対空車輌
生年月日: 06/05/3107
髪: 黒
目: 茶

 ノースウィンド・フュージリアーズの多くの者達と同様に、タメカ・プライヤーは解散したノースウィンド・ハイランダーズの連隊の末裔の出身である。しかし、HPG通信網が崩壊するまでは、彼女は自分の農耕トラクターの操縦技術を戦闘に使う事は全く想像だにしなかったのであった。タラ・キャンベルの動員令に応じた彼女は、即座に自分が車輌の操縦員としての任務を押し付けられた事を見出した。言及する価値も無い程にほぼ全く戦闘訓練をせずに、“アディックス”侵攻が間近であるとの予想の下に彼女は軽防空戦車に配属されたのである。ドラゴンズ・フューリ―の攻撃の際には、プライヤーの車輌は弾薬集積所の防衛に割り当てられており、そこにて、地上掃射をしてきたVTOLのラッキー・ヒットにより彼女の車輌の指揮官は殺され、砲手も重傷を負わされた。その地域を見捨てる気が無かったプライヤーは砲を操作して盲目的に射撃をし、援軍が彼女を支援しに来れるまでに2機の航空機を撃墜した。そして、それから僅か数日後、彼女は英雄的行動への報奨として彼女独自の車輌の指揮権を与えられたのであった。



車輌: パルチザン対空車輌

識別番号: RS0517-146B
総重量: 50t
駆動方式: 装輪
動力: 200ニッサン
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
装甲: カロン・ユニティウィーヴ・フェロファイバー
武装:
2×ディファイアンス・シュレッダー LB 5-Xオートキャノン

コメント:
 3110年、カロン・インダストリー社は、より高速で安価ではあるが機動防空プラットフォームとしての能力は同程度である型――自分達の成功作である“パルチザン対空戦車”の軽量型――を発表した。低空飛行のVTOLと地上の歩兵部隊の双方へ対して用いるのに理想的に適している軽量型の“パルチザン”は、どの様な軽装甲の目標に対する際にも効果的に使用可能なように2基のLB 5-Xオートキャノンを備えている。
 タメカ・プライヤーの“パルチザン”は惑星“ノースウィンド”の拠点防衛用のもので、彼女が受領した際にはまだ工場から出た時のオリジナルのセイフティ・シールを帯びていたものである。“アディックス”戦後に配属された彼女の新たな乗組員達は彼女と共にほぼ毎日訓練をしており、既に模擬戦場にて順調に機能する車輌の滑らかな姿を実地で見せている。プライヤーは、彼女の乗組員仲間達に自分達の能力を向上する為に他の人員の任務を覚えるよう主張しており、彼女が“アディックス”で経験した状況を彼等全員が直視するべきであるとしている。しかしながら、非常に興味深い事に、彼女は一個人として砲を操作する事は避けているのである。



氏名: ジョエル・ブレイン (Joel Brane)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: 第1カーニィ隊
メック: コシ
生年月日: 03/26/3106
髪: ブロンド
目: 緑

 第1カーニィ隊で最も熟練した戦士の1人であるジョエル・ブレインは、恐らく、前指揮官が退役した時に部隊の指揮を執る事ができた筈である。しかしながら、彼はただ指揮を執る事を全く望みはしなかった。
 ジョエルは決して特に活動的な人ではなく、また、彼の物事に頓着しない性質は、反抗的で秩序正しさに欠けている(本に記載されているルールのほぼ全てを破るのは言うまでも無い)人物、或いは彼の部隊で偶に起こるいざこざの際に喧嘩をしているパイロット達と一緒に鎮圧されるような人物に見せているかもしれない……1つの点――彼の天性の才能を除いて論評するのならば、だが。ブレインは、ノースウィンド軍士官学校の史上で最も天分に恵まれたメック戦士の1人なのである。尤も、彼は名誉ある卒業には失敗している――(繰り返すが、彼はこの事を全く気にしてはいない) そして、この種の無頓着さは、彼の上官達や彼の部下のメック戦士達と重大な不和を起こす原因となっているのであった。
 しかしながら、彼の指揮下に留まる者達は軍の秩序に頓着しない傾向を有しているのではあるが、ハイランダーズ内の他の如何なる部隊と比較しても高い生存率を誇っているのである。彼の辿った人生を婉曲的に表明するかの如く、ブレインの“コシ”は、“チル(冷淡、クール、リラックス、無頓着の意)”とニックネームが付けられている。



