PERSONALITY: Duncan Marik


名前: ダンカン・マーリック
称号/階級: 将軍
地位: マーリック国民軍最高司令官
生誕地: 惑星“マーリック”
年齢: 39
性別: 男性

略歴:
 ヤノスの妹のシルヴィア(彼女は出産から間もなくして死亡している)の唯一の子供であるダンカンは、その人生の半分以上をメック戦士として過ごしてきている。もし、ここ20年間の出来事が異なるものであったのならば、恐らくヤノスは自分と同じような性格をしている事からダンカンを自分の完璧な後継者であると見なしたであろう。しかしながら、(現在)ヤノスはダンカンの事を潜在的なもう1人のアントンと見なしており、彼のロビー活動をもしかしたらクーデターの試みの前兆ではないかと考えているのである。ヤノス・マーリックは(中央司令部を含む)全ての国民軍部隊の間に自分に忠誠を誓う幹部集団を保持し、ダンカンの活動を密に監視させている。その報告書の群れは、この国民軍司令官の不忠行為の証拠が今の所は全くないのを確認し続ける様に見えるものである。しかしそうであっても、もし、ヤノス・マーリックが既に自らの後継者を選んでいる事をこの将軍が知ったのならば、彼が忠誠を保ち続けられるかどうかを予測するのは困難である。

性格:
意欲/欲求/目標:

 国民軍の中でその階級を素早く昇進してきたダンカンは、自らの圧倒的な野心を隠すのを試みた事は一度もない。現在、この将軍は立体ビデオのインタビューと軍事的セレモニーを活発に利用し、自分こそがマーリックの最も論理上必然の後継者であるというその所信を表明している。

様子
 自分の部下達の成功に対して些か過剰に信用を置きすぎる傾向があるが、ダンカンはその他の点では物惜しみをしない指揮官であり、自分の兵達が十分な補給・諜報データ・兵站支援を持つのを常に保証し、作戦ごとに報奨を与えている。彼は結婚をしておらず、彼が総帥の座を獲得して後継者を作る必要が出るまでは結婚をする事はないと思われる。経験も彼を円熟させてはいない様に見える――その無骨なブロンドの髪は、彼が新たに任命された士官としてニューオリンピア士官学校を卒業した時と同じに威勢が良く荒々しいままなのであった。

特技/能力:
 無し。



私評:
 ヤノス・マーリックの甥であるダンカンは、総帥の座に就くという己の野心を隠す事もしない自信家でした。しかし、この振舞はヤノスには嫌われ、秘密裏にトーマスを次期総帥に指名するという彼の考えを補強するものとなってしまいました。
 3030年のヤノス・マーリックが心筋梗塞で倒れた際のトーマス・マーリックの帰還により、彼の総帥への野望は頓挫する事となります。しかし、3035年、マーリック一族の主要メンバーを集めた戦略会議の場に仕掛けられていた爆弾テロを彼だけは逃れる事ができ、棚ぼたで第49代自由世界同盟総帥に就任できました。この事から、ヤノスとダガンを殺害した爆弾テロは彼の手によるものだというのが後に自由世界同盟内では通説となりますが、彼がやったとの確たる証拠は実際には発見されておりません。この説が支持されているのは彼の人徳のなさの証左とも言えるでしょう。
 総帥に就任した後の彼はその強引なやり方により議会からの支持も得られなくなり、低下した支持率を戦争の勝利で回復しようと自由世界同盟を離脱していたアンドゥリエン公国に対して戦争を仕掛けます。しかし、この戦争は準備不足からうまくはいかず、リャオとの戦闘で経験を積んだアンドゥリエン防衛軍の善戦により膠着状態となります。更に悪い事に、その戦争の最中にトーマス・マーリックの“復活”が重なり、反逆者の烙印を押された彼は追い詰められました。自分が生き残るには大勝利を収めるしかないと考えた彼は無茶な侵攻作戦を自ら指揮し、戦場にて孤立した所で乗機のオリオンをアンドゥリエン防衛軍のウォーハンマーに破壊されます。そして、彼は脱出した場所で降伏を宣言しましたが、それに応えて放たれたのはウォーハンマーのマシンガンによる掃射でした。こうして、彼は自分でも予想だにしなかった不本意な死を迎える事となります。彼は、在任僅か18ヶ月という短命の自由世界同盟総帥となりました。

 余談ですが、ダンカン・マーリックは3034年に子供――カルロス・マーリック――を1人儲けています。カルロスは父親の行いの所為で昇進に苦労していますが、父親譲りとも言えるいい性格をしている様です。彼が“聖戦”期の自由世界同盟をどう動かすかは、要注目のものかもしれません。


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