メック: コシ

識別番号: 不明
総重量: 25t
シャシー: タイプ2・STD エンドースチール
動力: 175XL
巡航速度: 75.6km/h
最高速度: 118.8km/h
ジャンプジェット: グラッドスラストMkI
装甲: フォージングZM7 フェロファイバー
武装:
4×タイプ1 クロス・パターン SRMIVランチャー

コメント:
 この快速軽量級メックは、そのパイロットに対して広範な可能性を提供するものである。卓越した速力とジャンプ能力、優秀な放熱能力、装甲防御が、この軽マシンへ付与されている――故に、“コシ”は、ほぼ全ての状況に対しての備えを可能としているのであった。また、“コシ”は良好な攻撃能力も持っている――しかしながら、“コシ”は所詮、軽量級のメックなのである……この機体でより大きなメックに対する時には、パイロットは慎重にならなければいけないであろう。



氏名: クルト・ラールセン (Kurt Larsen)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: 共和国護衛兵団
メック: ヴァリアント
生年月日: 02/07/3095
髪: 赤
目: 茶

 クルト・ラールセンはタラ・キャンベルの新たな新兵達の1人で、彼女が共和国の為に戦う意志を持った強健な全ての者達に呼掛けを発した時に、着の身着のままで参じた人物である。ワード・オブ・ブレイクに対抗するデヴリン・ストーンの十字軍に仕えたシュタイナー家の大佐の孫息子であるラールセンは、不朽の忠誠をその伝統への尊敬からハイランダーズに誓っており、ハイランダーズに参加する為に自分の家族さえも惑星“エーライ”に置き去りにしてきたのであった。40歳近い年齢で、マイニング・メックの操縦士として僅か5年の経験しか所有していないのではあるが、ラールセンは優秀なメック戦士訓練生である事を証明した。彼は本物のメックに座する権利を獲得するのに十分に優れており、そして、惑星“アディックス”で砲火の洗礼を受けて、2輌の車輌の撃破と1機のインダストリアル・メック撃破へのアシストを報告しているのであった。



メック: ヴァリアント

識別番号: DC144-09D
総重量: 30t
シャシー: スモール・バグ-B
動力: 210GM XL
巡航速度: 76km/h
最高速度: 119km/h (151km/h with/MASC)
ジャンプジェット: 無し
装甲: ヴァリアント・ガントレットStd
武装:
1×ディヴァース・オプティックス・サンビーム 射程延長型大口径レーザー
2×ディヴァース・オプティックス 中口径レーザー

コメント:
 小さく高速の“ヴァリアント”は軽量級の戦闘機で、後衛での作戦や迂回機動作戦を想定したものであるが、厳しい地形での接近戦や偵察任務に特に精通した存在でもある。戦場のユニットの大部分よりも速く機動力に勝っており、また同時に、破滅的な砲火の奔流を絶え間なく浴びせられる能力を有しているこのメックは、戦線後方への襲撃用に特に好まれる存在へとなった。追い詰められた場合には、その強力なハチェットは“ヴァリアント”のレーザー砲列をバックアップするものである。
 クルト・ラールセンの“ヴァリアント”――“ストーンズ・レガシー(ストーンの遺産)”との愛称が付けられている――は、ドラコ連合の軍部隊で用いられていたもので、“聖戦”の暗黒の最中に工場から新品同様で出てきたものである。元は第9光の剣連隊に属していたこのメックとその操縦士は、戦後にデヴリン・ストーンの共和国に加入した。そして、ドラゴンズ・フューリーのエリートのアマテラス連隊に属する事になっていたのである。しかし、惑星“アディックス”で捕獲されたこれは、ラールセンの指揮下に移されたのであった。



氏名: メルヴァ・ゴーラン (Melva Golan)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: 共和国護衛兵団
メック: ブラックナイト
生年月日: 12/21/3098
髪: 黒
目: 緑

 メルヴァ・ゴーランは共和国に実際に住んだ事は全く無い――しかし、それにも拘らず、タラ・キャンベル伯が出来て間もない自分の共和国護衛兵団を完全にする為に(共和国を)防衛する者を募る呼掛けを発した時には、彼女は熱烈にそれに応じたのである。実際、由緒ある“ブラックナイト”バトルメックを持って来たこの長身でしなやかな女性は、HPG通信網の閉鎖以前はフリーランサーの傭兵であった。故に、デヴリン・ストーンによって創設されたこの国と彼女の唯一の関係は、傭兵の星である“ガラテア”への頻繁な往復を果す為だったのであった。自身のみが知る理由――そして恐らくキャンベルも知っているであろう理由――の為に、彼女は正規のメック戦士としてハイランダーズとの契約に同意し、金よりもその理由の為に戦う事にしたのである。この奇妙な取り決めを説明するのに最も適しているであろう我々の推測は、ゴーランが実際に彼女の血管内にノースウィンド・ハイランダーズの血が流れているか、彼女が単にフリーランスの傭兵としての不安定な生活に疲れたのかのいずれかであろうと思われる。



メック: ブラックナイト

識別番号: NH6921-47A
総重量: 75t
シャシー: テクニクロン2D
動力: ヴィラー300XL
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: ヌマール・デュラボンド
武装:
2×ディヴァース・オプティックス・サンビーム 射程延長型大口径レーザー
2×ディヴァース・オプティックス 小口径レーザー
2×ディヴァース・オプティックス 中口径レーザー
1×ディヴァース・オプティックス 射程延長型中口径レーザー

コメント:
 良好な装甲が与えられ、卓越した機動力、火力、放熱能力を併せ持つ由緒ある“ブラックナイト”は、中心領域の中で長年の間、最も重んじられていた重量級メックである。攻撃任務と防御任務に等しく理想的であるこのメックの全てがレーザーである武装配列は、他よりも長い戦場の保持を可能としており、その戦場での優秀な持久力の重要な要因となっている。
 非常に興味深い事に――そして、彼女がハイランダーの血筋の出身であるという説を補強するものとして――、メルヴァ・ゴーランの“ウェイリング・バンシー(嘆き叫ぶバンシー)”との愛称が付けられた“ブラックナイト”には、ノースウィンド・ハイランダーズの識別番号が刻まれている。しかしながら、我々の記録はこの現行の機体が“聖戦”の戦闘で倒され、その操縦者もその戦闘で戦死した事を示しているのである。我々は恐らくゴーランの先祖の1人が廃物回収を要求し、長い年月の中でそれを復元して後の数世代に渡って受け継がれてきたと考えている。この先祖もまたノースウィンド・ハイランダーズであったかどうかについては、議論が交わされるものである。



氏名: ナオミ・カティーナ (Naomi Katina)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: ノースウィンド・フュージリアーズ
メック: ヴァルチャー
生年月日: 07/04/3105
髪: 茶
目: 緑

 惑星“ノースウィンド”で生まれた訳ではないのであるが、デヴリン・ストーンの再植民プログラムに従って惑星“ブライアント”へ移住する事を選択したハイランダーの戦士達の子孫として、ナオミ・カティーナは高名な“ノースウィンド・ハイランダーズ”の継承者であると主張している。フュージリアーズの大多数の者達と同様に、ナオミはハイランダーズの栄誉ある過去へ関係がある事を非常に誇りに思っており、そして、彼女はメック戦士としての訓練で抜きん出た――これは、彼女が少女の時から教育を受けていた事が少なからず助けとなったものである。
 カティーナの武勇は名高い“アディックス”戦役が勃発する直前に、タラ・ビショップの指揮小隊内に属する地位を彼女にもたらす事となった。かようにして、彼女は“ネオ・カルタギア”の戦闘で最初の実戦を味わう事となり、そして、ドラゴンズ・フューリーの車輌と歩兵分隊、計3つの撃破を記録したのである。
 カティーナはハイランダーズ内での自身の立場を非常に誇りに思っており、その指揮官――タラ・キャンベル伯――の理想を心に留めている……彼女はキャンベルが持つ(対立派閥への)敵意も共に抱く程なのである。また、共和国の中央政府の失墜の責任を全ての派閥に負わせているのであるが、カティーナは――キャンンベルと同様に――ドラゴンズ・フューリーとスチール・ウルヴズに最も直接の責任があるとの考えを保持している。両者は、HPGが機能を停止した時に、最初にその立場を破ったからである。



メック: ヴァルチャー

識別番号: SJ706-15X
総重量: 60t
シャシー: バーガン・バージョン8.3 エンドースチール
動力: 300ヴィラーXL
巡航速度: 55km/h
最高速度: 86km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: コンパウンド24B2 FF
武装:
6×シリーズ7Ja ER中口径レーザー
4×タイプXX“グレートボウ” LRM-20ランチャー

コメント:
 時折、貧乏氏族の“マッドキャット”との札を付けられる“ヴァルチャー”は、中心領域への侵攻時にゴーストベアー氏族に好まれた重量級メックである……もっとも、“ヴァルチャー”は他の氏族のタウマン(軍隊)の中にも非常に頻繁に見受けられるものでもあったのだが。装甲は不足しているが、その相当量の大型LRMラックとパルスレーザーの混載は重メックに対してさえも手酷い打撃を与える事を可能としており、戦場で考慮されるべき力となっている。
 このナオミ・カティーナに操縦されている名無しの“ヴァルチャー”は、稀少な“鳥”と言える。なんと、その起源は3060年に再生した星間連盟の手によって滅ぼされる前のスモークジャガー氏族にあるのである。本機は、(原型機のレーザー兵器群を)より小口径のレーザー兵器の砲列にする事と引き換えに、通常のミサイル・ラックの2倍を搭載している。氏族に奪われたドラコ連合の世界を解放する為の中心領域軍の作戦中に捕獲されたこの機体は、“聖戦”後にクリタ家からスフィア共和国に渡されたのであった。



氏名: サヴォニ (Savoni)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: 共和国護衛兵団
車輌: ベローナ戦車
生年月日: 03/11/3110
髪: 茶
目: 青

 サヴォニは、この小柄で激しやすい共和国護衛兵団の戦車指揮官が答えるであろう唯一の名前である。そして、この理由――それと同じく軍隊外での彼女の社交上のたしなみの欠如――により、多くの者は彼女が実は氏族の出自であるとの結論に飛躍してしまっている。しかし実際の所は、サヴォニは惑星“アウトリーチ”生まれの者であり、かつては中心領域全域の傭兵取引の為の中心地として繁栄していたこの荒廃した不毛の地を適当に放浪している暴力的なストリート・ギャングによって事実上育てられたのである。
 サヴォニが自身の妹と親友が彼女自身が煽動した縄張り争いの狂暴な銃撃戦にて目の前で死亡するのを目撃した時、彼女の残忍で享楽的かつ安易な生き方の代償は明確となった。打ちのめされたサヴォニは次の降下船で惑星“アウトリーチ”を逃げ出し、決して後ろを振り返りはせず、HPGネットワーク崩壊の直前に惑星“ノースウィンド”に姿を現した。そして、地元の勧誘員による幾つかの努力が、何か貴いものと無数の無辜の人々の生命を守る事の方が過去の取るに足らないギャング的な争いに挫けているよりも良いものである事を彼女に納得させた後に漸く、道を見失い幻滅した彼女はタラ・キャンベルの崩壊しつつある共和国を守る為の志願兵募集に興味を持ったのである。



車輌: ベローナ戦車

識別番号: HHB109-63218d
総重量: 45t
駆動方式: ホバー
動力: 核融合タイプ80
巡航速度: 76km/h
最高速度: 119km/h
装甲: フォージングHTT05 with/CASE
武装:
1×タイプ9 ウルトラ・オートキャノン/10
4×シリーズHL-II ライト・マシンガン
2×タイプ14b 火炎放射器

コメント:
 (原文誤植により不明)



氏名: “軍曹”ウェード・デヴォルト (Sgt. Wade Devolt)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: 共和国護衛兵団
車輌: JI100修理車輌
生年月日: 06/06/3100
髪: 茶
目: 茶

 素晴らしい技術者――特に圧迫下(戦時)に於いて素晴らしい――であるウェード・デヴォルト軍曹は、自身の死の観念に取り付かれている男である。何故、彼が共和国護衛兵団の野戦修理部隊への配属を志願したのか、更に言えば、自身の修理車輌を指揮して軍曹の地位へ昇進したのかは、幾つか議論の問題であろう。我々のプロファイラー達による最も可能性の高いであろう推測では、自分の大義の上で他者を戦わせるとの深い罪の意識は実際にデヴォルトを打ちのめすものであり、彼に蔓延った死の偏執的な観念を日々増大させていると、今の所示唆さえする程である。
 原因が何であれ、この偏向的な性質は、射撃戦の最中に彼の居る場所へ戻る事が可能なハイランダーズのメックと車輌へ素早く効果的に修理を行うという彼の技術を未だ深刻に妨げてはいない。見た所、彼は他の全てを脳裏から消して自分の作業にあまりにも没頭する事が可能である。故に、デヴォルトは作業を急いで行う事はないであろう……例え、その作業の間に敵部隊が接近したとしても。そして、彼の非番時の陰気な性質は彼とハイランダーズの同僚達との間に不和を生じさせてはいるが、共和国護衛兵団の彼の同僚達の大部分は彼の仕事の質に対して信を置いているのであった。



車輌: JI100修理車輌

識別番号: ROS100-017
総重量: 70t
駆動方式: 装軌式
動力: 210GM ICE
巡航速度: 32km/h
最高速度: 54km/h
装甲: 1/スタースラブ
武装:
無し

コメント:
 メックの為に設計されたものであるが、また同時に損傷した装甲部隊をも効果的に修理できる能力を持つ“JI100修理車輌”は、今日の戦場に於ける最も一般的な野戦修理/回収車輌である。恒星連邦の惑星“ニューシルティス”に在るジョンストン・インダストリー社によって製造されたこの“JI100修理車輌”は、3つの精巧で完全な関節駆動の“腕”――各腕は多様な切断/溶接機材を完備している――を用いる事によって、車輌の乗員である技術者に戦場へ運ばれた一般的な部品を使用しての速やかなる修理を可能としている。
 重く、鈍く、そして軽武装である“JI100修理車輌”は、直接的な戦闘任務へ用いる事は想定されておらず、大抵の場合は友軍戦線から十分に離れた後方に留め置かれている。しかし、戦局の変化は、指揮官にこれらの貴重なマシンを、損傷したメック・車輌を回収する為に戦場へ投入する危険を冒す事をだんだんと強要するものなのである。この事を念頭に置いて、ウェード・デヴォルトは自身の“JI100修理車輌”――“コフィン(棺)”との愛称が付けられた――に改修を加え、その貧弱な火力と幾らかの積載能力を犠牲にしてより重い装甲を施しているのであった。



氏名: タラ・ビショップ (Tara Bishop)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: ノースウィンド・フュージリアーズ
メック: パックハンター
生年月日: 01/29/3106
髪: ブロンド
目: 緑

 ノースウィンド・フュージリアーズの将来を嘱望された期待の星であるタラ・ビショップは、変わった血統――彼女がノースウィンド・ハイランダー軍の一員になる事を永遠に妨げるであろう血統を有している。
 3057年後半、30年間もの非の打ち所の無い働き(傭兵契約)を果した後に、傭兵部隊ノースウィンド・ハイランダーズは、彼等の前の雇用主との戦闘をせざるを得ない、防ぐ事が不可能な状況に置かれた。(そして戦闘相手の)第3王宮親衛隊RCTに重大な損害を与えられはしたが、ハイランダーズは最終的に惑星からの撤退を彼等に強要し、当面の独立を勝ち取ったのであった。王宮親衛隊のメック戦士アイザック・ビショップは戦闘の過程で捕虜となり、そして、王宮親衛隊RCTが惑星から退去する前に彼が本国に送還される事は決してなかった。彼は自分が征服しようとした世界で恋に落ち、数年間の仕事を通じて“ノースウィンド”の文化にゆっくりと溶け込む事により、結婚を許されるまでに到ったのである。
 それから70年後の現在、タラ・ビショップ――アイザックの直系の子孫――は、アイザックと彼の子孫達が“ノースウィンド”の一員となる為に断念しなければならなかった(メックの)神経ヘルメットを再び着用した。未だに幾人かの人々は、彼女に流れる王宮親衛隊の血により彼女が裏切る可能性が常に存在していると見なしているのではあるが、彼女の熟練した戦術能力はフュージリアーズでの地位を保証しているのであった。



メック: パックハンター

識別番号: WC834-34C
総重量: 30t
シャシー: タイプAR1 エンドースチール
動力: ライトフォース(XL)210
巡航速度: 76km/h
最高速度: 119km/h
ジャンプジェット: リーパー・モデル、L5
装甲: ロイヤル-7 フェロファイバー
武装:
1×リッパーシリーズA1 ER-PPC
8×ジェネラルシステムズ 射程延長型マイクロレーザー

コメント:
 タラ・ビショップが“リデンプション(贖罪)”と名付けた、この“パックハンター”は、彼女が歩んできた歴史を体現した存在である。3065年、(追放)ウルフ氏族の生産ラインから歩みだしたこの機体がアルファ・ギャラクシーに所属して最初に従事した戦闘は、連邦=共和国内戦の末期の日々に行われた惑星“ターカッド”での大激戦であった。次の偉大なる戦闘――ほぼ死に直面したもの――は、“聖戦”の際の惑星“アウトリーチ”を包囲したワード・オブ・ブレイク軍の後背を破る事を企図した任務部隊に所属してのものである。その時より、スフィア共和国が成立するまでの間、この“パックハンター”は惑星“アウトリーチ”の地表で大部分が破壊された状態で横たわっていた。(戦後に)遺棄品収集が開始された事により、“パックハンター”はスフィア共和国軍の手で持ち去られ、そして、新たな生を与えられたのである。
 現在、ハイランダーズ内で、タラはこの機体の設計が有する時速100km以上に達する驚異的な最高速度と、同様に感動的なまでのジャンプ距離を有している事を高く評価している。



氏名: ヴェラ・ソロモン (Vera Solomon)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: 共和国護衛兵団
メック: シャドウキャットII
生年月日: 11/17/3106
髪: 黒
目: ヘイゼル

 ヴェラ・ソロモンは、崩壊しかかっている共和国を守る為のタラ・キャンベルの呼掛けに熱心に応じた。そして、惑星“タウン”でのマイニング・メックの技術は彼女をメック戦士訓練への理想的な候補者へとした――しかし、我々はこの女性が、彼女の同僚達が信じる彼女では無い事に気が付いた。事実、我々はこのハイランダーズの共和国護衛連隊への最近の加入が実際にはスパイとしての配置で、バンソンズ・レイダーズの為に働く為である、という事を確信するあらゆる理由を持っているのである。
 表面上は、ソロモンの来歴は民間記録と一致するが、我々の諜報員は本物のヴェラ・ソロモンが時ならぬ時に死んだ事を確信している――これで、未だに正体不明のこのバンソンのエージェントは彼女の身元を騙り、キャンベル伯のハイランダーズへの潜入を可能としたのである。このエージェント――彼女の真の身元は未だに未確認である――は、最初から明らかにメック戦士として完成されており、それ故に、新たなハイランダーズの新兵用に創設された短期訓練プログラムを容易に通過したのであった。彼女の優秀な成績は、創設されたばかりの共和国護衛兵団内で彼女が重要な地位を得るのを可能とし、以来、彼女はハイランダーズの兵士の手本としてその地位に留まっている。我々の諜報員はバンソンズ・レイダーズのハイランダーズに対する意図の本質を見極める事を期待して、この人物の監視を継続している。



メック: シャドウキャットII

識別番号: CW590-35S
総重量: 60t
シャシー: オリヴェッティSt3
動力: GM360XL
巡航速度: 65km/h
最高速度: 97km/h (130km/h with/MASC)
ジャンプジェット: クラン・スタンダード A1
装甲: レイディアント シリーズ3
武装:
2×タイプX“ショートボウ” LRM-10ランチャー
1×サンダーストローク・ガウスライフル MkII

コメント:
 高速で俊敏な“シャドウキャット”は、ノバキャット氏族によって最初に配備されたが、最終的には他の侵攻氏族の中にも出現し、偵察部隊や高速攻撃メックとして頻繁に用いられた。その爆発的な速力、先進的なセンサー、重打撃の火力は、侵攻の際には、中心領域のメック戦士に幾度も破滅を与えたのであった。“シャドウキャットII”も同様の系統に沿って設計され、速度を犠牲にする事により戦闘での有効性を高め、多少遅いがより致死的になった型であり、ワード・オブ・ブレイクの“聖戦”の直前に組立てラインから生産されたものである。
 識別番号CW590-35Sは、実際には、ウルフ氏族が世界の奪還を手助けした“聖戦”の後期の際に使われていたものであり、その凄惨な戦争の終結後にスフィア共和国に贈られたものである。恐らく、皮肉な暗いセンスによるものであろうが、ヴェラ・ソロモンとしてハイランダーズで知られている戦士は、自分のメックに“エニグマ(謎の人)”との愛称を付けている。



氏名: マルコム・マクファーソン (Malcolm Mcpherson)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: 共和国護衛兵団
車輌: サンパー間接砲車輌
生年月日: 01/17/3108
髪: ブロンド
目: 緑

 マルコム・マクファーソンは、デヴリン・ストーンの理想と滅びつつある共和国の擁護の名の下、創設された共和国護衛兵団の中でタラ・キャンベルの側に立って戦う為に志願した多くの者達の中の1人である。惑星“アディックス”の熱帯の農家の一族の出身であるマルコムは、ハイランダーズの勢力の構成員の地位を志願するのに遠方へ旅行をする必要は無かった――ハイランダーズは彼の故郷を突然攻撃的になったドラゴンズ・フューリーによる急襲から守ったからである。マルコムの数学の技能と機械学への才能は、彼を間接砲の操作員としての訓練へと誘った。そして、彼は、彼独自の“サンパー間接砲車輌”を指揮する機会がもたらされる前は、機動野砲分遣隊の砲手として数ヶ月を勤めたのであった。
 彼の連隊の相対的な未熟さにも拘らず、マルコムは既にハイランダーズの最高の間接砲砲手の1人としての名声を得ている。彼の技量は素晴らしく、彼は他のどのサンパー砲の砲手よりも、素早く、正確で、密な一斉射撃をする事ができるのである。しかしながら、かような事を為していたとしても、マルコムの戦場での砲撃は明らかに数が限られたものであり、また、彼の車輌は実戦で著しく鈍重なのであった――これは、彼の伝説的な砲術は彼の本来の技量によるものでなく、実際には精密なコンピューターによる結果であるとの幾許かの思いを抱かせるものである。



車輌: サンパー間接砲車輌

識別番号: FWB034-002/1L
総重量: 60t
駆動方式: 装輪
動力: スタンダード220 核融合
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
装甲: デュラレックス・ヘビー
武装:
1×サンパー間接砲
2×ヘリオンCII ER小口径レーザー
4×フェルカーズ200 マシンガン

コメント:
 星間連盟期の“ソア(トール)間接砲戦車”を基にした“サンパー間接砲車輌”の移動中でさえも正確な間接射撃を浴びせる能力は、この車輌を今日で使われる最も一般的な支援機動砲座へとしている。しかしながら、“聖戦”の直前には、これらの新たな系列の車輌はマーリック家の軍部隊に導入されていたものであった。これには星間連盟の技術と設計概念が使われており、自由世界同盟が狂信的なワード・オブ・ブレイクを通して入手した多くを訴えるものである。
 マルコム・マクファーソンによって指揮されているこの“サンパー間接砲車輌”――彼の乗員達によって“アテナズ・ボウ(アテナの弓)”との愛称が付けられている――は、上記の改良された型の1つである。識別番号FWB034-002/1Lは、元々はブレイク教徒への売却用に指定されたものであったが、“聖戦”が開始された際には自由世界同盟軍に戻され転用された。そして戦後、この車輌は、3081年の共和国の成立と共に引き渡されたマーリックの装備の中に含まれていたのであった。



氏名: チャス・カーンズ (Chas Kearns)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: ノースウィンド・フュージリアーズ
メック: テンプラー
生年月日: 01/07/3096
髪: ブロンド
目: 緑

 深いスコットランド訛を持ち、それを証明するかのような傲然とした態度を持っている故に、疑うべくもなくオリジナルのノースウィンド・ハイランダーズの子孫であるチャス・カーンズは、豪胆かつ勇み肌の人物である。元々はノースウィンド市民軍の予備役兵として訓練を受けた彼の本来の専門は、装甲戦闘車輌であった。タラ・キャンベルのハイランダー勢力が創設されてすぐに、彼はベローナ戦車を駆って戦闘に入った。しかし、サルベージメックの操縦に関して彼は天性の才能を持っており、その砲火の下での勇気はやがて彼に強襲型メックを割り当てる事となった。しかしながら、ハイランダーズの幾人かは、彼の地位とバトルメックの割り当てはその純粋な技能のみから来たものではなく、ノースフィンド・フュージリアーズ連隊のもう1人のメック戦士であるロテム・フリドベルクとの深い友誼から来たものである、と言い立てている。しかし、その地位をどうやって得たのかに関係なく、カーンズは数回の激しい戦闘に於いてハイランダーズとスフィア共和国の双方に対して自身の価値を証明しているのである。



メック: テンプラー

識別番号: FS515-03C
総重量: 85t
シャシー: ハーロン・タイプXIX エンドースチール
動力: VOX340ライト
巡航速度: 43km/h
最高速度: 65km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: スターシールドB
武装:
2×サンダーボルト-12 大口径パルスレーザー
2×ブレイズファイアー・ロングショット ER中口径レーザー
2×ディヴァース・オプティックス ER小口径レーザー
1×ターヘス 4パックSRM

コメント:
 連邦=共和国当時のハセク家によって最初に指示され資金を融資されたこの“テンプラー”は、そのダヴィオン国内に於ける彼等が見なす所のAFFCの鈍重な軍アップグレード・プログラムの更なる促進を主に意図されたものである。現存する機体を単に補完するというものではなく、古い強襲型設計機と置き換える事を意図した“テンプラー”は、連邦=共和国内戦の最中に恒星連邦中の幾つかの正規連隊に配備されていった。
 FS515-03Cはかような機体の1つであり、その戦争にてダヴィオン側で幾つかの主要な戦闘を経験している。“聖戦”の際には、そのメック戦士であるロジャー・キャラハン大尉は自分の部隊と共にAWOL(無許可離隊)をし、惑星“キタリー”でのデヴリン・ストーンの反乱を支援すべく移動をした。そして、彼と彼の機体は、ストーンの旗の下に結集した最初の連隊である“ストーンズ・ラメント(ストーンの嘆き)”の一員となったのである。そのオリジナルの所有者の勇気を称えて、チャス・カーンズはこの機体に“キャラハンズ・ラメント”との愛称を付けている。



氏名: メリシエン・テトロ (Melicien Tetro)

所属勢力: ハイランダーズ
所属部隊: 第1カーニィ隊
メック: ロングボウ
生年月日: 08/26/3112
髪: 茶
目: 灰

 HPGネットワークの崩壊前は、メリシエン・テトロはノースウィンド市民軍予備部隊用の“ウィークエンド・ウォリアー(週末のみのメック戦士)”であり、その仕事を自分の“本業”であるアグロメック・ドライバー用の副次収入と見なしていた。共和国と密接な関係にありそれの影響を受けている近隣のダヴィオンの世界の1つである惑星“アルマク”で誕生し、軍の家系で育った彼女は、かような兵役は市民権を獲得する為の純粋な活動の一部かつ市民の義務であると考えていたのである。しかしながら、HPGの崩壊はテトロを常勤状態にし、彼女の適性スコア――特にミサイルと実弾砲撃術――はハイランダーズの支援小隊内の完全なバトルメックを割り当てるのに十分な程に印象的なものであった。しかしながら、その技能にも拘らず、テトロは星間通信網崩壊後の目まぐるしい出来事に追いつけていないかの様に見えるものである。また、彼女は戦場の内外両方に於いて進取的精神に欠けており、しばしば、自分の事を考えるのを他者に依存している。



メック: ロングボウ

識別番号: LA5011-51C
総重量: 85t
シャシー: スターコープ100
動力: ストランド255
巡航速度: 32km/h
最高速度: 54km/h
ジャンプジェット: 無し
装甲: スタースラブ/9.5 Mk II
武装:
2×ホリー LRM-20
2×デルタ・ダート LRM-5ミサイル・ラック
2×セレス・アームズ 中口径レーザー

コメント:
 このクラシックな“ロングボウ”強襲型バトルメックはミサイル支援を念頭に置いて作られたものであり、稀少ではあるが有効な存在で、星間連盟時代以降の全ての大王家軍の中心であった。このロングボウは2610年に登場した派生型で、スターコープ社によって製造されたオリジナル・シリーズに内在されていた幾つかの問題を修正する為にデザインされたものである。依然として評判の良い設計ではないが、それは近接兵装を持っていない事や適正な放熱器の欠如といったオリジナルの設計の根本的な欠陥の大部分を修正している。
 テトロの“ロングボウ”(識別番号LA5011-51C)は、連邦=共和国内戦の末期に戦闘を経験したものである。この“ロングボウ”は、“地球”で勝利をする為にデヴリン・ストーンの連合軍に従った多くのライラ人達が操縦するものの中に含まれており、そして、そのパイロットと機体の双方はそこから共和国の建国に加わったのであった。テトロは、この機体に“ブラック・クラウド”と愛称を付けている。



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